571 :ナハト:2016/07/31(日) 20:43:48
私はある人に取材を三度申し込んだがその都度断られ、四度目の正直としてお願いしたところ
匿名でという条件で取材を受け付けてくれた。

その方は憲兵である。


「私の仕事は軍隊を取り締まることが主な仕事だ。
憲兵というと規則でガチガチに固まって融通が利かなく、冷血な人であると一般の人は思われてるだろう。
その感想は正しい。

しかし、軍隊は民間人を守るためにあるが、一番不安になるのもまた民間人である。
当たり前のことであるだろう。自分たちが住み慣れた街に突然数千人以上も見知らぬ人がやってきて
武器なども持っているのだ。それを不安に思うものはいないだろう。

商売をする者は軍人相手に売ればいいのだが、何も関わりのない一般人にとっては恐怖すら抱くかもしれん。
そのために私達憲兵が見張っているのだ。憲兵が見張ることで一般人に安心感を提供するのです。

また、軍人であっても人の子。酒を飲んで喧嘩のトラブルや民間人に対して脅迫もある。
そして、言いたくないが殺傷事件や腐女子に暴行も・・・・

それらを取り締り、犯人を逮捕し、その罪状に応じて裁判が行われるのです。



(学徒兵についての関わりをお聞かせください)



学徒兵ウィッチは戦況が悪化してから聞かされた話でありました。
始めそれを聞いた時は耳を疑いましたが、事実を知るや憤慨しました。
それでも、戦況が悪化し戦力が足りないのでやむを得ない措置であるとも理解してました。

私も妹が法術士学校の生徒として入校してましたが、学徒兵として志願したと手紙で知りました。
そして、戦死したという知らせも聞きました・・・・・

救いは遺骨を実家に届けることが出来たことですかな。なにせあの戦争で遺骨すら
届けれなくて、戦死した周辺の石や木を届けたなんて話もあります。


話がそれた。私達憲兵は学徒兵ウィッチをお守りするように命令されたのです
戦況が悪化しているため、兵士や民間人がやけくその暴行を行うのを未然に防げということです。
実際にそれを目的として侵入した者を何人か逮捕しました。

私達は完全に防ぐことが出来ましたが、別の所では間に合わず、暴行死された学徒兵ウィッチを出ました・・・・
当然、犯人達は略式裁判の後軍籍剥奪・銃殺です。



私が夜の見回りをすると、中庭に人の気配がしました。
もう消灯時間だったので、その可能性を信じて近づいてみると
ベンチに一人の少女がいました。

彼女はタバコを吸っており、そして手に持っていた箱を泣きたそうな表情で見つめていた。
私は未成年者がタバコを吸っていることを注意するべきだったが、見て見ぬふりをすることにした。
あれほど泣きたそうな表情で吸っているのだ。私が止めても止まらぬだろうと・・・・

後に知ったのだが、彼女は別の部隊で中隊を壊滅させて最近になって来た学徒兵だというのだ。
彼女は毎日というわけではないが二、三日に一回の頻度で煙草を吸いに来た。

それから、小学生部に見られても彼女は辞めず、彼女が戦死した後に小学生まで吸い出したことには流石にと思った。
その時はこっそり旗本に報告し、後日便所掃除になったと聞かされた。



そして、戦争が終結し、私の妹の法術士学校で卒業式があったが
私は体育館の中に入らず、正門の外で頭を下げ体育館の中から聞こえてくる卒業式が終わるまでずっと下げ続けました・・・・・」

572 :ナハト:2016/07/31(日) 20:44:20
終わり
憲兵さんもまた一人の人間だったのです
また、最初の仕事も憲兵の仕事とはこういうことでは?と想像で書きました。

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最終更新:2016年09月13日 12:08