450 :ナイ神父MK-2:2016/02/29(月) 00:00:41
日蘭世界 44年ゲート編 その5

ソ連参戦まで

1945年2月のヤルタ会談にてソ連はアメリカからの援助の継続を条件に日本への宣戦布告を承諾、同年翌月には侵攻の為の準備を
完了し、日本に対して日ソ中立条約を破棄して宣戦布告を行った。そしてそれと同時に満州へ対して国境側に集結させていた
部隊を進め奇襲によって準備が整う前に防衛線を突破して侵攻を成功させようとしたのだが、それが間違いだったと知るのは
戦闘を開始して直ぐのことであった。

満州防衛戦

宣戦布告と同時に国境を越えて進んでいた部隊は比較的旧式の多い部隊であり、そんな旧式兵器部隊の一員となっていたT-26と
その乗員たちの前に現れた物は、彼らを驚愕させるには十分すぎる物であった

「前方に居るのは日本の戦車か?」

「気を付けろ、最近日本の連中がアメリカの戦車を奪って部隊を作ってるみたいだからな」

「いやアレは駆逐戦車みた・・・お、おい!あれ!」

「どうし・・・」

その言葉を言い切る前にT-26はその装甲を正面から破られ、操縦士を貫通して燃料タンクに着弾車体を爆発四散させた。
彼らが最後に見た戦車の正体はISU-152本来であれば欧州でドイツ相手にその猛威を振るっている筈の最新式の自走砲である、その他にも周囲を見渡せば
ソ連軍の乗ったKV-85を日本兵の乗ったIS-3が攻撃していたり、日本の記章を付けたT-34がソ連のT-34を撃破するなどの光景が其処彼処で見られていた
一見するとソ連の精鋭が離反部隊を粛清しているかの様な有様では有ったが、攻撃されているのは列記としたソ連兵であり防衛しているのは
日本陸軍であった。

大陸日本が元の世界から史実の日本に提供したソ連戦車群はこの世界に置いてソ連兵に対する死神と成って襲い掛かっていた。そして、それでも進軍しようとする
ソ連兵の前に現れてのたのは、大陸側から齎されたもう一つの死神であった。

「誰でも良い対空砲でアイツを叩き落せ!」

「無茶だ!下手に撃てばさっきの自走砲の二の舞だぞ!」

「くそ、又一両やられた小口径じゃまともに装甲を通らない!」

「ヤバイこっちにく・・・」

射程内に収めた兵士や戦車を次々にスクラップと挽肉に変えながら大陸日本産の攻撃回転翼機「桜花」は攻撃の手を休めずに次の部隊に機関砲を掃射していく
そして、その威力は実際に攻撃を行っている史実日本兵からしても凄まじい物であり、乗員の二人も余裕そうに軽口を叩いていた。

「この機体凄いな・・・」

「ああ、実際に納入されて訓練してる間は使えるか心配だったが面白い様に歩兵が狩れるな」

「これも向こうの日本が来てくれたお陰だな」

「しかし、良い物をくれるのは良いんだが可笑しなものまで持ってくるんだよな・・・」

「ああ、あれか、俺はいいと思ったんだがな絵で書かれている分使いやすいし描いてあるのは女だから
男もついつい目で追っちまうだろ?」

「それはそうなんだがな、なんかこう気恥ずかしいというか軍人としてああいう物に現を抜かすの如何かと思うんだよな」

「まあ、説明書の類までああいう絵なのは少し問題だと思うが、向こうには向こうの考えがあるんだろ
それより次はあの戦車だ」

「なんだかなあ・・・」

451 :ナイ神父MK-2:2016/02/29(月) 00:01:14
大陸側から持ち込まれた桜花の説明書が所謂萌え絵で手順の絵が描かれていた事に愚痴りながらも攻撃は止めない二人であったが
この後多数のソ連戦車を撃破した事で史実では生まれなかったエースパイッととして名を残していくことになる。

ソ連の焦りとドイツ建て直し

ソ連の満州戦線が鉄板に置いたバターの如く溶けている頃、ソ連のシベリア鉄道とウラル工業地帯にはそれぞれ日本の富嶽と芙蓉
が派遣され、それぞれ報復爆撃を開始していた高度12000mを優に超える高さからの攻撃はソ連の航空機では対ソすることが出来ず
仮に届いたとしても速度が追いつかないといった自体が多発し、結果的にシベリア鉄道はモスクワ付近まで終点を物理的に縮められて
ソ連の極東方面への援軍や支援を大いに遅れさせ、ウラル工業地帯への気化燃料爆弾と地中貫通弾の投下に寄って工場の土台や地下倉庫
に至るまで破壊されたソ連は生産能力を大きく下げることと成る。

当初は多数の犠牲を出しても最終的に数による圧殺が出来ると考えていたソ連はバターか砂の城の如く崩されていく自国の極東方面軍に危機感
を覚え、急いで援軍を送ろうとしていた、しかし、輸送の為出発した列車は富嶽の爆撃によって欧州側から引き抜いた主力と物資を巻き込んで
シベリアの大地の肥やしとなり終点が欧州に近くまで後退したことによって長い距離を陸路による移動で送るしかなくなっていた。

ソ連の主力が盛大に爆発し、更に多数の部隊を欧州から抜かれたことはドイツにとってチャンスとなり廃墟となったポーランドに強固な防衛線を
構築しなおしたドイツ軍は残り少ない戦力を上陸した連合軍へと割り当て連合軍に対抗、この際にアメリカ軍が日本の西進を恐れて本土防衛や
ハワイ防衛の為に戦力を戻していたことが災いして敗退を重ね、4月には完全にフランスを奪還されてイタリア半島を除く欧州本土からたたき出されている。
尚、日本の活躍によって齎されたこの勝利はドイツで大きく取り上げられ、ヒトラーも大絶賛して士気が上がったと言う副次効果を出した。

樺太占領とソ連太平洋艦隊の受難

陸での防衛がほぼ完全に防衛に成功したと判断した日本軍は訓練を終了したサウスダコタ級とヨークタウン級をウラジオストク派遣しソ連の太平洋に置ける戦力の撃滅を
目指して進軍を開始した、これをスパイによって把握したソ連軍であったが、現在のソ連の太平洋艦隊に日本に対抗できる戦力は存在せず、止むを得ず大型艦を中心として
脱出作戦を決行するが、周辺に待ち構えていた大陸日本の吾妻型や潜水艦部隊、初春型によって多数が沈められ港湾内で砲撃に遭った戦力も含めて約7割近い艦艇が沈められ
戦艦による砲撃と空爆によってウラジオストクの造船能力と港湾機能に致命的なダメージを受けている。

その後日本軍は本土から陸軍戦力を抽出し、数少ない揚陸艦である神州丸とあきつ丸も動員して樺太占領作戦を実行、艦隊からの砲撃と上陸したきた日本の攻撃により
戦のないソ連軍は完全に士気が崩壊して部隊の政治仕官達が自殺をした後、多数が降伏することとなり比較的軽い被害によって占領することに成功している。
侵攻部隊の全滅と樺太占領、ウラジオストクの壊滅により極東戦線は援軍到着後に完全に膠着するも、今度は主力を多数失った欧州方面で連合を叩きだしたドイツ軍が英米に
宛てていた戦力を東部に回して逆襲を開始、最終的にウクライナまで戦線が後退している。また、この満州攻略の失敗とドイツ逆襲のに対する防衛の失敗ウラジオストクの
被害の責任を追及された多数の人間がスターリンによって粛清され、唯でさえ減っていたソ連の高官が更に減るのはそう時間のかかることではなかった。

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最終更新:2016年02月29日 00:48