964. ひゅうが 2011/11/09(水) 01:32:58
※  以前書いておきながらもあまりに中二っぷりに封印したプロットを再構成してプロローグっぽい部分をダイジェストで記述してみた。
    なんと突っ込みどころ満載か・・・

【嘘予告・嘘プロット】

――西暦1943年、北米ノーフォーク沖で、対日戦争の切り札になる新兵器が完成した。
一隻の駆逐艦とその乗員を犠牲にした実験の結果、米軍は究極の力を手にすることになる。だが、それはあまりに問題が大きかった。
第一に、製造方法すら再現が不可能であったこと。第二に、一度発動してしまえばそれがどんな結果をもたらすのか予測することしかできないこと。
科学者たちは反対した。この技術はあまりに分からないことが多い。
我々が開発しつつある質量をエネルギーに変換する技術の方がよほど信頼できる、と。

・・・しかし、太平洋を挟んだ向こうにトラウマを植え付けられていた人々は、この新兵器は封印されることなく、対日戦で使用されることになる。

1944年6月20日未明。
太平洋戦争最後の大海戦のさ中、「それ」は使用された。
偶然なのか必然なのか、狂える天才科学者が死の間際に作り出した常温超電導体を用いた電磁力相互干渉共鳴体は、周囲の物質を次々に取り込みつつ重力的特異点を発生させ、お世辞にも想定通りとはいえない大電力を無理やり投入されたがためについには設計限界点を超え、シュバルツシルト半径内に取り込んだ物質の質量の大半をエネルギーに変換しはじめた。
本来は制御された「空間の虫食い穴(ワームホール)」を作るための装置は、暴走時の超重力により敵艦隊を殲滅すべく用いられ――最終的にはマリアナ諸島を含む半径100キロあまりの質量を蒸発させた。
これにより発生した膨大な熱量は、かつて地球という惑星に衛星をもたらした巨大な天体衝突のそれの実に5倍にも達したのであった。

蒸発してゆくかつて地球と呼ばれた星で最も知性を発達させた生物は気付かなかった。
消えゆく彼らの思考という名の情報は、宇宙的スケールでは「小さな」特異点でもみくちゃにされながら、11次元平面を隔てた「隣」のある一点へと「バイパス」されていたのだった。

あえて誤解を避ける表現を使うなら、その場所はこう表記できるだろう。
西暦1814年6月20日、日の本、伊勢神宮、日の宮と。








【蛇足】

1944年6月19日。
小沢治三郎「大将」率いる第1機動艦隊と、ウィリアム・ハルゼー大将率いる第5艦隊はマリアナ諸島沖において「20世紀最大の大海戦」を戦うことになった。
前年「2月」、ガダルカナル島からの撤退途上に生じた山本五十六GF長官の戦死により戦線を大幅に縮小していた日本陸海軍は、帝国国内の政変もあって総勢2500機あまりの陸海軍機を同諸島の要塞陣地に集結させることに成功しており、空母「14隻」(瑞鶴・翔鶴・大鳳・雲竜・天城・葛城・伊吹・鞍馬・隼鷹・飛鷹・龍鳳・瑞鳳・千歳・千代田)、航空戦艦4隻(伊勢・日向・扶桑・山城)を基幹とする日本海軍のほぼすべての機動部隊戦力をここへ集中することにも成功していた。

対する米海軍も、正規空母7、軽空母8とほぼ互角の航空戦力で攻撃を開始するも、予想をはるかに超える日本海軍側の戦力集中(彼らはこの一撃に戦争そのものを賭け、文字通り後がない攻撃をかけてきており、ニューギニアへ移送された元1号作戦用戦力による大反攻も開始されていた)により機動部隊は壊滅状態となってしまう。
勝敗の結果は、翌日夜の艦隊決戦へともつれ込む・・・かに思われた。


この時点で米軍が喪失した戦力は、正規空母6、軽空母4が沈没ないし大破(航空機運用機能を奪われた米機動部隊に文字通り乱入した日本海軍の主力潜水艦隊総勢58隻により戦果はなりふり構わず拡張されていた)。戦艦3が沈没し、残る9隻のうち3隻は何らかの損傷を負っていた。
かくて、猛将ハルゼーは水上艦部隊同士の艦隊決戦を決断するも、本土では「新兵器」の使用にゴーサインが出されていた。

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最終更新:2012年01月02日 20:15