- 836. 名無しさん 2011/11/03(木) 20:13:16
- 勝手に
>>817
の続き的なもの
魔人とか魔王とか医者とか万能文化猫娘とかで思いついた。
もう、何も怖くない。
ネタSS 化け物達、魔王と魔人
「これは…閉じ込められたか」
アイルランド島での移動中、加藤は辰宮と分断された上に結界に阻まれ、立ち往生していた。
普通の結界であれば難無く無効化できただろう。
しかし、移動を阻むこの結界は世界においても髄一の実力をもつ加藤をして見事というしかない程のものだった。
このような結界を構成できるのは世界中においても5人と居ないだろう。
トゥーレ協会やドイルドの過激派にそこまでの実力は無い。
そんな人物が関わっている情報などは無かったのだが…
「おびき寄せられたのか…」
そのつぶやきに答えるように、一人の男が姿を現した。
「ハーハッハッハッハッハ!よくぞここまで来たな!加藤よ!」
高らかに笑い声を上げるその男は枯れ枝のような体躯に黒い外套をまとった初老の大男であった。
そばには袖なしの切り込みの深いロングドレスを着、人形じみた美貌を持った少女が控えている。
加藤にはその二人に心当たりがあった。
「お前は、まさか!」
もうじき千歳の齢を重ねる男。
ヨーロッパの魔王と呼ばれるオカルト業界の大物。
伝説級の錬金術師。
「ドクターカオス!」
「まんまと罠に嵌りおったな、加藤。貴様がここに来るであろう事は予想しておったわ!」
「ノー・ドクター・カオス・ここに・彼が・居たのは・偶然・です」
「黙れマリア。確かに受けた依頼とは違うが、わしらの目的は達成できるから問題は無い!」
「まさか、ドイルド達やトゥーレ協会を唆したのは…」
「勘違いするな、わしは彼奴らの企みに少し協力したまでのこと。チベットの連中へ情報のリークはしたがな」
「私をおびき寄せるために利用したのか…奴らは一体、何をたくらんでいる!」
「それを教える必要は無い。なぜならば貴様はここでわしに敗北し、その体を明け渡すことになるのだからな」
「まだ諦めていなかったのか…」
「わが叡智の礎となれ!行けい!マリア!」
「イエス・ドクター・カオス」
「くっ」
マリアの両腕からマシンガンの銃身が飛び出し、加藤に発砲しようとしたそのときだった。
「な、なんじゃ!」
- 837. 名無しさん 2011/11/03(木) 20:13:48
- ドクターカオスと加藤にはわかった。
爆音と共に結界の要が次々と破壊されていったことを。
一見乱暴だが理にかなった攻撃に結界は消失し、周囲には爆煙が漂う。
そして爆煙の中から飛び出した物体は…巨大な二軸の車輪、パンジャンドラムであった。
無数のパンジャンドラムはまるで生きているかのようにドクターカオスへと殺到していく。
「マリア、あのチャリオットもどきを破壊しろ!」
「イエス・ドクター・カオス」
その爆発力から危険性が高いとみたドクターカオスはマリアに迎撃を命じた。
マリアは加藤に向けていたマシンガンの照準をパンジャンドラムへと変更し、パンジャンドラムへ向けて弾をばら撒いた。
「グファーーーー!」
パンジャンドラムの爆風に巻き込まれたのか枯れ葉のようにご老体は吹っ飛んだ。
しかし、マリアは吹っ飛んだご老体には目もくれずパンジャンドラムの破壊を続けた。
パンジャンドラムが全て破壊されたころ、呆然としつつ身構えていた加藤に声をかける存在がいた。
「加藤クン、久しぶりー」
ヒラヒラと手を振り、声をかけてきたのは美しい少女であった。
年の頃はおおよそ13〜14歳、背中の中程まで届くストレートロングの黒髪を俗に『姫カット』にし、
装いは毛皮の帽子、コート、スーツ、マフラーから靴に到るまで純白という妙に凝ったスタイル。
爆煙の中に居たというのに煤すら付いていない。
加藤は知っていた。
彼女がイギリスのオカルト側守護機関、ヘルシング機関に所属していることを…
そう、彼女の名は…
「アーカード!」
「アイタタタ…腰打った…ん?アーカードじゃと!ええい、邪魔をするな、今は加藤の方が先決じゃ!」
「ドクター・カオス・ターゲット・です。見逃して・しまうと・違約金・を・支払う・こと・に・なります」
「くぅ、まさか同時に現れるとは…」
ぶつぶつと悩み始めるドクターカオスを無視し、アーカードは加藤に対してとっとと行けとばかりに手を振っていた。
「この糞爺は相手してるあげるから、加藤クンは先に行きなさい。今回は協力しろってお達しが出てるのよネー」
「し、しかし…」
「この件は貴方の方が向いてるの、だから早く行きなさい、時間が無いのだから」
逡巡したのは一瞬、加藤はアーカードの実力を身をもって知っていた。
「わかった、感謝する」
「ええい、逃すか!マリア、加藤を…ぬお!」
先に進もうとした加藤の動きを察知し、悩むのを止めてすかさずマリアに加藤の足止めをさせようとしたカオスだが、
アーカードの反応はそれよりも速かった。
日本のある技術者から献上された「カスール」の銃弾をマリアとドクターカオスに叩き込む。
それだけでやられるほどに柔ではないが、加藤が脱出するだけの時間にはなった。
ドクターカオスたちが体勢を立て直したころには既に加藤の姿は無かった。
その場に残ったのは怒りに燃える世界最高峰の錬金術師とその最高傑作、そしてチートクラスの化け物だけ。
「さあ、おいで糞爺!!」
「小僧、覚悟はできているだろうな!マリア、対吸血鬼装備、行くぞ!」
「イエス・ドクター・カオス」
その会話を合図に両者の死闘が始まった。
続かない。
あとがき
コレが限界です。
コレ以降の展開は知りません。
きっと二転三転する凄まじい展開が待っているのでしょう。
私は知りません。
最終更新:2012年01月02日 20:01