22 :ナイ神父Mk-2:2016/09/24(土) 01:31:24
大陸SEEDネタ その2
宇宙開発と軍備開発競争
C.E35、大洋連合主導の元L2にて建造が進められていた密閉型スペースコロニーは第一陣である10基が4月に完成を迎え、同年9月には予め選考や募集が行われた移民第一陣である1000万人の大洋連合国民を迎え入れている真っ最中であった。そして、それを処理している連合宇宙開発省と新たな土地の完成によって作られた市役所等の職員も対応に追われている。
「先ほどの便で来た移住者の名簿データが本土より送られてきました!確認をお願いします!」
「え?予定していた筈の土地に家が無い?解かりました、担当部署に問い合わせてみます、それまでは・・・」
「おい、予定していた危険区域のへの立ち入り禁止を伝える放送、開始時刻なのにまだ流れていないぞ?」
「機材の故障です。10分後には放送を開始します。」
「課長、マントを着けて腕に包帯巻いた不審者の情報が・・・」
「ほおって置け、唯の浮かれた馬鹿だろ?」
コロニー開放初期、特にまだ開設したばかりでノウハウの少ない部署は対策や対応を想定していたものの、現場レベルでの混乱は避けられず、一部は未だにコロニー群開発初期の騒動の一つとして教訓となっている。
また、移民が開始されると同時に一部のコロニーには大洋連合の宇宙軍の兵士達が配置され、危険な区域の監視や不審人物の捜索を行っていた。
「全くこのめでたい日に不審者騒動に借り出されるとは付いてねえなあ・・・」
「仕方ないだろ、目撃されたのが宇宙港付近なんだから、下手に見逃して最近活発になってるテロリストだったら洒落に成らないんだぞ」
「そう言えばお前は移民希望組だっけ?」
「そうだよ、嫁や娘がこのコロニーに居るんだ」
「それなら必死になるよな、まあ俺は気楽な独り身だから良いけどな」
兵士達はそう雑談しながらも通報の有った場所へと到着し、周辺の捜索へと入り始めていた。
しかし、一向に不審者は見つからず隊員達に焦りの色も見え始めていた。そんな中、彼等の目の前に現れたのは意外な人物であった。
「何をしているんだ?」
「富永少尉!少尉こそどうして此処に?」
「いやな、此処は人の通りがまだ少ないから非番を利用して少し次回のコミケの練習を・・・」
「そうでしたか、失礼しまし・・・」
と此処まで言いかけた所でふと、兵士はある事に思い当り少尉にある質問を投げかけた。
「もしかして次回のコミケの練習とはコスプレの類では?」
「おお、よくわかったな、その通りだぞ!今回は中々出来が良くてなあ・・・」
「・・・移民から不審者情報として出回ってますよ」
「え?・・・」
「取り合えず指揮を取っている大佐に報告してきます。」
この話題は宇宙軍内部で話題となり、後にコロニーの防衛を行う部隊は慣習として最低2年のコロニー内部の把握期間の間はコミケへの参加を禁止される等、ある種の笑い話として語られている。
23 :ナイ神父Mk-2:2016/09/24(土) 01:32:07
その一方でC.E36には月面都市である「新因幡」と大洋連合宇宙軍の拠点であるア・バオア・クーが完成し、コロニーを守る要所の一つとして艦隊を駐留させている。艦隊の規模としては現主力であった神風型ミサイル駆逐艦や和泉型重巡洋艦、新たに配備の始まったビーム兵器とMA運用能力を持った新型の須磨型軽巡洋艦を多数配備した有力な艦隊であり、大洋連合のコロニーに対する防衛の意思が見てとれる戦力となっている。
また、同時に運用を始めた要塞の隣では地球圏外の調査と安全な航行路の確立の為の全長2kmに及ぶ超大型艦の建造も進んでおり、連合は火星の調査と開拓の為と説明している。
プラント建造と大洋連合の参加
C.E37、粗方のコロニー周辺での開発計画を終えた
夢幻会の下には現在非常に悩ましい問題が転がってきていた。
その話題を持ってきたのは近衛であるが、その近衛も難しい表情を崩さずメンバーと向き合っている。
「ジョージ・グレンが提唱した新型コロニー開発計画への投資ですか・・・」
「そうだ、この先を考えるとどう考えても資金の無駄でしかないが、この計画、厄介な事に各国との平和をアピールする狙いも含まれているんだ・・・」
「つまり参加しないと痛くも無い腹を探られると?」
「そうなる、しかし、このプラントが後にどうなるかはみんなも知っていると思う」
「無視して東アジアや大西洋につつかれながら開発を続けるか、無駄な出費をするか・・・」
「私は参加するべきだと思います。」
「おや神埼さん、奇遇ですねえ私もですよ」
話が停滞しかかった時、参加に賛成する声を上げたのは神埼であった、その声に対して辻本も賛成の声を上げる。
「訳を聞かせてくれるか?」
「現状、計画が終わったとはいえ、最重要機密の計画はまだ実行できていません。
それを順調に進める為には今他国からいらない詮索を受けるのは避けるべきだと考えるからです。」
「私も似たような理由ですね。正直コロニーを作る値段より多分機密を守る値段の方が高く付きますからね。それなら損切りをした方がマシですよ」
「出費より現状の安全性を優先すべき、と言うことか。他に意見があるメンバーは居るかな?無いので有ればこの方針で行きたいとの思うのだが?・・・反対者は無し、ではプラントへ出資の方向で行くことにさせてもらう。いいな」
その後、大洋連合では正式にジョージグレンの計画への出資を開始し、後の理事国の一角を占める重要な立ち位置の国家として、その存在感を更に高めていく。
しかし、他の4カ国が積極的にプラントでの生産物を利用していくのに対して、日本はあくまで自国市場保護のためとしてプラントの利用は最小限の部類に収められ、本来、日本が受け取る分であった物資は大西洋連邦や東アジア共和国へとその大部分が分配され、元の歴史と同じ程度の恩恵であったユーラシア連邦に対して、この2カ国は元の歴史以上にプラントへと物資を依存して行き、それによって非理事国やプラントの独立を狙う黄道同盟との対立を深めて行く事と成る。
24 :ナイ神父Mk-2:2016/09/24(土) 01:33:37
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最終更新:2024年02月26日 22:30