529 :ナイ神父MK-2:2015/09/30(水) 00:11:04
日蘭世界 ペリー提督の江戸レポート

ペリー提督は、日本訪問中に見聞きした、内容をレポートとして軍の本部に提出したといわれている。
中には当時日本で見せられた軍備や兵器について記載されており、以下の文はその要約である。


江戸の都市の構造は、長年国内で行われてきた火力を前面に押し出した戦争の効果で、非常に砲撃と白兵戦に強い構造となっており、
特に砲撃戦に関しては例え本国艦隊全てを動員したとしても機能を完全に喪失させる事は不可能だと思われる。

また、陸上での戦闘に持ち込んだとしても、日本が誇る騎兵隊や剣牙虎兵には苦戦を免れないだろう。
陸戦で注目すべきは剣牙虎兵でこれは日本固有種の肉食獣とそれを飼いならす兵士が一体となって突入し
前線の歩兵隊や騎兵隊に対して襲い掛かると言うものである。大型肉食獣に正面から襲い掛かられる恐怖は
訓練された兵士でさえ拭い去れぬものであり、フルプレートで身を固めても爪の一撃は侮れない※1、
更に歩兵だけに気を取られていると、砲撃音や肉食獣の咆哮にも恐れない騎兵隊※2に前線を破られるだろう。

日本の軍備の特徴で注目すべきは過剰なまでの火力主義もあげられる。領内の至る所に船舶や上陸した兵士に向けるものだと思われる。
固定砲台が設置され、さらに引かれている鉄道は数箇所のターミナルで円状になっており、緊急時には列車砲※3を並べることが出来る様子が見て取れる。
言わばこの江戸という都市そのものが強力な砲撃能力を有した巨大な要塞都市であり、日本の火力主義の集大成といえるだろう。
加えてこの都市の近くには、大型の蒸気式軍艦を整備・運用できる港※4が作られており、此処から出撃する
幕府水軍も侮れるものではない。野戦砲にしても、かのナポレオンの如き砲兵部隊が整備されており、
先進国の陸軍部隊となんら変わりない、むしろ凌駕していると言っても過言ではない火力を備えている。

総括すると、日本に対する武力行使による恫喝や攻撃は無駄といって良く、日本との戦争を行う為には
更なる戦艦の増産と、日本の火力を破れるだけの陸戦力を用意すべきであろう。


ペリー提督の製作した文章は現存※5して居らず、失われた経緯については複数の説が上げられている。
その中でも特に、有力なものが南北戦争における戦火による消失・または当時の政府高官が処分したとする説である。
前者は日本の開国後、アメリカではすぐに南北戦争が始まり国内は大混乱に見舞われその中で失われた
とする説で、後者は白人至上主義の当時の政府高官が秘密裏に処理したとするものである。
特に後者は当時の政府関係者の手記の中に、提督のレポートが問題視されていたことを示唆する内容が
見られ、この説を裏付ける有力な証拠となっている。

※1:日本は自国の兵の精強さを見せる為に、複数のパフォーマンスを行った。
その中で剣牙虎に西洋で使用されていたフルプレートメイルを叩かせる
という行為を行っており、そのことだと思われる。

※2:上記同様、パフォーマンスで行われた模擬戦で、欧州で見慣れた騎兵隊に対しても
熱心に質問してきていたと、当時の幕府側資料には記載されている。

※3:鉄道網整備後に、夢幻会の列車砲マニアの転生者(幕府重役)が主導で
用意した艦載砲を転用した列車砲である。開発後は延々改良され日露戦争でも
その火力を発揮していく。

※4:夢幻会主導により開発された未来の横須賀鎮守府であり、現在は幕府直轄の
艦隊が停泊している。

※5:第二次大戦後に全文がホワイトハウスから発見され、場所が場所だけに
秘匿されたのではないかという説が強いが、単に当時の政府が報告を信じなかったの
では無いかとも言われている。

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最終更新:2016年02月29日 00:21