826 :yukikaze:2016/01/31(日) 11:24:41
とりあえず100式機関短銃完成したので投下。
なお、機構の説明等は、床井雅美 『最新 サブ・マシンガン図鑑』 徳間書店
を参考にしたことを報告します。

100式機関短銃

口径 8mm
銃身長 264mm
ライフリング 4条右回り
使用弾薬 8x22mm南部弾
装弾数 30発
作動方式 オープンボルト シンプル・ブローバック方式
全長 470mm
重量 3,800g
発射速度 600発/分
銃口初速 380m/s
有効射程 180m

(解説)

日本陸軍が開発した機関短銃。
貧弱な工業基盤で容易に生産できるように部品点数を極力少なくし、プレス加工を
多用した単純な設計となっている。操作性は良く、独特のL型構造ボルトにより
3,800gと重い重量をもつが、その分、フルオート射撃の制御も容易であり、
口径を変えつつも、現在に至るまで各国で使用されている傑作短機関銃である。

元々日本陸軍が機関短銃の研究に着手したのは大正9年であったのだが、これは
自動小銃の研究としての意味合いが強く、機関短銃の本格的な開発に着手したのは
昭和10年と、15年近い歳月を待たなければいけなく、それですら開発は提示したものの、
ボフォース社の75mm Lvkan m/29高射砲のライセンス生産による煽りを受けてストップ
するという有様だった。
これは陸軍の主戦場が満州平野やシベリアと荒涼たる大地であり、射程の短い機関短銃
の優先順位が低かったことが挙げられる。

こうした風潮が是正されたのが、第二次上海事変でのゼークトライン攻防戦であり、
日中戦争で頻発した建物内での制圧戦の被害であった。
どちらも狭い場所(ゼークトラインは塹壕)での戦闘が至る所で行われたのだが、
これにより出会いがしらの戦闘において、MP28を装備していた国民党軍によって
少なくない数の下士官兵等が犠牲になることになる。

こうした被害は、戦線が拡大する一方の陸軍にとっては許容できるものではなかった。
陸軍は急遽MP18を輸入するとともに、機関短銃の開発を命ずることになるのだが、
その時に開発チームに提示されたのは以下のとおりであった。

  •  量産性に優れ、安価に取得できること
  •  整備が簡単であること
  •  弾の集弾性能が良好であること
  •  銃剣がつけられること
  •  使用する弾丸は南部弾にすること

当時としては全く以て常識的な中身であった。
4番目が良く批判されるが、当時の機関短銃を見ると英伊などでは銃剣装着を求められており
本機関短銃特有の項目ではないことが見て取れる。
同じように、ベルグマン機関短銃と同様、9mmペラパラム弾を採用すればという声もあるが
この時点では、拳銃弾は南部弾とブローニング弾の生産で手いっぱいであり、とてもではないが
9mm弾まで手を回す余裕などどこにもなかった。
機関短銃の弾は必要だが、それ以上に小銃や機関銃の弾は必要なのだ。

827 :yukikaze:2016/01/31(日) 11:25:46
かくして陸軍から開発を依頼された中央工業は、すぐに開発に取り掛かるのだが、
この時中央工業は、九四式拳銃の改良に時間を取られてしまい(最終的には逆鉤部にカバーを設け
ることで、暴発の危険性を極小にしている)、新型機関短銃の設計については、ドイツから
戻ってきたばかりの若手に設計させねばならない状況であった。
結果的にはそれが功を奏したのだから、分からないものではある。
以下、機構について説明する。

発射機構にオープンボルト方式を採用した単純な構造となっており、砂や泥に強いという高い信頼性を確保した
上で、当時工業基盤が貧弱だった日本でも大量生産できる程の生産性を実現している。生産性を向上させるため、
全体的に部品数を減らし、レシーバーやグリップのフレームなどの主用部品の多くをプレス加工して製造している。
この辺は南部の得意としたところでもあるが(南部の設計した銃は部品数が少ない)、無理な小型化の為に
可動部分に強度の弱い箇所を抱える悪癖を持つ南部の拳銃と違い、同機関短銃では、フルオート射撃中の
コントロールを容易にするためと、『武人の蛮用に耐える』を重視する為に、全般的に頑丈にしており
結果的に『どんな場面でも確実に打てる銃』と、傑作扱いされる要因になっている。

また、伝統的な円筒型レシーバーではなく、スチール版を用いた四角形の箱型レシーバーを採用し、ボルトも
レシーバーと同じく円筒型ではなく、四角形の箱型で、ボルト重量を前方に置くべく、銃身を包むような設計
をしている。
このボルト内部に銃身後端が深く入り込む構造のボルトは「ラップアラウンド(包み込む)・ボルト」と称され、
銃の全長を短くし、フルオート射撃の制御を容易にすることができる他、マガジン挿入口は自動拳銃と同様に
グリップ内を利用することができる。
更に、Lの字を寝かせたような形状をしていることから「L型構造ボルト」とも呼ばれるが、この独特のボルト
のおかげで、砂塵が内部に入りづらくなっている。作動方式はブローバック方式で、オープンボルトで射撃する
単純な構造を持っており、これも『無故障銃』として評価を高めることになる。

安全装置を兼ねたスライド式のセレクタースイッチがグリップ左側面にあり、スイッチを前方でクリックすると
フルオート、中間でセミオート、後方で安全装置がそれぞれ選択ができる。また、グリップを握ることで解除
される安全装置も存在する。グリップセイフティを押さない限り、ボルトは後退しない。
このほかにも、ボルトをコックする際に手が滑り、暴発することを防ぐため、コッキングセイフティも組み込まれ
ており、安全性を確保している。
なお、ここまで安全性を重視したのは、九四式の現場部隊からの苦情が相当なものであったが故であり、
開発者曰く『飲んだくれのロスケが泥酔状態であっても安全な機構』を目指したとされている。

マガジンはダブル・ポジション・フィーディング式のダブルカラムマガジンであったが、南部弾のテーパーが
きついことから、バナナ型の弾倉となっている。

なお、ストックについては、当初は折り畳み式にする予定であったが、工作精度や強度の面で不満がで、
結果的にはオプション装備として、着脱式の木製ストックを装着という形に落ち着いている。
銃剣についても、半ば申し訳程度の扱いであり、実際に『銃剣をつけたままだと利用しづらい』という
声が大きかったために、初期型を除いてはオミットされることになる。

かくして完成した本銃は、『銃剣をつけた際、銃口が重くなり命中率が悪くなる』『銃身が短すぎて
刺突に不向き』という評価が出たものの、『取り回しが楽』『多少下手な人間が撃っても確実にコント
ロールできる』『整備しやすい』『安価で取得性も高い』という点が気に入られ、100式機関短銃として
正式採用されることになる。
同銃は、採用決定後、大量生産がされる事になり、パレンバンでの空挺作戦や、ガタルカナルの戦いでは
上記の利点によって、現場将兵から絶対的な信頼を勝ち取ることに成功している。
アメリカ陸軍も同銃を『ナンブサブマシンガン』として評価し、日本製兵器の鹵獲品の中では、最優先で
確保されたりもしている。(アメリカの古参兵曰く『トンプソンより威力が弱いが、取り回しが楽で
メンテも容易という扱いやすい銃』と述べている)
そのため硫黄島や沖縄では、双方が100式機関短銃を撃ちあうなどという事態も起きている。

828 :yukikaze:2016/01/31(日) 11:26:21
戦後も、同銃の優秀性に目を付けた国防陸軍は、後継を9mmペラパラムに変更し、正式採用している。
もっとも、口径変更の理由は『同盟国との弾薬共通』という表向きの理由の他に、戦後武装解除
された時に、半島系の人間やヤクザ崩れの人間が100式機関短銃を盗み出して犯罪に利用した事件が
頻発したことから(このおかげで各都道府県警察に銃器対策部隊の設立が史実より大幅に早まった)
口径を変更することで、彼らの弾薬供給を断つ意味もあった。(なお、形状も史実ウージーそのもの
になっている。)

同銃は、諸外国にも積極的に輸出され、アメリカでも軍の正式採用にこそならなかったものの、
事実上の正式採用品として購入されるなどしたため、欧州各国や東南アジアなどでも採用が
相次ぎ、ベルギーとインドではライセンス契約も結ばれている。
一方、コピー品も多く出回っており、ソ連やイスラエル、共産中国ではこうした違法コピー品を
軍に配備したり、共産中国に至っては反政府ゲリラに売り払ったりしている。
(なおイスラエルは日本側の抗議に対して、オープンボルトではなくクローズトボルトに変更
(史実ミニウージーではオプション)していることを理由に、違法コピーではないと主張している)

同銃は、1980年代に新型機関短銃(史実ステアー TMP)に置き換える予定ではあったものの、
新型機関短銃の販売が不振であったことと、同銃に対する現場の支持が圧倒的であったことから
いまなお国防軍においては現役を務めている。
最終更新:2016年08月09日 11:42