305 :yukikaze:2015/03/01(日) 18:32:55
乙です。それではお約束通り641,642氏に本艦を進呈いたします。
扶桑型戦艦改装案
基準排水量=35,000t
全長=227.0m 全幅=34.0m(バルジ含む)
主機出力=オールギヤードタービン4基4軸・128,000HP
最大速力=27.5kt 航続距離=18kt/10,000浬
武装
50口径35.6cm砲 3連装×2基(前部2基)
65口径15.5cm両用砲 連装×4基(左右両舷2基。配置は史実ヴェネト準拠)
45口径12.7cm両用砲 連装×8基(左右両舷4基)
50口径76mm両用砲 単装10基(左右両舷各5基づつ)
41式噴進弾発射器 1基(3番砲塔跡地 Mk 13 GMLSの拡大版)
41式艦対艦噴進弾10発搭載
舷側装甲-305mm
甲板装甲-150mm(最大) 共に史実長門型準拠の防御構造
解説
日本海軍が戦艦戦力の劣勢を受けて改装した切り札的な戦艦。
『戦艦』という艦種を捻じ曲げに捻じ曲げた戦艦としても名高い。
そもそも同戦艦は、建造当初からバランスのとれた14インチ砲戦艦として計画されていた。
主砲に関しては当時最新鋭であった45口径35.6cm砲を3連装3基搭載。
防御構造は史実長門型に準拠し、速度は金剛型の機関をデチューンし、25ノットクラスを達成するなど、第一級の高速戦艦であった。
日本海軍は同型と準同型艦である伊勢型を整備し、日本海軍の中核として長きにわたり活躍することになった。
しかしながら、日本が別世界に転移したことか彼女達の運命を狂わせることになる。
元々彼女達は、航空主兵主義の元、対空火力に秀でた戦艦として生まれ変わる予定であった。
だが、転移先の世界は大艦巨砲主義が闊歩している世界である。
加賀型ですら、モンタナ級と比べれば劣り、US級に至っては完全に劣勢なのである。
辛うじて戦力的価値を見いだせたのが長門型であり、それ以前の戦艦は、完全なる2線級でしかなかった。
特に問題だったのが扶桑型・伊勢型で、金剛型はその高速力で敵巡洋戦艦を食らいつくし、アイオワ級を戦略的に拘束するだけマシではあるが、扶桑・伊勢型はそれすら不可能なのである。
つまり、現状のままでは、この4隻は全くと言っていいほど使い道がなくなるのである。
(上陸作戦援護というプランもあるが、それはそれで使い道が限定化されてしまう)
日本海軍としては頭を抱えたい心境であった。
大型戦艦にも打撃を与えられる空対艦ミサイルの実戦化にはまだ解決すべきハードルがあり、US級を打ち破る大型戦艦を建造するには、前者よりは技術的ハードルは低いが、これまた時間がなさすぎる。
現状、一番確実性があるのは、大被害覚悟の上での統制雷撃戦位であった。
幾度ものシミュレーション結果に顔を青ざめていた上層部が、技術本部から出された
1つの提案に藁をもすがる思いで飛びついたのは無理もなかったであろう。そこにはこう書かれていたのだから。
『扶桑型・伊勢型に『戦艦殺し』の艦対艦ミサイルを搭載する』
306 :yukikaze:2015/03/01(日) 18:33:33
さて、ここで40式艦対艦噴進弾についての説明に移ろう。
『戦艦殺し』と呼ばれるこの兵器は、『必要なのはわかるが、まさか作るとは思わなかった』と後世言われるほど、常識から外れた兵器であった。
まずこの本質は、『1発当たればUS級でも被害を免れない』これに尽きた。
故にこの兵器は、破壊力を上げることに血道をあげることになる。
何しろ通常弾頭が750kgという『バカだろ・・・お前本気でバカだろ』と言える代物なのだ。
おまけに弾芯はタングステンで、重装甲をぶち抜いて内部で確実に吹き飛ばすという徹底ぶり。
勿論、高速機に対応していないとしても、熾烈な弾幕によって万が一にでも撃墜されないよう海面スレスレを飛行することと、固体燃料ロケットエンジンのブースターを装備し、約7秒間ブースターによって加速された後にブースターを切り離し、初期速度を得た後にターボジェット・サステナーによる飛行に切り替え、マッハ1.2という高速度で突っ込ませるということ(更に決戦前に護衛艦隊を減らすことで、可能な限り『誤爆』を防ぐという条件もあった)で、確実にUS級を破壊するような性能を持たせるようにしたのである。
もっとも、ここまで書くと高性能噴進弾に思えるが、当然欠点はある。
その最大の欠点は大きさである。
当たり前と言えば当たり前だが、高性能炸薬を大量に山盛りし、更に高速度を達成する為にロケットブースターとターボジェットも組み込むのである、必然的に噴進弾の大きさは肥大化することになる。
次の欠点は誘導方式である。
当時の技術力を考えた場合、確実なのはセミアクティブホーミングになるのだが、そうした場合発射母体は発射後の機動に制限が生じるという大問題が生じるのである。
そして母体として考えられた航空機は、噴進弾よりも遅いのである。
敵がどうするかは自明の理であった。
最後には値段である。単体兵器としては高コストでありすぎ、量を揃えるのが困難であるという問題があった。
この欠点に対し、技術本部はある意味割り切った。
まず彼らは、量についてはバッサリと切り捨てていた。
元々彼らの本命は、コンパクトな空対艦ミサイルであって、このデカブツはある種の仇花であった。
言い換えるならば、巨大戦艦という特定の代物用の間に合わせ兵器であって、それほど数を作らなければ良いという考えであった(それでも最終的には100発ほど作られたが)そして大きさと誘導方法であるが、彼らは発想の転換を以てこれに替えていた。
要するに、飛行機からの発射が問題なのであって、艦船から発射すればよい。
更に、艦船を使うのだから、噴進弾の射程距離は、艦船の水上電探の探知距離程度に抑えればいい。
そして、40kmという近距離であることから、推進剤の量は減らせるし、エンジンについても、短期的に最高速度まで出せるような工夫に尽力すればいい。
発射後の機動に制限が生じる? 熱源誘導装置も組み込むが、ならば殴られてもちっとやそっとでは壊れない艦を発射母体にすればいい。ちょうどいい艦が余っているじゃないか。
まず間違いなく、この状況でなければ絶対に採用されないであろう扶桑型の改装計画が承認されたのはこうした背景によるものであった。
なお、この提案が承認されたのは、提案を提示された1週間後であり、そして一月後には、全艦が緊急で改装工事へと入っているのだから、日本海軍のUS級への恐怖感がいかに深刻だったのが見て取れる。
同艦は、初のミサイル搭載艦として名を残すことに成功しているが、搭載数と装填数の問題から、1発発射すれば、それが当たるまでは次弾の発射が出来ないという欠点があり、まぎれもなく『一撃必殺』を宿命づけられた艦であるともいえる。そう言った点ではキワモノ兵器と言えるかもしれないが、同艦の上げた戦果は、連合国海軍にとって恐慌を起こす代物になったのは間違いがない事も事実である。
307 :yukikaze:2015/03/01(日) 18:44:01
全員から『バカだろ・・・お前本当にバカだろ』と言われる事間違いない常識をどこかに置き忘れた戦艦改装案です。
とにかく最重要課題は『巨大戦艦ですら食らえばただでは済まないミサイル作る』という代物です。
641,642氏にしつこく聞いたのがこれ。
『ミサイル技術なんて全くない』と言われれば絶対に成立しない案ですし。
幸いにも『全軍に行き届くだけのものはないが、少数ならば可』と言われたので保有についてはクリア。
で・・・保有がクリア且つ少数ならば『大威力ミサイルOKだよね』ということで、旧ソ連のステキミサイル『グラニート』の弾頭能力をパクリ。
おまけに少数ならば量産性には目もつぶれるよねと、確実に装甲突き破るためにタングステンもふんだんに使用。
速度については、ジェットとロケットで無理やり持っていき、誘導に関しては戦艦というバカ硬い艦を利用することで、強引に捻じ伏せるという寸法。
うん。この世界じゃないと普通に採用されんわ。
それ位、ある意味特科的な代物ですし。
最終更新:2016年10月10日 20:06