917 :ナイ神父MK-2:2016/03/03(木) 00:49:16
日蘭世界 44年ゲート編 その7
戦力増強とマリアナへの備え
日本とOCUでは現在アメリカ海軍が仕掛けてくるであろうマリアナでの海戦に向けて準備を進めていた、日本では
既に訓練の終了したサウスダコタやヨークタウンの他、武蔵や大和も既に整備等を終えて出航の準備を整えていた
その頃OCUでは沖縄の港に明石を停泊させて簡易の海軍工廠ととして機能させていた拠点に新たにオランダ海軍の
空母機動艦隊とマリアナ海戦後のハワイ攻略を見据えて伊吹型と入れ替える形で大和型を本土から呼び出していた。
ゲートから次々に史実側の常識を打ち破るような大型艦の出現は、史実日本側のゲート警備に協力していた駆逐艦の
艦長から見てもうらやましい物であった。
「艦長、前方の門より大型の空母を確認、周辺の随伴艦や喫水の様子から見て信濃を越える大型空母だと推測されます。」
「ああ、此方からも見えている」
「艦隊後方より続けて艦影確認、16条朝日旗を掲げている事から門向こうの日本よりの増援艦隊だと思われます、
随行している同軍の相模より巨大なことから此方の大和より大型だと思われます。」
「羨ましいことだ、向こうにはアレだけ大和に匹敵する艦を建造してまだ此れだけの戦艦群を作れる余裕が有るのか・・・」
「身近に同盟国が居ると言うのも羨ましい限りですからね・・・」
「まあ、嘆いていても仕方が無い、次の海戦の主役は我々水雷戦隊と水上打撃部隊だ精々
アメリカに一泡吹かせてやろう」
駆逐艦響の艦長はそう言うと先ほど齎された指令書を確認しながら業務へと戻って行った。
その後到着した艦隊を再編成して日蘭は合同の空母機動艦隊を編成し、大和型と蒼龍型を中心とした艦隊を後方への備えとして
残しマリアナへ向けて出発した。
一方のアメリカでも再編成された太平洋艦隊がマリアナへと向けて出港し、此処に第二次大戦最後の大規模海戦の幕が切って落とされる
事となる。
第二次マリアナ沖海戦
マリアナ沖海戦は開戦前から制海権を既に失っている米軍が不利を強いられたと言っても過言ではない、日本の勢力圏に入った初日から周辺を敵の
潜水艦が常に徘徊し、乗員の新人率の高さから来る能力の低下は避けられる物ではなく駆逐艦などの小型艦とは言え雷撃により確実に被害が出ていた。
しかし、大規模な艦隊であった事が幸いし、日本の潜水艦は主力艦に攻撃を仕掛けてくること無くやり過ごすことが出来ている。
敵艦隊との接触は日本側が潜水艦の情報から手に入ったことから、米海軍の進行先に網を張る形で戦闘を開始した。最初に行われた制空権争いでは
大陸日本の大鳳型の他にオランダのグットホープも参加し、多数のジェット戦闘機による戦闘が発生するが米軍は部隊の熟練兵不足や敵航空機との
機体性能に圧倒され錬度低いパイロットに至っては日本軍機に追い回されることと成る。
更にアメリカ海軍航空隊の悲劇はそれだけに留まらず、今回は新型対空ミサイルを踏査した島風型や戦闘機用の空対空ミサイルが多数投入されて
米航空隊に襲い掛かり、多数の機体が鴨撃ちにされるという事態になった。
一方で水上打撃部隊や水雷戦隊による海上でのぶつかり合いは日米で拮抗する形となっていた、射程や砲の威力に勝る大和型と大陸日本から齎された
サウスダコタ(松島型)や長門が中心となって奮戦するも旧式艦である山城や伊勢などが直撃弾を貰い大破してその後雷撃処分され榛名、厳島が戦闘中撃沈する
被害と引き換えに敵戦艦部隊を撃滅、更に多数の空母が水雷戦隊や日蘭艦隊側からの対艦ミサイルや雷撃により多数が撃沈されるとと言う戦果を上げている。
最終的に米海軍の残存艦は正規空母4隻、軽空母1隻、護衛空母3隻に登る大被害を受け、更に撤退中に日本の航空基地や潜水艦などによる猛攻を受けハワイまで
辿り着く頃には正規空母2隻と護衛空母1隻までその数を減らされる事と成る。
918 :ナイ神父MK-2:2016/03/03(木) 00:49:49
イギリス艦隊の悲哀
日本の戦力の大半がマリアナで激突している頃、インド洋の方面からイギリス艦隊が侵入してきていた本来であればインド洋の防衛に就いていた艦隊であったが
アメリカが支援や一部債務の返済義務の取り消しを条件に英国に日本の重要拠点だと思われる沖縄への攻撃を要請していた為であった。戦後へ向けて少しでも
負担を軽減したかったイギリスは此れを了承するも、後に此れがイギリス海軍に起きる悲劇となる。
インド洋から連合の勢力圏であるシンガポールを迂回して台湾近くまで航行してきたのは良い物の、その動きは既に日本に察知されており、ゲートへの接近を
嫌った大陸日本の大和以下水上打撃部隊と台湾沖で遭遇していた。
「前方より敵艦隊接近数は・・・て、敵艦隊に8隻近い戦艦を確認何れも日本海軍所属の旗を揚げています!」
「な、戦艦は居ない筈ではなかったのか!」
近づいてくる艦隊の内、その半分は摩耶型であったのだが、超弩級戦艦に匹敵する摩耶型の威容では、例え遭遇した艦隊が事実を知ったとしても
何の慰めにも成らないほどの戦力差であり、戦えば無事に離脱できる保障は無かった。此処で完全に作戦が失敗したと考え、降伏を宣言し艦長以下
全員が捕虜となり結果的にイギリスは戦艦1隻と空母2隻、巡洋艦3隻を失う以外を蒙り、アメリカに対して更なる支援の要求をせざるを得ない状況となってしまうので
有った。
マリアナ海戦後の大陸日本と第二次真珠湾攻撃
日本では第二次マリアナ海戦のアメリカ敗北を持ってアメリカに対して講和を求めるも、議会での抗戦派の勢力が未だに強く講和は拒否されまた、アメリカでは
一撃講和論の為の切り札として原子力爆弾の開発を完成間じかまで進めていた。大陸日本はアメリカが講和の席に就かないことを確認した上で、大和を含む水上打撃部隊を
大鳳等と合流させて艦隊を再編し、更に工作艦三浦、翔鶴、準鷹そして核兵器運用型の芙蓉をマリアナへと派遣してミッドウェーへの核の準備とハワイへの攻撃準備を
揃え、最終警告を待つばかりと成る。
そして1945年7月アメリカは正式に日本が出した講話の要求を却下、講和の中で新型爆弾の投下に触れるも信憑性が無いとしてその存在を否定した。
此処に至って大陸日本は核兵器のマリアナ諸島への投下を宣言、更に日蘭連合艦隊によるハワイ諸島への攻撃を開始した、前回のマリアナ海戦に引き続き
参加したオランダのグットホープを始めたした各空母から攻撃はP-80を用意して防衛ラインを引いていたアメリカ陸軍の顔を青く染めるには十分な
物が聞こえてきていた。
「畜生!ジャップの戦闘機もジェット機だ!しかもこっちに馬鹿みたいに当てて来やがる!」
「レシプロ機を下がらせろ!連中の良い的だ!」
「誰か飛行場の守りに回れ!滑走路が使えなくなる!」
「味方!味方はど・・・」
「駆逐艦でも何でも良い兎に角あの巨大戦艦の足を止めろ此の侭じゃヤバイ!」
次々に舞い込んで来る各所からの悲鳴も空しく徐々に無線の数は減り、更に大和及び相模による攻撃により
ハワイに逃げ込んでいた空母や巡洋艦の多数が反撃も侭成らないまま撃沈され、51cm砲と46cmによる攻撃は
真珠湾の港湾機能を喪失させアメリカの財政に莫大な負担のかけることは、誰の目から見ても明らかなことであった。
また、この戦いで米本土から多数移送されていたP-80も多数が日本側のジェット戦闘機に一方的に破壊されたことによって
アメリカに衝撃を齎すことと成る。
一方で、東海岸ではマンハッタン計画が成功して後は核の輸送を開始するだけとなっていたが、日本の戦闘機の性能を
間近で見せられ二の足を踏ませた。
ハワイの大打撃を持って飛行ルートや航行ルートの安全を確保した日蘭は多数の護衛をつけた翔鶴をミッドウェー諸島に派遣し
艦搭載型の戦術核兵器を使用し、講和が認められない場合はハワイ及びアメリカ本土への核の投下を示唆する。
日本が核兵器を既に所持していることは実際に使用された際の威力も相俟って、世論の大多数を講和へと変更させるには
十分恐怖をアメリカへと与え、一撃講和論を展開していた大統領派も戦闘の継続は主張出来なくなっていった。
そして、1945年8月連合国は正式に枢軸との講和を行い歴史の大きく変わった第二次世界大戦は終息へ向かうことと成る。
最終更新:2016年03月05日 13:13