555 :2号:2011/11/09(水) 17:33:47
#設定スレの富嶽ノースロップ案を参考にさせてもらっています。
#自作の先進技術実証試験機の設定を使っています。
#皆さんの暇つぶしになれば幸いです。
#エラーで順番が前後してしまいました。
日米戦終了から数年。某所。
工事現場で男達が新聞を読んでいた。
「ふ~、さて休憩するか」
「おお玄さんこの記事見たかい?」
「ん?どれ?ああ、これか。できるのかねぇ。海軍さんが戦艦作るってこの前発表したのに」
新聞の三面記事にはこう書いてあった。
「空中艦隊構想」「空中空母の可能性」
提督たちの憂鬱IF
空への希求
――1943年
日米戦が実質的に終結。
日本軍は軍縮という名の再編成を行って陸海軍に続く新たな軍、空軍が設置された。
航空機技術関連機関の統合が行われて、少しだけ時間が過ぎた頃。
「俺の出番だなっ。見よっ「僕の考えた」的な設計図!!」
「なんのっ俺がすごいニュータイプの戦闘機や爆撃機を作ってやるっ」
気合をいれて仕事しようと空軍関係者が思った時に、
上(
夢幻会)からくだされた強い要請(という名の命令)に頭を抱えた。
それは日本領全域をカバーする常時展開型早期警戒網の構築、
不法入国者の空中からの監視体制の構築、
日本籍の船舶の所在地情報の常時把握、
隕石などの宇宙への警戒網を統合した体制を構築するように、
何年かかってもいいが出来るだけ早く、
という事だったからだ。
早い話が戦時中の機械化防空網の高度化である。
彼らにとって想定外に壮大で・・・地味だった。
とはいえ真面目な彼らは直ちに意識を切り替え、
検討を開始し激論から殴り合いをへて、いくつものプランを作り上げた。
1、宇宙関係への資金援助によるロケットを利用した衛星軌道上から監視する各種衛星の開発と協力体制の構築。
2、成層圏に上がれる特殊な形状と素材を用いた無人哨戒飛行船の開発。
3、長距離飛行が可能で長時間滞空可能、かつ管制設備をもち燃料消費が低い大型管制機と小型管制機、
緊急展開可能な前線の飛行場でも運用できる高速偵察機の開発。
4、これらを結びつけ、常時、高速、大容量の情報を共有する情報連結網(インターネット)関連技術の開発。
5、最新技術開発の為の先進工作機械から材料レベルの様々な基礎研究開発。
これらの様々なプランを統合して10年以上の時間をかけて整備する「天眼計画」と名付け、
実行する為に必要になる技術開発と資金繰りの為、陸海軍や海保を初めとした各省庁にも協力を呼びかけつつ、
「錬金計画」を初めとした各種計画を実行してゆく事になる。
列強の軍事費を増加させ、開発を迷走させる事を主目的とした軍事戦略誘導計画、
「フルメタル・パニック」(#1)の陸海軍につぐ空軍プランとして、
「天眼計画」は表向きには「空中空母」(#2)「空中巡洋艦」を含む「空中艦隊構想」として発表された。
554 :2号:2011/11/09(水) 17:31:26
2「空中巡洋艦」
その天眼計画に参加する会社のうちの一社、
東北に拠点を構えるノースロップ社も自重を忘れた社長によって自分たちの自信作を提出しようとしていた。
ノースロップ社 格納庫
「ついに・・・ついに飛ぶか。私の夢が、大型全翼機が衆目を集めて」
男は、ジャック・ノースロップはその機体を見上げながらつぶやき、これまでの苦労を思い出し涙を流した。
富嶽計画では残念ながら採用される事は無かったが彼の、彼ら技術者の執念は衰えず、
「錬金計画」に参加して新技術を習得して更なる改良を施し、
同計画に参加した他の技術者との喧々諤々の議論と民間や上層部へのプレゼンテーションの末に、
「空中巡洋艦」として採用された6発の全翼機、開発コード「フライング・ウィング」である。
「空中艦隊構想」の実現性を証明するための独特な、
某軍人が「プロペラ式B-2?」と言った奇妙な形態の航空機が飛んだ映像が放送されたのは、
ノースロップが泣いてからわずかに時を置いてからだった。
(#1)「フルメタル・パニック」
夢幻会で行われた戦後の想定に従って総研で作成された計画。誰がこの名前を付けたのかは謎。
海軍の超巨大戦艦や陸軍の100トン戦車などかなりはっちゃけた物が多い。「空中空母」はその筆頭。
(#2)「空中空母」
夢幻会は「こんなもの作ったら運用の為にどれだけ苦労するか」と作るつもりは無い。
民間には少数だが戦闘機を搭載し、
空中待機が楽で燃料を消費せずに済み地上からの出撃より作戦能力が高い、
など空中空母の利点が強調され、ジェット機が機体の上部に着艦しエレベーターで格納される、
機体下部からアームで吊り下げられ発進するというわりと具体的なイメージ画、
開発コード「バンシー」などが公表され雑誌や新聞紙上を飾る事になる。
見た目は後退翼式主翼をつけたバカでかいフライング・パンケーキ。
列強軍の首脳陣は当初、この情報に触れても「こんなもの作れるのか?」と半信半疑だったが、
公表された機体イメージ画にある情報、「空中巡洋艦」と同じ太陽光発電板を搭載するなど共通性が高く、
「空中巡洋艦」の飛行成功と共に日本軍なら実現しかねないと列強軍の首脳陣を悩ませる事に成功する。
最終更新:2012年01月05日 08:05