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669 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/30(水) 19:35:09
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。
※注意、若干グロ表現が有ります。



GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第9話 対日諜報活動 地球編



1945年12月6日 日本 東京赤坂 北一輝の経営する料亭

フィンランドが独立記念日を祝い、中京では昨年の震災の慰霊祭の準備が大急ぎで行われているこの日。
北一輝が経営するとある料亭では、永田首相を筆頭にした会合メンバーがある問題に協議していた。

「テキサスカウボーイ共め。余計な事をしやがって・・・」

吉田外相から受けた緊急の報告の内容に、会合の面々は頭を悩ませて口々に不満を漏らす。

ドイツ枢軸圏の衛星国の1国、テキサス共和国。
その内情は厳しい状況下にあった。

東部から絶え間なく流れ込む難民
軍事力を背景に強引な統治を強行
徹底的な人種カースト制と情報統制、物資統制
反逆者の徹底的な粛清

前世東側諸国を彷彿させるような、いやそれよりも過酷な統制で、政府に不満を持つな、というのは難しかった。
そんなテキサス共和国政府は国民の不満を逸らすために外部に敵を求めた。

そして、彼らがその敵に選んだのがカリフォルニア共和国であり、その後援国、日本であった。

670 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/30(水) 19:35:42
彼らは国内に対し、
『日本は人類防衛の最前線である北米防疫線の維持をこちらに押し付けている』
『日本人は空爆だけしか行わない。人を出せないなら、資金や物資を最前線の国々に供給するべきだ!』
『世界から富を収奪し続けた日本は新技術を無償で世界に提供するべき』
と好き勝手に言いまくった。

日本国内での反発は、事前に情報を察知し、迅速に抑えたが、国外、特に西海岸三ヶ国ではテキサス共和国への反発が大きくなっていた。

「このような事態では外交筋での説得では効果が薄い。
 演習という、軍事力を背景にした威圧による解決しかないと思うが?」
「私個人としては遺憾ではありますが、やむを得ないでしょう」

永田の発言に吉田は苦い顔をして同意する。
彼としても、この事態の解決には穏健的な行動では難しいとは理解していた。
しかし、外交の復活を目指す彼としては、また軍事力が用いられることには眉を潜めざるを得なかった。
だが、彼はただでは転ばない。

「ですが、いかがでしょうか?
 西海岸の三ヶ国は、特地事変において義勇兵を派遣しています。
 演習を行うと共に連絡会議を行いたいと思います」
「先日の会合で挙げられた奴をか?」

先月下旬に開かれた会合の席にて、吉田と白洲ら外務省官僚の面々によって、義勇軍派遣国家との調整を行う連絡会議や会談の実施が提案されていた。
予てから、伏見宮博恭王殿下より御小言を貰い、環太平洋諸国会議の開催に積極的に動いていた嶋田はこれに賛同し、近衛もこの連絡会議及び会談の開催に協力していた。
外務省主導という点に不安の声がやはりあったが、能力面では信用できるメンバーを選出すればいいし、先の環太平洋諸国会議延期によって生じた汚名返上と外務省の名誉挽回の必要があり、概ね了承の方向に提案は進んでいた。

「西海岸諸国としてもテキサスの一件があるため、調整が必要であるはずです。
 これを端として各国でも連絡会議を行うべきではないでしょうか?」
「たしかに・・・
 テキサスの一件は西海岸の各国としても頭が痛い話だ。
 軍事演習を行うにしてもそれの調整が要るしな」

参謀総長として陸軍を管轄する杉山や陸相の東條も、連絡会議の必要性に理解を示す。
ある程度意見を出し尽くした後、採決が採られた。

「では、現地軍とのカリフォルニアでの演習の実施と西海岸三ヶ国との連絡会議の開催を行います」
「「「異議なし」」」

671 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/30(水) 19:36:25

1945年12月7日 日本 駐日ドイツ大使館のとある1室



「どうだ?連中の動きは?」
「ここ最近は、ヨシダやシラスなどの外務省関係が積極的に動いている」

ドイツの大使館の中であるにも拘らず、様々な人種がこの部屋に集まっていた。
いずれもドイツが日本国内に潜ませた工作員たちである。

「昨日は赤坂の料亭に会合メンバーが入っていた」

そう言って、アメリカ系の男、名をジェイキンズという工作員がメンバーを隠し撮りした写真を数枚見せる。

「従業員からどんな話をしていたか、訊き出せたか?」
「そんなことできるわけないだろ」

東洋人系の男、名を劉という工作員の言葉に、ジェイキンズは呆れたように言う。
その言葉に劉は馬鹿にしたように言った。

「なんだ?
 ウィトレスから訊き出すこともできないのか?
 これだから美国人は・・・」

劉の対応に、ジェイキンズは怒りを感じつつ、さらに馬鹿にして言い返す。

「日本の料亭は、料理を提供するのではなく密談の場を提供する店だ。
 だから客の情報は絶対に漏らさないし、その事に関して細心の注意を払っている。
 日本にいる工作員なら常識だぞ。
 そんなことも知らないのか?
 これだから劣等人種は・・・」
「なんだと!
 貴様らこそ、その劣等人種に敗北した負け犬だろうが!!」
「ふん!
 欲望のためなら親や子すら売り払う貴様ら中国人には言われたくないわ!!
 どうせ上海の裏切りのように、こっちの情報を日本に売っているんじゃないのか?」
「なにをぉ!!」
「やるかぁ!?」
「よさんか!!!」

言い争いを始める2人に、今年68歳になる初老の男が怒鳴る。

「今の我々は等しくドイツのために、総統閣下のために忠誠を誓い職務に当たる仲だ!
 過去の遺恨にいつまでも拘るんじゃない!!
 そんなことでは日本を出し抜くことは出来んぞ!!」

男の叱責を受け、2人は渋々といった形で言い争いを止めるが、表情ではお互い険悪の状態であった。

672 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/30(水) 19:37:01

「(親衛隊の黄色いSSは同じ東洋人ということで派遣されているわけだが、こうも仲が悪いと逆に問題だな・・・
  かと言って、更迭出来るほど、私や部長の発言力は無いしな・・・)」

国防軍情報部(アプヴェーア)に属し、今回の対日諜報活動を指揮するこの男は目の前で険悪になっている元アメリカ人と元中国人の工作員に霹靂していた。
しかし、両名らは親衛隊情報部(SD)の第VI局(国外諜報局)に属している。
現状、アプヴェーアはヒトラーからの信頼が低空飛行気味であり、墜落寸前の状況である。
一方で、SDは逆にヒトラーの信任が厚く、アプヴェーアはいつ吸収されるか分からない状況であった。
そんな現状では、アプヴェーアの彼がSDの彼らを更迭できる訳がなかった。

「話を戻すぞ。
 とにかく外務省関係での動きが活発化したことは確かだ。
 問題はどういう理由で、だ。
 テキサスの一件・・・にしては時期が合わないところがある。
 となれば、何らかの外交攻勢と見るべきだろう」

男はそう言って、話を戻し、夢幻会の活動に関してそのような分析を下す。

「本国に報告しますか?」

部下のアプヴェーア所属の工作員が、そう訊ねる。

「無論だ。だが、暗号ではこちらの行動が察知されてしまう可能性があるが・・・」
「例のトランジスタコンピュータですか。まったく忌々しい事だ・・・」

アプヴェーア所属の工作員がそう言って嘆く。
その言葉にSD所属の工作員が文句を言う。

「ふん。そんなこと察知できなかったお前たちの自業自得だろう」
「そういうお前らこそ、日本のコンピュータを察知できたのか?
 人のことを言えないだろうが!!」
「なにをぉ!!」
「やるかぁ!?」
「いい加減にしろ!
 総統閣下が並々ならぬ期待をかけている作戦なのだぞ!
 仲間内で争ってご破算にしてどうする!!」

指揮官の初老の男、フレデリック・"フリッツ"・ジュベール・デュケイン。
「キッチナーを殺した男」などと称され、米国内のドイツ諜報網設立に貢献した男である。
カンザスの刑務所から開放され、新たな任地に赴いた男の悩みは絶えなかった。

673 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/03/30(水) 19:37:52

1945年12月某日 某所



「そうか。連中はそんなに仲が悪いか」
「ああ。あれじゃまともな諜報活動など出来んよ。
 だが、人間的に、人間関係的には問題だが、さすがに素質のある奴は送ってきているようだ」
「仲間争いをするのが、素質のある奴か?」
「誰だって最初は原石さ。
 磨く職人の手によって善し悪しが決まる」
「ということはその原石を磨いた職人は三流か?」
「まぁな。
 だが、俺達も最近は二流に名が下がっている。
 早いところ一流に戻らんとな」
「わかっているよ、トライシクル。
 お前も気を付けろよ」
「ああ。じゃあな、17F」

コードネーム『17F』と『トライシクル』。
本名『イアン・フレミング』とジェームズボンドのモデルとなったといわれる二重スパイ『ドゥシャン・ポポヴ』は、そう言って別々に分かれた。




以上です。

今回は英独の諜報活動に目を向けてみました。

冒頭のテキサスの件は現時点で最新話の戦後編第27話のカリフォルニアでの演習の事です。
まぁ、日本に対する妨害活動で、ドイツがやりそうですよね。

原作の米中の工作員、ジェイキンズと劉は親衛隊入りさせました。
原作では手柄の横取りもあったし、米中間の仲はあれだから、これくらいゴタゴタしていてもおかしくないかもしれない。

フレデリック・"フリッツ"・ジュベール・デュケインは19世紀のボーア戦争以来活躍しているドイツのスパイです。
諸説では第一次大戦時の英陸軍大臣キッチナーの乗っている巡洋艦ハンプシャーに潜り込み、待機中のUボートへ合図を送り、雷撃を行わせ、キッチナーを抹殺したと言われています。
近年では信憑性が問われていますが、まぁ、この当時だとそう信じられているはず。
ちなみに彼は史実では1941年6月28日に一斉検挙を受け、ドイツの対米諜報網に大きな打撃を与えました。
その後は、カンザス州のカンザスシティの刑務所に収監されていましたが、カンザス州はイタリア領になったので、解放されたという設定です。

最後に出てきたのはイギリスのスパイにして、ジェームズボンドの生みの親『イアン・フレミング』とそのモデルとなったといわれる『ドゥシャン・ポポヴ』。
ドゥシャン・ポポヴは、セルビア出身で、アプヴェーアに侵入したMI5の二重スパイです。
女性関係が派手で、それがボンドの設定に生かされたとか。


今回はここまで。
更新も話の展開も亀ペースで不定期ですが、なるべくエタらないようには頑張りたいです。
それでは、また次回に。

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最終更新:2025年03月05日 17:03