97 :ナイ神父Mk-2:2016/10/07(金) 22:31:17
大陸SEEDネタ その8
アフリカ攻略作戦とジューバー基地陥落
C.E71年5月5日、南アフリカ共同体、ユーラシア連邦、大洋連合の3カ国はアフリカ北部のアフリカ共同体に駐留するザフト地上軍と圧制を強める、アフリカ共同体の現政権を打倒するべくアフリカ制圧作戦を開始。
ヴィクトリア基地を出撃した大洋、南アフリカの合同軍は国道を北上するようなルートで侵攻を開始、多数の陸上艦艇がホバーによる土煙を上げながら航行を開始した。目標はザフト地上軍の有するジューバー基地である。
大洋が陸軍を動かしたのに対して、攻略目標となっているジューバー基地は比較的緩い空気に包まれていたと言っても良かった。基地内を見れば、ザフト所属の歩兵が雑談に興じていたり、南アフリカ軍の物と思われる旧式戦車の上から上半身を出して見張りを行いながら欠伸をする兵士など、大洋やユーラシア、大西洋の兵士なら罵声が飛んできかねない程の緩みっぷりで有った。が、此れはある意味仕方の無い事であった。このジューバー基地そのものはザフトが北アフリカへの降下の際に物資の投下地点として整備されたものであり、ヴィクトリア基地を睨む為の拠点であったが、主戦場がアラビア半島~エジプト周辺となって以降は価値が減退し規模の割には価値の低い基地となってしまった為である。
こうした理由から、ジューバー基地は他の同規模の基地と比べれば非常に警備が薄く、更に配備された戦力も比較的旧式や錬度の低い兵士達となっていた。現在、プロトジンに乗って警備しているザフト兵達も戦闘が迫っていると言うのに雑談を止めようとはしていなかった。
「あーあ、暇だねえ・・・」
「そうだな、今頃バルトフェルト隊に配備された連中は手柄を上げまくってるんだろうなあ、俺も行きたかったぜ」
「だな、それに比べて俺達はこんな僻地で立ってるだけだもんなー」
「まあ、それも今日までだ。今日の大洋との戦闘で戦果を上げれば上も俺達の実力を認めるだろ」
「ああ、ナチュラルのMS程度が俺達コーディネーターの機体に叶う筈がないからな。精々俺達のスコアになってもらおう」
そう言って機体の中で笑っていた兵士はふとセンサーを確認して、多数の光点がセンサーに映っていることを確認し目当ての大洋軍が来た事を確認した。
「お、噂をすればナンとやらだ。早速連中が此処まで来たみたいだぜ」
「こっちでも確認した、お前は通信で本部に連絡しろ」
「解かっ、待て、なんだ?いやに早いのがいる。注意しろ。もう近くまで来てる!」
「何?如何し・・・」
僚機のパイロット行った事を聞き返そうとモノアイを隣のジンへと向けた瞬間、隣のプロトジンに何かが当たり比喩抜きにプロトジンの上半身が消し飛んだ
「は?」
一瞬その光景に思わず思考が停止するも、コーディネーター特有の反応力か、生来の生存本能か、すぐさま生き残った、もう1機のプロトジンは慌ててカメラを正面に向け、前方から大口径のバズーカを構えた黒いMS、3機が接近して来ることを確認する。それがそのパイロットのこの世で見た最後の光景となった。接近していた黒いMSはそのまま、歩行時に見られるブレも無く正確にプロトジンを照準すると片手に持ったラケーテン・バズを発射、先ほどと同様プロトジンの上半身を吹き飛ばしてしまったためだ。
そして、黒いMSこと大洋連合が製造した重MSドムは哨戒と思われる機体を撃破したことを確認すると一時的に機体のホバーを止めて後続のホバートラックとザメルを隊長機とした小隊が到着した事を確認し、待機する。
「何とか通信を送られる前に倒せたか?」
「流石にわからんな。しかしコーディネーターの割にはえらく反応が遅れていた、素人か?」
「詮索は其処までにしておけ。俺達は暫く此処で別命が下るまでザメルを護衛しながら待機だ」
「申し訳有りません。隊長」
98 :ナイ神父Mk-2:2016/10/07(金) 22:31:52
雑談を行ったドムのパイロットはすぐさま謝罪を行いすぐさまモノアイを動かしながら周囲の警戒へと入った。
その5分後この小隊はザクとザメルの護衛を交代、本隊へと戻り、更にその1時間後配置に着いたザメル部隊と陸上艦隊からの砲撃を皮切りにジューバー基地攻略作戦はスタートする。
その一方でジャーバー基地では戦艦から飛来する多数の砲撃に大慌てで対処している真っ最中であった。基地司令の白服であるジョゼフ司令も忙しく指揮下の部隊へと指示を出している。
「リンダ中隊は敵の砲撃部隊の迎撃へと回れ!第24戦車大隊は、壊れたメインゲート付近で敵の接近に警戒しろ!」
「防衛を任せているトニー小隊より通信、な、そんな馬鹿な話が有るか!」
「如何した!?、何が有った!」
「たった今メインゲート付近に到着したカークス小隊より通信があり、此方の3倍近い地球軍のMS部隊と遭遇。救援を求めています!」
その言葉どうり、現在メインゲート付近では突破しようとする大洋のMS部隊とザフトMS中隊、そして北アフリカの戦車大隊の姿があった。
迎撃に出ていたトニーはホバー移動で次々に攻撃をかわしながら近づいてくるドムやディザートザクに思わず罵声を浴びせる。
「くそ、何でナチュラルのMSがバクゥより早く動けるんだよ!お前等、もっと弾幕を張れ。突破されるぞ!」
「無茶言わないで下さい!このザウートは対空用ですよ、地上のMSの撃破は想定していません!」
「煩い!無理でもやるんだ!対空砲でもなけりゃあの黒い機体の防御は・・・おわ!」
そう部下に行った瞬間、隣で砲撃を行っていたザウートが突如ビームの狙撃を受けて爆発、更に近づいてきたドムやディザートザク達が次々に手に持ったヒートホークやヒートサーベルで接近戦を挑み近くに居たジンやジンオーカーを機動性に任せて翻弄次々に撃破していく
「くっそ、前衛のジンが・・・後退するぞ。此の侭じゃ」
「隊長、前!」
その言葉にとっさに振り向こうとした隊長機のザウートはドムトローペンのヒートサーベルを腹部に受けて両断、露出した弾薬が発火して爆発を起こし、直後に部下の乗っていた対空仕様のザウードもザクマシンガンで蜂の巣にされ機能を停止している。この数十分後、メインゲートに迎撃に向かったジン一個中隊共に壊滅し司令部は大洋に降伏を申し入れている。こうして大洋はアフリカ攻略に於ける補給拠点の一つを獲得し、更なる侵攻に向けて艦隊の進路を北へと向けている。
ヒルドルブと戦車兵の意地
大洋が数と性能に任せてザフトを磨り潰している頃、ユーラシアの侵攻軍では火力で敵を磨り潰している真っ最中であった。
元々、大洋から供与されたゴブリンや後から購入したザクやドムがあったとは言え、ユーラシアにとっては貴重なMSであり一大作戦とは言え極度のMSの消費と技術を持ったベテランパイロットの喪失は避けたいと考えて居た為である。其処で、ユーラシアが考えてたのは大洋と共同開発した新型砲戦型MAガンタンクによる旧ソ連を思わせる火力攻撃であった。このガンタンクは、性質的には戦車の発展系に近く少数で操れる上戦車からの転向が楽という特性を持っていた為ユーラシアでは此れを大量生産してMSの適正が無かった人員を部隊に配備し、徹底的に火力で敵を粉砕する作戦へと出たのである。
この攻撃には流石に高機動が売りのバクゥも苦戦を強いられ始める
「畜生、連中砂漠の砂を皆爆風で舞い上げる気か!?」
「くっそ、爆炎で良く見えない、敵はどっちだ!?」
「よし、突破したぞ!あのMSの出来損ないみたいなMAをさっさと片付けるぞ!」
そう言った隊長機のバクゥの前には、件のガンタンク中隊と大型の自走砲に見える機体が鎮座している。そしてガンタンク部隊もバクゥの接近に気が付き慌てたように両腕のミサイルランチャーと機関砲で防御を始め、バクゥを近づけない様弾幕を張り始めた。そんな様子を見てバクゥのパイロットは目の前のガンタンクをあざ笑う。
99 :ナイ神父Mk-2:2016/10/07(金) 22:32:25
「馬鹿め!無能なナチュラルに当てられるか!」
「各機、散開してMAを撃破しろ、連中は碌な接近戦用の武装を持っていない!」
隊長機がそう指示すると4機のバクゥ達は散会してそれぞれガンタンク部隊へと突撃していく。そんな中、バクゥのパイロットの一人であるビリーは一際目立つ大型の自走砲へ距離を摘め一気に飛びかかろうとする。その様子に気が付いたのか、自走砲は煙幕を張り始めた。
「そんな煙幕・・・なにぃ!?」
煙の中急に自走砲の車高が上がるといつの間にか出現していたMS用のマシンガンの砲口が此方を向いていた、慌てたビリーは急いで回避しようとするが、それは既に手遅れだった。ザク用の120mmマシンガンから発射された弾丸は真正面からバクゥに直撃。コックピットを貫通してパイロットを磨り潰して機体を四散させた。
「な、ビリー!」
その光景はちょうど、ガンタンクの後ろに回り込もうとしていたバクゥからは良く見える位置で起こっており、戦友の戦死を見たバクゥのパイロットは怒りに任せて自走砲、MTヒルドルブに突撃しようとする。しかし、その隙を付いて割って入ったMSが横からバクゥを両断、胴の中央から切られたバクゥはそのまま爆発した。その後ろにはザクに似た青いMSが立っている。
「連合のMSだと!不味い、この数では不利だホワイト、てった・・・」
「へっ連合のMSなんかバクゥの敵じゃねえ!叩きこわしてやる!」
「ホワイト、止めろー!」
撤退を指示しようとした直後に動き出したホワイトのバクゥに隊長は思わず通信で怒鳴るもバクゥは止まらず、そのまま突撃していく。
しかし、青色のMSはワイヤーの様な物を発射してホワイトのバクゥへ電流を送ったと思われ、バクゥはその場に崩れ落ち、コックピットのある胴体部にヒートサーベルが突き刺さった。
「馬鹿な、この短時間でバクゥが3機も・・・」
呆然自失となった隊長機は思わず動きを止めその場に立ち尽くした。そして、其れを連合側が見逃すはずも無く、ちょうど真後ろにいる形となったヒルドルブの主砲が後部からバクゥに直撃、跡形も無く吹き飛ばしている。この戦果を見てヒルドルブに搭乗していたヴィットマン大尉は思わず声を上げる。
「見たか、このヒルドルブの力を!主力はMSに譲ったが俺達は、戦車はまだ、戦える!」
この発言は、この大戦が始って以降バクゥに蹴散らされた戦車兵の心を代弁するかの様な叫びであった。このバクゥ隊の壊滅から30分後、主力が壊滅させられたと判断したザフト軍は戦線を後退させ、アレクサンドリア基地まで後退する事となっている。
100 :ナイ神父Mk-2:2016/10/07(金) 22:32:55
以上です。WIKIへの転載は自由です。
111 :ナイ神父Mk-2:2016/10/07(金) 23:03:56>>102
自走砲代わりに使えある程度火力も有るので使いやすいかと・・・因みにガンタンクのみで表示していますが
機体自体はガンタンクⅡ相当の機体です。青い機体は簡単に言えばザクの白兵戦特化型としてグフカスタム
の頭と装備を持たせたF2ですね、なので単純性能や運動性はオリジナル以上です。
125 :ナイ神父Mk-2:2016/10/08(土) 00:37:02
因みに今回出た青い機体は>>111で書いた通りザクの白兵戦強化型ですね。スペック表としてはこんな感じかな?
ザクF2-G型(通称グフ)
全高:18.7m(ブレードアンテナ含む)
全装備重量:73.4t
装甲材質:ガンダリウムβ(コックピットや一部や間接部等)
超硬スチール
武装:75mmガトリング砲
3連装40mmガトリング砲
ヒート・ロッド(アンカータイプ)
ヒート剣
シールド
他、共通汎用武装装備可能
概要
大洋連合と開発したザクの白兵戦仕様機体、大洋の多くのパイロットは型式を略してこの機体をグフと呼称する場合が多くユーラシアのパイロット達もそれに習ってグフと呼称している。武装は新規開発されたシールド装備型と手甲に装着するタイプの二つのガトリング砲である。しかし、シールド装備型は兎も角、手甲に装着するガトリング砲は敵MS(仮想敵はドムが担当)を撃破するには力不足であり主に対戦車や牽制を目的として使用される。又、右腕に装着したヒートロッドは敵に対して電撃を浴びせる事を目的としているが、一部のベテランパイロットは市街地での3次元機動や離れた装備の回収にも使用している言われている。
そして、本機最大の目玉はその運動性である。最高速度はドムに劣るものの新規採用されたマグネットコーティングにより反応速度は劇的に向上、反応速度や運動性の面では後に開発されたマラサイにも比肩するものが有るが、後継機として白兵戦に更に秀でたガルスJが完成した事により本機は主にユーラシアのガンタンク部隊に対する護衛として販売が行われている。
最終更新:2016年10月17日 20:05