168 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23:45:26
641,642様へ
以前ちょいちょい艦艇支援をさせて頂き、空母投稿について予告をしていた者だが
約束を果たせず申し訳ない。あれからぶっ倒れて投稿どころではなかったのだ。
遅きに失した上に出来は今一つなのだが、一応最低限の義理として投稿させて頂く。
もう既に雲龍型空母の概要も出来ているだろうから、無視してもらって一向に構わない。


時は各国との欧米諸国との激しい空海戦よりさかのぼって転移直後。
国ごとまったく戦術傾向の違う世界に転移、という事態は限られた逆行経験者ですらですら面喰う状況、当然の事ながら海軍全体では対応に大慌てになっていた。
こと、突如艦隊決戦を要求される事となった水上打撃部隊の作戦部署や設計・開発部署においては「控えめに言って大パニック」な状況、徹夜して慌てふためくだけの日々を過ごすような、組織的には末期症状な人物模様が必ず見られる、という体たらくだった。
だがそれも無理のない話だろう。幾ら巨大国家日本とは言え平和なご時世で予算削減が叫ばれる中、航空優勢全盛の世界では防空戦闘こそ万全に練られていたが、艦隊戦、特に此方より強力な艦艇を有する相手との殴り合いとなると、逆行者ですら殆ど経験が無い事だった。
それでも開戦までに水準以上の戦力を作り上げただけ、彼らは優秀かつ勤勉だったのは間違いない。
艦隊勤務者も死ぬほど猛訓練を科し、(訓練においては)一流となっていた。
「死ぬ気で訓練をして、そしてその事に死ぬ程後悔した」とは水雷戦の神様と呼ばれたM提督の言である。

そんな海軍全体がざわめく中だったが、やはり日本海軍の花形である航空屋は対応できる余裕を有していた。
戦時建造プランも当然の如く各種用意しており、予算と工員とドックの都合さえつけば即座に起工できる程に。
しかしそんな航空屋でも困ったのは、工期が想定しきれない事だった。
どの位戦備に時間を掛けていいのか?国ごと未知の世界に転移となると、情勢を把握しきるのは難しい。
なにせ戦時中なら大鳳級ですら短期間で建造できる日本とは言え、平時からの急造にはどうしても限度がある。
疾風や天山の運用能力は前提だったが、他の求める性能と限られる工期が左右した結果、最終的に3つの案が出る事となる。

169 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23:48:19 日本海軍 仮称千鶴型装甲空母
基準排水量 43,800t 全長・全幅292.5×62.0m(水線部34.8m)
機関:艦本式オールギヤードタービン4基4軸 ロ号艦本式水管罐8基
最大出200,000HP 航続距離:18kt /8,000浬 最大速力:33.5kt
装甲
垂直‐舷側主甲帯76mm/15度傾斜、格納庫側壁50mm、水雷防御用テーパードアーマー76-50mm
水平-甲板38mm、格納庫甲板50mm、装甲飛行甲板75mm
武装
54口径12.7cm高角砲 2連装4基(砲架型・艦橋前後)
50口径7.6cm速射砲 2連装8基
20mm機銃多数
搭載数:84機(第一世代ジェット艦載機基準)
航空艤装:カタパルト4基(艦首2アングルドデッキ2)、舷側エレベーター3基
航空屋の求める、云わば「主力量産空母の理想」を忠実に再現した大型空母
平たく言えば日本海軍が究極の空母と自負していた最強空母、大鳳型の縮小簡易量産型である
一部簡略化されたとはいえ空母としての性能は求められる全てが揃っており、これが揃えば申し分無しと言い切れる程である。
難点はやはり工期であり、巨大工業国家日本の全力、つまり戦時生産絶頂期ならばおよそ2年で竣工でき、これほどの巨大空母でも次々と投入できる見込みは十分にあった。
しかし何分数十年続いた平和からいきなり叩き起こされた状況で工業が巨大な分戦時体制へ移行も短期間で行える物では無く、現状ではどんなに頑張っても3年近くかかる、という厳しい見通しが出ておりその点においては難アリ。

日本海軍 仮称雲龍型装甲空母
基準排水量 32,000t 全長・全幅273.8×42.0m(水線部28.5m)
機関:艦本式オールギヤードタービン4基4軸 ロ号艦本式水管罐8基
最大出160,000HP 航続距離:18kt /8,000浬 最大速力:32.5kt
装甲
垂直‐舷側主甲帯50mm/15度傾斜、格納庫側壁50mm
水平-甲板38mm、格納庫甲板50mm、装甲飛行甲板75mm
武装
54口径12.7cm高角砲 4基門(砲架型・艦橋前後)
50口径7.6cm速射砲 2連装8基
20mm機銃多数
搭載数:60機(第一世代ジェット艦載機基準)
航空艤装:カタパルト4基(艦首2アングルドデッキ2)、舷側エレベーター3基

情報部分析や上層部の意見集約による戦時空母建造期間は2年までが望ましい、と見込まれていた。
その為に考案された「平時からでもなんとか2年で出来る最強空母」が本案であったとされる工期短縮の為に防御力も一部簡略化する事となったが運用側は「一発の被弾で攻撃不能になっては困る、対爆撃防御は必要」と言う希望が強かった為船底を大鳳、仮称千鶴級の3重から2重へと減少、水雷隔壁の削減やテーパードアーマー撤廃など水雷防御が大きく削減されているが、史実エセックス級に迫る程度の耐久力は有する(つまりそんなに良くは無いが1、2発で沈む程でも無い)本艦が主力空母として採用された暁には「敵雷撃機迎撃を最優先とすべきである」と言う有難い注釈付き。

170 :雲龍型航空母艦(仮)その他:2015/04/23(木) 23:49:50
日本海軍 仮称飛祥型正規空母
基準排水量 18,500t 全長・全幅220×33.0m(水線部24.5m)
機関:艦本式オールギヤードタービン2基2軸 ロ号艦本式水管罐4基
最大出80,000HP 航続距離:18kt /7,000浬 最大速力:27.5kt
装甲
垂直‐舷側主甲帯なし(25mm前後のHT鋼外板のみ)
水平-天井及び床としての鉄板以上の物は無い
武装
50口径7.6cm速射砲 単装2基
20mm機銃単装20基(機銃を載せる為のスポンソン等土台も最低限な為、増設不可)
搭載数:42機(第一世代ジェット艦載機基準)
航空艤装:カタパルト2基(艦首1アングルドデッキ1)、舷側エレベーター2基

史実G18型航空母艦の流れを汲む、「空母なんて結局は艦載機キャリアだ、主力機を数運べるなら性能は問わん」
という極端きわまる思想の元、そこそこの積載と機動部隊運用上支障の出ない速度に留め、極限まで簡素化を徹底して工期を縮める事にのみ注力した、急造型正規空母。
平時からの急造ですら1年で作れると言う凄まじい建造効率かつ(戦時体制が整っていれば半年で作れると豪語された)
仮称雲龍型の半額以下という低コストでいっぱしの航空機運用力と艦隊の足を引っ張らないだけの速度を有する、と言えば聞こえは良いが対空火器は最低限、防御に至ってはゼロも同然、装甲のみならず防御的意味を持つ隔壁も無く(バルジ?二重船底?何それ)ダメージコントロールによる被害極限すら難しい。
「正規商船空母」「戦標空母」などと言われる代物。大きさの割に軽いが、ようは防御も火器も殆どない為。
あまりに極端すぎて採用されなかったが、雲龍型の脇を固める飛鳥型急造空母に設計経験が生かされた・・・らしい。(了)

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最終更新:2016年10月10日 21:47