478 :ナイ神父MK-2:2015/09/16(水) 18:42:56
日蘭世界ゲート編 三つの朝鮮

ゲートが各地に開いた際、朝鮮半島には2つのゲートが開いた、一つはソウルに一つは平壌に
接触自体は穏便に済ませ、ゲートで住民同士が交流を始めると少しずつ困惑が広がっていった。

まず、起こったことは史実世界側の過剰なまでの反日※1であった。ゲートでの交流開始後、
日蘭世界の日本が帝国だということが解かるとすぐに反日デモを始め、まるで日蘭世界でも朝鮮を日本が侵略したか
のように言い出したのだ、これに驚いた朝鮮王国はすぐにデモを取りやめるよう伝えたが、韓国側は、
国民が自主的に行っていることだと言い聞く耳を持たなかった。

此処で徐々に朝鮮王国に史実世界の韓国に対する不信が広がっていったが、それでも一時的なヒートアップで
こちらの日本と交流すれば、徐々に落ち着くだろうと王国上層部は考えていた。

それが一気に不信に変わったのは史実世界の活動家が、日本の竹島※2に無理やり上陸しようとした事件である。
この事件は上陸前に日本の巡視船が船をぶつけて強引に停泊させて活動家の身柄を拘束した後、出発元である
朝鮮王国に連行して朝鮮から韓国に引き渡されるという顛末になったのだが、問題は韓国へと送還
した後だった。何と韓国側はこの活動家を無罪として釈放し、逆に日本が不当に拘束したとして謝罪を
求めてきたのだ、これに驚いた王国は韓国に真意を問いただしたが、韓国側の返答は、

「彼は、朝鮮王国の領土を取り戻そうという正義感から行ったものだと話しており、
むしろ批判されるのは彼を不当に拘束した日本こそ非難されるべきである」

とメディアを通じて両世界全体に発信したのだった。

此処に来てこれ以上この国に関わると、国の中立性すら危うくなると考えた朝鮮王国は
王国首相が直接、大統領の下へ訪れて国交の断絶も考えた、協力関係の見直しを
伝えたのだった。

「貴国との関係は、直させて頂きます。」

「な、なぜですか!日本に正しい歴史認識をさせることはあなた方にとっても
利益となることのはずです!」

SPが居なければそのまま、掴み掛かって来そうな勢いで韓国大統領は興奮しているが、
首相はきわめて冷静に言葉を続けた。

「我が国は中立国であり、特定の国を必要以上に非難することは、国のあり方に大きく
反します。それでなくても貴国の国民の行動のせいで国民が不安になっており、
これ以上そちらと関わっても不利益しか出ない判断されました。よってこれからは
ゲート周辺を厳重に警備し、入国にも強い制限を設けさせていただきます。」

「しかし!」

「これは議会による決定事項です。後のことについては後に来る外相に聞いてください。
それでは失礼します。」

そう言って首相は退室して後日、外務大臣が正式に国交断絶を伝え、宣言通り
日蘭世界側では陸軍の精鋭がゲート周辺を封鎖していた。

もう一つのゲートが開いた北朝鮮では驚くほどに静寂が保たれていた。
外務省同士の協議で国民同士の交流は行われているものの、史実世界で
起していたような大きな演出は行わずその動きはなりを潜めていた。

自体が大きく動き出したのは、中国全体が混乱して共産党指導部も各省の統制が
取れなくなった頃それは動いた、北朝鮮軍は突如として国境周辺の省に侵攻し
を瞬く間に周辺全てを勢力化に置いたのだった。※3これに驚いた中国指導部は
すぐさま非難声明を出したが、すでに執行部自体に力は無く※4中国は更に混乱を深めてく。

※1:中国は絶賛混乱中のためデモや反日行為では韓国だけが目立っていた。

※2:日蘭世界では大陸同様巨大化しており、朝鮮王国も認めている正式な日本領土であり
  巡視船の停泊地としても使用されている。

※3:省内の軍や警察・行政組織にすでに根回しをしており侵攻と同時に内応したため犠牲者も
  少なく兵器や基地もほぼ無傷で入手した。

※4:地方の軍は軍閥との争いで疲弊して使用できず首都にも常に難民などが流入して
  混乱していた為、各省の軍も徐々に暴走して首都周辺以外はすでに指導部の制御から
  離れている。また、周辺の軍などが全て寝返った為、戦力を軽視できず。中国側も
  戦力が足りていない。

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最終更新:2016年04月09日 22:43