696 :ひゅうが:2014/10/12(日) 00:51:29
【ちょっとした映画ネタ】


――「ウェストスター・イーストサン シリーズ」


日本の東宝映画とハリウッドのユニバーサル映画が共同制作した一連の映画シリーズ。
いわゆる「太平洋戦争もの」といわれる海戦映画シリーズである。
外伝映画も含めて全6作が製作された。

【概略】

第1作となる「トラ・トラ・トラ!」が公開されたのは1961年。
カラー作品としては比較的古い部類に入るこの映画は、米国向けに安価な特撮映画を供給することを求めたユニバーサルによる資金提供と俳優の出演で製作された。
しかし、「ゴジラ」で一気に時代の寵児となっていた円谷英二特技監督の手によるミニチュア特撮は精緻を極め、さらには日本映画黄金時代を支えた三船敏郎や仲代達也をはじめとする豪華な出演俳優陣、そして兵隊ものには定評のある岡本喜八監督の手による現場航空隊の悲哀のこもった「後方の描写」はこの映画に一種独特の雰囲気を与えている。
中でも、真珠湾の奇襲成功を受けて第二次攻撃を実施しようと進言する山口提督に対し、三船演じる南雲提督が「これで戦争は終わるのだ。今は機動部隊を無事に内地に届けることこそ重要」といったのに対し、「先は長くなりますよ。きっと。」と仲代演じる山口が応じるシーン、そしてその直後に意気消沈するパイロットたちの中で「リメンバーパールハーバーだ!」と叫ぶ米国側の主人公を演じるジェームズ・スチュアートのシーンは、名シーンとして評価が高い。

第1作が正月映画として大ヒットしたことを受け、米国で公開された本作は「続く」と書かれたエンドロールから好評を博し、さらには当時の日本映画が短期間に名作を次々に量産していたことから「半年後に次作公開!」と勝手に宣伝されていたこともあって大きな話題となった。
これを受け、第1作の3倍ともいわれる資金を供出された東宝は直ちに続編の製作にとりかかる。
当時「ハワイ・マレー沖海戦」の仮題で進行中だった作品企画がこれに統合され、のちの東宝の大スターとなる大部屋俳優陣が参加した「ミッドウェー」が製作されることになったのだ。
製作費は、当時の東宝映画としては破格の5億円。
ユニバーサル側からは「終わったスター」と称されていたスチュアートなどが出演するなど低コスト化が意識されていたのだが、当の彼自身が大いにやる気を見せて日米を行き来するなど現場の士気を高めた(東宝の撮影所ではハリウッドからわざわざスタァが来たと連日鈴なりの見物人が訪れたという)。
こうして完成した第2作「ミッドウェイ」は、アメリカ大勝利という結末に加え、ますます勢いを増した円谷特撮の真骨頂としてアメリカ側のファンの間で評価が高い。
興行収入も、当時の全米第2位を獲得するなど健闘し、親友である搭乗員が南雲機動部隊壊滅をもたらすかわりに全滅し、その復讐のために空母飛龍を攻撃する米国側主人公のスチュアートの名演は、第1作とは逆に「過ちは繰り返さない!」と叫ぶ三船のシーンとあわせてこの年の流行語となった。

第3作となる「ソロモン!」では、第2作の成功を受けてユニバーサルが合計10億もの大金を供出。
南太平洋海戦における「敗北の中でも健闘する米側主人公」という日本的な描写(アメリカ映画としてはこれは真新しいものだった)や、ケネディ大統領がルーズベルト大統領の秘書官役として友情出演するなどの話題をもってシリーズ興行収入の中で第2位をつけることになった。
南太平洋からの撤退に成功する日本軍と、日本軍を引かせたと意気上がるアメリカ側の中で主人公が不安に駆られ、スプルーアンス提督がそれに理解を示すシーンなどがファンの間では「名優の復活」という評価が高いという。
とりわけ、その直後に米本土で量産された正規空母群が次々とパナマ運河を通過して太平洋へ出るシーン、そしてそれに頭を抱える軍令部の阿部大佐というラストシーンは太平洋戦争の本質をあらわしたものとして特に日本側での評価が高い。

697 :ひゅうが:2014/10/12(日) 00:52:07
第4作となる「ザ・バレンタイン」は、興行収入でこそ一歩前作に及ばなかったものの、前作での戦艦大和砲撃シーン(ソロモン海戦)を踏襲した「聖バレンタインの虐殺」が描写されたことで日本側のファンはもとより、米国のファンにも涙を誘った。
三船演じる南雲大将が連合艦隊司令長官として辣腕をふるい、「一刻も早く戦争を終わらさなければ」と述べるシーンにオーバーラップするキノコ雲のシーンなどが有名であるが、
本作においては米国側の主人公格であるスチュアートが「飛べ!フェニックス」の撮影のために描写が少なめである。
そのため、日本側のファンにとってはレイテ沖海戦の「天佑まさに我らの手にあり!」と絶叫する三船とあわせて本編をシリーズ最高作として挙げる向きも多い。
また、米国側で上級司令部と部隊との板挟みにあうというハルゼー提督の描写は当時としては斬新であったために大きな話題となった。
それが、シリーズ最終作となる「オールドネイビー・ネバー・ダイ」へとユニバーサルが予算を投入する理由となる。

第5作となる「オールドネイビー・ネバー・ダイ」は、冒頭からマリアナ沖海戦の大敗北のシーンからはじまり、前作では冷徹な印象を与える阿部大佐が熱い印象を与え、そして沖縄沖海戦に至るまでのシーンが駆け足の前作とは違い丁寧に進行する。
とりわけ本作は内省的な主人公格たちが目立つが、そうした印象は中盤以降のもはや定番となった特撮の極致によって覆される。
「民(沖縄県民)を守るなら本望」と述べ、これまでの鉄仮面的な演技をかなぐり捨てて笑う宇垣第1遊撃打撃艦隊司令長官(森重久彌)や、戦艦大和と戦うミズーリなど、手に汗握るシーンが多い。
これまで手ごわい敵であり、また尊敬すべき軍人であることを描ききっているがゆえの徹底した人間臭い描写が涙を誘い、そして「ウルトラマン」前の円谷映画の到達点ともいえる大ミニチュアを用いた贅沢な描写は全世界の感嘆を呼んだ。
往年の映画ファンの間で、米側主人公であるスチュアートが、沖縄沖海戦を経て自ら浮き砲台となった大和へ敬礼を送り、そこから終戦後に日米の主人公がそろって握手をするシーンを覚えている者も多いだろう。

698 :ひゅうが:2014/10/12(日) 00:53:09
というわけで、ちょっとした映画ネタ(こんなの見てみたいなぁ…)を幻視してみました。
うう…こういうのみたいです!

702 :ひゅうが:2014/10/12(日) 01:04:50
私も見たいです(泣
ちなみに、米側主人公役は「戦略空軍命令」や「グレン・ミラー物語」で軍人役としても定評のある方を選ばせていただきました。

703 :ひゅうが:2014/10/12(日) 01:07:26
外伝は、東京の防空戦闘機部隊と空襲部隊の戦いを描くものですね。

なお、両作ともに日米双方からの描写があるために当時としては斬新でした。
双方ともに悪役がいない的な意味で。

705 :ひゅうが:2014/10/12(日) 02:28:58
この頃は第2次大戦経験者が中堅どころをつとめていますので非常に迫力のある仕上がりとなっているでしょうね。
実は元ネタは、実は私が見てみたかったからなのですが…
名優といわれつつもこの頃にはあまり主演映画に恵まれていないので、氏の戦略空軍命令やグレン・ミラー物語で彼が最後に出てきたシーンへのオマージュを込めましてこの配役とさせていただきました。
年齢が嵩んでいると思われるかもしれませんが、この7年前に見事に20年代の西海岸の若者と大戦に従軍した貫録のある将校を演じ分けていますので可能と判断しました。

そして、日本映画黄金時代の名優たちに加えまして円谷特技監督がメガホンをとったカラー作品…しかも予算の制限はなしの「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦」(史実では1960年)というのがシリーズコンセプトです。
なお、シリーズ通じて本世界線の夏木陽介氏や小泉博氏、佐藤允、宝田明など錚々たる名優が――というように妄想しています。
最終更新:2016年08月09日 11:01