132 :ナイ神父MK-2:2016/06/23(木) 00:52:33
憂鬱
日本大陸化ネタ
1942年編 其の2
1942年8月16日、大日本帝国はアメリカ合衆国及び大英帝国へと宣戦布告、直前のゴタゴタはあった物の歴史通りの宣戦布告だった。
そして、最初の戦端も歴史どおり
アジア周辺から始る、数少ない違いは日本が単純戦力で倍近い戦力を展開している事と、イギリスが
参戦している事だけであった。
日本は当初の予定通り青洲及び奉天に存在する航空基地へ日本は旅順や朝鮮半島に存在する基地から攻撃を開始し、戦闘には
本来投入されていた烈風や飛燕の他、いつの間にか基地倉庫内にあった橘(MIG-15相当)、疾風等が投入され半ば圧殺同然に
米中英の航空隊を削り取っていった。
「畜生、ジャップ奴等一体どれだけの数が居るんだよ!」
「P-40じゃ奴等に追いつけない!P38をこっちに回してくれ!」
「落ち着け!イギリスの奴等と協力して2機以上で敵を包囲するん・・・」
「こっちが5機に包囲されてんのにどうやれってんだ!」
「なっ!ロケット弾がこっちを追いかけ・・・」
アメリカ軍が良い様に振り回されている様子を尻目に英航空隊に対応した航空隊の戦意は天井知らずに
上昇していた、何せ血を流して国の危機を救った対価がこの裏切りなのである。日本国民から見れば
イギリスは現状、ある意味では米中以上の憎悪の的と言っても過言ではなかった。
「英国の連中を一機残らず地面に叩き込め!」
「奴等に裏切りの対価を払わせろ!」
「出し惜しみはするな!弾なら基地に唸るほどある!」
英航空隊が空中で袋叩きに遭っている一方で、青洲島に駐留していた民国海軍には軽対艦ミサイルを搭載した震電(ファントムⅡ相当)が1式陸攻に先駆けて
攻撃を開始、艦上構造物を言い様に燃やされた後に一式からの追撃の魚雷が突き刺さり、譲渡された数少ない民国海軍の戦力を沈めている。
青洲周辺が陸軍航空隊の攻撃を受けている頃、上海周辺での敵航空戦力を撃破する為、瑞穂及び大鳳型を中心とした空母機動艦隊が上海沖を
目指して進んでいた。コレに対して上海に存在する航空機は本土からの増援と英国から派遣分を含め、300機に迫る大部隊が派遣されていた
物の性能と物量の両面で付けられた差は覆す事ができず全滅、更に台湾の航空基地から離陸した富嶽からの戦略爆撃機により多大な
被害を受けた在中米軍は日本の上陸を許している。しかし、まだ米国側には希望が有った。
「援軍の要請はどうなっている?」
「現状、陸路を通じたインド方面とフィリピン方面からの援軍が期待できます。」
「・・・中華民国からは?」
「中華民国は現状、満州での決戦での損耗が大きく暫くは満州側の戦線維持の為にも戦力割けないそうで・・・」
「私は向こうの戦線は既に突破されたと聞いているが?」
「突破された戦線からの後退と再構築の為、回せないと様です。どの道精鋭部隊は壊滅した情報が入っているので戦力には成らないかと。」
「どの道民国軍は役に立たないか・・・数あわせにもならんとは」
在中米軍は本土及びインドからの増援を期待して上海周辺へ野戦陣地を構築し、徹底抗戦の構えを見せ日本軍は野戦陣地突破の為の
準備を行いってく事となる。
133 :ナイ神父MK-2:2016/06/23(木) 00:53:30
上海が篭城を選ぶ少し前、満州では先に中華民国軍及びパットン率いる
アメリカ第一騎兵師団が日本陸軍の戦車部隊と激突していた。当初は
多少の不利は有ってもある程度善戦できるで有ろうと考えていたアメリカ陸軍であったが、その考えが都合の良い予想であったと言う事を嫌と
言うほど日本の重戦車部隊に体験させられる。
「クソ!M2の76mmが弾かれる!」
「側面か後方に回り込め!」
「嘘だろ、あのバケモノM2を数両纏めて抜きやがった!」
「向こうの重戦車は相手にするな!M3に任せるんだ!」
パットン率いる戦車M2中心の戦車部隊に対抗して投入された日本の戦車部隊には日本が元々用意していた九七式戦車の他に、
日蘭から流入した八十九式重戦車を中心とした重戦車部隊が投入され、元から有った戦力差を更に引き上げていた。
この情報は、陸戦であればある程度日本に対抗できると考えていた、米司令部の面々に大きな衝撃を齎している。
「側面を突いた部隊はどうなった?」
「・・・タイプ97に数両痛打を与えた所で重戦車部隊に撃破されました。重戦車部隊に至っては車体側面すら抜けなかったようです。
此の侭では・・・」
「友軍は?」
「第二騎兵隊は既に中隊規模にまで戦力が減少、民国に関しても既に壊滅か各個撃破され部隊の態を成して居ません。」
「将軍、決断を此の侭では我が軍は・・・」
「せめて90mm砲搭載の戦車がこちらに有れば・・・」
この30分後アメリカ第一騎兵隊及び残存第二騎兵隊が日本軍へ降伏、更に民国軍精鋭が壊滅した事により各地で民国軍の士気が
落ち、兵の脱走や中国共産党を初めとした反政府勢力が活発化して民国軍を苦しめていく。
日本軍上陸後、友軍の増援を期待して野戦陣地を構築して抗戦の構えを見せていた米英中の連合軍であったが、其の目論見は
脆くも崩壊する事となる。それは、上陸地点を確保した後に上陸した日本軍の第二陣目の影響であった。彼等が持ち込んだ物は
日露戦争の際に大陸日本軍が旅順攻略の際に持ち込んだ兵器、陸の連合艦隊たる80cm列車砲と41cm列車砲である。
嘗て大陸にて猛威を振るった列車砲達は往年の姿其の侭に砲撃を開始し、連合軍の造成した塹壕や野戦陣地を次々にクレーターへと
変えて行った。
更に空母機動艦隊からの爆撃とその後の夜襲によって攻撃開始から僅か1日で外周陣地が消滅する事となる。この事に危機感を持った米司令部は
英中の戦車部隊も動員して此処でも立ち塞がったのは、日本が投入していた戦車部隊である。運の悪い事に日本が投入した戦車は孤立世界の
日本が自重なしに開発していた戦車群であり、其の性能も折り紙付きの部隊であった。
「に、日本の戦車部隊は大半の車両が、重戦車で構成されています!」
「重戦車がこのクルセイダーに追い付くだと!?」
「気を付けろ!こいつ等、報告のあったタイプ97より素早いぞ!」
「クソ、軽戦車じゃないんだぞ!どんなエンジン積んでやがるんだ!」
「鈍い歩兵戦車は下がらせろ!此れでは良い的だ!」
戦車の性能だけでなく、絶え間なく来る砲火と航空支援により時が経つに連れて連合軍は形勢不利となり、最終的に内周陣地にまで押し込まれ
其の侭突破を許している。
「まさか、日本軍が此処までとは・・・」
「中将、先ほどアジア艦隊が壊滅したと・・・」
「馬鹿な、あそこにはイギリス艦隊も居た筈だぞ」
「事実です。イギリスの東洋艦隊及びアジア艦隊は日本に敗北しました。フィリピンからの援軍は絶望的です。更に
インド側から日本軍上陸に備え、増援は不可能との返答がありました。」
「内周陣地が落ちた時点で、如何しようと援軍は間に合わん。此れまでだな・・・」
内周陣地の陥落と同時期に齎されたアジア艦隊の敗北の報を持って連合司令部は降伏、日本は上海を押さえ中華に於ける
アメリカ軍の撃滅に成功している。同時にコレ以降のアメリカとの戦いは、海が主戦場となり各大陸世界が生み出した海上の怪物たちが本格的に
活動し始めることとなる。
134 :ナイ神父MK-2:2016/06/23(木) 00:55:54
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補足として上海の話しでアメリカ側から中戦車とされていたのは孤立大陸の九十五式軽戦車です。
最終更新:2023年02月22日 20:20