408 :earth:2011/12/08(木) 00:00:08
たまにはコミケネタで一本。
出来は微妙かも知れないのでご勘弁を。
大西洋大津波と
アメリカ風邪という災厄に見舞われながらも、世界は日本と欧州の手によって一応の平穏の中にあった。
アフリカでは独立紛争が多発し、中国や北アメリカ大陸は暗黒大陸同然となっていたが、世界大戦が起きかねない深刻な危機は
なかった。故に嶋田たち、帝国の元老達も比較的穏やかな日々を送ることが出来た。
「それでは元帥閣下、この件については」
「判っている。その件についてはあとで話をまとめておく。安心しろ」
「よろしくお願いします」
自宅に陳情に来た海軍中将を下がらせると、嶋田はため息をつきつつ自宅の庭園を見つめた。
「あの当時よりかは楽になったが、それでもやらなければならないことは多いか……」
太平洋戦争から何十年もの時が過ぎ、第一線を退いたとはいえ、彼の影響力は絶大であった。
このため問題が起こると色々なところで担ぎ出される。
「やれやれ……孫も帰ってしまったし、テレビのニュースでも見るか」
そういうと彼はテレビの電源をつける。映し出されたチャンネルでは丁度、ニュースが流れていた。
「冬コミケか。もうそんな季節か」
会場前に長蛇の列が出来る様を見て、嶋田はコミケの元になった文化祭を思い出した。
「……昔はあれほどでは無かったんだが、まぁ時代の流れか。いや、こういう文化の祭典が開かれるのは平和な証拠だ。そう思っておこう」
文化祭の創設に関わった嶋田はそう言って自分を納得させることにした。
そして茶を飲むが、次にTV画面に映し出された映像を見て、口に含んだ茶を吹き出すことになる。
「何だ、ありゃあ?!」
そこにあったのは文化祭、もといコミケの創設者を称えるということで某美術学校(辻の尽力で創設)で作られた嶋田の銅像だった。
「そういえば前、あの野郎(辻のこと)が銅像がどうのこうの言っていたが、これのことか?!
公共施設におくとか、ってあの会場は公共施設か!?」
そして後の彼の抗議も空しく、今後のコミケにおいてこの銅像はコミケの成功を祈願するのに使われることになる。
最終更新:2012年01月04日 08:15