2 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/05/20(金) 22:02:12
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。
GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第12話 ピニャの初陣
1945年12月12日 特地 碧海沿岸のとある港街
伊丹達が向かっていたのは、帝都ウラ・ビアンカとエルベ藩王国のシーミストとの中間にある、それなりの大きさの港街だった。
規模としてはそれほど大きくはないが、商船がウラ・ビアンカ及びシーミストなどの各方面に向かう際の水や食料を補給する中継港として栄えていた。
また、元は漁村であったことから、漁港もあり、漁師が採ってきた魚を使った各種料理が存在した。
そんな港街は今、盗賊に襲われていた。
「ノーマ!ハミルトン!怪我はないか?」
「何とか生きてまぁーす!!」
破られた西門の上で指揮を執っていたピニャは、盗賊たちが退却して行ったのを確認すると、門扉の内側にある柵を守っていたノーマとハミルトンに無事を確認した。
ハミルトンは座り込んだ状態で大声で答え、ノーマは肩で息しながら手を挙げて答えた。
「薄情ですな、姫様。小官の名がないとは・・・」
「貴様は無事に決まってるだろう。だから妾の騎士団に呼んだのだぞ」
「ハッハッハ・・・。そうでありましたなぁ」
グレイ・コ・アルド騎士補は、一兵士からのたたき上げで、戦場往来歴戦の戦人であった。
入団時にはふさふさで且つ黒々としていた髪はすっかり白くなり、抜け落ちて頭皮まで見えていたが、両刃の大剣を肩に担ぎ、全く疲れを見せていなかった。
「姫様、何でわたしたち、こんなところで盗賊の相手をしてるんですか?」
ハミルトンは小声で、責めるような口調で苦情を言った。
いささか無礼ではあり、貴族としてどうなのか、という感はあるが、言わずにいられない気分だった。
「あのなぁ、ハミルトン・・・。
たしかに妾も異世界の軍がイタリカに続いて、ここの攻略を企てていると思って来たら、まさか盗賊団だったというのは予想外だったが・・・」
アルヌス周辺の調査を大まかに行ったピニャ達は、イタリカ占領の報を受け、南に迂回するルートでアルヌスの丘に向かっていた。
イタリカを占領した敵軍に突撃も考えたが、避難してきた人々から、『敵軍は、2万か3万はいた』という言葉から、さすがに躊躇した。
3 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/05/20(金) 22:02:45
いくら自慢の騎士団でも単独では万単位の軍を相手にするのは分が悪い。
おそらくは帝都を目指し進軍した主力と考えたピニャは、『ならばアルヌスの丘には少数の兵しかいないのでは』と考え、場合によっては奪還も考えたアルヌス進撃を決断した。
この決断はある意味正解だったかもしれない。
もし彼女らがイタリカに突撃すれば、只でさえ火力至上主義の日本軍において、日露戦争末期以来の古参師団である第16師団と、新設ながら山岳師団として編成された第31師団の銃砲火力によって、人馬の骸で山を成し、流れた血で川を作っていただろう。
そして、迂回ルートで進撃している途上の港街で煙が上がっているのを確認した。
古参兵であるグレイは、一目で戦闘による煙だと判断し、ピニャに告げた。
それを聞いたピニャは、周囲を確認するが、敵軍らしき姿が確認できなかった。
千単位や万単位の軍であれば、容易に確認できるであろう、木が一本もない平原な上、自分達は街道途中の小高い丘の上にいた。
その場所にいて、敵兵を確認できないことから、彼女は少数の分遣隊による周辺領地の制圧と判断し急行することを決断した。
ピニャは若干、初陣に華々しい野戦を飾れるかもしれないという淡い希望を持っていた。
だが、それは脆くも崩れた。
ところが、到着してみれば、港街を襲っていたのは大規模な盗賊の集団であった。
この盗賊たちは、それまでアルヌスやデュマ山脈の周辺で略奪を働いていたが、日本軍の航空攻撃により駆逐され、森に隠れながら、攻撃圏外へと逃げていた。
そして、ちりも積もれば山となる。
そういった僅かな生き残りの盗賊たちが、徐々に合流し、アルヌスから脱走兵や街から逃げ出した犯罪者などが合流し、100を超えた盗賊団となった。
そして逃避行に限界を感じた彼らは、この港街を襲い始めたのだった。
「だが、忘れたのか?
妾と一緒に洪水やゴブリン共から村を守った時の事を」
ピニャはそう言ってハミルトンを咎めた。
かつてピニャは騎士団の設立から2年の月日が経った頃、野営訓練中に立ち寄った村が水害に襲われたい際、堤防の決壊を防ぐために協力することを決断したが、多くの団員は怖い、関係ないと拒否反応を示した。
これに際しピニャは、『自分の国の人間を守らずして己の保身だけを考える・・・それが騎士のあるべき姿か!?』と叱責した。
そんなピニャとしては、例え盗賊団であっても帝国を脅かす存在は許されざるものであった。
「それとも、己の保身に走って、この街を捨てて行った恥知らず共になりたいのか?」
ピニャの言う恥知らず共とは、この街に居た代官達であった。
この街の領主一党は異世界に、そしてアルヌスにそれぞれ合わせて全員が出陣していった。
それがどうなったかは、お察しの通りである。
残された代官達、ウラ・ビアンカから派遣された官僚連中は、領主一党がいないことをいいことに、好き放題に不正を働いた。
残念なことに、彼らは悪い意味での帝国の人間であったのだ。
そして彼らは、盗賊たちが襲ってきた際、真っ先に不正に蓄財した家財を持って逃げ出したのだった。
指揮官を失い、右往左往する守備兵と民兵、そして住民。
そんなところにピニャはやって来たのだった。
盗賊団は全ての門を襲撃できるほど兵がいないため、攻撃を受けていない門から大急ぎで街の中に入ると、即座に彼女は戦場となっている門の上に立ち、陣頭指揮を行った。
そして、今に至る。
4 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/05/20(金) 22:03:20
「グレイ。騎士団の到着はいつ頃と考える?」
ピニャは腹心とも言えるグレイと小声で相談した。
「足の遅い歩兵隊を連れても3日。騎兵だけでも明後日でしょうが・・・」
「やはりか・・・」
「しかしボーゼス殿ならば、例え馬が潰れても駆け付けようとするでしょう。
その事を考えますと明朝に来てもおかしくないかと」
「む?たしかにボーゼスならやりかねんが・・・」
ピニャは、自らの妹分であり、忠誠が篤い熱血嬢ボーゼスのことを考え、容易にそれを想像した。
「ともかく3日だ。3日間この街を守りきらなければならぬ」
そう判断したピニャは意を決して、町民に向かって叫んだ。
「皆の者!3日だ!遅くともあと3日守りきれば、妾の騎士団が到着する!
それまで耐えるのだ!良いな!!」
稚拙ながらも、ピニャは彼ら民兵の士気を上げようと彼らに希望を与え、奮い立たせようとした。
これが、彼女の初陣の顛末であった。
以上です。
少し短いですが、前回出た街の戦闘の様子を描きました。
まぁ、原作通り盗賊たちです。
今回はここまで。
それから重要事項。
リアルの関係上、そして他にネタを抱えている関係上から、GATEネタの期限未定長期休載をすることにしました。
一応、無期限休載ではありません。
余裕が出来れば再開するつもりです。
始めた手前、ちゃんと終わらせたいですし。
それでは、またいつか。
最終更新:2025年03月05日 17:06