787 :ナイ神父Mk-2:2016/09/26(月) 00:31:35
大陸SEEDネタ その3
プラント完成と二種のコロニー
C.E.44、理事国が投資を行っていた新型コロニーが完成を迎え、大規模な生産拠点として名称を「プラント」と名づけられている。
このプラントの生産能力は理事国が莫大な予算投入を行ったこともあり、大国と言って差し支えない理事国4国の需要を十分に賄えるほどの物資・エネルギーの生産能力を誇っていた。
しかし、同時にその管理運用の難しさが露呈することになり、管理や運用などには高い能力を持つコーディネーターの存在が必須となり始めていた。そこで大西洋連邦や東アジア共和国は食糧、特に穀物関係の生産を強く禁止する事を訴え、大洋やユーラシアでもこれに同意している。
一方で、大洋が中心となって建造するコロニー群では新しい移民により着実に人口とコロニーの数を増やし、C.E.45を迎える頃には、人口約1億まで膨れ上がっており、有力な市場として三菱等の古株の財閥から倉崎重工のような新興企業まで様々な企業が進出を開始。
同時にこれまでの地球から議員が派遣される形で行われてきた議会運用も、徐々にコロニー移住者に交代を始め、遂にC.E.46には初のコロニー出身の国会議員も出現、コロニーが主権を有した大洋連合の支柱の一つである事を各国へと宣伝している。
こうした、プラントと大洋が建造したコロニー群の運用や扱いの違いは、よりプラントのコーディネーターの不満感を大きく煽り、独立運動の原動力になっていったとされている。
そして、大洋の宇宙開発計画も同年には火星付近で建造されていた大型の補給及び資源開発を目的とした拠点アクシズが完成を迎え、大きな節目を迎えている。
だが、C.E.53に発生したジョージ・グレン暗殺を切欠に世界は大きく動き出す事になる。
S2インフルエンザと対立激化
C.E54年、ジョージグレン暗殺から僅か1年ばかりのこの時期、WW3末期に発生が確認された新型インフルエンザS1の変異型が、世界で大流行を起こし、大洋連合は、感染患者の一時隔離措置やワクチンの開発を急ぐ等の対応に追われていた。
そんな中、
夢幻会では緊急会合が開かれ、今後の展望について話し合われていた。
「それにしても、やはり防げませんでしたか・・・」
「生物兵器にしろ、自然発生にしろ、変異したウィルスが原因である以上仕方がない事だ」
「そうですね・・・しかし、今後の動きは如何しますか?現在はS2の脅威や感染予防の周知だけですんでいますが、我々の持つ知識が正しければこの後・・・」
そこまで話を聞いた所で参加者メンバーは全員揃って苦い顔をしていた。
当然といえば当然である、これまで夢幻会、ひいては大洋連合としては、ある程度のコーディネーターの保護も行ってきていたが、今回の事で水泡に帰る可能性も十分に有るのである。そうなれば、順調に進んできた宇宙開発や資源開発も遅延してしまうという事態は目に見えている為だ。
「取り合えず、国内での対応は不用意な噂の除去やワクチンの早期の開発、それに感染者が多い地域にはコーディネーター系の医療従事者の派遣で構わないですかね?」
「それが限度だろうな、流石に宣伝だけで完全に国内感情を抑えるのは難しいからな。」
「では、皆さん各部署に戻って対応をお願いします。特に情報局の皆さんは情報収集を密にお願いしますよ。こんな時に病院襲撃なんてやられれば洒落じゃ済みませんよ・・・」
その後、宣伝や噂消しが功を奏して大洋連合内の反コーディネーター感情自体は抑えることに成功したが、その代わりユーラシア連邦を中心にアフリカや南アメリカから避難してきたコーディネーターを受け入れる事となり、結果的にではあるが大洋連合内のコーディネーター人口は増大し、その増えた人口は開発の真っ最中で必要とされている宇宙開発事業で積極的に登用され有用な人材として重宝されている。
そして、C.E.55、プラントがS2用のワクチンを開発した事を公表するが、元々が工業コロニーでありコーディネーターがS2インフルエンザに掛からない事は周知の事実である為、必要の無いはずのワクチンを逸早く開発した事がよりプラントの陰謀説を強調し、反コーディネーター感情の緩和には至っていない。
788 :ナイ神父Mk-2:2016/09/26(月) 00:32:06
地球がそうした騒動に見舞われている頃、運用を始めていたアクシズで、UC関係の技術を研究していた部門では定例の報告会が開かれていた。
「主任、月の新因幡の研究所より送られてきたルナチタニウムの事なのですが・・・」
「何か進展が有ったのか?」
「はい、此方ではアステロイドベルトで取れる希少金属や人工重力下での研究を進めていたのですが、結果として現状では硬度が落ちる物の現状の物より安価に加工が可能なα型とその中間のβ型を開発する事に成功しました。」
「生産コストは?」
「α、β、オリジナルの順ですね、装甲材として使用すればαで有っても現在の艦艇の対空砲やミストラルの機関砲程度ならまともに傷を付けるのは不可能だと思われます。」
「α、βの情報は本土へと送れ、チームはそのまま研究を続行してオリジナルのコストダウンや加工性の向上を目指してくれ。エネルギー開発チームからは報告は有るか?」
「はい、ユーラシアから移住して貰ったミノフスキー博士の協力の下、試作型の大型融合炉は完成したのですが、大きすぎて拠点や建造物、コロニーへの搭載は問題が無いのですが、艦載用となると不可能ですね。それに、運用時に僅かながら周辺機器の異常や、施設の無線通信が一部妨害される等の問題が発生しています。」
「まて、電波障害と機器の故障?」
聞き捨て成らない言葉を聴いた主任は、報告に来た研究員に対して、そう応じた。
「はい、恐らくは何らかの電磁波や何かが原因だと考えるのですが・・・」
「少し、炉の周辺に粒子が無いか調べてくれ」
「は?粒子・・・ですか?」
「そうだ、粒子だ。眉唾だと思っていたが、もし実在するのなら・・・」
その後、地球の大洋連合首都に居る夢幻会の元にはある通信が送られていた。内容は「ミノフスキー粒子が見つかった」と言う内容である。
この報告は多くのUCファン転生者達を喜ばせ、同時に他のガンダム世界の技術や粒子も存在し得ると言う重要な証拠となり、より高性能なエネルギー源である太陽炉を始めとしたほかの技術開発へも積極的に動いていく事となる。
理事国駐留と戦争へのフラグ
C.E.57、悪化するコーディネーターへの反感とプラントの活発化する独立運動の動きから、理事国各国は共同して宇宙艦隊の駐留を開始。後の地球連合軍の前身となる戦力であったが、ここでもプラントに対する立ち位置の違いで温度差が出てきている。
元からプラントへの依存を強めていた大西洋連邦と東アジア共和国はプラントの独立を阻止するべく大規模な艦隊の派遣を行っていたが、最悪は損切りも考えていたユーラシア連邦は通常規模の艦隊を派遣するに留まり、日本もそれなりの艦隊は派遣していたものの、艦自体は既に旧式となっている須磨型軽巡洋艦を中心とした艦隊に留まっている。
この動きに対して、プラント側は強く反発。C.E.63には大規模テロと駐留艦隊からの威嚇による危機感から、MSの軍事転用の研究が始まり、2年後のC.E.65には1号機「ジン」をロールアウト。同時にこの時、「黄道同盟」は名称を改め「自由条約黄道同盟:ZAFT」を名乗り、独立運動を加速させている。
プラントの独立運動の加速とそれに対する大西洋連邦や東アジアの動きに危機感を持った大洋連合は、ひそかにアクシズへと地球圏への移動命令を出し、L2の航路防衛の為の新戦力として大型戦艦である長門型戦艦の開発を公表。ア・バオア・クー鎮守府、新因幡鎮守府、本国防衛用の艦隊の3艦隊に旗艦として、C.E.68までに配備している。
この大型戦艦の発表に、東アジア共和国やプラントからの非難が出される物の、大洋連合は重要な開発拠点であるコロニー群の防衛と維持の為として配備を行っている。
そして、C.E.69、遂にプラントと理事国との間では武力衝突も発生する事態となり、プラントはここで新兵器MSを投入、理事国側のMAを翻弄して大打撃を理事国艦隊に与えている。
その後、同年、理事国とプラントの緊張は極限状態にまで達し、年の変わったC.E.70 1月1日、国連の首脳部とプラントとの対話に応じる筈だった理事国の代表者達が、事故で遅れたプラント側を除いてテロにより全滅。
これをプラントからの宣戦布告と見なした大西洋連邦は地球連合軍の発足を宣言する。ユーラシアや大洋連合にも参加を促すが、主導権等の面で大西洋連邦との間に隔意があった事も有り、物資の都合や戦力の派遣は認めている物の積極的な参加とまで行かない事態となっている。
こうして、組織内部での隔意はある物の、ある程度の結束を固めた地球連合軍は、結成後にプラントへと対して宣戦を布告し、原作とは違う様相を見せながらも戦争を開始している。
789 :ナイ神父Mk-2:2016/09/26(月) 00:32:38
以上です。WIKIへの転載は自由です。
最終更新:2024年02月26日 22:42