425 :ナイ神父Mk-2:2016/02/19(金) 23:42:21
日蘭世界 冷戦ゲート編
動乱後の日米
アメリカのホワイトハウスでは大統領が攻撃を受けて壊滅的な被害を受けた韓国からの復興支援要求を見て
怒りに震えていた
「こ、このふざけた金額と要求は何なのだ?」
「一応、韓国政府が求める都市と軍の復興に於ける支援要請なのですが・・・」
「この額がか!?あの小さい領土の何処にそんな莫大な金額必要なのだ!敗戦後の日本の
復興の見積もりでも此処までの額は必要なかったのだぞ!」
怒りが一周回って逆に落ち着いた様子で極めて冷静な口調で大統領は言葉を続けた
「百歩譲って都市の復興費は認めよう、映像で見る限り月面よりましと言う程度で徹底的な爆撃と砲撃だったからな
しかし、この軍事に関する要求は何だ?北朝鮮の動きが活発だから陸軍を増やすことは理解できる。生産施設まで
吹き飛んでしまっては我々に縋るしかないからな、だが海軍の要求は頂けないな、なぜ最新の駆逐艦や防衛と関係
の無い強襲揚陸艦を欲しがる?この上空軍からはイーグルと時期新型のF-16を格安で販売しろだふざけている。
この上政府からは核兵器の要求だと・・・一体何様の積りだ!」
広い執務室所かホワイトハウス全体に響き渡る様に激しく執務机を叩きながら大統領は怒りの声を上げた、当然といえば
当然である韓国政府がアメリカに要求した金額や兵器の代金を総計すればそれこそ一国が傾くほどの金額で合ったためだ。
この怒りに気圧されながらも外交官は言葉を紡いだ
「し、しかし大統領、全額とは行かないもののある程度は支援を認めなければ不味いです。現状韓国国民は自国の軍が
日本軍に敗れたことで親北派が勢力を増しています。さらに、此処で支援を出し渋れば最悪韓国内で政変が起り
それに乗じて北朝鮮やソ連が南下してくる可能性が高まります。」
「其処までか?だが、それが理由にしてもふざけている中国の都市ゲリラだって鎮圧は楽じゃないのだぞ・・・」
「しかし、朝鮮半島を失うと
アジアの最前線は日本になります。そうなれば安全な後方といえるのはハワイだけとなり
今度は我が国のアジア戦略に影響が・・・」
「解かった、韓国に対する支援案は此方で国会に通しておく」
そう言って報告に来た人物を下げると今度は入れ替わりに秘書が困惑した表情で入室してきた。
「どうした、何かあったのか?」
「それが、国内で朝鮮系の移民が強制的に連行されただの強制労働に対する謝罪と賠償をと騒いでいます。
おまけに国内の人権保護団体などが同調していて・・・」
「・・・は?」
大統領が間の抜けた声を上げている頃、アメリカ国内では在米韓国人や就労してきた韓国人たちが強制連行や
強制労働などを涙ながらに訴えていた。
彼乃至彼女ら曰く
「朝鮮戦争当時米軍から暴行を受けた」
「有色人種だという理由で不当に低賃金で働かされた」
と言う真偽が怪しい言葉が次々と証拠と共に提出され、それを見た人権保護団体等が反応
西海岸を中心に小規模ながらデモなどが発生し、真実が解かる1990年代までこの活動は西側の
頭を悩ませていく。
426 :ナイ神父Mk-2:2016/02/19(金) 23:42:58
本土が韓国の要求に頭を悩ませている頃、在中米軍の司令官も頭を悩ませていた
「未だにテロ行為は収まらないのか?」
「はい、現在基地の戦力を使用して掃討を試みていますが現地住民が非協力的なこともあり中々進んでいません」
「しかし、武器や勢力は何処から現れているのだ?旧人民解放軍の武器が大量に流出したとは言え少し数が異常だぞ・・・」
「恐らくソ連の支援が入っているものと思われます押収した武器は全て東側諸国の物ですから」
「流通いているのはAKにRPGそれに手榴弾そのどれもが東側で一般的に使用されているものだ、それを一概にソ連の物とは言えん」
「では現政府や中央部で半ば独立状態に居る軍閥などからだと?」
「そちらの可能性も高いだろうな、だが臨時政府も怪しいな上が意図していなくても下が勝手にやっている可能性があるどれが正しいにせよ
この地に駐留したのは間違いだったかもしれないな此処まで混沌としているとは予想外だ・・・」
基地司令は深いため息を出しながら仕事を続けていく、この後アメリカは中華の地にてソ連が崩壊するまで出血を強いられることとなる中華の
幻想を信じた財界やニューディーラー達の幻想を砕きながら。
一方で日本から一部兵器を受け取ることになった日本でもため息が聞かれていた、原因は貰った兵器のデザインである。
日蘭日本から融通された兵器の傍らで二人の自衛隊員が雑談をしていた。
「向こうの皇軍から貰ったのは良いけど、これ如何思う?」
「如何見てもT-80だよなあ・・・向こうのヘリはハヴォックだったか?両方ともソ連の新型なんだが」
「だよなあ、ご丁寧に皇軍の星マークが付いてるせいでまるっきりソ連陸軍だぞこれ」
「おまけに機銃の類もソ連のMIG系列の物が納入されたらしい・・・」
「空自は空自で大変みたいだな、海自は如何なんだ?やっぱりソ連っぽいのか?」
「いや、そっちは艦載機も含めて殆どアメリカに近い見かけらしいなヘリはソ連よりみたいだが」
「へえ、てっきりそっちもソ連臭くなると思ってたんだけだどな」
「多分空母での運用を考えたらアメリカに近い方が使いやすいからじゃないか?」
「それもそうか、まあ74式も悪い機体じゃないんだが各国の新型を見るとなあ・・・」
「向こうの資本が入ったお陰で自衛隊に対する風当たりも弱くなったもんな」
「ああ、その点は向こうの日本に感謝だな」
ある意味贅沢な悩みを持ちながら自衛隊は戦力を増強していき後方の日本を守っていくこととなる
尚、余談ではあるが阪神淡路大震災では日本の間宮ⅡとSt.Gertrud級が支援に派遣され、人命救助や
食糧の配給に協力している。これは日本が情報攻勢の際に法整備をするべきと言う世論を煽った
成果とも言えるものであった。
最終更新:2016年02月23日 05:27