718 :ナイ神父Mk-2:2016/02/22(月) 23:46:07
日蘭世界 44年ゲート編
接触と条約締結
1944年8月の史実と同じ歴史を辿った世界、本来であれば連合軍のオーバーロード作戦やレイテ海戦により枢軸側の完全敗北が
避けられなくなるこの月、日本の沖縄近海ではこの季節では有り得ない様な濃霧に沖縄周辺が包まれていた。そして霧が晴れると
沖縄沖に巨大な雲の様な物が出現したという報告が沖縄の基地から報告が齎されていた。戦時中にと言うこともあり一時は情報の
規制も検討されたが、何分直径にして十数kmは有りそうな物体である為隠蔽も難しくかといって除去も出来ないと言うこともあり
大本営でも扱いに困っていたそんな折、突如として雲の中から大和型クラスの大型艦2隻と長門型2隻を中心とした大艦隊が出現
まさか、連合かと俄かに混乱する史実側であったが相手が朝日旗を掲げているとの追加報告があり混乱は更に大きくなった。
幸いにも雲の向こうから出現した艦隊はその威容とは裏腹に丁寧な対応を行い史実沖縄にて会談を行う事を提案してきた事である程度は落ち着きを取り戻し
半信半疑ながらも向こうの会談要請に応じて会談場所として指定された首里城を訪れてみると、驚いたことに向こうから来た会談相手とは専ら東条の腰巾着
とした揶揄されていた嶋田繁太郎だったのである。この事実に驚愕しながらも情報を刷り合わせていくと雲の向こうにあると思われるのは此方と違う歴史を
辿った日本であり向こうでは大東亜共栄戦争に当る戦争が日本の勝利で終結していたと言う事実であった。
会談では認識のすり合わせの他に現在問題と成っている連合側の潜水艦が上げられていた、大陸日本としては無駄な潜水艦被害が出ないよう
史実の日本側に求めるも、既にマリアナを攻め落とされ本土周辺でも敵の潜水艦が見られる有様なのである。そこで大陸側から提案されたのが
大陸側の戦時量産型の水上機母艦を含む各種兵器と弾薬・燃料の販売である。提示された金額も良識的と言える額に藁にも縋る思いだった史実日本は
飛びつき条約を結び戦力回復に勤しむ事と成る。
大陸兵器輸入と世界の相互
大陸日本から輸入された兵器は沖縄で史実側の日本へと引き取られ、解析や訓練の為に横須賀まで回航され、
その戦力を史実側の海軍大臣である嶋田が海軍工廠に訪れ案内に来た工廠責任者と共に確認を行っていた。
「これが向こうの日本が送ってきた巡洋艦か?」
「はい、向こうの戦時量産艦である黒部型だそうです。」
「随分と大型な様だが使えそうか?」
「性能については予想以上ですね。現在向こうで言う乙型と甲型を輸入していますがどちらを取っても
艦隊に入れて問題が無いだけの性能を保持しているかと」
「全く向こうの日本の贅沢さには呆れるなこれだけ質の良い戦時量産など聞いた事が無い、仮に
アメリカと言えど
これだけの質の艦をポンと他国に売ってくるれるか怪しい程なのだがな・・・それと向こうが送ってきた戦艦と
空母はどうなっている?」
「あちらについても訓練が終わり次第直ぐにでも使用できるかと思われます、性能で言えば正面から長門撃ち合っても
互角に撃ち合えるでしょう。空母についても同様です此方で正規空母と十二分に性能を発揮できると思われます。」
「ならば調査が終わり次第直ぐにでも訓練を行い戦力として取り込まねばな、これだけ下駄を履かせてもらって負けるなど
末代までの恥だ」
719 :ナイ神父Mk-2:2016/02/22(月) 23:46:38
海軍が新型艦の調査を行っている頃、陸軍でも大陸との違いを兵器を通して痛感させられて良いた。
「なあ、これがチハなのか?」
「向こうの話しだとそうだな」
「俺の目には九五式よりデカク見えるんだが・・・」
「そうだぞ、こいつの全長は確か9m越えだからな」
「これ、南方で使えるのか?」
「南方の方には向こうで鹵獲したM4を支援物資と一緒に送るらしい」
「向こうの連中は何考えてこんなデカブツ作ったんだ?これじゃ本土で使えないだろ」
「いや、どうも噂に聞いたんだが向こうの日本は形こそ同じだが一島一島が10倍位面積が違うらしいだから向こうの
本土では問題なく使えるんだとよ・・・」
「国土も広くて金もある、世界が違うと言えばそれまでだけど、こうも違いを見せられるとなあ・・・」
陸海両軍で向こうの日本の豊かさと強さにため息を吐いている頃、アメリカでは日本の変化に潜水艦の損失数
増加によって気が付き始めていた。
「日本近海で活動していた潜水艦が次々に消息を絶ってる?」
「はい、今月に入りもう10隻近くが連絡を絶っています。恐らくは撃沈されたものかと」
「それだけ厳重に成っていると言う事は、日本が何らかの作戦に出る可能性が高いか?」
「いえ、解析した暗号からは何も・・・」
「と言う事は対潜に優れた兵器か戦法を編み出した問い言う所か・・・」
「日本近海への潜水艦の投入を増やる様上奏してみよう。まあ、日本軍の戦力も限界が見え始めているもう直ぐ
この戦争も終わりだろう。」
そう楽観する米軍仕官で有ったが、この後送った潜水艦の殆どを撃沈され日本への通商破壊が格段に難しくなったと
アメリカ海軍が悟るのはこの1月後のことである。
最終更新:2016年02月23日 05:24