194 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/09/29(木) 19:28:27
バーニング・フォックスNO.1
角丸美佐
出身:扶桑
所属:扶桑皇国陸軍
修行開始時階級:少尉
修行開始時年齢:16歳(1941年)
誕生日:10月1日
使い魔:日向犬
固有魔法:『金剛力』魔法弾等にも使用されている魔法力を物質に込める方法の応用で、手にした物体に魔法力を込め、それを一気に開放して目標を破壊する。
二つ名:ダイヤモンド・イェーガー
同室メンバー:パトリシア・シェイド、ラウラ・トート
オリジナル武器:【金剛矢(こんごうし)】
卒業記念品:【蛇釣鎌(へびのつりがま)】
扶桑陸軍の航空ウィッチで九曜の要請を受けた軍の命令で派遣された。
切欠は、
夢幻会の会合であった。
このときの会合は、重要な会議というよりはいつもの食事会といった感じで多くの転生者が集まり、何かのヒントになるかもしれないと色々と原作について語っていた。
そんな中、ワイト島分遣隊の話である『片翼の魔女』の話をして、彼女の危険と隣り合わせの戦い方を話していた時、聞いていた九曜が「怪我をしないように私が鍛えてあげましょう」と言い出したのだ。
九曜にとってはお節介のつもりであり、九曜の修業の厳しさを聞いたことある転生者らは止めたが、「私が鍛えれば怪我をすることもなくなるんですよ」と譲らず、なし崩し的に彼女の派遣が決まってしまった。
なお、話をした転生者らは心の中で謝罪したのは言うまでもない。
そんな訳で派遣されることになった彼女だが、最初は前途多難だった。
ライトニングフォックスでも何処か余所余所しいというか、ギスギスしていたというか、とにかく空気が若干悪かった。
そしてバーニングフォックスでもそんな空気は存在していた。
それでも徐々にではあるが、それぞれ交友を深める様になっていた。
だが、それでも他人と関わろうとしなかったのが、彼女と同室のラウラ・トートであった。
原作を知る転生者の知識もあり、同室となったわけだが、同じく同室のパティや教官のウィルマが積極的に話しかけたりしたが、中々心を開こうとはしなかった。
これは後に、ある出来事が切欠となって好転するが、それはラウラ・トートの項で詳しく解説するとする。
そんな彼女だが、九曜の特訓で中・長距離戦闘でも不得意とならぬよう鍛えられていたが、やはり得意な戦闘スタイルは近接戦闘であった。
特に自身の固有魔法を活かすにはナイフを使った近接戦闘、発展形で欧州に居る時に中・遠距離戦闘に、と試した投げナイフがあったが、それでもあまり良いとは言い切れなかった。
ある日、倉崎の研究室に見学で訪れた際、見学途中に休憩室で休んでいると、机の上に置いてあった1冊の本を見つけた。
「これは?」
「ん?・・・ああ、ええっと・・・、し、私物の空想科学漫画さ」
それは転生者らが自作した『と〇る〇学の超〇磁砲(全年齢版)』であった。
漫画を読んだ美佐は、扶桑の他の漫画とは一線を画したその内容にすっかり嵌り、自分の固有魔法から主人公の少女と同じことが出来るのでは、と密かに練習し、それを実現してしまった。
最も、原作でも爪楊枝で同様の事をしていたから、ある意味予想通りではあったがw
そんな彼女は今度は転生者達が多く属する陸軍の某研究所で研究されている特殊な砲弾を知る。
「APFSDS弾・・・ですか?」
「ああ。ブリタニアで研究されているAPDS弾の発展型さ」
195 :ham ◆sneo5SWWRw:2016/09/29(木) 19:28:58
通常、装甲貫通力には、砲弾が装甲に与える運動エネルギーの仕事量が重要となる。
この運動エネルギーの計算式は「初速×初速×質量÷2」つまり、初速が速くかつ砲弾が重いほど装甲貫通力が上がることになる。
そこでこの当時の対戦車砲の特殊徹甲弾には、密度が鉄の約2.5倍もあり強度はダイヤモンド並のタングステン合金を使用されている。
しかし、なんと言っても重要なのは初速である。
計算式において初速は二乗しているからだ。
そのためには、初速維持のための空気抵抗減少から、そして、装甲接触面にかかる圧力増大から細長い砲弾が理想である。
だが、砲弾直径を小さくすれば発射薬も減り、高初速は望めない。
そこで弾芯に筒をかぶせ、発射時に砲身内で筒ごと発射薬の圧力を受け、高初速を得ることができるようにしたのが、APDS弾である。
このAPDS弾は、史実では1944年にイギリス軍が17ポンド砲で実現しており、密かに扶桑でも研究されていた。
そして、APFSDS弾は、それにさらに砲身内に命中率に大きく関わるライフリングを廃し、摩擦抵抗を無くすことで更なる高初速を得た砲弾である。
弾芯に矢羽を付けることで安定した弾道を補っているこの特殊砲弾。
未だ構想ないし基礎レベルの段階で図面や想像図でしかない状態だが、彼女はこの砲弾の絵を見た瞬間、ダーツの矢を連想した。
彼女は、欧州派遣時に投げナイフの練習をしていたところ、それを目撃したブリタニアのウィッチに誤解され、ダーツに無理矢理誘われ、その後はお気に入りとなり、よく息抜きにプレイをしていた。
そんな彼女は先述で試した漫画の投擲攻撃、そして、このAPFSDS弾を組合わせれば、強力な中・遠距離攻撃武器となるのではないかと考えた。
試しに、鋼鉄針に矢羽を取りつけ、コンクリート壁に投擲してみたが、それなりの威力と安定した弾道が確認された。
そこで今度はタングステン弾をと試したが、これが大変だった。
タングステン合金はその強度や伸展性が高く、加工が難しいのだ。
おまけにレアメタルだからお値段が痛い。
回収して再利用が難しいため、レアメタル製のものはそれこそディオミディア級の超強力な大型ネウロイ相手のみとして、通常は鋼鉄製を使うことにしている。
なお、APFSDS弾の特性である横方向の面積から、横風の影響を受けやすいという欠点を抱えていたが、
通常の銃火器での戦闘距離を鑑みても、そこまで遠距離で攻撃するわけではなく、攻撃対象が中・大型であれば被弾面積が大きいので問題は無いと判断された。
この投擲武器は【金剛矢(こんごうし)】という名前が付けられた。
また、欧州ウィッチからシルバーブレット(銀の弾丸)の名で呼ばれた。
弾丸材料には鋼鉄製やタングステン合金製の他にも、さらに比重が大きい白金製、イリジウム製、さらにシルバーブレットからジョークで作った銀製もある。
最後に、卒業記念品として渡されたものは、鎖鎌であった。
【蛇釣鎌(へびのつりがま)】
形は普通の鎖鎌に見えるが構成される物は普通じゃなかった。
鎖部分にはリリィに贈られた鞭、【楔乃蔦(くさびのつた)】と同じもの使用。
これは、神獣形態となった九曜の毛から作られており、柔軟で頑丈で、巻き付けて振り回しても千切れる気配が無い。
射程は10~15メートルもあり、魔力の通りもよい。
分銅部分には、頑丈性のみならず、管野に贈られた巨剣、【斧割(ふかつ)】の特性と同じく、陽魔力で重量が増し、陰魔力で重量が減るという特性を持たせており、
普段は振り回す際は、陰魔力で軽くして振り回すようにし、ネウロイに当てるときは陽魔力で重量を増すことで威力を上げている。
そして、鎌部分には、イリスに贈られた西洋剣、【ガード・オーナー】と同じく基本的な『折れず・曲がらず・欠けず』だけを追求し、
容易に外れない様に返しを幾つか設けており、普通に投げて内部深くまで突き刺すことが出来るが、
小型ネウロイに突き刺して振り回すことで【ネウロイ・モーニングスター】という無茶を出来る。
一説には中・大型ネウロイを振り回したという未確認情報があるとか。
勿論、巻き込まれないように味方は退避する必要があるので、難があるが。
最後に、修行終了後は欧州戦線に復帰し、歴史が変わった為、原作の事故には巻き込まれなかったことをここに記しておく。
以上です。
最終更新:2016年12月06日 22:00