508 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21:55:40
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第九十六話 ―作戦開始―



―哨戒部隊 報告―
目標 ヤマ 渡海 距離 本土 ヨリ 規定 地点 到達 確認 
護衛 オニグモ 二  アホウドリ 十四
他 多数 確認 測定 不能 
進撃 速度 衰エ 無シ

―台風牽引隊 報告―
本土 ニ 接近
予定 日程 全 工程 順調 ニ 消化 セリ
接敵 想定 時刻 誤差 三十分 以内 ト 予測

―本土 大本営 発令―
報告 受領
大本営 ハ 作戦 開始 ヲ 発令 セリ
全部隊 ハ 行動 ヲ 開始 セヨ

―第一打撃艦隊 返答―
了解 全艦 抜錨 開始

―第二打撃艦隊 返答―
了解 全艦 抜錨 開始

―第三打撃艦隊 返答―
了解 全艦 抜錨 開始

―第一機動艦隊 返答―
了解 全艦 抜錨 開始

―第二機動艦隊 返答―
了解 全艦 抜錨 開始

………

――戦艦【紀伊】艦橋――

作戦開始。
この号令は扶桑皇国全ての軍事施設を動かした。
人によっては待ちに待った決戦。もしくは来てしまった運命の日。
しかし扶桑皇国にとって、海軍の総戦力も動かした本作戦は、歴史に史上に残る大作戦となる。

「水雷戦隊、全て外洋に出ました。続いて本艦も出撃します。」
「よし。」

古賀峯一が力強く頷き、同じ転生者の副官に声をかける。

「再び転生し、もう一度戦艦に乗れるというのは僥倖だったな。」
「そうですね。しかもストパン世界の改加賀型ともいうべき紀伊型戦艦です。」
「それはちょっと違うぞ。こいつは外見こそ類似しているが、様々な面で性能は向上している。
 一番わかりやすい速力は、加賀型とは全く違う。」
「失言でした。申し訳ありません。」
「ああ、かまわんよ。」

上機嫌で、覇気を隠さない古賀に、副官はやれやれと内心で溜息を吐く。
こんなメタい会話をしているが、環境にいるのは全員転生者のみ。
艦長もそうだし、砲雷長もそう。というか前世で戦艦屋として夢幻会に知られたメンバーばかりだ。
故に気軽に話せる。

「少々不謹慎だが、この世界に生まれて幸せだ。」
「同意します。ネウロイと言う外敵が存在し、大型相手には巨砲必須である以上、戦艦の需要は無くなりません。」
「そうだ。だからこそ、原作における紀伊型戦艦の主砲問題を、早期解決させたのだからな!
 だが・・・ 予想に反し、戦艦建造速度は上がらんかったな。」
「仕方がないですよ。前世とは違い協力者が少なく、加減が把握できなかったのもあります。」
「前世での弊害と言うべきか・・・ あの頃は、割と自由にやっていたんだな。」
「自由と言うか・・・バックの存在が大き過ぎた事にもあるのではないかと。」
「まあ愚痴愚痴言っていても仕方がない。今は今作戦に全力を振るうぞ!」
「はっ! 空駆ける少女達のために!!」
「「「「「空駆ける少女達ために!!」」」」」
(大丈夫か・・・?)

ヲタク共の号令を聞きながら、比較的真面目な艦長は不安を少しだけ覚えた。

509 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21:56:12
――空母【天城】艦橋――

作戦開始が発令された。
扶桑海を守る為、大陸の防衛の為に、何度も航空隊を見送ってきた艦長は今作戦においても、育ててきた荒鷲達の活躍を疑わない。
もっとも夢幻会介入による航空母艦の航空隊体制の変更は、納得し辛い所が有ったものの、一応は理解している。
速い話、今ままで基地航空部隊と航空母艦飛行部隊は分けられていたが、自由に兵力を抽出するという面では少々不便。
なので前世同様に、航空母艦から発艦できる乗員枠を増やし、容易に戦力回復できるようにした。

お陰で大陸に戦力を置いて行っても、本土に戻れば元通り。
【天城】【赤城】のペアーと、【飛龍】【蒼龍】のペアーで、交代で任務に就いていたが、いい感じに実戦を経験できたのは僥倖だと思っている。
少なくない犠牲を払ってはいるが、やはり実践は訓練には無い緊張感などが学べる。命を対価にしていることを覗けば。
もっとも【祥鳳】【瑞鳳】は事情が違う為に、同じようには出来なかったが、一応実戦の経験は積んでいる。
というか【瑞鳳】飛行隊長の天龍空姫が嬉々として暴れていたと、飛行副隊長の須藤つばめが嘆いたという噂を聞いた事がある。

少し脱線した思考を戻し、本作戦の概要を思い出す。
まずは機動艦隊の通常飛行部隊が護衛を吊りあげる。
その次も吊り上げるわけだが、こちらは陸軍基地航空隊の通常戦闘機が相手だ。
少々不安だが、海軍の試作高速偵察機が先導するというから、問題はないはず。
続いてウィッチが迎撃に出るわけだが・・・主な戦場は、通常戦闘機が帰還するルート上となる。

と言うのも、ネウロイ側も偵察するということ覚えたので、必然的に通常戦闘機が引き返せば見つかる可能性が高くなる。
かと言って迂回行動をとらせるとなると、機位を見失っては貴重な搭乗員を失うことになる。
ならばそのルート上に防衛する部隊を設置すればいい。
高速で、突破力もある“アホウドリ”が必ず来るはずだ。それを潰す。
たとえ抜けられても、今度は上等な餌を目の前に出して引き付け、けして機動部隊を危険には晒させない。

上等な餌となるのは戦艦。
金属の塊で、強力な火砲を持つ彼等はネウロイにとっては極上の餌であり、強大な脅威になる。
恐らく戦艦を認識すれば、今度は“オニグモ”が出てくるだろう。
それを迎撃し、殲滅が完了次第戦艦部隊は次の段階へ移行するわけだが・・・

「しかし・・・台風を利用するとはな。」
「ええ。乗員の中でも、いまだに信じていないモノが多数おります。」
「だろうな。私もだ。」

艦長の答えに副艦長も頷く。
確かに古来より、御祭りなどで雨を乞う儀式が有るというのは知られている。
しかし実際に起こせるとは思っていなかった。
天候とはまさに自然の産物であり、けして人の手が届かない、管理不能の現象なのだ。

「お天道様を人間の良いように操るか・・・ 下手な揺り返しが無いといいのだが。」
「今後の天気予知予報が難しくなるという話ですから、もはやどうにもならないのではないかと。」
「すでに作戦の為に台風は操作され、勢力を強めている。
 確かに、どうにもならんな・・・」

もはや後戻りなどできはしない。
今はもう。前に進んでいくしかないのだ。
しいて言うならば。開発中の引き込み足を持つという戦闘機開発が間に合って欲しかったと言うべきか・・・

「いつの世でも。あれこれ準備していても、不足気味だと思うものだろうな。」

僅かな不安を糧にして、不測の事態に備えるべく、頭の片隅に必要になるであろう指示を書き留めておくことに下。

――軽空母【瑞鳳】――

「お前ら! 気合入っているかぁ!」
「「「「「おっす!」」」」」

少し話題になっていた軽空母【瑞鳳】のウィッチを率いている天竜空姫は、飛行甲板にて訓辞をしていた。
傍らには苦労人・・・もとい、副隊長の須藤つばめもいる。

「とうとう作戦が開始された。今度の作戦は海上戦だ!
 敵さんも空を我が物顔で飛んでいるわけだが、そいつらを潰すのが俺らだ!」
「隊長。それはいつもと変わらないのでは?」
「そうだ。かわりはない。
 だが、だからこそわかりやすい。
 俺らはとにかく敵を殲滅して、味方の艦隊に近づかせなけりゃいい!
 主な獲物は“アホウドリ”と“オニグモ”だ!」
「“オニグモ”は流石に無理じゃないですか?」
「一々突っ込んでくるなスドウ!」
「だから、ス ト ウです!」

二人の何時もの漫才に一同は苦笑したり、呆れたりしているが、いい感じに緊張感がほぐれるので特に問題はない。
副隊長の悩みを別にして。

510 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21:57:06
「“オニグモ”の殲滅は戦艦部隊がおこなう事になっているが、誘導はこちらで行うからな。
 出来るならば、こちらで倒しておきたいぜ。」
「無茶ぶりを指示する隊長をこき下ろしたい。」
「あほか。戦艦が使えない。列車砲みたいな大口径砲が使えない場面の方が多いに決まっている。
 それを想定して動くんだよ!」
「ただ単に。後輩の北郷章香が“オニグモ”討伐に貢献したから、羨ましいだけなんでしょ?」
「おう。」

身も蓋もない返答に頭を抱える。
まあこれが【瑞鳳】ウィッチ飛行部隊のノリなのだから仕方がない。
だからと言って賛成は出来ないのだが。

「・・・わかったよ。取りあえず作戦通りに動く。」
「お願いします。主に私の胃を心配してほしい。」

ジト目で見つめ続けてようやく折れてくれた。
溜息を吐いて安堵する副隊長から視線を逸らし、ある方向をみやる。
そちらからは本作戦の大目玉、台風がやってくるはずだ。

「璃子。上手くやってくれよ。」

小さな呟きは誰にも聞かれなかった。

――海軍 秋月隊――

宛がわれている隊長室で隊長の秋月璃子と、副隊長の木更津千早最後の打ち合わせをしていた。

「では北側は隊長にお任せします。」
「ええ、南側をよろしくね。」
「それについてなのですが・・・」
「何か問題がある?」

しれっと言う隊長に、千早は思いっきりしかめっ面にして尊敬する上官を睨む。

「天宮春香。彼女をどうして私のほうに回したのですか?」
「だって、あなた。彼女を制御できるじゃない。」
「あれは制御しているのではなく、躾けているのです。」
「同じことよ。それともなに?」

書類をチェックしていた璃子の視線が、千早の顔をようやく見た。

「自分より才能のある子がいると、実力を発揮できない?」
「そうじゃありません! あの子、何時まで経っても変な所でドジるんですよ!
 まだ隊長といた方がフォローできます!
 そもそも、本作戦はミスなんてできません!!
 本当なら後方待機にしたかった!」

千早の言う事ももっともだ。が、彼女にはもっと苦労して自分の後釜になってもらわないといけない。
まだ自分は若い分類だが、任せられる隊長各となると呪歌を扱う部隊だけに難しい。
歌が上手いだけではなく、周りを見ないといけないし、調律と言う名の同調補正も必要だ。

木更津千早と天宮春香。

この二人は自分が見てもそうはいない才能を秘めている。

(水瀬大佐じゃないけど。人材をあそばせる余裕なんてないしね。)

まだ怒り冷めやらぬ副隊長をなだめる為。璃子は丸め込むために口開くのだった。



以上です。
なんか、すんごい作戦開始の文章が浮かばなかった・・・
う、浮気したからか?!

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最終更新:2016年09月13日 12:55