825 :ナハト:2016/04/26(火) 20:29:17

格納庫内は悲惨な状況になっていた
あちこちに道具とホース、燃料と資材が散らばっており
その間に研究者達がぐごーーー、ぐごーーーと爆睡していた
彼らはある作業のために三日間寝ないでやり遂げた結果でもあった


格納庫の入り口に
「・・・・本当に期限までに間に合ったな」
「ははっ。いやー危うく詰めすぎてギリギリになってしまったけどなー」
「はぁ・・・・まあいい。シャーリーを始めとする博士たちは今回の働きに感謝しよう」
「お礼を言うのはまだはやいぜ。かた・・ぶつ・・・」
そこまで言うと、床にビターンと倒れる

「あっ、おい!」
「はは・・・アタシも・・・・限界かー。お礼は・・・・ネウロイを落として・・・・帰ってきてからでいいよ
その時に・・・・ストライカーの感想を・・・・聞かせてくれよ・・・・」
「ああ、任せとけ!必ず落としてくるからな!!」
「おう!・・・それと、帰ったら・・・速度勝負・・・し・・・・よ・・・・う・・・・あ・・・・」
シャーリーはそれまでが限界だったようで他の研究員と同じく爆睡開始する

バルクホルンはそれを見て、改めて決意する
「お前たちの・・・・死は無駄にせん!!」
「「「「「いや、死んでねえっすよ」」」」
爆睡したはずの博士達からのツッコミであった




その後、バルクホルンはストライカーユニットを発進装置ごとトラックの後ろに積み
偵察部隊が展開している近くの飛行場にまで移動する。
その際に高高度戦闘を考慮して防寒着を着こんでいた

そして、飛行場に着てみれば扶桑製の偵察機が二機用意されているのを訝し気になる
事前に伝えた作戦は偵察機と同行してネウロイ目撃場所まで移動するものであるが
その為には一機だけでよく、囮の為に二機もいらないのである


「何をしている?偵察機は一機だけでいい。もう一機はかたづ「待ってください!!」・・・・やはりか」
やれやれといった感じに振り返る。そこには防寒着を着込んだリーネの姿があった

「試験中に聞こえたストライカーユニットの爆音が二種類聞こえたからな。来ると思ったよ」
「私も参加させてください!お願いします!!」
「ふーっ・・・・」

バルクホルンはため息を吐くといきなりリーネの胸倉を掴む

「これは遊びじゃない!生きるか死ぬかの戦争なのだぞ!!」
「はい!覚悟してます!!」
「技術を供わない勇気だけのは死ぬ大馬鹿野郎だぞ!!」
「もちろんです!そのためにミーナさんに聞いたり、自分のスピットファイアで実際に高高度にまで飛行もやりました!!」
「実際の訓練が実戦で通用すると思うな!未知の戦場だぞ!」
「それはバルクホルンさんも同じことでしょう!?」
そう言って睨み返すリーネ
バルクホルンはその視線を真向から受け止めて尋ねる

「ならば、どんな思いで来たのだ?未熟であることを見返すために来たのか?」
「いいえ!そのような気持ちできたのではありません!!」
リーネは手を胸に当てて

「確かに未熟者と言われて悔しい思いもしました。見返したいという気持ちもありました。
………でも!私はそれ以上に」

リーネはバルクホルンの目を見つめて
「私は守りたいんです!この国を……故郷を……家族を……皆を!!
バルクホルンさんのように悲しませたくないんです!
お姉ちゃんも私と同じ思いを抱えてました。ですが二度と戦えない体になりました。
それでも、お姉ちゃんは自分に出来ることを見つけて頑張ってるんです!
私もお姉ちゃんの……皆の思いを乗せて守りたいんです!!」


リーネの思いを黙って聞き届けたバルクホルンはリーネをじっと見つめて
ふーっとため息を吐くとゆっくりと胸倉を掴んだ指を外す



「そうか……ならば私から言うことはない。勝手にしろ。

……死ぬなよ」
「・・っ!はいっ!!」



こうして、二人はコンビを組んで出撃する事になった……

826 :ナハト:2016/04/26(火) 20:30:30
終わり
高高度戦闘は次回です。楽しみに待っていた人すいませんでしたー
GW前に書き上げたかった。
GW中にもかけれたらいいなー

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最終更新:2016年09月12日 11:12