5 :名無しさん:2012/01/01(日) 10:29:57
ゆっくりと大日本帝国ロケット発射基地の置かれている種子島からロケットが離床した。
それは次第に加速して、地球を離脱。
衛星軌道をも越え、飛び続けた。
「種子島、こちら月天十号。これより降下に入る」
この宇宙船よりの映像は世界中に配信されていた。
その飛行ルートは公開されており、世界中のアマチュア天文家が空を往くその軌道を見出そうと望遠鏡を向けていた。
夜の側にいる者は月とTV画像を交互に見詰めていた。
それは日本帝国と対立関係にあるドイツ第三帝国でも変わらず、ヒトラー総統でさえTVにかじり付いていたという。
そうして、ゆっくりと月天十号は着陸した……月へ。
そう、その映像は人類初となる有人の月着陸であった。
その第一歩は日本帝国の空軍大佐が記した。
そうして彼は着陸船を見上げ、「博士」と優しく声をかけた。
その声に感動でゆっくりと着陸船の入り口から月面を見詰め立っていた男は我に返り、梯子を降りていった。
そうして、月面に降り立ち……向き直った彼は月面へ静かに屈み、その手に月の土を、石を手にし。そうして、ゆっくりと空を見上げた。
そこには地球がその青い姿を見せていた。
彼は日本人ではなかった。
いや、正確には生まれは日本ではなく、ドイツであった。
そうして日本の宇宙開発に多大な貢献を為した彼は日本政府より許可を得て、飛行士としての厳しい訓練に耐え、今ここに降り立った。
「……私は今、月に立っている」
月面に降り立った二番目の人類として記録される、その人物の名をフォン・ブラウン博士という。
6 :名無しさん:2012/01/01(日) 10:31:19
史実のこちら側ではアポロ11号が月面着陸した時、既にフォン・ブラウン博士は57歳
さすがに、これじゃ当時の宇宙飛行士は無理だろうけど……
もし、20年以上宇宙開発の歴史が早まったら、可能じゃね?と思い書いてみたものです
最終更新:2012年01月04日 14:39