926 :ナハト:2016/05/02(月) 22:46:35
その後、バルクホルン、リーネは発進装置に据えられたストライカーユニットを履いて待機していた。
まずは、偵察機が滑走路一杯に使いながら離陸し、それを見た二人も同時に発進し大空に飛び立つ
そして、二人は先に離陸した偵察機へ追いかける。
「おい、魔法力の消費を抑えるためにこれから偵察機の翼に乗るぞ」
「翼に乗るって・・・・どうやるんですか?」
「私が手本を見せる。お前はそれを見て真似しろ」
そう言って、バルクホルンが一機の偵察機の前にスルスルと出て、ゆっくりと外翼の前に近づくと
ストンと乗っかかるように座り込み、脚を前に出す。
「このようにやる。プロペラに巻き込まれぬようにやれ」
「は・・・はいっ!」
リーネはもう一機の偵察機におっかなびっくりな機動で近づくと、慎重に翼の上に乗る
二機の偵察機はウィッチが乗ったことを確認すると上昇を始める
「機長・・・我々の様な荷物を積んですまんな。いつもよりは重たいだろ?」
「いやいや!お嬢さんの様な天使を乗せて飛べたら、仲間に自慢話できまっせ!」
「むっ、そうか」
やがて、偵察機はいつも偵察する高度である1万2千mに到達する
「うわあ・・・・地球が丸い。綺麗・・・・」
「綺麗だろう?この高度での環境は過酷だが、景色は最高なんだぜ!これだから高高度偵察任務は辞めれないんだよ!」
「はいっ!物凄く分かります!」
そのような他愛もない会話を続けてると
ガリア領土を抜け、カールスラント領土付近にまで近づく
「・・・・・そろそろか。離陸するぞ」
「はいっ!了解です!」
リーネは返事しつつ、ストライカーユニットの回転速度を上げて偵察機から離れる
バルクホルンも同時に離れ、偵察機よりも高度高く取る
「気をつけろ。この高度は空気が薄い。急激な機動をとると高度は一気に落ちるぞ」
「はい!」
二人と偵察機がしばらく航行するも、ネウロイの姿は見せない
「バルクホルンさん・・・・ネウロイの姿が見えません。空振りでしょうか?」
「その様なことはないはずだが・・・・散らばれ!!」
次の瞬間ビームが飛んでくるが、バルクホルンがいち早く警告を発したお蔭で全員無事であった
ただし、急激な機動を取ったせいか、リーネが急速に後落していった
「あの馬鹿!話をしっかりと聞かなかったのか!?
私はヴァールを取り出し、安全装置を解除し、急速に上昇する
その際に偵察機との位置関係を確認し、万が一楯になれるように準備する
と、視界の隅にキラッと光るものが見えた。
バルクホルンがそれを追うように進むと、その正体がはっきりと見えた。
それは一昔大空に浮かんでいた飛行船のようなものだった
中央部にグルグルと回る車輪のような物がついていて、何よりも特徴的なのが
927 :ナハト:2016/05/02(月) 22:47:07
「銀灰色だと・・・・?!旧式タイプか!」
そう。銀灰色の特徴していたのだ。開戦当時から戦っていたバルクホルンにとっては
見たことある特徴であったが、まもなくネウロイは黒赤色に代わり、今のウィッチ達にとっては忘れ去られた特徴になっていた。
- しかし、銀灰色の体をしていることで、高高度においては空に溶け込まれて視認がしづらかったのも特徴であった
「あれか!これより交戦する!!」
バルクホルンはヴァールを構えつつ、飛行船型ネウロイに向けて突撃する
勿論、ネウロイも悠々と浮遊するだけでなく、ビームも飛んでくるが、バルクホルンは最小限の動きで回避しつつ
偵察機に直撃するコースはシールドを張ることで防ぐ
それを見たネウロイは腹から小型ネウロイを射出して
バルクホルンを取り巻こうとする
勿論、この小型ネウロイにやられるバルクホルンではなく
まず正面から来たネウロイをヘッドオンで撃破し
続いて、半ロールしてビームを躱すと同時にヴァールで横薙ぎ一閃し、2機落とす
更に、体を起こし腰からロケット弾を取り出し、素早く装填発射、もう一発装填発射し
ロケット弾の中に仕込んだ近接信管炸裂弾によってネウロイの群れを一掃し、最後のネウロイを機関砲で撃破する
「雑魚は片付いた!!後は大型だけだ!!」
バルクホルンはそう咆え、ヴァールを正面に構える
「喰らえ!」
バルクホルンはネウロイの表面を舐めるかのように機関砲を乱射するが
流石に大型なので、それ程こらえた様子もない。
「慌てるな・・・コアがどこにあるのかが判明してないからな」
バルクホルンはそう呟きつつ、上面に来る。
と、上面の表面が割れて、そこから小型のトゲトゲ状の鉄球みたいなものが吐き出される
「何だこれは?」
バルクホルンは訝し気に思いつつ、大きく回避しようとすると
鉄球が突如大爆発を起こし、辺り一面は火に包まれる
「っ!しまった!!機雷だったのか!!」
バルクホルンはシールドで防御して停止する
すると、止まったバルクホルンを狙って、車輪の外側からビームの火力が一点収集してくる
「ぐぐ・・・・うわあ!!」
ビームの猛火力にシールドが耐えきれず、はじけ飛んでしまう
ある程度錐もみ落下したが、幸いにも立て直すことができたが、先ほどのビームの攻撃に腹部にダメージを喰らってしまった
最悪なのはその際にヴァールを取り落としてしまった事であった
「ぐふっ・・・・偉そうなことを言っておきながら、リーネには何も言えんな・・・・」
ハァ・・・・ハァ・・・・・っと荒く息をするバルクホルンの目の前にネウロイが迫ってきて
車輪の外側にビームが再度収束してきて、発射する
「ぐっ・・・・ぐうううううう・・・・・」
バルクホルンが握り手をクロスさせてシールドを張るが、破られるのは時間の問題であった。
928 :ナハト:2016/05/02(月) 22:47:40
と、その時
―――――ヒューッ・・・・ズガン!!
甲高い音が聞こえたかと思うと、一発の砲弾が車輪部分に直撃し、ビームが途切れる
「これは・・・・リーネか!?」
そちらを見れば、大きく息をするリーネの姿があった
「落ち着いて・・・・よく狙って。空気が薄いと弾道が上向き加減になるのを計算に入れて・・・・」
ブツブツ言いながらボーイズを発射する。
発射した弾丸は大きく上に外れたが、リーネはそれを見て自動修正を行い
ネウロイの横の体へ見事に命中させ、命中させたのを見るや連続射撃する
しかし、それを見たバルクホルンは渋い表情だ
「駄目だ・・・闇雲に撃っては弾がすぐに切れてしまう」
事実、リーネが調子に乗って撃ちすぎたことに気づき、弾が残り一発になってしまった。
バルクホルンの手持ちに武器は無く、偵察機にも防衛武器は降していたためどうにもすることができなかった
と、バルクホルンはあることに気づく
「ん?あそこにひびが入ってる・・・・」
それはリーネが連続射撃で命中させたところであった。
そこには大きな亀裂が入っていて、今にも裂けそうであった。
「もしかしたら・・・・おい、私が突撃する。そして、コアが出てきたら破壊しろ」
「えっ?ですが・・・・バルクホルンさんは怪我をしていますよ!」
「こんなのは怪我にも入らん!!いくぞ!!」
バルクホルンはそう咆えるや、Fw190H-6にありったけの魔力を注ぎ込み、更にGM-1装置を発動させ
瞬時最高速度を時速800km以上に押し上げる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
バルクホルンは雄叫びを上げながら右手を引きながら突撃する
ネウロイも彗星のように特攻してくるバルクホルンに恐怖心を覚えたのか
ビームを乱射してくるが、狙いはごととく外される
「うああああああああああああああああ!!!!」
そして、ネウロイの体にひびが入ってた個所に、そのスピードを維持したまま
思いっきり右手の拳で殴りつける。
殴られたネウロイの体が大音響の悲鳴を上げながら殻が思いっきり砕け散り
殻の中に隠された内蔵、コアが思いっきり露出する
「撃てえええええ!!リーネエエエエエエエ!!」
「はいっ!!」
――――ドォン
弾は一発だけあれば十分だった。
リーネから発射した弾は真っ直ぐにネウロイのコアに貫き通し、見事に破壊することに成功した
「はあ・・・・はあ・・・・作戦完了す・・・これより・・・き・・・と・・・う・・・す・・・る・・・(ズルっ)」
「大丈夫ですか!?物凄い血が出てますよ!!」
「安心しろ。これよりも酷い怪我は何度もしたことはある」
「そんな!すぐに帰りますよ!!ほら、偵察の人も凄く心配そうに見てますよ!!」
「ハハッ・・・・私もまだまだだな。新人に心配するようでは」
「それなんですが・・・さっき名前で呼んでくれましたよね?名前で呼んでくれませんか?
私だって、役に立つところも証明しましたし、ネウロイも撃墜出来たんですよ!」
「全く・・・・ネウロイを撃破できたからって調子に乗るんじゃない。帰ったらみっちりしごくから覚えとけ。リーネ」
「・・・っ!はいっ!!」
二人は行きと同じように偵察機の外翼に乗り、偵察機が高速帰還したことですぐに帰り着くことができた
ただ、ミーナからの説教が飛んできたのはご愛敬であろう。
なお、落としてしまったヴァールであるが、数十年後にとある岩山の頂上に真っ直ぐに突き刺さった状態で発見され
伝説の剣エクスカリバーであると、大騒ぎになったという・・・・・
929 :ナハト:2016/05/02(月) 22:48:19
終わり
GW中に書き上げることが出来ました。
当初の予定はカッコいいバルクホルン単独戦闘を描こうという予定だったのですが
何故かリーネが入ってきて、こんなのになりましたw
それでは明日から京都に旅行に行ってきます
最終更新:2016年09月12日 11:15