963 :ナイ神父Mk-2:2016/09/30(金) 23:32:00
大陸SEEDネタ その5
地球降下とジャンク屋成立
C.E.70 4月2日、エイプリールクライシスによって地球圏ほぼ全てに、著しい混乱を与えた次の日に、ザフトは電撃的にアフリカ大陸北部へと部隊降下を開始し、電撃的に北アフリカを制圧。2日後の4日には大規模な陸軍拠点をブロック状態で降下させて地上で組み立てるという荒業を使って、ザフト降下部隊の為の軍事拠点をジューバー付近、及びアレクサンドリアに構築している。その6日後には今度は、南アメリカへと同様の手法を使って降下し、南アメリカ合衆国を降伏させる事に成功して、結果的にプラントは僅か10日の間に二つの国家を陥落させる事に成功している。
その後、現地ではプラントの物資やエネルギーの供給を条件に極めてプラントに有利な形で友好条約が結ばれ、親プラント的な議員で構成された政権が発足。連合所属国に対してプラント側での宣戦布告を行っているが、一部の国民は政府の親プラント的な方針へと反発、ブルーコスモスへの合流や独自の武装に蜂起によってゲリラ活動を開始している。
一方の宇宙では、東アジア共和国が有するナンバーズフリートの2艦隊がプラント本国へと再度侵攻を開始した。
これ程のまでに東アジアがプラントへの攻勢を急いだ理由は、有体に言えば政権の支持率低下の為と面子の為である。現状アジア、特に中華に影響を強く受けた国々で構成される東アジア共和国はその特色も強く受け継いでおり、その為面子が権威や国家の威信に大きく関わってくる。
そして、中華の解釈で行くと現状のプラントは偉大な中華を邪魔する怨敵であり、叩き潰して再度従え直さなければ成らない土地なのである。しかし、現状の政府は戦略兵器である核を使用したにも関わらず、大した戦果を上げる事は出来ておらず、それどころかザフトの良い様に戦闘で敗北を続けているのである。そうなれば後は倍々ゲームで国民の政府に対する非難の声が高まっていき、進退窮まった政府はこうして再度東アジア艦隊単独でプラント攻略に乗り出す羽目になったのである。
しかし、現在の東アジアは艦隊が一つ壊滅しており、その再編の為に人員を再配置したばかりなのである。そうなれば自ずと戦闘の結果も予想が容易にできるようになり、新兵交じりの東アジア艦隊はザフトの調度良い練習相手となり、一説にはこの時の戦闘にかぎって言えばジンとメビウスの戦力比は1:20にまで拡大していたと言われるほどの大敗北を喫している。そして、頼みの綱の艦隊の敗北を持って東アジア首脳部は総入れ替えに近い状態となり、暫くの間混乱状態となり始めていく。
また、第一次ヤキンドゥーエ攻防戦の終わる頃に成ると、プラント、連合の双方で戦闘で破損した機体や残骸の回収が難しくなり始めており、大西洋連邦やプラントでは民間のジャンク屋に委託を行う形で破損機体や兵器の回収等を行っていたが、ジャンク屋同士のぶつかり合いや誤認した軍からの攻撃に晒されるようになり、問題が多発し始めていた。そこで一部ジャンク屋の有識者とマルキオ導師はジャンクの回収を一括で行う中立組織、ジャンク屋組合の設立を各国に申請した。
しかし、この行動に異を唱えたのが大洋連合とユーラシア連邦だった。
両国としては現状のジャンク回収は既にムンゾコロニーに出来ていた大手のジャンク回収業者に依託している状態であり、既に専属のジャンク屋を持っている形だったのである。また、この企業はリサイクル業者として既に地上にも進出、南アフリカ統一機構やスカンジナビア王国でも活動を始めていたので、両国としてもこの企業としても非常に都合が悪かった。
それに加えて、条約に書かれた条項も問題であった。一見すれば問題の無い条約のように見られるが、プラントのみに対して出入国の制限が可能であったり、兵器の個人所有が可能となる点は大いに問題とされ、あるユーラシアの議員からは「ジャンク屋をテロリストの巣窟か隠れ蓑にする気なのか?」と言う強い口調での批判も行われている。
これに対してジャンク屋代表からは具体的な対応策が提示されず、出されても確実性に掛けるという事で最終的に大洋連合、ユーラシア連邦、南アフリカ統一機構、スカンジナビア王国では批准される事は無く、残りの国家が批准する事になる。
後に海賊行為を働きながら普段はジャンク屋の振りをしたり、一部構造物を勝手に破壊してジャンク認定後に回収、回収した兵器で傭兵活動を行うジャンク屋が多発し、批准国を悩ませる一因と成っている。
964 :ナイ神父Mk-2:2016/09/30(金) 23:32:46
新星廃棄と戦線停滞
C.E.70 6月、主力艦隊の全てを喪失した東アジア航空宇宙軍はその戦力を大きく減らし、宇宙での活動に大きな支障をきたしていた。
そんな中でザフト軍は次の攻撃目標を東アジア宇宙軍の拠点である新星に定め、攻撃を開始した。この攻撃に対して既にベテランどころか、新米パイロットまで失っていた東アジア軍は対抗できずに敗北。容易く要塞をザフトに奪われている。
しかし、ザフトの快進撃も長い間は続かず、ここからザフトは徐々に息切れを始めていく事となる。
まず、アフリカ戦線では南アフリカ統一機構との戦闘が消極的に成り始め、対ユーラシア戦線でもエル・アラメインでの勝利以降は侵攻が鈍化し始めていく。
また、南アメリカでは南アメリカ軍もある程度動員しながらパナマ基地を目指すも、厚い防衛線を張った大西洋連邦軍の防衛網を突破できず、戦線は中米でにらみ合いとなる。
そして、宇宙ではザフト軍による月、地球間での補給線の妨害こそ順調なものの、ムンゾの製造業者がかき入れ時とばかりに物資やエネルギーの増産を開始し始めた。ザフト軍としては、三つの防御拠点に囲まれたムンゾに対して攻撃したくとも出来ない状態が続いていた。
一方で不気味な沈黙を続けていた大洋連合では、遂に販売MSをゴブリンからザク
シリーズへと変更してユーラシアやアフリカへと販売を開始し、同時に戦前から開発を続けていたホバー方式の水陸両用揚陸艦を陸上用へと改造したビックトレー、ヘヴィーフォークの販売も同時に始めている。
また、次世代機として安定したメガ粒子兵器の運用を可能にした汎用MSマラサイと陸上用MSガルスJを開発続けて開発中だった飛行型MSアッシマーやガザをベースに新規設計を行ったマルチロール機ガ・ゾウムもこの時に搭載兵器をメガ粒子砲に換装、以降の大洋のMSは低コストで使用可能な大威力の粒子砲であるメガ粒子砲に換装していく事とまる。
その頃、ユーラシア連邦の中東のとある基地では実際に砂漠での戦闘を想定したMSの訓練が行われていた。仮想敵は大洋の作業用OSにOSを乗せ換えた鹵獲したジンであり、目の前には剣の刃を赤く光らせたザクの姿がある。ジンのパイロットはスラスターを吹かせて一気にザクの懐まで潜り込み、切り掛かろうとしてザクのヒート剣と鍔迫り合いになる。
「クソ、この、」
ジンのパイロットは何とかして相手に剣を当てようとするも、直後に異変を感じて慌てて後退、切り掛かるのに使った重斬刀を確認すると驚きの光景が飛び込んできた。
「な、溶けてる!?」
パイロットの目に飛び込んで来たのは、先ほど鍔迫り合いになってヒート剣と接触していた部分に切れ目が走って赤く発光している様子だった。
対してヒート剣の方には傷らしい傷は付いておらず高熱と剣本体の重量で溶けたことが伺える。そして、今度はザクがジンに急接近してヒート剣を振り被ったところで---
966 :ナイ神父Mk-2:2016/09/30(金) 23:33:19
「それまで!模擬戦は終了だ!」
スピーカーから聞こえた音声に、ザクはヒート剣を腰部のウェポンラックへと戻して先に基地へと帰還し、残ったジンも遅ればせながら、基地へとスラスターを吹かせた。基地に戻ったパイロット達はお互いの動きの問題点を話しながら今回の模擬戦の問題点を洗い出していた。其処へ先ほどスピーカーで、パイロットに声を掛けたモーガン大尉が現れる。
「お前等、ご苦労だったな。大分動きは良くなっていたぞ」
「ありがとうございます。しかし、まだザクの操縦になれていないせいか、振り回されてしまいますね。」
「こっちもですよ。ゴブリンやザクに乗ってからじゃ、操縦性が悪くてジンなんて乗りたく有りませんよ」
「そう言うな。仮想敵にはジンがちょうど良かったんだ。まさか無茶してザクを壊す訳には行かないだろう?」
「そりゃ、まあ、そうですが・・・」
暗に自分の操縦が荒いと言われたように感じたのか、ジンに乗っていたパイロットは少し、納得できない様子で声を出す。そんな同期の事を察したのか、ザクのパイロットは今の基地の状況についてに話題を逸らす。
「それにしても、今日は随分とミデアが飛んでますね」
「ああ、上からの通達だと、今日から試験的に大洋の開発した重MSがこの基地で運用されるらしい」
「新型!?大洋も金が有りますねえ・・・よくこんな短期間でポンポンと・・・」
「あの国が想像の斜め上を行くのは昔からだろう?MSの開発だって今更さ。裏で生きた羽くじら捕獲をしてても驚かない自信があるぞ」
「おっと、こんな時間か・・・。お前等もそろそろ持ち場に戻れ。俺も此れから今話した新型の試験に行かなきゃならないんだ」
「そうでしたか、何時もお疲れ様です!」
そう話して、モーガンと訓練を行っていたMSパイロット達は其処で引き続き模擬戦後のミーティングを続け、その後、それぞれの部屋に帰室している。
その後、この基地でつくなり行われた新型MSドムの運用試験で、ドムはユーラシアが想像していた以上の性能を示してユーラシア上層部の興味を引き、後のアフリカ開放作戦ではザクと並んでユーラシアの切り札的MSとして多数のドムタイプのMSが活躍していく事と成る。
967 :ナイ神父Mk-2:2016/09/30(金) 23:33:53
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最終更新:2024年02月26日 22:58