679 :641():2015/07/06(月) 00:44:36
お話のツマミに、以前からあっためてて今回出そうと思ってたけど方針上不可能と言う事で取りやめた艦を一丁
もとは四〇艦隊・ライスイン先生世界のように、主力艦戦力激強な海軍マッシマシの世界にはこんなんでは?と考えた超駆逐艦大陸日本では日本人の体格が良さそうなので、この艦の設定においてのみ人力運搬を理由とした某砲のスケールダウンは無いものとする。

‐承前-
1920年代中頃、ワシントン海軍軍縮会議の騒乱も落ち着いた頃、
日本海軍はとある軽艦艇の大量建造計画を行っていた。曰く、「近代的巡洋艦を70隻前後揃えるイギリスを範とした場合、広大な領土の周辺海域警備に従事する巡洋艦は先の標準巡洋艦(※1)だけでは数量的に到底不足と認識している。
よって軍縮によって不要になった主力艦建造予算を流用、現行の中規模巡洋艦を水雷戦隊旗艦及び遠方警備と想定した上で、新たに小型巡洋艦「夕張型」を建造し、周辺海域警備に充てるものとする」というものであった。

しかしこの発言、それまでの日本海軍のスタンスからすれば聊かずれた物があった。というのも、日本といえば「要塞化して引き篭もる」などと揶揄されるようにそこまで遠方に至る広域海洋警備というものを強く打ち出していなかった。
引き籠るけどちょっかい出せば決戦に特化した大艦隊が叩き潰す、というような方針なのだ。
一部関係者は疑問に思ったが、他は深く考えず「まぁ海域警戒じゃ仕方ないか」位に考えていた。
アメリカは何時も通り日本の軍拡を非難したが良くも悪くも日常的な光景だった。

数年も経つと巡洋艦としては小兵の3千t級艦艇がゾロゾロと進水した。
しかし数が多い。いかに小兵とは言えその数は20隻を超え尚も起工されていく。
流石に疑問を呈する国が出始めた頃、各国が注目する一番艦が竣工する。
3千t級の巡洋艦としては妙な強武装も各国の目を引いたが、
一番艦の竣工と共に公表された日本海軍のとある発表は強武装よりも余程各国を驚愕させるに十分なものだった。
「本日竣工する艦は「夕張型巡洋艦一番艦夕張」ではなく、「吹雪型一等駆逐艦一番艦吹雪」とする。
迎撃を本義とする海軍の基本方針に則った決戦戦力の一翼を担うものとし、まず本型で統一した水雷戦隊を第一、第二水戦に充てる」
これが超駆逐艦、列強各国を恐怖させた特型駆逐艦の鮮烈なデビューである。
(※1)史実における5500t型軽巡ポジション。15.2cm砲連装3基と魚雷発射管を中心線上に揃えた近代的巡洋艦

680 :641():2015/07/06(月) 00:45:16 -超駆逐艦-
夕張型巡洋艦-改め吹雪型一等駆逐艦
基準排水量:3,550t
全長・全幅:148.0×12.9m
機関:ロ号艦本式水管缶4基、艦本式オールギヤードタービン2基2軸シフト配置67,000馬力
速力:36.5kt
航続距離:18kt/6,000浬
武装:50口径15.2cm連装砲3基、61cm魚雷発射管4連装2基(一斉射分のみ、予備無し)、爆雷60発
装甲:舷側37mm、甲板25mm、砲塔正面25mm

最大の特徴はまずその巨体だ。何しろ日本初の近代巡洋艦と比べても遜色無いのだ
そして15.2cm砲6門という、駆逐艦砲は10cm砲が平均な当時では「きが くるってる」としか言い様が無い火力に目が行くだろう
何せ当時日本海軍の主力であり世界的にも高性能だった巡洋艦と同等の火力、駆逐艦の域を明らかに超えている
逆に雷装はその規模から考えればむしろ控えめなくらいだろうが?(更に対潜能力、居住性も駆逐艦の常識を超えていた)
これは当時の日本海軍の世情から定められた方針によるものだった。

日本海軍はライバルかつ周囲唯一の有力海軍である合衆国海軍に打ち勝つ事を第一としているのは言うまでも無い
そして主力艦隻数で米海軍と同等な上で、16in砲艦数でも優越し、極めて強力な戦艦群を有し質は圧倒的
しかも米国は大西洋を無視できない国、つまり主力艦が普通にぶつかればまず勝てる相手と言う事だ。
ならば補助艦艇に望まれる事は、リスキーな水雷戦を志向してまで敵主力艦を狙うよりも安全確実に敵補助艦を撃滅して主力艦同士の決戦にチャチャを入れさせない事であり余力があれば敵主力を漸減すれば良い、という帰結に行き着いた。
更に言えば決戦における駆逐艦は消耗率が高く、工業力が高かろうが水兵の大量消耗は人道的観点を除いても好ましくない。
それゆえに砲戦における攻防性能を極限まで強化した駆逐艦という発想に至ったのだ。

その後、このあまりに常識外の巨大駆逐艦の存在はジュネーブ、ロンドン会議を大きく混乱させる事となった。
(ことアメリカ海軍は、主力艦護衛に回る駆逐艦群を蹂躙され、丸裸になるという目測に真っ青になった)
なお、この駆逐艦の存在はアメリカが対抗の為に6in砲搭載駆逐艦の量産に踏み切る発端となった。
そしてそれは5インチ両用砲の採用による駆逐艦の防空能力向上の妨害に繋がり、艦隊防空に大きな影響をもたらすことになる。
勿論、日本はそれもにらんでの大口径砲駆逐艦の量産であり、条約明け前後から量産を始めた駆逐艦は特型駆逐艦の系譜を無視するがごとく12.7cm高角(両用)砲搭載艦であったことは言うまでも無いだろう。
しかしこの超駆逐艦の方針自体は決して間違いでは無く、日米開戦劈頭の艦隊決戦に於いては第二水雷戦隊に本級の系譜が集中配備され、主力艦隊同士の艦隊決戦では最終局面で駆逐艦の砲戦力を生かして米水雷艦艇群を蹂躙し、勝利の一助となった事から決してブラフだけはなかったのである(了
最終更新:2016年10月10日 23:01