939 :ナイ神父MK-2:2016/01/09(土) 00:01:10
日蘭世界 入れ替わりネタ
開戦の夏
1940年 7月アメリカ合衆国はハワイ奪還に向けてキンメル少将を司令官とした
アジア・太平洋合同艦隊を
ハワイ諸島へと向けて派遣、同時にアラスカへの支援の為にヨークタウンを含む小規模な艦隊を出国させている。
当初こそ奇襲を行うべきでは?と言う意見も有ったが、現状は此方の戦力が圧倒しており奇策に頼らなくても十分に
勝利は確定しているというのが国内の主流で有った。
しかし、その余裕も戦闘までであった目標距離まで到達した空母は一斉に航空機を発進させ迎撃に出てきた日本の航空隊と
戦闘へと入ったしかし、其れと同時に齎されたのは悲鳴に近い増援を求めるパイロット達の声と見間違いかと疑うほどの
敵航空機の反応だった
『敵機は一体何機いるんだ!』
『畜生、周りは敵で空が見えねえ!』
『増援を!このままではぜんめ・・・』
『助け・・・』
艦載機側からの悲鳴とは別にレーダーの観測員達からもとんでもない報告が舞い込んでいた。
「て、敵航空機1000機を越えています!」
「馬鹿な、チャフによる妨害ではないのか!」
「航空隊通信途絶!増援に出した部隊からも応答がありません!」
「もし、この数が本物なら先行している戦艦が不味い!直ちに連絡をしろ!」
艦内が騒然とする中、エンタープライズ艦長は動揺を抑えながらも味方の戦艦へ危険を伝えるべく指示を出していた、しかし
それは既に時遅く、無数の航空隊たちは運んできた荷物を戦艦に投下している最中であった。
「ああ、オクラホマが・・・」
「味方の航空機はどうした!なぜ、支援がこない!」
「対空砲の弾幕を厚くしろ!このままではいい的だ!」
「アリゾナに敵の雷撃が直撃!転覆します!」
「馬鹿な・・・まだ艦隊を確認すらしていないのだぞ・・・」
そう洩らすノースカロライナ艦長を尻目にキンメルはて攻撃は不可能と判断して撤退を決める。
「全艦に撤退命令を、此の侭では傘の無い空母は即座に沈められるぞ」
「敵戦艦を確認!」
「艦種は?全長は、早く報告を!」
「艦種は戦艦特徴から後方に長門型とその類似艦が4隻!前方4隻は不明、長門より遥かに巨大な戦艦と思われます!」
「長門型が4隻だと?見張りは寝ぼけているのか!あの艦が4隻もあるはずが無い、しかも長門以上の大型艦が4隻もだと?ふざけるのも大概にしろ!」
そう怒鳴り返す艦長で有ったが次第に距離を縮まり戦艦が目視で確認できるようになると艦内の誰もが唖然となった
「ジャップがあれ程の戦艦を建造したというのか・・・」
「クソ、どうせ鈍足だ距離がある内に逃げるぞ!」
940 :ナイ神父MK-2:2016/01/09(土) 00:01:42
敵艦の砲撃来ます」
「41cm砲ならまだ射程外だ当るわけが・・・」
「敵の砲撃ニューオリンズに直撃!沈みます」
余りにも早い有効打に誰もが言葉を失う中、一人冷静さを保っていたキンメルは次の策に移る。
「敵の戦力は想像以上だ、この手負いの船で逃げ切れるか解からん。それならせめて一矢報いよう、わが艦と残存した重巡以上の艦は敵戦艦部隊への殿を開始する。
無事な重巡以下の艦はすぐにでも離脱しろ!この戦いの事実を本国に伝えるんだ!」
この命令を最後に一部残存艦艇が大和を初めとする艦隊に対して攻撃を開始するも有効打を与える事無く全滅する。
その様子を確認して小沢提督も一息ついた
「敵艦隊は全滅か・・・一先ずは安心だな」
「はい、しかし油断はなりませんね恐らく連中は小手調べもいいところでしょう。本命は恐らく・・・」
「向こうで建造が進んでいたと言う、伊吹クラスの戦艦か?」
「そう思われますこの戦いでは噂に聞いたビンソン計画の戦艦がまるで見当たりませんでしたし、攻撃してきた航空隊も
数が少なすぎます。当初の予測では少なくても1000機以上、多ければ2000を越えるというのが多くの者の意見でしたし・・・」
「少なくとも次はこれ以上が出てくるか・・・、鎮守府に戻り次第補給と修復に移るぞ次はアラスカへ向かった第4艦隊を援護する!」
この戦闘でアメリカ海軍の太平洋・アジア艦隊の主力を全て喪失、別働隊で動いていたヨークタウンも第四艦隊に見つかり海の藻屑となった
そして同時期に起こった蘭航空隊によるパナマ運河破壊と三式弾頭弾による爆撃は
アメリカの回復能力を大きく減退させ、今後の戦況に大きな影響を与えていく事ととなる。
一方、英国のインド艦隊を撃滅したオランダ艦隊でも困惑が大きかった。
「本命の英国艦隊は何処だ?囮艦隊は撃破できたが肝心の連中が見つからないでは話にならんぞ」
「現在、航空機を使って探索していますが中々・・・」
「あの艦隊が本命だったということは無いでしょうか?救出した船員もイギリス人が中心でしたし」
「しかし、英国軍ならもっと喰らい付いてくるはずだ、たとえ船体が半分になっても砲を失ったとしても奴らは最後の一瞬まで諦めないだろう」
「この世界がの英国軍がそうでなかった可能性は・・・」
「この世界の我が国はとても小さかったと聞く、そしてその分大英帝国が巨大だったこともな、其れならば尚更英国兵も精強なはずだ」
「解かりましたもう少し調べるよう航空隊にも通達いたします。」
「そうしてくれ、それと本土に陸軍が強化されている可能性も伝えてくれ」
「陸軍がですか?どうしてまた」
「もし、あの艦隊が本物だったなら旧式艦だけの分は陸に流れている可能性もある、其れを伝える為だ」
「その可能性もありそうですね。」
この後も数時間オランダ艦隊は幻の艦隊を探し続けた、当の昔にインドの主力を葬ったことを自覚しないまま
そして本国には陸軍が強化されている可能性があるとの趣旨の報告がセイロンより齎されることと成る。
最終更新:2016年02月16日 22:37