811 :ナイ神父MK-2:2016/01/18(月) 22:57:25
日蘭世界 冷戦ゲート編
日米の様子
護衛艦あきづきは日本海沖にて突如として出現したゲートの監視を行っていた。現状は、向こうの大日本帝国と
アメリカの
交渉によりお互い過度な接触はせず均衡は保たれていたため、艦内の雰囲気もそう緊張した物ではなかったが見せられる
相手側の戦力の豊富さには艦内の誰もがため息を吐くものだった。
「向こうの動きはどうだ?」
「変わりありません、それにしても向こうの戦艦でかいですね話に聞いた大和並みかな?」
「もらったデータによると相模型戦艦だなこっちの大和と同じで46cm砲を搭載している、戦後アメリカから接収したモンタナ級だそうだ」
「向こうの日本、太平洋戦争でアメリカに勝ったんでしたっけ?最初は信じられなかったですけどこうまで圧倒的じゃなあ・・・」
「おまけに駆逐艦までコッチよりデカイときてる。知っているか?向こうの旧式でも家の最新型のこいつより索敵の精度が高いそうだ」
「聞けば聞くほどぶつかることが無くてよかったですね。」
「ああ、戦ってれば今頃こっちは海の底だ」
海上自衛隊の面々が話している頃、大西洋のアメリカ東海岸側でもアメリカ海軍が復帰させたアイオワの艦橋で似たような話をしていた。
「向こうのに見える戦艦は本当にオランダが作った物なのか?」
「いえ、現在見えている戦艦は向こうの我が国が作ったモンタナ級のようです」
「此方では完成しなかった船か、あの船と戦闘して勝てると思うかね?」
「負けることは無いと思われます。」
「そうだな、世界が違うとは言え合衆国が二度も負けるなど有り得ないことだからな。」
詳しい情報を知ら無いとは言え、兵士達は若干の楽観はある物の概ね冷静だったと言っていいが問題は国内の一般市民であった。
彼らは無敵のアメリカが日本に敗れたということが認められず、一部には向こうの帝国や独裁国家を打倒して民主主義を広める
べきだと言う声を鼻息を荒くして語り、一部の企業化達も向こうの帝国が有している市場を求めてその声を煽っていた。
政府も当初こそは帝国主義打倒に乗り出そうとしたが、会談にて発覚した向こうとの戦力差に驚き行動に移せないでいた。
そして、ホワイトハウスではニクソン大統領が加熱する帝国主義打倒の世論に頭を悩ませていた。
「大統領、またデモ隊が押し寄せています。」
そう言われて窓の外を見ると、ホワイトハウスの前には数万名に上ると思われるデモ隊が集まっていた、プラカードに書かれているのは
弱腰な大統領を責める文章や帝国打倒が掲げられている。
「事実をしらないとは言え気楽言ってくれるな・・・こっちはソ連とも敵対しているのだぞ」
「しかし、最近は民主党も我々を批判する口実として帝国主義の放置を出してきています。このまま行けば次の選挙は危険ですが」
「最悪は国内全土に向こうの日本がソ連の新型水爆に匹敵する物を量産していることを発表するそれならば
状況が読める人間が動いてこの騒ぎも収まるだろう」
812 :ナイ神父MK-2:2016/01/18(月) 22:57:56
「それよりこれが日本の陸戦力の資料化ね?」
「はい、向こうの日本が提示した物で恐らく、機密を除いたものにはなると思われますが」
「・・・これは本当に日本の戦力なのか?ソ連の間違いじゃないのか」
「信じられないかもしれませんが、事実だと思われます。向こうの資料が正しいなら日本は1940年代で既にソ連のT-55に当る戦車を
主力としていたようですから」
「正直信じられん、向こうの誇張ではないか?」
「さすがにそこまでこの短期間では解かりかねます。しかし、向こうのカリフォルニア共和国がパットンを主力にしていることから
少なくとも戦中に日本がM4を破るだけの戦力を持っていることは確かだと思われます。」
「提示された戦力が誇張でも楽観視は出来ないだけの戦力をそろえている、そう言うことか?」
「恐らくは」
大統領は書類から目を離すと、次の資料を手に取りながら支持を出していた。
「兎に角、余りに世論が加熱しすぎるようなら向こうの日本の情報を大々的に出さねば成らなくなる
何とかして世論を抑えろ」
それだけ言うと大統領は再び資料に目を通し始めた、次の仕事に移っていた。
一方日本でも情報が多く民間に流れない中、民意が加熱していた。新聞各社は悪しき帝国の復活を大きく取り上げ
テレビでは旧日本軍が行ったとされる無謀な作戦や被害、情報元も怪しい虐殺や弾圧に付いての特別番組を流してく、
そしてそれを鵜呑みにした一部国民がアメリカと同じ様に国会議事堂前でデモ行進を行い、大学では収まり始めてた
学生運動が過熱していた。
そんな混乱した情勢に頭を悩ませるのは現総理大臣である。
「あの門が現れたてからこっち気が休まらん、毎日毎日デモ隊が来るは、マスコミは無責任に帝国復活を騒ぐしで散々だ!
万が一にも向こうの日本に此方の日本が敵意ありと見られてみろ、必死にやってきた戦後復興がみんなパアになるぞ」
「しかし、如何しますか?無理に報道規制を強いても反発を強めるだけかと思われますが」
「アメリカでも向こうの戦力に付いての公表を行う動きがあると聞く、それに合わせて情報開示を行うしかないだろうな」
「ですが日本が水爆を持っていると成ると運動が更に過熱するのでは?」
「そうなった場合は最悪、機動隊を出しての対処となるだろうなそうでもして止めなければ
下手をすれば在日日本軍なんて言う冗談にもならない自体が置きかねないからな」
「しかし、戦争となればアメリカも出てくるのでは?」
「アメリカも威勢の良いことを言っているのは野党と国民だけだ下手をすれば米軍撤退もありえるぞ、それほどまでに
アメリカ政府はいま慎重になっている。」
そう話しながら総理はゲート先の日本との折り合いを考えていくが、これから先判明する情報に頭を悩ませる自体は続いていく。
最終更新:2023年05月30日 13:32