836 :ナイ神父Mk-2:2016/02/23(火) 23:51:24
日蘭世界 44年ゲート編 その2
大陸での変化と戦況
ゲートにより大陸日本から大規模な支援を受けることに成功した日本は今後の戦略を大きく転換することを迫られていた、
アメリカを凌駕し得る
大陸日本からの支援により安全な資源輸入ルートと戦力はそれを決意させるには十分であり、日本は
アジア圏全体を支配下に収める大東亜共栄圏
樹立からゲート周辺の安全圏確保と絶対国防圏維持とシーレーンの確保これに人員を集中する事とした新防衛圏構想である。
その第一段階として行われたのが中国線の大幅な縮小と満州及びその周辺への堅固な防衛線の構築であり、大陸日本から送られたソ連やアメリカから鹵獲した
T-34及びM4そして重戦車であるIS-3の配備である。また、これに加えて航空機にも烈風や飛龍、教導隊込みで桜花の準備が進められ十重二十重と防衛網が
敷かれアメリカや国民政府の侵攻を防いで行く事となる。
この余りにも変貌した日本の方針に戸惑いと不気味さを覚えたのは、対日本で蒋介石に協力していたスティルウェルであった。
「この1ヶ月、日本軍が次々撤退しているだと?」
「疎らだった小さな戦線は全て捨てて余剰戦力を満州や南京を中心として防衛網を構築しているようです」
「長期戦の構えに入ったということか?」
「その様です、その証拠に満州周辺では鹵獲されたと思われる我が軍のM4やソ連製と思われる中型戦車が確認されています。」
「国民政府の連中は我々に恐れを成したと言っているがあれではまともに攻められないぞ・・・ただでさえ今は補給が厳しいのだ、
連中にこのまま引きこもられては埒が開かない」
「では、防衛線の突破を?」
「いや、此処は爆撃によって連中の防衛網構築を妨害しよう現状連中にB-29を落とせるだけの機体は殆ど無い、大規模な編隊を組んで
派遣すれば安全だろう。至急準備に取り掛かってくれ」
「了解しました。インドの連合基地に要請しておきます。」
この後、満州への爆撃に駆り出されたB-29は大陸日本から譲渡された航空機と教導の為に派遣されていた部隊に多数が撃墜され、
連合軍の戦略に大きな影響を齎すことに成り、B-29の運用に大幅な制限が付いてしまうことをこの時の連合軍はまだ知ることは
無かった。
中国戦線で大きな変化が起きている中、日本や南方戦線では現在アメリカ側が通商破壊が著しく困難になってきていた。
「では何か?増援した部隊も含めて潜水艦部隊は壊滅したと?」
「はい、現状生き残っているのは故障のため早期に勢力圏まで帰還したアルバコアを除けば極僅かで
大多数の部隊が消息を絶っており、日本の勢力圏内の潜水部隊は壊滅的な被害を受けている物と思われます。」
「何か情報は無いのか?暗号は解析は如何なっている。」
「現状暗号からは何も・・・接触した艦についても情報はありません。生きて帰った艦が居ないのでは
情報も有りませんから。」
「逃げる暇すら無いほどの高精度の対潜能力を持った船があの海域に居ると?」
「恐らくは・・・」
「此の侭では攻略作戦にも影響が出るな、遺憾だが日本近海での通常破壊は諦め部隊を後退させ
後方での支援に回すことにしよう・・・」
その後、潜水艦搭乗員達の中で日本近海は完全に恐怖の海域となり、兵士達は暫くこの霧のように
姿が見えない敵に怯えながら日本の勢力圏で活動することになり、正体がばれた後も潜水艦に関わる
人間からは死神扱いされるようになる。
837 :ナイ神父Mk-2:2016/02/23(火) 23:51:54
史実のアメリカが得体の知れない恐怖に怯えている頃、その原因を作った
夢幻会はと言うと何時もの
会合場所で史実との関わりについて話していた。
「向こうの日本への旧式や鹵獲兵器販売は順調ですね。此方ではもう屑鉄にするしかないということでしたが
向こうでは下手な新造艦より高性能ですし余剰だった米なんかも飛ぶように売れていますお陰で結構な利益に
成りましたよ」
そう言って辻は嬉しそうに「此の侭影響力を高めて向こうにもMMJを・・・」という辻の野望の声が嶋田は聞かなかった
ことにしながら山本に海軍の対潜派遣部隊の様子を聞いていた。それを聞い山本も手に持っていた料理を一旦置き報告を始めた
「海軍に付いても今の所問題は出ていないな、向こうに送った指導役の奴らも上手くやっている様だ。対潜部隊にしてもそうだな
現状、向こうのガトー級で沈められることは先ず無いはずだ」
「陸軍に関しても同様だな、ただ航空隊の面々はヘリの教導に苦戦している様だが・・・」
「まあ、それは仕方ないでしょう。向こうだとアメリカでさえまだ殆ど実用化できて無いはずですし」
東条の言葉をフォローする様に倉崎翁が付け加えた所で、野望の算段を建て終わったのか辻がまた話しに加わったきた。
「軍民両方で良い成果が出ているようで何よりですが、向こうの日本に何処まで協力しますか?正直あの偶然の産物の様な
ゲートに頼っての全面的な援軍は資金的にも反対なんですが・・・」
「やはりアメリカとの停戦までだな、アメリカが貿易相手となると国民の反発も強くなるし、何より向こうのアメリカは人種差別の
激しい状態だ下手をすると此方のことも狙ってきて余計な被害がでかねない」
最初に言葉を返したのは東条であった、そして其処に補足するように嶋田が続ける。
「停戦まで協力すると成ると先ずはレイテですね。史実どおりならあれで艦隊再建の芽が完全に消えることになりますから。世界大戦が終わってまた
大規模な戦いで国民には悪いですがも少し頑張って貰いましょう。」
「そうですね下手に解いた後、何かあってからでは遅いですからね。ところでアメリカの足を完全に止めるとしたらやはりアレですか?」
「それしかないでしょうね日本乃至はその後ろにいる此方がアレを持っていることを認めないとアメリカ政府も国民を止めることは難しいでしょうし・・・」
このやり取りの後会合は終了する事となる。そして、その数日後大陸日本は史実側の日本への更なる支援表明し潜水艦と妙高型重巡洋艦を旗艦とした通商破壊
の為の艦隊を派遣し、レイテへの援軍を含めてアメリカへの締め付けを更に強くしていく。
最終更新:2016年02月24日 00:23