923 :ナイ神父MK-2:2016/01/20(水) 22:56:32
日蘭世界 冷戦ゲート

各国の摩擦

アメリカ大統領ヒューイ・ロングは史実世界から取り寄せていた新聞を頭が痛い思いで読んでいた。
ゲートが繋がって以来必要以上の接触は双方の世界に悪影響を齎すとして、外交用の大使館を連盟共同で設置しそこに各国大使を駐留させていたが、
最近になって向こうの中華の外交官と韓国の外交官を名乗る人間がやって来ては、「中国植民地を解放しろ」や「大日本帝国は世界の敵、共に打倒しよう」
などと言う大凡此方の常識では考えられない様な発言が繰り返されていたのだが、今回の件はその中でも特大だった。

「向こうの中華の連中正気か?いや、そもそも中華に正気を求めること自体が有り得ないことだったな・・・しかし、これがオランダの目に触れればまた一波乱あるぞ」

その新聞の内容とは、オランダの宰相に関する新聞記事だった内容は【中華の威容はオランダにも響いていた、オランダの新宰相中国人が就任】
と言う物で、要約すると彼が宰相に就任したことはオランダが中国を重要視している証拠であり、コレを機にオランダは目を覚まし日本と距離を置くであろうと
言う内容である。勿論件の宰相には中華の国籍は無く、外交姿勢を変える予定も無いそれこそコレを見た大統領は二、三度目を擦って見間違いは無いかを確かめ
目に異常が無いか掛かり付け医を呼ぼうと考えたほどである。それでも現実を受け止めて内容を読んだ所で先の独り言に対しての秘書官の返答があり

「大統領既に遅いようです」

そう言って秘書官が持ってきたのは日本製の最新小型TVでその中の番組は全世界へ向けての宰相の演説であり、自身が中国人ではくオランダ人であることを必死に訴えかけ
史実側の中国に対して非難を行う内容であった。その後、史実世界との間に起きた第二次中華動乱では敗戦した中国に対して厳しい条件の条約を突きつけたことで
再び名を知られる事となる。

そして、中国国内では俄かに向こうの中国を助けるべきだと言う世論が拡大していた。向こうの公式発表では、テロリストや反政府勢力に近い人間が闊歩する危険停滞であり
外へ被害か拡大しないように封じ込めを行っていると言う事であったが、実情知らない中国人から見れば列強からの植民地支配以外の何者でもなく各地で反連盟の機運が高まり
連日のデモでは

「各国列強は中国から撤退しろ」

「向こうの植民地支配を許容する、日帝と蘭帝を許すな」

「中国救済のために軍の派遣を」

と言う声が聞かれた更に、この声は最近親中姿勢になっていたアメリカ国民の正義感にも火をつけアメリカ国内でも

「中国を援護して向こうの悪しき帝国を倒せ」

「ジャップに二度もアメリカが負けるわけが無い」

「もう一度正義の戦争を」

924 :ナイ神父MK-2:2016/01/20(水) 22:57:05
と言う声が聞かれ始めた、勿論政府も火消しを行ったが今回は国務省が中国に協力して向こうの帝国主義を排除又は亀裂入れて向こうを妨害すべきだと言う意見が出た為
政府内でも意見の隔たりがでは始めていた。

「向こうの帝国主義はこちら側の秩序を大きく損なう可能性があります」

「だが、向こうの戦力を見ただろう?下手なことをすれば核戦争だ」

「いえ、態々向こうが有利な土俵に立つ必要は無いでしょう。現在向こうの大使館を通じて工作員を派遣しています。
彼らを使い、オランダと日本の関係を悪化させましょう。」

「だが、そう旨く良くか?オランダと日本の関係強固なようだが?」

「では、ゲートを通じて貿易を始めると言うのは如何でしょうか?会社員や商社の人間に紛れさせることによって
工作員や諜報員を増やすことが出来ます。その後工作を行うと言うのは」

「それならば問題なさそうだな。外務省を通じて向こうと交渉してみよう」

「それと中国とも交渉を、中華植民地の解放はOCUと矛を交えるわけではないですから。向こうもあまり煩くは言ってこないと思われます。」

「解かった国内の不満をそらす為、軍とも話して計画を練って見よう」

その後、中国が東シナ海に開いていたゲートを通り英米仏の中華植民地へ電撃的に進行、親中姿勢で居たアメリカもOCUに睨まれる
事になることを彼らはまだ知らない。そして、開始された貿易で日蘭側の商品に各所で既存の製品が駆逐され大損害を蒙る事を・・・

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最終更新:2016年02月18日 22:28