853 :earth:2011/12/11(日) 10:47:05
ネタ投下です。


 連結された平成世界と昭和世界。
 幾多の騒動、いや騒乱の果てに2つの世界は交流を開始していた。
 だが連結されるのは、この2つの世界に留まらなかった。そう、平成世界の銀座に『門』が現れたのだ。
 この異常を知った日本帝国は直ちに緊急配備を発令。加えて周辺にいるであろう自国(帝国)の民間人に避難を
呼びかけた。

「奴らが来るな……」

 首相の座を譲り、現役に復帰した在日日本軍総司令官・嶋田茉莉は空母大鳳(2代目)の艦上で苦々しく呟く。
この呟きに辻は頷く。

「ええ。全く、面倒なことです。あのゲートが出来るとなると、こちらにも影響が来るかも知れません。
 まぁこちらにも被害が出たことを口実にして『帝国』を叩き潰し、根こそぎ収奪するというのもアリかも知れません。
 ゲート対策も必要ですが」
「……今は、あの連中を如何に犠牲を抑えて叩き潰すかだ。同盟国である平成日本人の被害も抑えて置かないと」

 大騒動の際に、日本帝国は平成日本と安全保障条約(日米安保もどき)を締結している。
 つまり現在、日本帝国と日本は同盟関係にある。

「日本政府は?」

 嶋田は副官に尋ねるが、答えは予想通り芳しくなかった。

「相変わらずです。モタモタしています」

 そして悲劇が始まる。平成日本にとって、そして『帝国』にとっても……。
 いくら避難を呼びかけても、避難が間に合うわけがなく、日本帝国の民間人も犠牲になった。勿論、日本帝国が泣き寝入り
するわけがなかった。グダグダの日本政府から大騒動の時と同じくこの案件を丸投げしてもらい、銀座に現れた軍勢を自衛隊
よりも早く駆けつけてたこ殴りした。

「情けも容赦も不要だ! 奴らは民間人の命を屁とも思わない蛮族だ!!」

 日本帝国軍は実に情け容赦なく侵略者を叩きのめした。そしてそのあと迅速に反攻作戦に移る。その結末は言うまでもない。
 昭和世界の列強はその結末(帝国の末路)を聞いて、同じ感想を抱く。

 「無茶しやがって……(AA略)」

 ブロックごとに分かれていがみ合う列強の指導者の心が初めて一つになった瞬間だった。

880 :earth:2011/12/11(日) 13:02:10
→853のネタ続きと言いますか、原作主人公の様子です。


 日本帝国軍による反攻作戦の様子がTVで報道されている。
 銀座に侵攻してきた『帝国』を容赦なく叩きのめしている様が画面に映し出され、自称文化人が「これは虐殺だ」などと
喚きたてている。
 その様子を見ていた平成日本の自衛官達は複雑な気分だった。何しろ本来、国民を守るのは彼らの仕事なのだ。
だが大騒動以来、日本という国と国民を守っているのは並行世界の日本帝国軍。今回の銀座の事件でも矢継ぎ早に手を打って
国民を守ったのは日本帝国軍。心ある自衛官達が忸怩たる思いにかられるのは当然だった。
 そんな自衛官の中で、何か腑に落ちない顔をする者が独りいる。  

「……」
「どうした?」
「いや、何かこう、何か(フラグ的)を失ったような気がして」

 原作の主人公の言葉に、同僚は頷く。

「確かに我々は何か(自衛隊の存在意義)を失ったのかも知れないな」

 かみ合っているようでかみ合っていない会話をしながら、彼らは再びTVに目を向ける。
 画面は変わって嶋田元帥の記者会見になる。
 一部のマスゴミが夢想論を振りかざして、嶋田を詰問しているのが映ると、誰もがため息を漏らす。

「あんな連中がいるから、日本は三流国家扱いされるんだ」

 これまでの失態の数々から平成日本政府は自国民を守る能力も意思もないと、諸外国から見做されている。
 元々の同盟国である平成米国、さらに新たな同盟国である日本帝国の後ろ盾があるからこそ、何とかなっている。
 韓国を呑み込んだ北朝鮮や、ロシアなどが日本に配慮しているのも日本帝国がバックにあるからに過ぎない。
 アメリカに至っては、平成日本は頼りにならないとして日本帝国との関係強化を図っている始末だ。

「それにしても100歳で、あの美貌か……向こうじゃ、不老不死の研究も進んでいるみたいだし、オタクの天国が
 あるみたいだし……一度は行って見たいな」

 昭和世界で開かれる世界規模のイベント『コミケ』。
 彼の興味はそこに向けられていた。

881 :earth:2011/12/11(日) 13:03:25
あとがき
原作の色々なフラグは犠牲になりました。
自衛隊は出番無しですし。あると言っても精々、銀座の警備でしょうか。
でも彼の場合、昭和世界に招待されてコミケに参加できるかも知れません。

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最終更新:2012年01月05日 23:54