801 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:20:39
大陸SEEDネタ支援 鼓動は雷鳴の如く
ザフトのシャングリラ級輸送艦「エルドラド」艦長のガエリス・ヘルクトールは嫌な悪寒を感じ続けていた。
(何だ、これは……ずっと見られているような……)
うすら寒さはデブリ帯に突入する少し前から続いている。
長年輸送に従事してきた経験から、「予感」めいた、あるいは第六感のようなものが培われていたガエリスは「悪いことが起こりそうな流れ」を感じていた。
こういう時に限ってこの予感は当たる。軍属にされて輸送艦を任されたかと思えば、こんな大輸送艦隊に配備されるとは思いもよらなかった。
一応軍人らしいことはできるが、自分で言うのもなんであるが、軍人などには向いていない性格だとガエリスは自分を評価していた。
(いや、これは悪い癖なのか……)
臆病すぎる。それが周囲の評価だ。
何事にも慎重に取り組む姿勢はそのようにとらえられていた。
ふと思い立って、手元のモニターを操作する。
『いよいよ戦場だ……ああ、わくわくするなぁ』
『ナチュラルなんかには負けない、訓練はたくさん積んだんだ!』
『地上戦線は苦労しているらしいが、俺が行くんだから今後は楽になる筈だ』
『コーディネーターの力を見せてやるさ』
『どれだけ撃破できるかな。エースって呼ばれるかも!』
『ラウ・ル・クルーゼみたいに勲章をとって見せる!成績は優秀だったんだから!』
ガエリスは無言で後部の居住区画を映すカメラの映像を切った。
誰もが夢や希望を語っている。その光景に、何も言えなくなった。
「やれやれ……あんなに幼い子供まで動員するとは。落ちるとこまで落ちたか……」
何度か地球とプラントを往復したが、往復するたびに人員は徐々に若く、幼くなっていった。
それだけ兵士の繰り上げ卒業を強いているのだろうと、おぼろげに察することはできた。
その時、警報が鳴る。この警報パターンは敵襲を知らせるものだ。表情を引き締め、状況報告を要請する。
「哨戒機より入電!複数のMSと思しき熱源を確認!あ!ローラシア級シュワンからエマージェンシー!
敵の狙撃を受けているようです!」
『こちらオーレント!敵襲!敵襲!狙撃されている!増援を!』
通信回線に哨戒機と思われるMSパイロットの声が乗る。
それを受け、ガエリスは腹をくくる。戦争だ。人が死ぬ。それが戦争というものなのだ。
声を張り上げ、指示を飛ばす。
「来たか……!対空、対MS戦闘用意!スクランブル!スクランブル!」
その声に応じて、輸送艦隊は戦闘態勢に入っていく。
そう、ナチュラルが相手であると侮ったままに。
802 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:21:36
『こちらオーレント!敵襲!敵襲!狙撃されている!増援を!』
『来たか……!対空、対MS戦闘用意!スクランブル!スクランブル!』
「来た!ヴィーノ、もう出るぞ!」
「もう少し待て!あとちょっとだ!」
ヴィーノ・デュプレは震えをごまかすように作業を続けていた。
先程から悪寒が止まらない。いや、この地上戦線行きの輸送船に乗り込んだ時からものすごい怖さを感じていた。
ひたすらに機体調整のためにキーボードを叩いていないと、何かに押しつぶされそうだった。
周囲の人間が楽観で動いていることも逆に不安を煽った。そして予想通り輸送艦隊は襲撃を受けた。
流れ弾一発でも死にかねないというのは、とても怖かった。MSがあると言っても、ビーム砲などから艦艇を守れるわけではない。
だから、恐ろしかった。唯々恐ろしかった。
「よし、これで……」
キーボードをたたき、調整を終える。これでいつでも出せる。
艦橋からの指示が届き、ハッチが解放されていく。
ハッチと直結したMS格納庫からは次々とジンが宇宙へと飛び出していく。
『よし、出撃する』
『遅れるなよ、デイル!』
「二人とも気をつけろよ!」
興奮を隠さない同期のパイロット二人に声をかけ、ヴィーノはジンから離れる。
電力供給のケーブルが外れ、ジンは重突撃銃を手にして出撃する。一部には熟練者の操るシグーが混じっている。
元々地上戦線に配備されるMSを数十機抱えている輸送艦隊はそれだけの直掩MSを展開できた。
一部にはザウートやディンなどもあるが、今回は出番はないだろう。
「ヴィーノ、こっちだ!」
「OKヨウラン!」
メカニックの待機室に飛び込むと、同期のヨウランが外の様子を映したモニターの電源を入れる。
そこに早速映るのはMSを狙い放たれる光の柱だ。MSはそれを回避する。遠距離からの狙撃の第一射で警戒中のMSと艦隊の外側にいた艦艇が被害が出たが、見え透いた狙いで途中からは外れ始めた。
「よし、あとはスナイパーの所に行けば終わりだ!」
「なんだ、あれ……流れ星……?」
興奮するヨウランだったが、ヴィーノの目は別なところを向いていた。
はるか遠くを、光がよぎったのだ。
その事を警告する時間は、残念ながらヴィーノに与えられなかった。
803 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:22:49
音を置き去りにして、それは加速した。
大型バックパックに接続されたプロペンラントタンクを兼ねた大型ロケットブースターがその推力を実現させていた。
並のMAを凌ぐ、まるで流星のような光がほとばしっているかのようにも見える。ザフトの輸送艦隊もそれを十分に観測していた。
通常ではありえない速度で接近してくる物体などMSかMAだと。しかし、その対応はあまりにも遅かった。
艦橋で指示が飛び、それに応えて艦隊の防空システムが即応する。
機銃が、ビーム砲などがその銃口の向きを変え、待機していたMS隊が飛び出していく。
だが、その防空網の外側、アウトレンジから攻撃が来ることを考慮しなければならなかった。
FAガンダムのメガ粒子砲がその力を解放する。MAに搭載されるレベルの出力を持つそれは、邪魔なデブリを切り裂き、奔り、そして、ローラシア級の1隻を貫通した。
そのローラシア級の艦橋で、艦長が呆けた面を晒す。ブリッジ要員やオペレーターなども、唐突な衝撃と光の奔流にぽかんとしていた。
辛うじて、若い、というより幼い女性オペレーターが何が起こったかを悟り、悲鳴を上げようとした。
死にたくない、危ない、助かりたい。そのような本能が溢れていた。
しかし、その悲鳴も肉体も何もかも、爆風に飲み込まれた。メガ粒子は的確にローラシア級の艦中央部を貫き轟沈せしめたのだ。
その爆発はいっそ華やか。
宇宙に咲いた大輪の華のようでもあった。
乗員の命を、載せていた物資も、込められた思いさえも栄養として咲く、残酷な華。
護衛のジンが手にいた火器をFAガンダムに向け、一斉に放ち始めた。
しかし散発的。なにしろ、スナイパー部隊によってその多くが損傷を抱えていたし、銃座も潰されている。
何よりMSパイロットの練度が低い。繰り上げ卒業のパイロットが多いMS隊は一部を除けば練度が低いを通り越していた。
FAガンダムのコクピットで、イオ・フレミング少尉は操作を続ける。
操縦桿とフットペダルを巧みに操作し、障害となるデブリを高速で回避する。
アラート。
護衛についていたナスカ級の主砲からビームが飛んできた。
しかし、それを推力に任せて回避する。推進方向に対してほぼ直角方向への回避だ。
ぐっと体にGがかかる。しかし、イオは獰猛な笑みを浮かべ、耐えきる。
まさに紙一重で、FAガンダムはそのビームを回避し、さらに加速した。
そして、イオは捉えた、
『いただき……!』
こちらから見て真上の方向、必死に対空機銃を放つ輸送艦が見える。
イオは前進を選択。同時に武装をFAガンダムの腕に掴ませる。
この距離ならば、ビームサーベルだ。
瞬間、炸裂。
輸送艦の推進機関部は通り過ぎざまにFAガンダムのビームサーベルに両断されていた。
辛うじてつながっているが、ほぼ真っ二つ。爆発と誘爆。その連鎖が輸送艦を襲った。
衝撃でガクンと輸送艦が揺れる。まるで、獣が痛みにもがくようにも見えた。
輸送艦の対空機銃が最後のあがきとばかりに弾丸をまき散らす。
その機銃を担当する兵士は、幼い少年兵は、泣き叫んでいた。
恐怖、混乱、錯乱。声にならない叫び声を上げていた。
そして、FAガンダムは姿勢を立て直すと、そのビームライフルを輸送艦の艦橋へと向ける。
躊躇いなく、イオはトリガーを引く。ビームの奔流は、あっけないほど簡単にターゲットを消し飛ばした。
それでもFAガンダムは止まらない。その速力を維持したまま方向転換。通り過ぎざまにビームサーベルで近くのナスカ級の艦橋を溶断する。
素早くターンすると推力をそのままに後進しがら左腕のロケットランチャーと右腕のビームライフルを放つ。
大量の炸薬とビーム粒子の嵐は、猛然とナスカ級の装甲を食い破り、砕き、破壊する。エンジン部分が特に集中して狙われたためか、一際大きな誘爆が起きる。
おまけのように、近くにいたMSがそれに飲み込まれる。
一旦距離をとった後に急旋回。再びFAガンダムはMSを発艦させている輸送艦を狙う。
慌てた動きで銃撃が来るが、その多くを装甲とシールドで強引に切り抜ける。リチャージの完了したメガ粒子砲が再び咆哮。
砲口を動かしてやることで、薙ぎ払う様にして船体全体にダメージを与える。メガ粒子砲の威力は絶大だ。
発艦しようとしたMSがハッチごとビームライフルに消し飛ばされる。内部にも誘爆したようで、面白いように中身が飛び出す。
804 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:23:44
一度艦隊を突き抜けたFAガンダムは、今度は敵艦隊の垂直方向で鋭くターン。
獲物を狙う鷹の如く先程通過しながらあけた防空網の隙間に飛び込む。
ビートは激しく、それでいて繊細に。
『たっぷり喰らいやがれ!』
バックパックのミサイルランチャーから特殊なミサイルが発射される。
対艦分裂ミサイル。ばら撒かれるのは時限信管爆弾。まとめて焼き払うには最適だ。
特に対空機銃が潰れていた艦艇には致命的すぎた。瞬間、宙域の片隅が爆発に包まれる。
次に狙うのは比較的優先度の低い護衛艦艇とMS。
二連装ビームライフルとビームサーベルで破壊を刻む。
威力に重きを置くためにUC式のビーム兵器が搭載されているFAガンダムの火力は、まさに戦艦級だ。
一撃で破壊するどころか、MS数機をまとめて破壊するなど珍しくもない。まさにザフトの輸送艦隊はMS1機に翻弄されていた。
『ゼーマイン小隊展開!急げ!』
『た、隊長が死んじゃった……!どうしたらいいの!?』
無事だった母艦から出撃したジンがロケット弾の直撃を食らい、明後日の方向に吹っ飛ばされた。
『落ち着け!近くの小隊と合流しろ!』
『敵は何処だよ!』
『すぐそばにいるはずだ!探せよ!』
騒ぐだけで隙だらけのMSが遠距離狙撃で破壊された。
『知るか!くそ、レーダーが役に立たない!』
『速く発艦しろ!後ろがつっかえているんだよ!』
『もうヤダ……帰りたい、助けて!』
通り過ぎながら振るわれたビームサーベルでまとめてMSが溶断される。
『ちっ……ガキばっかかよ!』
通信回線を遮蔽しながらイオは舌打ちをする。
何時の間にやら、ザフトは年少の兵を投じるようになっていた。
声変わりさえ終えていない兵士は珍しくなくなり、少女と呼べる年齢の兵士まで増えている。
『どけよ!』
左腕のシールドで推力と自重に任せたシールドバッシュを繰り出す。
破壊と崩壊の振動。シールドは若干へこんだが無事。駆動系にダメージもない。一方で標的となったジンはあっけなく形を失う。
『それで言い訳にして帰っちまえ!邪魔すんじゃねぇ!』
イオの咆哮に応えるようにFAガンダムはその砲火を放つ。
メガ粒子砲が、対空砲などが沈黙していたナスカ級に止めを刺した。
805 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:25:04
他方のザフトはようやく混乱が収まるかと思われたが、そうではなかった。
『ちくしょう……母艦が!』
何とか飛び出した新型MSゲイツのコクピット内部でパイロットが舌打ちする。
母艦がやられればMSの活動限界はあっけないほど簡単に訪れる。
『ひよっこ共は援護射撃だ!あいつはやばい!友軍の離脱を援護しろ!』
もはや悲鳴と怒鳴り声と助けを呼ぶ声で不協和音を奏でる通信回線に、隊長の声が轟いた。
いくらかは正気に戻るが、大半はその通信をろくに聞いていなかった。
『ちくしょう!ちくしょう!やっつけてやる!』
『やめろ、カーヴィス!うっ……!?』
止めに入ろうとしたゲイツは間一髪でビーム砲による狙撃を回避した。
丁度、ゲイツとジンを分断するような「はずれを狙った射撃」だ。
『死ね!ナチュラル!死ねえええええええ!』
重突撃銃の乱射。そして突貫。
しかし、たかがジンの推力では追いつけもしない。
瞬く間に距離を離される。反撃のビームライフルが飛んでくる。
『あああああ!?』
そして下半身が丸ごと溶ける。
バランスを失い、錐揉みしながらジンはグチャグチャの軌道を描き、そして、近くのMS母艦へと激突。
『ビンゴォ!』
イオは一人喝采を上げる。
激突に怯んだのか、一瞬対空砲が沈黙したその母艦にメガ粒子砲で止めを刺す。
そのガンダムに追いすがるMSが1機。先程のゲイツだ。
『おっと、新型か!』
『堕ちろぉ!』
ビームライフルの連射。囮、本命、予備ときちんと狙いを定めた三連射だ。
彼我の距離と相対速度はかなりの物。それでも合わせてきたのはいい腕だとイオは感心する。
『だが……!』
イオはその銃口の動きをきちんと読んでいた。
そして、ゲイツがビームライフルを撃った後にとろうとしたモーションも視界の隅でとらえていた。
スラスターを使って一発目を躱す。二発目は左のサブアームのシールドで防ぐ。予備は放置。
『おらぁ!』
そして、イオは機体を縦に一回転させる。
同時に操縦桿を操作。ロケットブースターのパージが指示され、コンピューターは迅速にそれを実行。
迫って来たゲイツのエクステンショナルアレスターに、パージされた大型ロケットブースターが綺麗に激突する。
ビーム刃の熱がロケットブースター内に残っていた燃料を起爆させ、大爆発を生む。当然、接近していたゲイツは飲み込まれた。
『抜けてきたか!』
『おおお……!』
しかし、ゲイツが爆発を潜り抜けて迫っていた。装甲はあちらこちらがひしゃげたりしているが、動いていた。
ビームクローが接近するが、イオはゲイツの振りかぶった腕にサブアームのシールドを強引に割り込ませる。
MSの自重をシールドにうまく乗せているのが分かる。だが、それはあくまでもゲイツのパワーと自重だ。
伊達にFAなのではない。逆にがっちりとゲイツの右腕がつかまれた。
『残念だったな』
『ぬ、ぬおおおおおおおおおおお!?』
接触回線で流れるジャズ。走馬燈を彩るのは、地球で19世紀末から20世紀初頭に誕生した音楽。
激しいトランペットとピアノ、ドラムの音律が重なり、鼓動を刻む。
『あばよ!』
そのままFAガンダムは蹴りを放つ。バッテリーMSとは比較にならない出力で、はるかに頑丈なガンダリウム合金の脚部による蹴りだ。
あっけないほど簡単にゲイツの胸部はひしゃげ、モノアイは力を失う。右腕が引きちぎれ、本体は慣性のままに飛ぶ。
ふっ飛ばされたそれを間髪を入れずに光が襲い掛かり全てを破壊した。再び爆発。何もかもが飲み込まれた。
806 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:26:12
『……と、持ってかれたか。この距離で当てるってことは義足ヤローか』
下方を映すモニターに友軍のスナイパーのMSの姿が映る。
かなりの距離だ。ここまで狙い撃てる人間を、サンダーボルト師団にイオは一人しかいないのを知っていた。
『ま、いいや……』
勝手にライバルとされている「義足ヤロー」のことは気にしない。
『MSは大好きだぜ……!宇宙(ソラ)も戦場も、ここは最高に自由だ!』
そして、イオは獲物を求め加速した。
『おー、派手にやってるな、イオの奴』
『全くだぜ。ああまでMSを自由に操るなんてのはマジでスゲェ』
スナイパー部隊は一時攻撃の手を緩めていた。
縦横無尽に暴れるFAガンダムを誤射しないためだ。
というより、イオの要望というところもある。サンダーボルト師団のエースに成り上がったイオの戦闘は並大抵のパイロットでは追従できず、合わせることができないのだ。
『ふん……』
『何だ、ダリル?』
回線に乗ったエースパイロットの声にフィッシャー・ネス曹長はカメラを微調整しながら問いかけた。
『音楽の趣味は合わない』
淡々とダリルはトリガーを引いていく。
FAガンダムを狙うMSや艦艇の対空砲などを叩いてやる。
あるいは戦場から離脱を目論むMSや艦艇に攻撃を浴びせて足止めする。
イオの激しい機動戦闘の最中でも狙撃を続行できるのは、ある意味ダリル・ローレンツに許された特権だった。
それは、それだけの視界の広さと目の良さに由来する。エースと称されるのも、この自由な時間によるところが大きい。
『おい、なんだありゃ?』
その時、フィッシャーが奇妙な光景を捕捉した。
MSが飛び出したのだ。それ自体は何ら珍しいものではない。
だが、その光景は異常だった。
『溺れている……』
そのMSはもがいていた。サブスラスターやメインスラスター、そして手足によるAMBACが全くできていない。
溺れていると、大洋連合では呼称している。もがくさまなどまさに水に溺れているように見える。
『地上に配備されているMSだろうな。気密処理はしてあるようだが、宇宙にいきなり放り出して何がしたいんだ?』
『いや、案外宇宙に戸惑っているんじゃないか?』
『おいおい、MSで宇宙で溺れるって相当だぜ?』
誰もが、引き金から指を外す。
『ああいうのは撃ちにくいなぁ』
『とりあえず捕虜かな……?』
『ああ、そうだな。レイトン、ビーハイヴに伝達しとけ』
『了解です。あ、ピケットMSからレーザー通信です。ザフト艦隊、撤退し始めています』
『送り狼は、もういらんよなぁ』
レイトン伍長からの報告に、知らずのうちに誰もが安堵の息を吐く。
虐殺まがいのことなど、特にあんな有様を見せられたうえでやるなど、精神的にキツイ。
フィッシャーの言葉を最後に、戦闘終了を告げる通信が母艦からMS隊に伝達される。
戦闘というよりも、一方的な虐殺に近い。抵抗がろくにできない兵士を殺して何が面白いのか。
勝利だというのにスナイパー部隊の顔は晴れていない。憤りだけが残った。
807 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:27:03
工作艦ビーハイヴ。
帰投するFAガンダムと入れ替わるようにドラッツェやガザが出撃していく。
戦闘で破壊されたMS等を回収するためだ。決して大洋連合はジャンク屋の真似をするわけではない。
しかし、こういった部品を放置しておくとジャンク屋が集まってきてこの宙域に網を張る大洋連合と諍いになる可能性が高いのだ。
ジャンク屋を介してザフトに回収されるのも面倒な話なので、いっそ解析用にと割り切って回収することが推奨されていた。
ある参謀が奪えば奪うほどザフトは余力を失うと述べたが、事実ザフトは回収が出来ずに資源を消費してMSを作るしかないのだ。
それはリソースを既存の兵器に注ぎ込む必要に迫られること。国力差が徐々にあらわになりつつある今次大戦において、
ザフトは、いや、プラントは致命的なことに長期戦に持ち込むという悪手を打った。
それについて理由を察することはできない。ただ、大洋連合はそれに合った戦略をとるということだけ。
『ビグロ、出撃スタンバイ。カタパルト作業員は退避急げ!』
『ハンター01行ってくるぜ』
『グットラック!』
『こちらスイープ3、脱出艇を確保しました。かなりの人員が乗っているようです』
『了解、3番デッキに搬入されたし。陸戦隊を配置する』
『スイープ3了解』
『スイープ7、敵MSの抵抗激しく作業続行が難しい。増援を求む』
『了解。ブラボーを向かわせる』
『スイープ8、破壊用爆薬の追加を頼む。思ったより時間がかかる』
『こちらスイープ2だ、こっちで余ったからそっちに持っていくぜ』
『ありがたい。ポイントクラブエースだ。大至急頼む』
出撃時に賑やかだった空母『ドライドフィッシュ』と対照的に、戦闘後に賑やかになるのがこのビーハイヴだ。
掃海作業を行うドラッツェがひっきりなしに出撃と帰投を繰り返し、破壊されたジンや捕虜を乗せた輸送艇が時には届くこともある。
『おかえりー、イオ。派手に暴れたな』
『骨のあるやつがいたぜ。ちと激しくやったから整備頼んだ』
緩やかに着艦したFAガンダムに取りついたメカニック コーネリアス・カカは「ふれあい通信」で通話する。
イオの証言通り、戦闘を経たFAガンダムは装甲各所にデプリと激突してできた傷や凹みが目立っていた。
大量の弾薬を使用するFAガンダムは戦闘の度に膨大な量の補給が必要なのだ。ただちに作業ポットやプチモビと呼ばれる小型MSが作業を開始する。
その時、格納庫にざわめきが走り、通信回線にもそれがわずかにのった。その方向を見れば、破壊されたジンの周りに人が集まっている。
『……なんだあれ?』
『ちょっと待ってて』
808 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:28:19
コーネリアスがアームレイカーとキャットワークを伝ってそちらに向かう。
幾人かのメカニックと話し、表情を歪め、肩を叩かれて戻ってくる。
『回収されたジン、パイロットが生きていたみたいだ』
『「いた」か……』
言葉のニュアンスから何が起こったのかを察することができた。
多くのパイロットが捕虜になることを拒む。特にザフトの兵士はその傾向が強い。
教育のせいなのか、はたまたザフトのプロパガンダを鵜呑みにしているのか、その最後は凄惨極まりないものだ。
実際、何人かの陸戦隊が後方に下げられている。それは負傷によるものもあり、心的な負傷も含まれている。
『くっだらねぇ……そんなにプライドが大事かよ』
『僕にはわからないよ。ただ、コーディネーターは縋るものがないのかもね』
『はぁ?』
『コーディネーターは生まれたときからコーディネーターっていうレッテルを張られている。
大洋連合でも遺伝子治療を超えたコーディネートは「児童虐待」ってみなされているじゃないか。
そんなふうに社会から遠ざけられたら、自分達で居場所を作るしかない。そして、それが積もった結果だと思うよ』
『居場所、ねぇ……』
『それがたまたま宇宙のコロニーで、独立を叫んで戦争になだれ込んだ。一歩間違えば、ムンゾもそうなっていたかもしれない』
『ムンゾは穏当にすんでるじゃねぇか。くだらないプライドのために大勢が死んだなんて浮かばれねぇ』
『だな。とりあえず、クロちゃんのところ顔出しとけよ。証言をとるんだってさ』
『分かってるよ、MSのコクピットに暮らしているわけじゃねぇんだ』
ベルトを解きながらイオは相槌を打つ。
喉が渇いた。激しいMS戦闘は否応なくイオの体力を奪っていく。
「んー……ぷはっ!」
ヘルメットを脱ぎ、備え付けのチューブドリンクを一気に飲む。
そしてついでに、ポケットティッシュで鼻をかむ。
「ふぅ」
見上げれば、格納庫の管制室にクローディア・ベール中佐の姿が見えた。
「戻って来たぜ、クローディア・ベール艦長」
聞こえていないだろうが、不敵に呟いてやる。
それくらいの余裕はあった。
イオの鼓動は、まだ轟いていた。
さながら、激しき雷(サンダーボルト)の如く。
809 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:29:21
「千葉大尉、これって……」
「ああ。PS装甲だ……」
格納庫の片隅で、輸送艦から発見されたコンテナを見聞していたメカニックの千葉は厳重に梱包されていた多数の部品を見て呟いた。
かなりの量のMSのパーツと思われるそれは、PS装甲材、通電によって高い防御性を発揮する装甲で構成されていた。
そしてもう一つの特徴が、その形状だ。ザフトの地上MSディンとは明らかに異なる羽のような部品に、ブレードアンテナ。
それらをじっくりと見聞していた千葉は断言する。
「これだけジンやあの新型と形状が異なる。となると、これは大変なことだな……」
「どういうことです大尉?」
あたりを確認し、手招きした千葉はふれあい通信で自らの考えを伝える。
「地上戦線、南アフリカでイオ少尉の乗っていたFAガンダムのようなMSがいたらしい。
ほら、これはツインアイカメラの部品だ。似たような形の部品を使っているからわかる。
ザフトは指向センサーも兼ねるモノアイ構造が基本で、ウチのザクなんかと同じのはずだ」
「まあ、そうですね」
「これはちょっとソースは言えないが、ザフトは大西洋連邦からMSを強奪し、技術を奪取したらしい。
本当なら、その技術さえも盛り込んだ最新鋭MSが投入されてもおかしくない」
「てことはあの輸送船団は特別機体を運搬していて、しかもそのMSは……」
「シッ!この話は漏らすな。バロウズ艦長やペール艦長に話を持ち込むまでこれ以上コンテナは開けるな。
それと、誰にものぞかせるな。いいな?」
「りょ、了解」
思いもよらない拾いモノだ、と千葉は思う。
ザフトに強奪されたとはいえ、このMSは大西洋連邦の、つまり大洋連合の次なる仮想敵の技術がふんだんに含まれている。
そんなものを拾ってしまったというのは、なんというか、気まずいというか、見てはいけないモノを見てしまったような気がする。
「はぁ……不幸だ」
これを艦長たちに報告しなくては、と思うのだが、胃に鈍痛が走る。
一介のメカニック長にこんな国家機密さえ関わる陰謀など勘弁してほしかった。
憂鬱なまま、彼はエアロックに向かう。ボーナスをはずんでもらわねばやってられないと愚痴りながら。
810 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:30:21
「ようやく振り切ったか……」
「エルドラド」からナスカ級の一隻に移乗したガエリスはほっと安堵する。
輸送艦隊のおよそ6割が撃沈乃至航行不能にされ、運搬していたMSにいたっては、輸送艦がMSの発艦前に撃沈されるかなどして予備パーツごと喪失した。
損耗率は8割近く、撃墜されたMSだけでも50機近くだ。
辛うじて輸送艦から作業艇や救助艇、あるいはMSで無事だった物資を運び出すことに成功し、それを無事だった艦艇に移すことはできた。
だが、輸送艦隊はもはや引き返す以外の手は取れなかった。
「ナチュラルめ、卑怯な手を使いよって……!」
「あんな方法でしか戦えないとは、やはりナチュラルは劣等種だ!」
「そうだ!我々コーディネーターは屈しないぞ!」
気炎を上げている他の輸送艦の艦長を尻目に、ガエリスはナスカ級の艦橋へと向かう。
何やら叫んでいるのだが、もはや何を言おうとも事実は変わらない。
負けたのだ、ザフトは。完全に奇襲を受け、一方的に被害を出し、そして撤退するしかなかった。
「救助感謝します。グラディス艦長」
「いえ、こちらも危ういところでした。指示をもらえなければ混乱されたままだったでしょう」
タリア・グラディスに深く一礼したガエリスは、不安げに艦橋から見える残存艦隊を見つめる。
「これだけしか無事ではありませんか……」
「これだけ無事だったと、思うしかありません。多くのパイロットが戦死しましたので、このままでは自己防衛さえ難しいかと」
「同感です。幸い追手はまだ向かってきていません。このままローラシア級を護衛しながらならば、なんとかなる可能性がありますな」
二人の艦長はひとまず安堵した。
輸送には失敗したということは、あのルートはもはや使えないと言っていい。
あの一方的な襲撃は迎撃できるとしても被害が大きすぎる。
「苦労するものだな。お互い」
「ええ……」
他の艦の艦長や参謀らを説得する必要があることを考え、揃ってため息をつく。
外を見れば、損傷が拡大したMSがついに外へと放り出され、火花が散り、爆発した。
「ああ、ジンが……」
タリアはそのジンの姿に、嫌な未来を幻視した。
何度も傷つけられ、やがては立ち行かなくなるプラントの未来を。
星々が瞬く中で、彼女にできたのは沈む気持ちを何とか踏ん張らせることだけ。
無情なほど、宇宙(ソラ)は美しかった。
811 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:31:45
〇
登場人物紹介
〇イオ・フレミング 階級:少尉
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場したイオ・フレミングの同位体。
欧州からインドに移住し、そのまま大洋連合に飲み込まれた資産家の一族の生まれ。
本人は生まれが窮屈であるためにかなり嫌っているのは原作同様。
夢幻会のスカウトでMSパイロットとなった。
最前線ではない通商破壊に配備を希望したのも家族と顔を合わせることを嫌っているためである。
愛機となるのは大洋連合版FAガンダム。
〇ダリル・ローレンツ 階級:曹長
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場したダリル・ローレンツの同位体。
地球からムンゾに移住しそのまま帰化した一家の長男。原作同様に両足を欠損しているが、戦闘ではなく事故によるもの。
義肢の制御を行うリユースサイコデバイスによりむしろ運動能力は向上している。
また原作よりも機能が進化しており限定的ではあるが足の裏の感覚をフィードバックする機能もある。
スナイパー部隊のエース。
〇フィッシャー・ネス 階級:曹長
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場したフィッシャー・ネスの同位体。
ムンゾ出身。原作同様に両脚の膝上から先を失っている。
ほぼ設定に変わりは無し。
〇ショーン・ミタデラ 階級:曹長
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場したショーン・ミタデラの同位体。
ムンゾ出身の日系人。原作と異なり義手ではない。アフリカでジャンク屋の内偵を行う諜報員としても働いていた。
しかし内偵任務で危ういところが出たために宇宙に文字通り高跳びした経緯を持つ。
ジャンク屋の輸送ルートについての情報をある程度把握しているために現場でのアドバイザーとしての面がある。
台詞だけの登場。
〇コーネリアス・カカ 階級:(不明)
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場した(ry
イオの幼馴染のメカニック。
〇千葉 階級:大尉
機動戦士ガンダム サンダーボルトに登場した(ry
今作では日本人。ザフトから接収したコンテナからジャスティスとフリーダムのパーツを発見してしまう。
〇ガエリス・ヘルクトール 階級:-
オリジナルの
登場人物。
民間人だったが徴兵によって促成で指揮官として育成され、輸送艦隊の一隻の指揮を任された。
長く宇宙で輸送に携わったことで、悪意や予感を「感じとる能力」が芽生えている。分かりやすく言えば目覚めかけのNT。
しかし、本人はその能力に全く根拠を持っておらず、経験則からくる直感的な予測に過ぎないと思っている。
812 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:32:46
〇メカニック紹介
〇FAガンダム (FA-78[G])
全高 18.3m
重量 77.8t
装甲材:ガンダリウムγ合金
ジェネレーター出力:2300kw+1500kw
武装:
60mm頭部バルカン
二連装ビームライフル
大型ビームキャノン(若しくは大型メガ粒子砲)
6連装ミサイルポット
腕部5連装ロケットランチャー
ビームサーベル
増設装甲搭載ミサイル
大洋連合の開発したMS RX-78「ガンダム」の1機をベースに開発されたMS。
フルアーマーというだけあって火力は原作同様に劇的に向上している。
特にMA並みの推力で敵艦隊に肉薄し、その火力で殲滅を行うという目的のために極めて重火力の武装を積み込んでおり、さらに増設装甲によって高い防御性を確保。
またデブリ帯を高速でで飛行するためにシールドを合計で4枚携行する。
ほぼ原作の装備となっているが、ジェネレーター出力の余剰が大きく、またバックパックにジェネレーターを積み込むことでメガ粒子砲の搭載を実現しており原作よりも火力が総合的に向上している。
サンダーボルト師団の切り札として、イオ・フレミング少尉が搭乗する。
〇ザクⅠ
〇ザクⅡ
〇リックドム
〇リックドムⅡ
原作に登場したザクとほぼ同様の改修がなされているが、ジェネレーターの高出力化などの近代化改装によってスペック向上を果たしている。
スナイパー部隊の運用するMSらしく光学センサー系が強化されているほか、レーザー通信設備を標準装備している。
〇ドラッツェ哨戒仕様(サキブレ)
ドラッツェをベースに哨戒・強行偵察などを主として行うように改良されたMA。
EWACザクと同じ頭部と一体化した大型レドームと航続距離延長のためのプロペラントタンクの増設が行われている。
EWACザクよりも行動半径と稼働時間が優れているために主に宇宙において輸送艦隊のピケットMSとして運用されている。そのことからサキブレという非公式な名称も存在する。
サンダーボルト師団ではデブリ帯に配置されているMSスナイパー部隊の人員移動や物資補給、艦艇の修復作業、掃海にも使われるワークホース的存在となっている。
〇EWACザク(アイザック)
試作された偵察/哨戒用MS。頭部と一体化した大型レドームが特徴的。
原作のアイザックにEWACネロの射出ポットを足したような外見をしており、こちらはデブリで不明瞭になりがちな艦隊防空システムを補うMSである。機動戦闘はほぼ度外視されており、自衛武装として120mmマシンガンか対艦ライフルを携行するのみである。
非公式な愛称はアイザック。
〇ビグロ
大洋連合が試作した大型MA。
パイロットを選ぶが、爆発的な推力とメガ粒子砲、対艦ミサイルによる圧倒的な火力を持つ。
サンダーボルト師団には対艦攻撃用に補用を含めて4機が配備されている。
装甲の増設と航続距離の延長、火力の増大に重点が置かれて改良されている。
また、SFSの一種としての機能もあり、MS2機をけん引して推進も可能となっている。
813 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:33:57
〇艦艇紹介
〇ドライドフィッシュ
大洋連合の神風型ミサイル駆逐艦を大幅に近代化改修した大型空母。
パゾク級のコンテナ部分を左右に増設して、またミサイルの代わりに機銃やメガ粒子砲を増設している。
搭載MSは露天駐機も含みで52機+補用12機とMA2機などとなっている。
本来の規格よりも居住区画の増築が行われており、長期の任務にも耐えうるように整備されている。
また、各セクションのブロック化が行われているためにダメコンも非常に優れている。
艦長はバロウズ大佐。
〇ビーハイヴ
大洋連合の建造した輸送艦兼工作艦。
サンダーボルト師団に配備されたこの工作艦は、大型ビーム砲「ビックガン」の整備や師団の切り札たるFAガンダムの整備、また偵察用のドラッツェをはじめとした偵察用MSなどの母艦として機能している。
合計で4つの大型格納庫を持ち、同時並行で30機近いMSを組み立て/整備することも可能。
艦長はクローディア・ベール中佐。
〇シャングリラ級輸送艦
ザフトの建造した全長240mの輸送艦。工期を短縮するために船体はかなり単純化されており、直線を多用し、
大気圏突入ポットを格納庫の一部とすることで出撃までの時間を短縮している。輸送艦故に戦闘能力そのものは低い。
外見イメージ:
ttp://armodyne.blog.so-net.ne.jp/blog/_images/blog/_21c/armodyne/7172367.jpg
〇ワード解説
〇大洋連合宇宙艦隊 対ザフト通商破壊特務艦隊「サンダーボルト師団」
L5と地球とを結ぶザフトの通商航路及び補給線を寸断すべく大洋連合が派遣した艦隊。
デブリの密集するデブリ帯に身をひそめ、正規軍とはやや色が異なるゲリラ的な襲撃を繰り返している。
体の良い厄介払いというわけではないが、装備品に関しては試作品や様々な事情で正規軍に配備できなかったMSや艦艇が多く見受けられる。
デブリ帯での活動を前提としているため、関節部のシーリングやサブアームやデブリ突破のためのシールドの携行、MSの前面装甲の増設など、装備品には独自の改修がほどこされている。
そういった特異な装備を扱うためにMSパイロットは技術や精神面、作戦遂行での適応能力の高さが求められているため、必然的に上位級の腕前を持つパイロットが集まっている。
〇ザフト輸送艦隊
シャングリラ級輸送艦8隻とナスカ級6隻 ローラシア級10隻 ジャンク屋から購入したマルセイユⅢ級数隻を動員したザフトの輸送艦隊。
メカニック パイロット 事務方などおよそ8000名と地上戦線用のMSの部品を大量に運んでいたほかにも、MSは合計で140機分とVTOL機、さらにMSの弾薬などをかなりの量抱えていた。
別動隊は無事に物資の投下に成功したが、作中に登場した本隊は襲撃を受けて多くの物資を失い、本国に撤退している。
814 :弥次郎:2016/10/25(火) 20:35:27
以上。転載はご自由に。
つかれた……ペイルライダー部隊の話より先に出来上がりましたがご容赦ください。
今はこれが精いっぱいです。原作のような空気を描けていたらいいなぁ。
長々と占拠して申し訳ありませんでした。
ちょっとでも楽しんでいただければ作者冥利に尽きまする。
作業BGMはジャイアントステップでした。
誤字修正
アポジモーターをスラスターに
カナダアームをサブアームに
一部違和感の有る記述を修正
デプリやピグロなど濁点が半濁点になっていた所を修正
最終更新:2023年09月08日 23:53