14 :earth:2011/11/13(日) 20:43:53
ネタSSです。
西暦1945年4月7日。
沖縄に向けて突き進む日本海軍第2艦隊は突如として、深い霧に覆われた。
「何だ、この霧は?」
第2艦隊司令長官である伊藤整一中将は、参謀長の森下少将に尋ねた。
だが森下少将も首をかしげるばかりだった。
「判りません。あのような霧が出るという予報は無かったはずですが」
「ふむ……」
しかしすぐに彼らは暢気に話しをしていられなくなる。急激に海が荒れてきたからだ。
加えて雷と暴風が彼らを襲う。だがこれは伊藤中将にとっては神風のように思われた。
「これなら敵艦載機を気にすることなく、沖縄に行ける」
だが結果的に彼らは沖縄にたどり着くことは無かった。
沖縄に向かっていた戦艦『大和』を旗艦とする日本海軍第2艦隊は嵐に巻き込まれた後、突如として消息を絶った。
大和を撃沈するべく手薬煉を引いていたアメリカ海軍も、悲壮な覚悟で送り出した日本海軍も必死に第2艦隊の消息を追ったが
彼らがどこに消えたのかは全く判らなかった。
この第2艦隊消滅は、20世紀有数のミステリーとなる。
だが消えた本人達は信じられない局面に遭遇することになる。
「あれは何だ?!」
嵐を抜けた先に、伊藤中将以下が見たのは……大艦隊同士で行われている大海戦であった。
「何だ、あの大艦隊は?!」
慌てふためく第2艦隊。だが彼らをさらに驚かせたのは、双方の艦だった。
「馬鹿な、あれは……」
絶句する幕僚達。何故なら、彼らの先に居たのは第一次大戦時の英独の軍艦だったのだ。
「何が起きている?」
勿論、慌てたのは彼らだけではない。英艦隊や独艦隊も同様だった。
「何だ、あれは?」
「判りません。ですが恐らく日本の戦艦かと……」
「あのような巨艦を日本が作っただと? 信じられんが……これは好機かも知れん」
突如として現れた日本艦隊。それも旗艦と思われる巨艦を見てイギリス艦隊は勢いづく。
かくして『ユトランド沖』海戦は大和以下第2艦隊の乱入によって史実とは異なる方向に突き進む。
15 :earth:2011/11/13(日) 20:46:39
あとがき
大和が第一次大戦に乱入というネタです。
ユトランド沖海戦は異なる歴史を辿るでしょう。あと戦艦の歴史も……。
超大和級が主流になっている世界が登場するかも(笑)。
最終更新:2012年01月04日 10:37