151 :ナイ神父MK-2:2016/02/27(土) 00:40:44
日蘭世界 44年ゲート編 その4
海戦後の動き
1944年10月後半に行われたレイテ沖海戦によって
アメリカの第3、第7艦隊は壊滅もって、事実上のアメリカ太平洋艦隊は
消滅した。大陸日本の艦隊は海戦後に付近の海域で通商破壊を行っていた足柄率いる艦隊と潜水艦部隊に残存的海上戦力の追撃を
要請、結果的にウルシー環礁にて応急修理を受けていたワプスと作業中の工作艦そして、敵艦接近に気が付いて迎撃に出た
ボルチモア、ルイビルの他軽巡2隻と駆逐艦5隻が撃沈している。しかし、比較的損傷の少なかったホーネットとエンタープライズは
残存艦隊を率いて早期に環礁を離脱し退避に成功しているが、潜水艦部隊の追撃を受け残存していた軽巡と駆逐艦を日本の勢力圏離脱まで
受けることと成る。
一方で各諸島に取り残されたアメリカ陸軍や海兵隊も餓えや物資不足に苦しんでいた、現在アメリカ陸軍が残された島はレイテ島、ぺリリュー島
アンガウル島、そしてモロタイ島である。複数の島へ連続して攻撃を行い日本の消耗を加速させる筈であったこの作戦は、レイテ沖の敗戦によって
アメリカを消耗させる罠へと早変わりしていた。残された陸軍及び海兵隊に向けた物資の補給の為、危険を冒して潜水艦や輸送艦、場合によっては
戦略爆撃機を用いて物資の補給を試みるも、その何れも手薬煉を引いて待っていた日本軍の迎撃を受けて多数の被害を受け損害は増える一方であった。
レイテ脱出と悲劇
そこでアメリカは最も兵力が取り残されているレイテ島に的を絞り太平洋艦隊の正規空母を除く重巡洋艦を初めとした残存艦隊と大西洋艦隊側から
護衛空母10隻と巡洋艦及び駆逐艦複数を引き抜いて救出作戦に宛て、兵力と残存兵器回収の為輸送艦を破格の60隻用意している。こうして発動された
レイテ救出作戦は発動され、ハワイから出発した艦隊は日本の勢力圏に入った後、潜水艦の攻撃により軽巡洋艦や駆逐艦が数隻撃沈されるも
幸運が働いたのかレイテまで重巡や輸送艦などには被害を出さずに足を進めている。そして、夜の闇に紛れて上陸艇等を使用してレイテ島から無事に
7万を越える兵力を脱出させることに成功している。
しかし、幸運は続かずレイテ島を出た2日後に大陸日本の加賀を旗艦とした艦隊に待ち伏せを受けて攻撃を受けること成る、この攻撃には前回と同様に最上型と白露型が
投入された事に加え、通商破壊に投入されていた妙高型率いる艦隊も回してレイテに比肩する数の艦艇を投入した攻撃となっていた。この攻撃により護衛空母が
8隻、重巡洋艦4隻、軽巡洋艦5隻、駆逐艦17隻、輸送艦48隻を失う大打撃を受け、更にハワイ帰還までに潜水艦により護衛空母1隻と駆逐艦4隻、輸送艦4隻を失う
被害を受け最終的にアメリカ本土まで帰還できた兵力は7万の内の僅か1万2千人程だったと言われている。
レイテ脱出作戦後の日本ではマリアナ諸島奪還の為の部隊編成が行われていた、一部兵力をフィリピンや拠点の防衛に割かれている物の残存している、
本土の一部部隊と元マリアナ守備隊そして支援部隊として大陸日本の海軍陸戦隊と神州丸型強襲揚陸艦を主軸とした支援部隊を編成しマリアナ奪還の為に動いている。
大陸日本軍の攻撃ヘリによる空中からの攻撃と海上からの支援砲撃は既に有力な艦隊を失い、西海岸からの戦力回航まで防衛を持たせる事ができないと考えていた
アメリカのマリアナ守備隊に降伏を決意させるには十分すぎる物であり、多数のアメリカ陸軍の兵士達が捕虜となっているが日本の食糧供給能力が足り無い為止む負えず
大陸日本に追加の食糧支援を求めている。
152 :ナイ神父MK-2:2016/02/27(土) 00:41:15
自然停戦とヤルタ会談
8月からのゲート開通以降太平洋艦隊と陸軍に多大な打撃を受けたアメリカと戦力建て直しに時間を必要とした日本は自然停戦形となりお互いに
陸海軍の再編を急いでいく、そしてこの頃になるとアメリカ上層部で大きな波紋が生まれていた、それは国内のスパイ問題である。日本が戦力を建て直し
始めたのと時期を同じくして、日本軍が運用する兵器の中にM4やT-34が見られる様に成ってきており、少数であるならば当然鹵獲や放棄されたものを使用しているのだろう
と考えてたアメリカ軍であったが、流石に各戦線で部隊単位で運用できる様子が見られるようになれば話は別であり、更に日本が撤退した中国戦線の司令室の一室で
ロシア語や中国語で書かれた兵器の横流しの資料が見つかったことでアメリカのソ連への不信感は更に強い物となっていた。
アメリカはソ連の真意を確かめる為、ヤルタにて米英ソの3カ国で会議を行うことを提案、両国共にこれを承諾したことから翌年の2月に会議を行うことを決定した。
そして、その当日集まった米ソのトップであるルーズベルトとスターリンはイギリスを間に挟んで会談を開始し、その中で一番に口を開いたのはルーズベルト
であった。
「先ずは集まってくれたことに感謝しよう。今回集まって貰ったのは他でもない最近日本軍に見られる連合側の兵器についてだ」
「それは鹵獲されたか末端の兵士が横流しした物ではないのか?中国特に軍閥の連中が小金欲しさによくやると効いているが?」
ルーズベルトが発言した言葉にスターリンが何でも無い様にそう言うと、気に障ったのかルーズベルトが更に言葉を続けた。
「確かにそう言う事をする連中が居ると言うことはよく聞いているが現在の日本が運用しているこちら側の兵器の数は異常だ
どこかの国が大々的に手を貸さなければ有り得ない量だ、調度ウラジオストクの辺りならば貸しやすいので無いかな?」
その言葉を聴いて今度はスターリンが怒りを露にしてルーズベルトに言葉を返した。
「それは此方が日本に新兵器を横流ししているということかね?馬鹿馬鹿しい、それならば自国の最新式戦車など横流しする物か」
「ならば、その証拠を見せてもらいたい物だな?現状の貴国は信用できないよって援助も打ち切らせてもらう」
流石に此処まで強行に出るとは思っていなかったスターリンは驚き、アメリカの条件を聞こうと口を開いた
「ではどうしろと?まさか、日本を攻めろとでも?」
「それが一番でしょうな、貴国が本当に日本と繋がっていないのであれば出来るはずです。」
「良いでしょう、しかしも一人真意を正さないいけない相手が居るのではないかね?私はてっきりそちらの事を話すとばかり思っていましたが・・・」
そこでスターリンは視線をルーズベルトからずらし、チャーチルに向けていたその様子に気が付いてもチャーチルは少しも様子を帰る事無く言葉を返した
「此処で私のほうを見るということは、何確証でも?」
そう余裕を見せるチャーチルであったがスターリンが出した写真を見て顔色を変えることに成る。
「これは日本の同士が送ってきてくれた写真なんだがね?これによく似た物を其方が接していることを思い出したのですよ」
「馬鹿な、これは・・・」
チャーチルの視線の先にあった写真に写っていたのは、日の丸を付けた複数のホーカーシーフューリーであったしかも丁寧なことに貴重なカラー写真で
撮られたそれには日本の機体らしい濃緑色塗られて鎮座している。その光景を見たチャーチルは大きく動揺するも何とか平静を装い、言葉を
紡ぐ。
「ふむ、インドに日本が干渉してきた際に一部の設計図の予備が無くなったと聞くきっとその時何らかのルートで日本に漏れたのでしょう
防諜に関してはそれ以降問題ないとは思いますが知らせていただいたことは感謝します。」
チャーチルはあくまで落ち着き払った様子でそう話し、その後はソ連参戦に付いての詳しい時期などに付いての会談が行われたが、各自
自国に帰った後に他の2国に対しての諜報を増やしお互いに不信感を募らせていくこととなる。また、アメリカの予想以上にリストに載ったレッドセルが
多いことに焦り日本との停戦を考え始めるが、国民感情がそれを許さず日本に対して有利な立場での講和を行う為の作戦を実行して更なる被害を受ける事に
なる。
最終更新:2016年02月28日 18:08