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42 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/04/12(火) 23:01:48
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。



GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第11話 懲りない方々


1945年12月9日 特地 イタリカの街 フォルマル伯爵邸


「では、条文に問題は有りませんかな?」

そう言って、第16師団長の相沢三郎中将は、フォルマル伯爵家の面々とイタリカ占領に関する各種条文に不備はないか訊ねた。

イタリカの街は、テッサリア街道とアッピア街道の交点という交通上の要衝であり、
これといった特産品などはないが、周辺で収穫された農作物、家畜類、あるいは織物等の手工業品を帝都へと送り出すための集積基地としての役割を担っている。
つまりここを占領することは、帝国の喉元に刃を突き付けるようなことであった。
転生者達もそれを理解し、ここを抑えることで帝国の物流に打撃を与えるために、第16師団を派遣させた。

第16師団はイタリカに到達すると、まず周囲3km地点に陣を築いて包囲を始めた。
耳が早く、目聡い連中は『陣が気づかれる前に』と、一早く家財を持って逃げ出しており、前話で姫様と出会ったイタリカからの避難民は、その一部であった。

包囲を完了すると、相沢は、まずは軍使を派遣した。
日本軍としてもここで無駄な戦闘をしたくないし、万が一民間人にも被害が及べば国際世論が煩い。
平和的に解決できるならばそれでいい。
そう考えた。

フォルマル伯爵家側も『戦わずに話し合いで済むのならば・・・』といささか平和ボケ感のある思考から、交渉に応じることにした。
現在のイタリカ領主、帝国貴族フォルマル伯爵家の邸宅で交渉を行っていた。

条文では、主に次のようなことが書かれていた。

1.イタリカ及びフォルマル伯爵領は日本の占領下に置く。
2.フォルマル伯爵公女末妹ミュイは11歳であり、日本の学校教育に関する法規において、義務教育を受けるべき年齢であるため、日本側から派遣された教師により教育を受ける義務を負う。
3.当座のイタリカの統治権は日本軍の助言の元、フォルマル伯爵家に一任する。
4.税制・法規などは、日本の法制及びそれに基づいた税制などを適用し、違法な法規や税制等を施行してはならない。
5.日本軍はイタリカ及びフォルマル伯爵領の治安維持活動に積極的に協力する。

占領される側のフォルマル伯爵家側としては、彼らの常識では有り得ないほど寛大な内容であったため、特に反論は無かったが、困惑が大きかった。
相沢は、何度の『この内容でいいのですか?』と問われ、その度に『問題ない』と返答し、少々疲れることとなった。
その後、条文は受け入れられ、イタリカは間もなく日本軍の占領下に入った。
ミュイ・フォルマル伯爵公女は、御目付としてメイド長のカイネの御付のもと、数日後に日本より派遣された数人の教師から教育を受けることとなる。
ついでに、バーソロミューなどの不正を働いた一部の人間や袖の下を通して見逃してもらおうとした連中は、イタリカに設置された日本軍の犯罪者仮収容所にさっそくぶち込まれたことをここに記しておく。

43 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/04/12(火) 23:02:21

1945年12月11日 日本 東京 某所の料亭の一室


「軍人共め!全くもって忌々しい!!」
「軍人は戦争だけ考えて、政治は我々政治家に任せればいいのだ!なのに総理の椅子まで持っていきおって・・・けしからん!!」
「しかしもっとけしからんのは、その軍人達を利用しようとする田舎議員だ!自分たちの手で政権を握ろうと考えんか!!」
「文屋も国民もいったい何を考えているんだ!軍の発言力を高めて何の得があるってんだ!!」

料亭の一室で騒ぐのは非夢幻会派の反軍派議員達であった。
反軍、つまり軍拡や強硬論に否定的な議員であったが、その実は自分達の栄達しか考えない連中であった。
彼らは自分達の領域である政治の舞台に、軍人たちがヅカヅカと足を踏み入れて、ついには総理などの要職に就くことに苛立っていた。
もっとも、夢幻会からすれば、彼ら政治家たちが全然ダメなために信用できないから代わりにやっているという感覚で、むしろ彼らの自業自得であったが。

「最近流れている噂だが、どうも軍人達には或る集まりがあって、それに一部の企業も加わっているというが・・・」
「それは許されないことだ!なんとかそこを突っ込めないか!?」
「情報が少なくて難しい上、下手に突っ込んでこっちがやられたらかなわん。最近はその噂もデマという話もあるしな・・・」

或る集まりとはもちろん夢幻会の会合である。
村中がかつて漏らしていたこの情報は、一部の議員達の間でまことしやかに流れていた。
しかし、情報の確実性にかけ、当の村中も火消しに走ったために、根も葉もない噂止まりであった。

「先日の政府発表であった怪獣の被害についてはどうだ?」

ある議員がそう訊ねた。
それは先日の政府発表であった特地で発生した炎龍による被害の発表である。
避難民を守る戦闘で、義勇兵にも被害が出ていたこともあり、軍人達に失態があったかと突けないかと考えた。

「政府発表では怪獣との戦闘による被害となっていて、それが事実の可能性もあるしな・・・。まぁ、さすがにあれほど大きい生物が本当にいるのかと疑問はあるが・・・」
「いや!あれは恐らくどこぞの映画会社に作らせた特撮だ!そうに違いない!!」
「そうだそうだ!きっと自分達の非を隠すためにでっち上げたに違いない!!」

酔いが回っているのか、1人の議員が声高にそう叫ぶ。
そして何人かの議員もそれに同意したように叫び出す。
それに対して先程質問を受けた議員が冷静に諭す。

「落ち着け。もしこれが本当だったらどうする?
 銀座の戦闘でも色々な生物、しかも件の竜の一種がいたのだぞ」
「いーや!いくら竜でもそれほど大きい物はいないはずだ!!」

しかし、ほとんどの議員達は聞く耳を持たず、軍人達のでっち上げと決めつけ始め、多くが賛同する。
その様を見た彼らを諭していた議員は冷ややかに見つめた。

「(こいつらもダメだ・・・。どこの派閥も他人の愚痴か自分達の栄達ばかり・・・。どうして軍人達が口出せないような立派な政治を行おうと考えないんだ・・・)」

非夢幻会派ながら珍しく(失礼)まともな議員である彼は、先ほども愚痴しか言わず、まともな話をしようとしない彼らに心の中で落胆する。

「(こいつらとは離れよう。はぁ・・・また同志探しか。我が国にまともな政治家はいないのか?)」

彼の憂鬱もまた絶えることは無い。


後日、国会で炎龍との戦闘に関する当事者への質疑が提案され、現場指揮官と被害にあった特地人数人の召喚が決定した。

44 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/04/12(火) 23:02:55

1945年12月12日 特地 デュマ山脈東方


「山越えして2日。この辺は何もなく、いるのは盗賊ぐらいですな」
「ったく・・・。治安悪すぎだぞ。ここの連中はいったい何やっているんだ・・・」

テュカの父親を探し始めて2日。
伊丹たち臨編捜索第3中隊は、第31師団が侵出したデュマ山脈を基点にして、山脈東方部へ捜索活動を開始していた。
同地域は特地帝国の帝都ウラ・ビアンカに近く、敵部隊を刺激しやすい事。
途中で山越えがあること。
車輌の燃料の問題から、それまでの各臨編捜索中隊が侵出していなかったために、捜索対象となった。
しかし、途中に村などはなく、時々盗賊が現れる程度で何の成果も挙げられていなかった。
なお、現れた盗賊は、ロゥリィが嬉々としてジェノサイドして、捜索隊の面々のSAN値を若干下げていたが。

「伊丹隊長、上からです。帰還命令が出ました」

指揮車に乗る通信手が、アルヌスの司令部からのデュマ山脈に仮設された中継所を介した無電を受信し、伊丹にそう伝えた。

「帰還命令ぇ?なんで?」

伊丹は突然の命令に首を傾げて訊ねた。

「この間の炎龍との戦闘で、国会が証人喚問をすると」
「うへぇ・・・」

伊丹は心底面倒くさいという雰囲気を放ち、地図を確認する。

「倉田。ガス(ガソリン)は?」
「もう少し残り半分ですので、そろそろ引き返さないといけません」

伊丹からの質問に倉田は燃料計を見て答え、伊丹は改めて地図を確認し、決断した。

「よし。もう少ししたら街がある。
 そこで調査をしてから帰ろう」
「直ぐ帰らなくていいんすか?」

倉田は伊丹の決断にそう訊ねた。
国会から証人喚問を受けているので、直ぐに帰るべきではないかと考えたからだ。

「ここまで来て帰るの勿体無いでしょ?
 ちょっと寄り道するだけさ」
「了解、っと!?」

倉田は、伊丹に了承の返事をしようとしたとき、視界にある物が移り、車を止めた。

45 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/04/12(火) 23:03:32

「11時方向で煙が上がってます」

倉田はそう言って、伊丹の前に腕を出すように進行方向左側前方を指差した。
ほぼ同様の報告が無線を通じて、各車からも入ってくる。
伊丹は、双眼鏡で煙の発生源あたりを観察してみるが、なだらかな丘が邪魔して視えなかった。
そして、地図を確認して、理解する。

「あの煙の発生源、これから向かう街じゃねぇか?」
「マジっすか!?」
「おい、いやだよぉ。まさか戦闘中とかじゃないよなぁ・・・」

伊丹はそう霹靂しながら、指示を出した。

「各車、周囲への警戒を厳に!特に対空警戒は怠るなよっ!!」

各車からの了解の報告を受けとる伊丹。
途中、ロゥリイが伊丹と倉田の間に身を乗り出してきた。

「なんだ?ロゥリィ?」

突然顔を出したロゥリィに伊丹は訊ねた。
そして彼女はなんとも言えない妖艶な笑みを浮かべながら、こう言った。

「血の臭いがするわぁ」



以上です。

今回は第16師団長として相沢三郎を出しました。
相沢さんは本編第6話で『現在、この会派には真崎、東条、相沢などの入れ替わり組みと・・・』とあるので、転生者です。
同期(士官学校新制22期)は牟田口さんなので、あとちょっとで軍司令官に昇進という感じです。

イタリカですが、無血かつ無傷での占領となりました。
野盗相手に交渉しようとしていたぐらいですから、話し合いには応じると考えました。

ミュイちゃんは11歳なので義務教育を受けます。
なお、これがMMJの特地お嬢様学校の始まりである(冗談)。

政治家たちについては、まぁ、お察しください。

伊丹達がこれから向かう街は当方ネタ内のオリジナルの街です。
一応、地図にもそれらしい表記があるし。


今回はここまで。
これからは少しリアルの関係上、更新が遅れます。
更新も話の展開も亀ペースで不定期ですが、なるべくエタらないようには頑張りたいです。
それでは、また次回に。

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最終更新:2025年03月05日 17:05