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250 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:57:00
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。


GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第6話 臨編捜索隊第一次偵察行



1945年11月29日昼 特地 アルヌスの丘東方草原地帯


伊丹ら臨編捜索第3中隊と旧称北アメリカ大陸西海岸3ヶ国義勇兵団から集められた臨編捜索小隊、そして主に水質等の環境調査を担当する学者達は、昨日にお互いの自己紹介等の交流をした後、翌朝の29日の朝に出発した。
まぁ、原作より人数が多い上、多国籍なのもあるため交流は必要不可欠である事は当然であり、他の隊も同様にしての29日朝の出発であった。
そんな彼らは現在、コダ村に立ち寄った際に聞いた森の中にある集落に向かう途上で発見した河に立ち寄り水質の調査中であった。

「空が蒼いねぇ。さすが異世界」

川岸で水温を調べたり、採取した水に何やら薬品を加えて丸底フラスコのような栓付の測定瓶を振っていたりする学者先生たちを横目に、どこまでも続く青空を見ながら伊丹が呟いた。
東京ならば、電柱とか電線、場所によっては路面電車やトロリーバスの架線が張るが、ここにはそんなものが全くなかった。

「こんな風景なら、北海道にだってありますよ」

そう言うのは隣で同じくぼーっとしている倉田武雄伍長であった。
今回の臨編捜索中隊の編成に際し、元伊丹隊ということで配属されていた。
倉田は軍教育隊の下士官教育課程を修了して第七師団に率配されたばかりの新任伍長であったが、今回の特地派遣で召集された口であった。
伊丹とは、伊丹が上下関係に寛容であるのと、同じくオタクな趣味を持っていることですぐに意気投合した。

「あーあ、ドラゴンがいたり、妖精とか飛びかっていたり、ケモミミ娘がいる所を想像してたんですけどねぇ。
 これまで通ってきた集落で生活していたのは『人間』ばっかりな上、家畜も地球のと大して変わらないし・・・
 北海道にいるのと変わらないでガックリっす」
「そんなにケモ耳娘に会いたいのかよ・・・」

倉田はケモ耳娘、即ち動物の耳を持った女の子が好みである。

251 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:57:36


「会いたくも有り、会いたくも無しというか・・・」
「ん?」
「ケモ耳娘って、耳は2つなんですかねぇ・・・」
「ああ・・・(ケモ耳の同士から頼まれたな・・・)」

ケモ耳娘には頭にケモノの耳を付けているが、では人間の耳も持っているのか、と言われると分からないとしか言えなかった(そもそも現実にはいないので答えようがないが)。
ゆえにケモ耳の同士の間では、人間の耳も有るか否かの論争があった。
憂鬱日本では、嶋田や伏見宮などの影響により軍人内でのオタク文化の浸透が深かった。
ゆえに、ケモ耳ファンも軍内部にそれなりに存在していた。
そんなわけで派遣されることとなったケモ耳ファンの軍人達には、地球側に残留となった同好の士から調査を頼まれる者が多かった。
倉田もその1人だった。

「あー・・・そうだ、俺は魔法少女とかに会いたいかなぁ・・・」
「え!?隊長、そっちっすか!?」

深みに嵌りそうな倉田に、話題を変えようと伊丹が自分の興味について語る。
その発言に倉田が食いつく。

「めい☆コンのエミュが、えへへ・・・」
「それっすかぁ・・・」

めい☆コンとは、主にMMJが中心となって始めた国策アニメである。
元が引退した魔法少女が現役魔法少女が破壊した街を修復する作業を描いたものであるので、戦争の後始末がどれほど大変かを教え、強硬論を抑えようと始められたものである。
エミュことエミュリエはそれに登場する現役魔法少女の1人である。
その後、めい☆コンの主題歌歌い盛り上がる2人。
それを遠くで奇異の目で見る女性が2人居た。
憲兵隊から召集された栗林志乃軍曹と陸軍軍医学校から卒配された黒川茉莉軍医少尉である。
共に占領域での女性との接触でのトラブルを避けるために採用された口である。

「なんなのよ、あれ・・・」
「放っておきましょう。特殊な趣味というものです」

そう言って、2人は無視する事とした。
世界が変わっても平常運転な2人であった。

252 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:58:08



1945年11月30日午後3時頃 特地 デュマ山脈上空


「こちら『ひばり隊』。
 東方山脈地帯の東側、アルヌスより方位110度距離300km地点を哨戒中に商隊を襲撃している盗賊団を発見。これを攻撃し壊滅させた。
 弾薬補充のため、これより帰還する」
「アルヌス航空管制。了解した」

偵察爆撃活動中の2機の九六式艦戦と4機の九七式艦爆が一路アルヌスの飛行場へと帰還の途につく。
臨編捜索中隊の出動に合わせ、日本陸海軍航空隊から爆装した航空機の小隊ないし中隊を22日から周辺空域の哨戒活動に投入していた。
主な目的は偵察活動中の臨編捜索中隊に危機的状況が起きた場合にすぐに駆けつけられる近接航空支援であるが、ある事態により、爆弾等を消費して帰還してくることもあった。

盗賊の跳梁である。

この世界では領主が領民を守るために盗賊と戦うということは珍しかった。
彼ら領主にとってそれは義務ではない為、わざわざ命の危険を冒す必要が無いという考えだからだ。
現代の感覚からすれば、非難される事ではあるが。
とはいえ、彼ら盗賊としてもさすがに領主や貴族、騎士の目があるためにこそこそとしか動けなかったが、今はその必要が無くなった。
アルヌスの戦いで彼らが疎ましく思う領主らが次々と戦死したからである。
ゆえに、彼ら盗賊は堂々とあちこちで商隊や旅人を襲い始めた。

そんな彼らを日本軍パイロットは見逃さなかった。
正義感に駆られた日本軍パイロットが哨戒活動中に偶然、旅人を襲撃している盗賊を発見し、独断で盗賊を攻撃したのだ。

勿論帰還後、この独断行動で叱責を喰らったのだが、だから言って無視するのか、という声も大きく、さすがに後味が悪かった。
そこで、哨戒活動に際し盗賊を発見した場合、独自の判断で攻撃してもよいという命令を出すに至ったのだ。

この6機も偵察爆撃として周辺を哨戒中に盗賊を発見して攻撃した帰りであった。

「ったく・・・、北米でも散々見たが、異世界でも見る羽目になるとはな・・・」

九七式艦爆の前席の操縦席に座る北米帰りの隊長がそう言って毒づく。
旧称北アメリカ大陸東部の疫病発生域では、世紀末の様相を示し、盗賊の跳梁跋扈が激しかった。
彼としては、思い出したくもないようなひどい有様ではあったが、それを異世界でも同じような景色を見ることになれば、嫌になるものであった。

253 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:58:40


「ん・・・?」

周囲を警戒していた後席の偵察員が何かを見つける。
なにやら赤い物体が見えた。

「鳥・・・、いや待て、あれは・・・」

偵察員は手持ちの双眼鏡でそれを見て、驚愕した。

「警報!9時の方向より赤い竜と思しき大型飛行生物接近!」

偵察員からの報告を受け、隊員に緊張が走る。
隊長もそれを確認する。

「各機構うな!このまま全速で逃げ切れ!!」

隊長はそう指示を出して、スロットルを開いて速力を上げる。
だが、相手もこちらを確認したのか、速力を上げて追ってくる。

『目標増速!なんて速さだ・・・目標速力は疾風並みです!追い付かれます!!』
「止むをえん!各機、合図と同時に散開!その後は独自の判断で回避しながらアルヌスに向かえ!」

他の機からの報告を聞いた隊長が各機にそう指示を出す。
竜はそのままグングンと編隊に迫り、口元が赤く光るのが見えた。

「今だ!!」

長年の勘から、咄嗟に危機を感じ取った隊長は合図を出し、各機が散開する。
すると、竜の口から炎が吐かれ、編隊がいた空間を貫いた。

「おっかねぇもん吐き出しやがって!!」
「御伽噺は童話の中にしてくれよ!!」

隊長と偵察員がそう言って、炎を吐いた竜にそう言って毒づく。
竜は編隊がいた空間で一時滞空し、周囲を見渡す。
そして、地面に降下している隊長機を見つけて追いかける。

「追ってきます!」
「あの山の山頂上ギリギリを飛んでデカい図体をぶつけさせる!機銃で応戦!挑発しろ!!」
「ハッ!!」

隊長からの命令を受けた偵察員は後部銃座の銃火器を竜に指向させる。
九七式艦爆は史実の彗星に相当する機体で、後部に7.7mm機銃を備えていた。
門周辺の戦闘で墜とされた竜を相手に試射した結果から7.7mm弾では効果が無いことは分かっていたが、それでも撃たずにはいられなかった。
九七式艦爆と竜はどんどん降下し、目の前に山頂が見えてくる。
九七式艦爆はその上空ギリギリ10~20mを通り過ぎた。

254 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:59:14
追いかける竜も山頂に迫る。
だが、九七式艦爆より大きい体では山頂に激突するだろう。
そう思われた。
だが竜は、翼を羽ばたかせて急減速して衝突ギリギリのところで滞空する。

「トカゲの癖にオツムのいい奴だ!」

偵察員・・・中島春雄は、そう言って悪態をついた。
一方の竜は、中島らを完全に見失ったようでその場から北に向かって離れていった。



1945年11月30日夕刻 特地 コアンの森 エルフの村


「くぁ~~エルフっすよ、隊長!
 しかも、金髪のエルフがこんなに!!
 さすが特地!くぅ~~、希望が出てきたなぁ!!」
「お前、何時からエルフ萌えに転向したんだ?」

河川の調査とサンプル採集を行った後、4時頃になって、ようやくエルフの村に到着した捜索隊一行は、現地の住民のエルフ達から歓待を受けていた。
集落の長、ホドリュー・レイ・マルソーは閉鎖的かつ保守的なエルフの中でも進歩的な考えの持ち主であることから、伊丹らを大々的に歓迎すると共に伊丹達の持ち物に色々と興味を惹かれ、質問してきていた。
なお、原作通り好色家なホドリューは、女性兵を口説こうとして近づき、栗林に見事なアッパーを決められ、今は家で休んでいる。
一時は一触即発になるか、と思われたが、彼の好色家ぶりは有名なのか、逆に娘を名乗るテュカ・ルナ・マルソーから謝られる始末であった。

さて、そんなわけで、エルフたちからの歓待を受けている伊丹達ではあるが、特にゴタゴタもなく終始笑顔が絶えなかった。
一緒に来ている義勇兵の面々も故郷の歌を口ずさんだり、踊りを披露したり、それに釣られて日本兵も踊ったりと、賑やかな夜を迎えていた。
学者の先生たちもこの時ぐらいは、と出されたお酒を飲んで楽しんでいる。
伊丹は他の隊員達を見ていたが、ふと1人の兵士が熱心に何かを描いている日本人二等兵を見かけて声をかけた。

「おい、何してんだ?」
「あ、隊長!」

伊丹に声をかけられた二等兵が慌てて立ち上がり敬礼する。

「ああ、敬礼はいいから。で、何していたんだ?」

右手を振って、敬礼を解くように言いながら、伊丹はその二等兵が描いていたノートを覗き見る。
そこには、今目の前で繰り広げられている宴会の様相を描いた絵があった。

「へぇ、上手いもんじゃないか・・・」

二等兵がノートに描いた絵を見て、伊丹は感嘆する。

255 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/15(火) 00:59:49


「下手の横好きではありますが・・・」
「いやいや、謙遜すんなって。お前さん、徴兵前は画家・・・とか?」
「いや、絵が好きなだけで・・・、美校(東京美術学校、現在の東京芸術大学)に入校しようと勉強中に召集を受けて・・・」
「ああ、そりゃ災難だな」

伊丹はそう言って、後頭部を掻きながら、話題を変えようと思案する。

「あー、そうだ。それくらい絵が上手いなら同人誌とか書いて即売会に出したらどうだ?」
「即売会、ですか?」
「そう。お前さん、絵が上手いから結構売れると思うよ」
「ですが、自分に出来るでしょうか?」
「大丈夫って!俺が手助けするから、な」

そう言って伊丹は、右手で拳を作り自分の胸を叩く。
二等兵は少し考えた後、答えた。

「考えてみます」
「おう。出るときにはいつでも言ってくれ。えーと・・・」

咄嗟に名前が出ず、思い出そうとする伊丹に二等兵は苦笑しながら自分の名前を言った。

「武良。武良茂二等兵であります、隊長」




以上です。

倉田のケモ耳論争確認はまぁ、オタク文化の浸透している憂鬱日本軍のケモナーなら起きるだろうなぁ、と思い入れました。
異論は受け付けません。

めい☆コンについては、元の内容からして、これって戦争の後始末の大変さを教えるのにちょうど良いんじゃないかな?と思い、国策アニメとしました。
異論は受け付け(ry

黒川が少尉となっているのは、旧軍の軍医制度で下士官の軍医は予備役応集となる軍医がなり、現役兵は学校卒業後少尉ないし中尉からスタートするので、少尉となりました。
クロちゃん、大出世。
異論は受け(ry

航空隊の盗賊討伐は、普通の人間なら見過ごせないだろうし、
退治すれば占領時の統治もやり易いし、
盗賊を退治してくれるとなれば、特地人からのイメージアップにも繋がると思いやりました。
異論は(ry

そして、登場した航空隊の中島春雄と伊丹隊の武良茂。
御存じの方は分かっているでしょうが、初代ゴジラの中の人と水木しげる大先生です。
中島春雄氏は、史実では43年から予科練に入り、パイロットを目指していたのでこういう形での登場になりました。
この経験がゴジラの演技に繋がるかもしれない(笑)
もう1人、水木しげる大先生ですが、史実では徴兵検査では乙種合格で満20歳となったのが1942年で、ひょっとしたら太平洋戦争に出征していたかもしれません。
ですが、憂鬱だと太平洋戦争は楽に進んだので、このお話では、徴兵されずに過ごすかと思いきや、ゲートの所為で召集されたという設定です。

さて、今回エルフの村で一泊することになった一行ですが、翌日には今回のお話にも出たあれが来ます。
果たして、伊丹達はエルフを守れるのか?


今回はここまで。
更新も話の展開も亀ペースですが、なるべくエタらないようには頑張りたいです。
それでは、また次回に。

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最終更新:2025年03月05日 00:31