532 :ナイ神父MK-2:2015/09/17(木) 21:00:45
日蘭世界ゲート編 アメリカ大統領の憂鬱

ゲートが繋がった先の史実アメリカでは、大統領が日蘭世界と接触して以降痛む頭と胃を抑えながら先日、日蘭側のオーストラリア近海で行われた観艦式※1の中で確認された戦力について話し合われていた。

「現在までに判明した向こうの世界の戦力と情勢について知りたいのだが、報告を聞かせてくれるか?」

「はい、現在の先日、向こうの世界の3国※1合同の観艦式では、現在、太平洋及び日本海にいる艦隊から
艦船が参加し、その中に日本の原子力空母2隻が確認されています。また、日本の公式発表を信じるなら
これに加えて6隻、計八隻の原子力空母と2隻の戦艦が現在の日本海軍の主力を担っていると思われます。」

「大日本帝国だけで我が国に匹敵する艦隊を所持しているのか・・・しかもこの内の半数は太平洋に存在している。頭が痛いな、他の国についてはどうなっている?」

「そのことについてですが・・・」

大統領はそこで言いよどむ海軍司令に不安を覚えるも続きを話すよう促すと、海軍司令は
その重くなった口を開いた。

「日本と同盟を結んでいるオランダ帝国もまた、原子力空母8隻に戦艦2隻を主力としており、我が軍の倍近い海上戦力
が万が一敵対した場合は見込まれるというのが司令部の考えです。」

「オランダだと?なぜオランダの名がそこで出てくる?」

国内に開いたゲートの問題※2で太平洋側の情報がまだ手元まで届いていなかった大統領は
太平洋の艦隊の話しでなぜオランダが出てきたのか疑問に思いそれに付いての質問を投げかけた。

「詳しいことは後に報告が届くと思いますが、向こうの世界ではオランダがオーストラリアやインドネシアへの
入植に成功し、それが元で嘗ての大英帝国すら凌駕する一大帝国を築き、国力は大陸化した日本同様我が国匹敵
する国力となっている為です。」

「つまり、向こうの日本と敵対した場合は実質我が国二つ分の海軍が相手になるということか、頭が痛いな。」

「いえ、違います大統領」

「なに?、なにが違うというのだ?」

「今の話はあくまでも日本と敵対した場合で最も低く戦力を見積もった場合です。
・・・大丈夫ですか?大統領顔色が優れないようですが。」

「だ、大丈夫だ続けてくれ・・・」

胃痛と頭痛が更に酷くなり意識が遠のきそうになりながらも、何とか持ちこたえて
大統領は続きを聞こうととしていた。

「はい、現在日蘭同盟は友好国となったロシア、ドイツ、ペルシャ、オスマントルコ帝国
を初めてとした国々と連携し、OCU連合と呼ばれる連合の実質的な盟主なっており、最悪は
連合全体が此方と敵対してくるものと考えられます。また、連合国の一つであるロシアも
原子力空母を保有している為軽視は出来ません。」

「解かった、兎に角なんとしても向こうの日本やオランダとの敵対は避けろ、下手をすれば
第二次世界大戦以上の惨劇が起きるぞ、このことは此方の日本と韓国にも強く言っておこう
いつもの調子で向こうの日本を非難されたら笑い話にもならない。」

そう言って話しを締め括ろうとしたとことに、突如として秘書官が入ってきて大統領に
ある事件を伝えた。

「大変です大統領!、韓国が大日本帝国に対して先の竹島への不法上陸の際の日本の対応に非難声明を
発表し、更に日本の一部議員が政党や国会の承認無く勝手に、日本帝国を非難するような声明を発表したと
報告が・・・大統領?、大統領!!」

全身の力が抜けて崩れ落ちていく自分に驚いた司令や秘書の声を聞きながら、大統領は意識を失い
気が付けば病院で医師の診察受け入院する運びとなっていた。

※1:連合結成記念の記念式典で、ゲート開通の混乱はあったが、連合内で国民を安心させるべく
通常通りの開催となった。

※2:突如現れた、カリフォルニア共和国との交渉や、中央部に流れ込んだ難民のせいで国内が
混乱して情報が錯綜、遅延していた。そして、一段楽した所で今回の観艦式の招待がきた為
急遽軍の人間を派遣した。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年02月28日 23:25