34 :earth:2011/11/14(月) 22:23:12
 ネタSS。
 たまにはアメリカが主人公の話があっても良いのではと思って書いたものです。
 勿論、続きません(爆)。


(死ぬのか、私は……)

 朦朧とする意識の中、ジョセフ・マッカーシーは自分が死につつあることを悟った。
 アメリカを蝕む共産勢力と戦った彼であったが、上院での不信任とその後に巻き起こった批判を受けて体調に変調を
きたし、急性肝炎でついに倒れたのだ。

(私にもっと力があれば……)

 そのときマッカーシーは誰かが自分の手を取ったような感覚に囚われた。

(迎えが来たのか……)

 彼はそれに逆らうことなく意識を手放した。1957年5月2日、ジョセフ・マッカーシーは息を引き取った。
 だが彼の祖国を思う気持ちは一つの奇跡を起こす。

「大統領、しっかりしてください!」
「大統領!」

 至近からの大声を聞いたマッカーシーは頭痛を覚えつつも口を開く。

「静かにしてくれ、頭が痛いんだ」

 だが周辺の声は益々大きくなる。

「おお、大統領の意識が戻ったぞ」
「やった!」

 歓声に包まれる一帯。
 これを見ていたマッカーシーは眉を顰める。

(煩いな。それに大統領だと? 何の冗談だ?)

 不機嫌そうに起き上がろうとするマッカーシー。だが体が思うように動かないことに気付く。

(何故だ? 何故体が思うように動かない?)

 そして彼はそのまま病院に運び込まれることになる。そしてそこで思わぬ真実を目にする。

「私がルーズベルト大統領だと?」

 西暦1933年2月15日、この日起こったルーズベルト大統領暗殺未遂事件を機に、世界の歴史は変わり始める。

35 :earth:2011/11/14(月) 22:25:45
あとがき
多くの仮想戦記では悪役のあの大統領閣下の中の人をチェンジしてみました。
あくまで思いついた一発ネタですので(笑)。

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最終更新:2012年01月04日 10:38