439 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:01:46
大陸SEED MS戦記



10―――イシ



あれから凡そ70時間が経過した。
大隊長が打った手により、僕は無事に砂漠の虎の魔の手…いや、牙、虎口というべきか、それから逃れられ、戦場を脱する事が出来た。

モーガン・シュバリエ大尉率いる臨時の第5中隊とジャン・キャリー少尉率いる第0中隊。そしてヒルドルブ試験小隊。
彼等の救援と敵艦隊への強襲。これによって弱まった対空網の間隙を突いて航空部隊を集中的に投入し、敵の遅滞を図った。

しかし、それが精一杯だった。

制空権を握たのはほんの僅かな時間のみ。
集中的に且つ大々的に投入した分、後が続かなかったのだ。故にその息切れの間に敵に態勢を整える事に許してしまった。
砂漠の虎率いる敵勢は後方からのザウート部隊の増援を始め、北アフリカ空軍にも要請を行い、加えてバクゥにも対空兵装を背負わせて対空網の低下を補った。
その為、我が軍は僅かな時間しか制空権を得られなかった。

けれど、その僅かな時間が決め手になった。

対抗網の低下に伴うザフトの陸上部隊の鈍化は、僕達を安全圏に移動させるには十分であり、そして殿を務めた者達の一部離脱も可能とさせ。さらに―――

「曹長、大尉…」

その事を思うと、胸にぽっかりと空いた穴に風が吹き込むような感覚があった。

―――さらに、戦場に残った我が方のMSの残骸を爆撃で焼き払う事が出来た。これでザフトにもジャンク屋にも無事な機体…ゴブリンが手に入る心配は無くなった。
それ程までに戦場に残った我が方のMSへの爆撃と破壊は徹底していた。融合炉をあの無法な鼠共に手を付けられた件があったからだろう。
解体による技術解析や汚染などの被害の心配もあるが、それ以上に無事な融合炉を反応兵器に転用される事を恐れたのだ。
その心配や危惧は尤もであり、十二分に理解できるものだ。だが―――

「…モーデル、ナウマン」

尊敬する上官や逝ってしまった仲間達はあそこに居た。
機体ごと爆散して肉体が無事な者は殆どいないだろう。もしかするとまだ生きていた者もいたかも知れない。
それを思うと必要性は理解していても、やりきれない物がある。だけど、

「…それは侮辱かも知れない」

そうも思う。彼等とて死にたくはなかったかも知れないが、覚悟もしていた。
モーデルもナウマンも兵士として戦場で戦い、殺し、散り行く覚悟を持っていた。
殿を申し出た南アフリカの中尉やハウンズマン曹長達は特にそうだろう。彼等は一人でも多くの仲間を帰す為に覚悟を決めて残ったのだ。
だからその死がどんな形であろうとも受け入れていた筈だ。況してやその死が決して無駄ではなく、仲間の為になるのであれば納得するだろう。
例え、遺体すら…共に戦場を駆けた愛機すら残せない結果であろうともだ。

「………………」

ぼんやりと視界の遠くを見やる。
基地を囲う金網のフェンス越しに東の空が白んでいるのが見えた。あの戦場で戦闘に入る前に見た光景にどこか似ていた。

離脱した僕達―――ユーラシア軍第01MS大隊及び南アフリカ軍第02MS大隊は、機体が動けなくなった仲間のパイロット達をマシンの手の中に抱えながら何とか基地へ帰還を果たし、さらにそこから後方の基地へと移動する事になった。

そう、無念にもこれ以上の防戦は不可能と判断した基地司令とアフリカ方面司令部は、防衛線の後退と再構築を決断した。
虎の子である自分たちMS部隊が―――皮肉にも砂漠の〝虎〟に食い破られて―――壊滅し、その他、陸上部隊も砂漠の虎の艦隊相手に大きく損耗した為だ。
翻ってザフト陸上部隊は未だ虎の子のバクゥ部隊が健在であり、加えて陸戦型ディンというべき改良型の高機動MSとの連携を図ってきた。
それらMS部隊の再編と対空網の回復がすれば、直ぐにでも侵攻を再開すると見られた。
事実、数時間としない内に対空網は回復し、40時間後には侵攻を再開して、前線にあった我が方の…僕達の居た基地は制圧されてしまった。
しかし、そこが限界点であったのだろう。ザフトの侵攻はその地点で止まり、今回の攻勢で拡大した領域への布陣構築に忙しくしているようだった。
そして、それを読んでいた我が方の方面司令部もこの隙に、今僕達がいる所を前線基地と設定して防衛線の再構築を進めている。



「こんな基地の端っこで誰かと思ったらお前さんか…ブラウン」
「クルツ」

不意にかかった声に背後を振り返ると、同期の友人である彼がいた。

「ああ、何だか寝付けなくて…。結局、朝までここでぼんやりしてた。疲れているのにな」
「そっか…」

440 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:04:06
本当に大変で忙しかった。
命からがら帰投した矢先に基地の放棄を告げられ、その逃げ支度に忙しく基地内を駆け巡り、逃げ支度が整ったら撤退部隊の護衛の為にまたMSに乗り込んで、この新しくお世話になる基地までずっとコックピット内で缶詰めだったのだ。
そして、この基地に到着した後も受け入れ作業の手続きやら、その手伝いやらで……ようやく休みにありつけたのはほんの六時間ほど前だ。一段落が付いたので休憩を兼ねて一日半ほどの自由時間を頂いてはいるが……。

「俺も似たようなもんだ。一応眠れたんだが、眠りが浅いみたいでなんか目が醒めてしまってよ。時計と見たらニ時間ほどしか寝てなかった」
「そうか」
「ああ…」

互いに頷くと黙り込んでしまう。
眠れないのは、未だに精神が昂っている為か。それとも心がまだあの戦場に在る為なのか。
地獄と化したあの戦場でまだ戦いたいと、仲間と共に在りたいと願っているのか。
……多分、そうなのだろうと思う。戻れない時間《過去》に思いを馳せて、戦い続ければもしかするとその結末を覆るのではないか。或いは…覆せなくとも最後まで共に在りたかったのか?
なんとも奇妙な事だ。
生還した事と曹長の遺言を果たせる事への喜びがあるのに、生き延びた事と遺言を無視してでも残らなかった事に後悔と罪悪感を覚えるなんて…。
いや、そんなものなのかも知れないな。とその矛盾を取り合えず受け入れる。考えても答えは出ないし、変に捉われてもドツボに嵌るだけだと思ったからだ。
それでも悩むようなら酒でも飲んでクルツと話し合えば良い。悩みに答えは出なくとも、多少は気が晴れるだろう。

「…ところでクルツ、その顔はどうしたんだ?」

その彼の顔を見たら何故か頬と目の下に酷い痣が出来ている。戦闘でできた傷ではないことは確かだ。この基地で忙しくしている時にも顔を合わせているからそれは確実だ。
また転んだのだろうか? そう思ったが、

「ん、ああ…ちょっとな」

声の調子に何時ものトーンがない。それはあの苦い敗北を引き摺っている事から当然だと一瞬思うが、

「言いづらい事か?」

引っ掛かるものを感じてそう尋ねた。

「そうだな。…いや、お前さんにも聞いて貰っといた方が良いか、無関係じゃねえし」
「ん?」
「あの特攻した馬鹿がいただろ、虎さんに」
「あ、ああ…」

首を傾げた自分に答えるクルツの言葉に若干何とも言い難い気まずさを覚える。
部下にああやって死なれたクルツの感情、そしてそのお陰で救われた自分達。…本当に何と言っていいのか分からなかった。

「アイツ…この前の合コン紛いの昼食で上手いことやってな。衛生科の娘の一人と付き合ってたんだ」
「………」

そのクルツの言葉で事情を察した。

「短いし、お互い時間も取れなかった筈なのにな。随分と愛情を育んだらしい」
「そうか。大変だったな」
「…ああ、〝何で帰してくれなかったの!〟って思いっ切り殴られた。平手打ちじゃなくてグーで顔に二発。見かけによらず中々気が強い」

ほれ、とクルツが頬と左瞼辺りを指しながら顔を向けて痣をこちらに見せてくる。
そう言って軽口を混ぜてくるが、その心情の重さは計り知れなかった。口にした先の言葉だけでなく、恐らくもっと酷い言葉をぶつけられているのだろう。何処となく軽口の切れが悪い。

「僕も彼女に顔を見せた方が良いかな?」
「お勧めはしないぜ。俺のように色男が台無しになる」

クルツの軽口に合わせて…しかし本音を混ぜて言うと、彼はやはり軽口を言いつつ首を横に振った…が、

「まあ、けど…そうだな。その役目は上官として俺の務めだけかとも思ったが、あいつの最後を知る他の奴からも話を聞くのはアリかもな」

真面目な口調でクルツは僕にそう言った。それに僕は頷く。

「と、俺もそうだが、お前さんも相当色男が台無しになってるぞ」
「…そうか?」
「ああ、見るからに憔悴してますって顔だ。余り眠れなかった俺が言うのもなんだが、無理にでも寝とくべきだ」

出来ないなら医務官に薬を処方して貰え、ともクルツは言いつつさらに言葉を続ける。

441 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:05:54
「それとも言いたいことがあるなら聞くぜ。俺も聞いて貰ったからな」

その言葉に同類相哀れむ、との諺が過り、酒の席ではないがそれも良いだろうと思って僕は頷いた。

「モーデルには妹がいるそうなんだ」
「うん?」
「なんでもエイプリルフールクライシスの時に交通事故にあって酷いケガを負ったらしい。両親もその事故で亡くなったそうで、モーデルが唯一の肉親だそうだ。まだジュニアスクールを出たばかりの歳だとか。今も入院中でリハビリに専念しているみたいだ」
「…そうか、アイツに妹が」
「ああ、なんでも自分や父に似なくて良かったとか。まあ、治療費や入院費は保険やNJ被害の保障制度もあって大丈夫らしいが…」

唯一の肉親を失い、一人きりになった事実を妹はどう思うか。

「ナウマンも家族は母親一人だけだそうだ。父を早くに亡くしたらしく、ナウマンのお母さんが一人で懸命に育てたそうだ。ナウマンもそんな母親を大切に思い、NJ投下の犠牲になりかけた母を守りたくて軍の予備役から志願したんだそうだ。ナウマンは学生の頃に単位取得の為に一時軍役に入っていたそうだから…」
「へえ、意外だな。進んで軍に入るようなタイプには見えなかったが…」
「その方が早く卒業できるし、服役中は報奨金もでる。母親に少しでも楽をさせて親孝行したかったんだろう」

しかし彼は母を残して逝ってしまった。苦労して息子を育てた母親は今どうしているのか? それが少し心配だった。

「………………」
「………………」

沈黙が辺りを漂った。
自分は次に何を話せばいいのか分からず、クルツも今の話にどう答えていいのか分からないのだろう。
こういう時にバルク大尉やハウンズマン曹長が居てくれたら…と、そう女々しく思ってしまう。
仲間や部下の死に対する心構えを…いや、もっともっと多くの事を彼等から教わりたかった。

「ふう、嫌だね。ほんと」

唐突にクルツがポツリと言った。

「軍人である以上、戦う事も死ぬことも覚悟はしていたし、戦争である以上はこういった事に直面することは分かってたが……。いや、結局は分かっていなかったんだろうな」
「クルツ…」
「こうも失うものが大きくて、背負うものが重いだなんてな」
「…そうだな」

頷く。
そう、とても大きくて、重い。
尊敬する上司の死と残した遺志。同僚や部下の死も、その彼らが残しているものが。

「それを分かっていなかった自分がほんと嫌だ」

そういうとクルツは胸ポケットから小さな箱を取り出す…ってタバコ?

「クルツ、タバコなんて吸っていたのか?」
「いや、昔ヤンチャしていた頃は吸ってたが、とっくの昔に禁煙してる」
「なら…」

なんで?と尋ねるより先にクルツが言う。

「まあ、偶にはな。こいつはあいつ等が飲んでた奴なんだ。遺品に紛れ込んでいたのを貰ったんだ」
「そうか…」

放棄の際の事だ。
ヒルドルブ試験小隊の奮戦によって打撃を受けた敵陸上艦隊が足を止めたお陰で、僕達は逃げ支度の時間を十二分得る事が出来て、宿舎にあった部下達に遺品を整理する時間を得る事も出来た。実の所、先ほどクルツに言ったモーデル達の事情を知ったのはその遺品の中にあった家族とやり取りをした手紙の見た為だ。
そしてクルツの手にしているタバコもその際に得たものの一つなのだ。

「吸うか? 貴重な天然ものだぜ」

その誘いに一瞬迷い、考え込んでしまうが、

「うん、貰おう」
「おう」

そうして一本貰って、クルツの差し出すライターで火を付けるが―――

「―――ゲホッ! ッ…ゴホッ!」

咽てしまう。
やっぱり無理だったか、と咳込み、眼尻に浮かぶ涙を拭いながら思う。

「ははっ、やっぱ吸ったことがなかったか。…まあ、でもありがとよ」

クルツは咳込む自分を見て笑うが―――感謝の言葉を口にした。その感謝がどういった意味なのかは言うまでもないだろう。

442 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:07:12
「―――ふう、」

新鮮な空気を取り込むために大きく息を吸う。
十分以上時間をかけて何とかタバコを一本吸い終わる事が出来た。クルツは無理をするなと言いたげな顔をしていたが、それでも何とか我慢した。
意地を張っているようにも思わなくもないが、こんなことでもそうする事で僅かでも逝ってしまった彼等に報えると感じたからだ。

「そういや、ブラウンはなんで軍人になろうと思った?」

またもクルツが唐突に言う。なんでそんなことに興味を持ったか疑問にも思ったが、真剣な様子でもあるので素直に答える事にする。ただ多分に褒められた理由ではないが……。

「僕は…一言で言えば、見返したかったんだと思う」

それは何かといえば、周囲全てだ。
今でこそエースなどと持てはやされているが、昔の…学生の頃の、まだ入隊する前の話だ。

「所謂、落ちこぼれって奴でね。僕は勉強も駄目、運動も駄目、成績は下から数えた方が早い子供だったんだ。その所為で何時も馬鹿にされていた。両親にも期待されず、何をやってもダメな馬鹿な子と言われてた。それでよく同級生とケンカをしてボコボコになってた。それが悔しくて、だから僕は負けたくないと、強くなりたいと思った」

そんな単純で馬鹿々々しい理由だ。とても誇らしく言える事じゃない。

「それで不出来な僕なりに努力して、軍の学校に入った」

そこからが転機だったように思う。
勉強も運動も駄目だった自分は、訓練校の生活で何故かめきめきと頭角を現していった。
本当に不思議な話だが、学生の頃は人一倍の時間をかけて身に付かなかった事がどういう訳か、訓練校では周囲より逸早く物に出来たのだ。
その時の教官…ハウンズマン曹長の言いようでは天職なのだろう、との事だが―――兎も角、僕としては手応えのある日々が嬉しくて入隊した動機なんてどうでも良くなっていた。

「そう、生き甲斐が出来たんだ。軍人が僕の成すべき天職ならそれに生涯を尽くそうと、国の為に尽くそうと誓った」

そうして話を終えると、クルツは軽くため息をついて、

「立派だよ、お前さんは」

そう、自嘲するようにして言った。僕はそれに首を振ろうとしたが、クルツはこちらに手を向けてそれを制した。

「俺もさ、軍人になろうとした動機は大したもんじゃないし、今も正直、何となくなんだ」

そう言うと、今度はクルツが軍人になった訳を話した。

「俺の祖父…爺さんが軍人でな。最終階級は大尉と士官止まりなんだが、陸軍ではそれなりに名前が知れていて、顔が利く人なんだが……結構変わりもんでさ。俺はその爺さんに子供の頃から良く懐いていて、…まあ、なんだ。色々とそういった事を教わったんだ」

孫が懐いてくれるのが嬉しかったのか? しかしその祖父は軍一筋な人間で子供との付き合い方が分からず―――というのもそういった子供への教育は亡き妻…クルツの祖母に任せっ放しだったらしい―――その為、孫とどのような遊びをするか悩んだ挙句、ピクニックだのと称して山の奥に赴いては銃の扱から始まり、サバイバルだとかスカウトだとかのイロハを叩き込まれたという。
勿論、軍のような厳しいものではないが、それでも本職から手解きを受ける以上、子供の遊びの領域に入るものでは無かったそうだ。
ちなみに彼の息子夫婦には、流石にまずいと思ったのか長い事内緒にしていたとか。

「で、自分で言うのもなんだが、筋が良かったんだろうな。そう労せずに爺さんの教えを身に付け、正しく実践する事が出来た。そんな俺を見て爺さんはとても嬉しそうにしていた。俺もそんな爺さんの顔が見るのが嬉しくてよく頑張った。…あの頃はほんと週末が待ち遠しくて、学校の授業なんかそっちのけだったな」

そうしてクルツは、祖父が亡くなるまで―――亡くなった後は結構遊んだそうだが―――そういった知識と技能を学び。自然、将来は軍人となるのが当たり前となっていた。

「爺さんに憧れが無かった訳じゃないが、それ以外は考えられなかった…ってのが正しいか。自分が最も得意とする知識と技能を活かせる場所はそこしかなかったんだからな」

そう、だから…とクルツは言う。

443 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:08:04
「趣味やなんかの延長で惰性的に何となく軍人をやってる訳だ、俺は。…ブラウン、お前さんの周囲を見返したいっていう熱意も無ければ、軍人として国に尽くそうっていう職業意識や忠義心もないのさ」

どこか寂し気で悔やむような表情で語るクルツ。実際、悔やんでいるのかも知れない。
惰性的に軍人であった彼が、先の戦場での苦い敗北と部下の死に接して羞恥心のようなものを覚えたのだろう。
だから尋ねてみる。

「クルツ、それで今はどう思っているんだ? 軍人であることにさ」

それは今、軍人である自分のことをどう思っているのか、そしてこれからも軍人を、兵士であることを続けるのかという意味を含んでいた。
クルツはその問いの意味を明確に察していたようだ。

「…ああ、それをここに来てからずっと考えてた。正直、嫌だなってのが本音だ。職業意識も忠義心にも乏しい俺には向いていないし、重すぎる。逃げ出したい位だ」
「………クルツ、それは僕だって―――」

僕だってそうだ。文字通り重石のように伸し掛かった重荷。
モーデルの死に、それに伴う彼等の残した重い事実。頼れる曹長達の喪失に遺言のように残した〝役目〟。
どれもこれも投げ出したくて、逃げ出したいほどだ。
だが、クルツはそれを言おうとする自分を制した。またこちらに手を向け、まるで自分までそう言ってはいけないと言わんばかりに。

「ブラウン、お前も同じかも知れないが……違うだろ。だってお前さんはもう決めてるんだから」
「………」

思わず黙り込んでしまった。
何しろ、それは的を射ていたからだ。そう、自分は投げ出したい、逃げ出したいと思ってはいるが、もう決めている。

「…やっぱりな」

沈黙した自分を見てクルツは苦笑する。

「クルツ…」
「ほんとやっぱりお前さんは立派だよ。俺とは全然違う」
「なら…クルツ、お前は―――」

辞めるのか?と尋ねようとして躊躇い、

「―――いや、そりゃ無理だろ。辞めようとしても辞めさせてくれねえだろうし、だからって逃亡なんて度胸も無いと来た」

まったくどうしたものかね?と言葉を躊躇った自分にクルツは肩を竦めて見せる。

「ま、だから仕方ないから続けるさ。そしてその内、自然と重石を背負うことが当然になって、〝何となく〟軍人であることを続けるんだろうな。我が事ながらつくづくどうしようもねえ、と思うわなくもないが」

肩を竦めたままクルツは言う。

「それにお前さんが軍に残って頑張るのに、自分だけが逃げ出したなんてのも嫌だからな」

普段通りの不真面目な軽い口調。態度も見ればその言葉も、他が見聞すれば不謹慎だと思うだろう。けど、

「クルツらしいな」

僕はそうは思わなかった。
本人は何となくというが、何となくで軍人・兵士であることを続ける事なんか出来ない。
訓練は厳しいし、軍務の過酷さは精神的にも肉体的にも酷く苦痛だ。況してや戦時の今は…。
それに何となく軍人になったというが、それだって彼なりに祖父から教わった物を大事にし、捨てたくなくて選んだものの筈。そしてきっとそれは逝った仲間達…曹長や部下達の事もだ。
勝手な想像に過ぎないが、僕はそう思う事にした。

「じゃあ、これからも頼りにさせてもらうよ。曹長の遺言を果たさないといけないしね」
「おう、結局はこれまで通りって訳だからな。俺なりに頑張らせて貰うさ」

吹っ切れたようにしてお互いにそう言った。
相談するようにして胸の内にあった物を少しでも吐き出せた為だろう。
自分は曹長の残した最後の命令…〝役目〟と部下の死を受け止め難くあり、クルツは同様に事に加え、軍人であることに迷いを抱えていた。
本質的に何も解決はしていないが、多少は淀みは解消できたと思う。

444 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:09:19



朝日を背にして仮住まいの宿舎に戻ると、その入り口に見知らぬ男性がいた。
口元に髭を生やし、白髪交じりの金髪をオールバックにした40代後半ぐらいの…バルク大尉やハウンズマン曹長にも似た雰囲気を持つ男性だ。
いや、見知らぬと言ったが見覚えがあった。確か……あ、

「…!」

気付いて敬礼した。階級章が見えた事もある。
同じく気付いたクルツも僕に少し遅れて敬礼をし、男性も答礼をする。

「モーガン・シュバリエ大尉ですね。自分は第01MS大隊所属のフレデリック・ブラウン軍曹です。陸軍でも名高い貴方を御目に掛かれるとはまことに光栄であります。そしてこの度は助かりました。ありがとうございます」
「同じくベルント・クルツ軍曹であります。ありがとうございます。お陰で命拾い致しました」

僕がお礼を言うと、クルツも感謝の言葉を口にした。
するとモーガン大尉は笑いを堪えるような表情をして口元を歪めた。苦笑しているように見える。

「堅苦しい挨拶はいいさ、軍曹達」

そう言うと大尉は答礼を解いて、僕達も敬礼を解く。

「それに礼を言いたのはこちらだ。貴官たちのお陰で俺は今こうしていられるんだからな」
「「?」」

思わぬ言葉に僕とクルツは互いの顔を見合わせる。どういう意味だろうと困惑の顔だ。
それを見た大尉は、口元の歪みをさらに深めさせた。

「ふむ、分からないか? では貴官たちがこのアフリカで初めて請け負った任務は何だったかな?…こう言えば分かるか?」
「あ、」

アフリカでの初の任務。僕とクルツの初陣。そう、それは敗退した友軍の撤退の支援。そしてその敗退した友軍には―――

「は、それは―――」

気付いたものの、言い辛い。
まさか負けた貴方を助けるものでしたなどとは、当人を目の前にして簡単に言える物では無い。
隣のクルツも同様の気配を滲ませる。

「ハハハッ、すまん。少し意地が悪い言いようだったな」

気まずそうな僕達を見て大尉は笑い出した。

「いや、悪かった。今日はその時の礼を言いにここに来たというのに」
「は、それは恐縮です。それに自分達にしましても大尉に救われた身です」

笑みを浮かべる大尉に戸惑いながら答えた。

「では、お互いさまという訳だ」
「そうなりますね」

今度はクルツが大尉に返答するが、初対面という事もあってかどうもぎこちない感じだ。
僕もクルツも人見知りをするタイプではないが、上官で歴戦の猛者として名を馳せるモーガン大尉が相手では緊張するのも仕方がないだろう。
そんな自分達の様子を見て、大尉は何処か不満そうな表情を微かに浮かべたが、まあ、良いか、と呟いて肩を竦めるだけに留めた。

445 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:10:25
「と、大隊長から聞いたが、貴官らが部隊で最も優れた技量を持ったパイロットだそうだな。あの虎を相手に上手く立ち回って見せたようだし…」
「あ、いえ…」
「それは…」
「謙遜する必要はない。後方でMS教習を受けていた時に既に貴官ら二人の戦闘データは見せて貰っていた。俺もそうだが、大洋からの教官殿達もよくやっていると褒めていた」

真っ直ぐな賞賛の言葉。だが…いや、だからこそ辛いものがある。
いくら優れた技量を持っていると、エースだと持てはやされても、結局は砂漠の虎一人抑えられず、モーガン大尉達が来なければ大隊は全滅を免れなかったのだから。
だからこそ、その言葉…賞賛には返って無力感や罪悪感が覚えてしまう。

「ふむ…」

顔を暗くする自分達に大尉は口の辺りに手をやり、髭を撫ぜながら強い口調で言う。

「貴官らの気持ちはよく分かる。俺も同じだったからな。月下の狂犬と呼ばれ、戦車戦、陸戦のエキスパートと持てはやされながら無様にも多くの部下を死なせ、生き延びたのだからな。だから―――」

だから―――

「―――だからこそ言おう。仲間の死に思うところがあり、生き延びた事を無様に思うのならば、足掻けと。時間を戻せない以上、起こった事実を覆せない以上、これからの事にしっかりと目線を定めろ。二度と無様だと後悔しないように足掻いて這い上がれ!」
「…モーガン大尉」
「死者は何も言わないが、それでももし死んでいった仲間が今の貴官らを見たらどう思うか。悼んでくれることは嬉しく思ってくれるだろうが、それに引き摺られたままでは喜んではくれまい。生き延びたものの責務として彼等に恥ずかしくないように生きろ。彼等に対して貴官らに出来るのはそれだけだ」

それは当然で分かり切っていた言葉だ。
そんな分かったような台詞を当事者以外に言われれば、反発を覚えるものだが……モーガン大尉には一切それを覚えなかった。
その言葉には重みがあったからだ。大尉が言ったように彼もまた〝経験〟しているからだ。
屈辱に満ちた苦い敗北。辛く重い仲間の死。それをどうしようも出来ずに生き延びてしまった無力感と罪悪感。
それらを背負いながらも前を見て立ち上がった大尉の言葉は、拒絶するのも否定するのも難しく、改めて自分の成すべき事を強く突き付ける。

「加えて言えば、貴官らは間違いなくエースだ。我が軍内ではMSの運用は大洋の指導はあるものの、未だ手探り段階で実戦経験者は少ない。その中で貴官らは数多の戦いを生き延び、撃墜数だけでなく、その技量でも確かな実力を示している。…そんな貴官らに上が…上層部が求めるものが何か? 少し考えれば分かる筈だ」
「…っ」

大尉の今の言葉にハウンズマン曹長の託した役目を思い起こさせる。
これから自分達のもとへ訪れる新米パイロット達へ道を示す事。それは必ず成し遂げなければならない事だ。
でなくては、何のために曹長が命をかけ、自分達が生かされたのか分からなくなるし、未熟な新米パイロットを無意味に死なせることになる。

「貴官らは云わば柱だ。我が軍がMSを運用するにおいて貴重で優秀な熟練のパイロットだ。ならば上層部が貴官らに期待し求める役目は自ずと決まっている。そんな貴官らがその自覚を持たず何時までも俯いたままではどうなる?」
「「………」」

大尉の続けて語られる言葉に、今さらながらに託された役目の重さ…重要さを理解させれる。

「一人前の軍人として、MSパイロットとしての矜持を持て! 多くの仲間を、友軍のパイロット達を奮い立たせるエースの自覚を持て! 貴官らにはその実力があり、それを果たす義務がある!」

446 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:12:18
それは何時までも若手という言葉に甘えるなと、ただ上官に頼るだけの一兵から脱せよと、そして確かな実力と実績がある以上、例え広告塔であろうと、自分達の後に続く兵やパイロットの為にそのように振舞えという事だ。

―――そう、バルク大尉やハウンズマン曹長達がそうしたように。

ベテランとして自分達を支えてくれた彼等に自分達が成るのだ。
いや、エースと呼ばれる以上は、曹長たちよりもずっと上手くやらなくてはならないだろう。
その意味を噛みしめ、一瞬目を閉じ…気付くと僕は大尉へ自然と敬礼していた。

「了解致しました、大尉! このような情けない自分にご鞭撻ありがとうございます。それに応えらるよう誠心誠意、これからも軍務に励む所存であります!」
「同じく自分も尽くさせて頂きます。ご鞭撻ありがとうございました!」

クルツも敬礼して大尉へ答えていた。〝何となく〟と言っていた軽い雰囲気はそこに無かった。

「……ふ、その意気だ、軍曹達。ただ…まあ、そんな堅苦しくしなくて良い。暫くは俺も此処に留まる事になるからな。同じ隊の仲間として気軽にやっていこう」

満足げに頷いた大尉の思わぬ言葉に僕とクルツは僅かに驚いて硬直し、その間に大尉は宿舎の中へと自分達を置いて速足で歩き、この場から去っていった。






モーガン大尉と話してから凡そ2時間後、非番ともいえる自由時間にも拘らず僕とクルツは大隊長に呼ばれた。

「失礼いたします」
「ああ、入ってくれ」

ノックをしてドアの向こうから聞こえた返事にノブを回すと、様々なファイルやら書類やらが部屋全体に所狭しと積み上げられた異様な光景が目に入った。どうやら引っ越しの荷の片付けがまだ済んでいないらしい。

「すまんな。休みの所」

その部屋の主がデスクに座り、手元の書類に目を落としつつ僕達に言った。
それにいえ、と答えつつ僕達は敬礼する。

「うむ」

部屋の主…大隊長が答礼をして素早くそれを解き、僕達も敬礼を解く。
大隊長の目はひどく充血していて、見るからに疲労の色が濃い。自分も相当疲れているように見えるらしいが、大隊長ほどではないように思える。
その疲労の強さの為か、大隊長は手早く僕達を呼び出した本題に入った。

「フレデリック・ブラウン並びベルント・クルツの両軍曹は、本日をもって少尉となる」
「「は?」」

大隊長の前で失礼な事に思わず唖然とした声を漏らした。
だが、大隊長は気にしていないようだった。というか軍曹から少尉…? 二階級特進?

「それは一体…?」

クルツが許可なく発言するも、やはりそれも大隊長は気にしなかった。元から寛容な所はあるが、疲労の所為では?とも思う。

「…うむ、貴官達には不本意な所があるかも知れんが、先の戦いで君らの活躍は目覚ましい物があった。それに報いるという事だ」
「「………」」

クルツと視線を交わす、自分もそうだろうが彼は納得いかないと言いたげな顔をしていた。
自分達はただ生かされただけで、あの戦いはどうしようもない敗北なのだから。負けた戦いで昇進というのは受け入れ難い。
しかし予想出来る事もある。モーガン大尉が言った。上が自分たちに求める事だ。その為の箔付けだろうか?
そう不満そうに見えた為か、大隊長は説明を続ける。

447 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:13:16
「元より、君らの昇進は決まっていた事だ。先の戦い以前の君らの功績。それは十分昇進に値するものだ。バルク大尉とハウンズマン曹長が推薦もあった」
「大尉と曹長が…」

二人が薦めていたという言葉に胸を衝かれるものがある。

「そうだ。あの二人は君らを高く評価していた。MSを扱うパイロットとして若手であり、優秀である君達が後に続く者達にとって良き目標となって欲しかったのだろう。これまでの功績とその二人の推薦もあって一階級の昇進は、あの戦い以前から決まっていたのだ」
「「………」」
「そしてあの戦いでも敗北を喫したとはいえ、君らは群を抜いた技量と戦果を示した。詳細はまだ出ていないが、敵の繰り出したバクゥタイプは108機。あの新型ディンタイプは38機。計146機。この内、君たち二人が撃墜した機体はブラウン軍曹…いや、少尉は15機。クルツ少尉は14機。二人だけで2割ほど撃墜していることになる。加えて君らは砂漠の虎を抑えに掛かった。君たちのこの活躍が無ければ我がMS部隊は援軍が間に合わず本当に壊滅していただろう。この戦果もまた昇進を検討するに値するもの、戦時である今なら特例で十分昇進させられる。その為、バルク大尉達の推薦と合わせて二階級特進となった訳だ」

大隊長の話を聞いて僕達はまた互いに視線を交わす。クルツは複雑そうな顔をし、やはり僕も同様だろう。
昇進を望んでいた曹長達の思い。それは納得できるものだ。
しかしその一方は評価されながらもは苦い敗北を含んだもので、尚且つ上層部の何かしらの意図も含まれている。これは納得しがたいものだ。だが――

「分かりました」
「了解しました」

受け取る事にした。喜ばしくない部分や上層部の意図があれど、それは大尉と曹長達が望んだ役目を果たす事に繋がるのだ。だから迷う理由はなかった。もし迷ってしまえば□咤激励してくれたモーガン大尉にも顔向けができなくなる。
了解し、敬礼する僕達に大隊長は鷹揚に頷いて、今後のスケジュールを軽く口頭で伝えた。

どうやら当分はモーガン大尉が再編したMS部隊の現場指揮を執り、僕達はそれを補佐する為に中隊長を暫く務める事になるらしい。



戦争の終わりはまだ見えない。けど自分は最後まで戦い貫くのだろう。
ただしそこには戦争を終わらせる為という高尚な目的がある訳ではない。そんな物語やコミックに出てくるヒーローのような考えなど現実で持てる筈がなく。第一それは政治の領分なのだから。

ただ一人の軍人、兵士として終わりが来る時まで戦い。そしてまた次なる戦いに備えて僕達兵士は務めを…役目を果たすのだろう。

死ぬか、それとも老いて軍を引退するその時まで。

448 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:16:39
修正した大洋製のPSドラケンもといコウブの設定です。

PS04コウブ

全高:3.25m
重量:1.6t
最大走行速度:90km/h(スラスター使用時:260km/h)
スラスター連続燃焼時間:15秒(限界使用後の冷却時間:8秒)

武装:椀部内臓7.62mm(または12.7㎜)機銃。20㎜アサルトライフル。57㎜滑腔砲。専用ブレード(鉈型)。ヒートハンマー。他多数。

概要:大洋連合がCE60年代初期に開発した重PS(後にジュニアMSと呼称)。
他国の有するPSを圧倒する事を目的して開発されており、より強靭且つ強力なパワーを持たせる為に従来のPSよりも一回りほど大型の機体になっている。
しかしその運動性・機動性は見かけ以上に良好で、装甲や出力を含めてPSでもベストセラー機であるグティを大きく上回り、また大型化に伴うデメリット…投影面積の拡大や屋内などの閉所での活動も許容範囲内で納まっている事から、数多のPSの中でも非常に評価が高く、ユーラシア連邦やスカンジナビア王国でも採用されて多数運用されている。
オプション装備もそれなりに充実しており、単距離飛翔を可能とする追加のロケットブスーターや水陸両用戦などに使用するウォータージェットパックなどがある。

なお大戦中にて大洋が新たに採用した発展・改良型である後継機のコウブ二型では、MSが使用する物には及ばないものの、戦車やMSにも有効打を与えられるビーム兵器を装備しているとの噂があった。


裏事情:夢幻会の梃入れによって将来誕生するMS研究の一環としてドラケンを基に開発されており、OSや四肢の駆動・制御機構の一部が大洋製のMSと似通っている部分がある。
彼の組織が知る〝宇宙世紀〟に存在し、参考にしたドラケンと外見のみならず機体サイズが異なっているのは、MS研究の一環であると同時にPSとしての運用を求めたが故である。
この当時、アクタイオン社は新型PSグティの販売《セール》を行っており、大西洋、東アジアなどの仮想敵国が採用し積極的に配備を進めた為、これに対抗できるより高性能なPSを軍は求め、国内の軍需企業に開発を依頼していた。
これに目を付けた夢幻会は一計を案じ、新型PS開発をMS研究の隠れ蓑にしつつ―――MA開発も同様だが、こちらは専ら宇宙でのデータ取りしかできない事もあって―――軍の要求を満たす以上ものを製造した。
この機体の実働データがMS研究…特に地上へのMS運用にどれほど影響したかは言うまでもない。ゴブリンがテストもそこそこに早期に投入できたのは当機の運用があってこそとも言える。
なお、仕様の変更に伴い変わった外見を見た夢幻会に所属するある軍人がコウブ《光武》と名付けた為に正式な名称となった経緯がある。


主な外見の変更は、頭上にあるライトを取り外してセンサー類を内蔵したボックスに変更。メインカメラもゴーグル型のものをハッチ前に移動。
四肢をよりがっしりしたものしてフレームが剝き出しになっている箇所などは装甲化。特に肩部は連邦系MSのようなアーマ―にし、腰部と脚部も防御性能を上げる為にスカートアーマーを追加。
椀部のマニピュレーターは五本指に変更。上腕にアレックスのように機銃を内蔵し、その反対側には立体移動を補佐する為のアンカーガンを搭載。
機動性を上げるために、足にはローラーダッシュを。背部にもスラスターノズルを追加。その背中の上部にあるプロペラントタンクのようなものはより小型に一つして下部へ移動か、量を抑えて内臓。
コックピット部は、開閉は前後に割れるような形にし…搭乗者はイメージ的にはサクラ大戦の光武のように機内に。

449 :ゴブ推し:2016/11/06(日) 23:17:35
以上です。
迷うブラウン達に改めて覚悟…戦争という現実と出来事に軍人・兵士として、どう向き合うかを明確な理由・目的を持たせるような話とした積もりです。
第一部とはいえ、最終話として華の欠ける寂しい感じの話ですが…。

副題のイシは意思、意志、遺志と三つの言葉の意味を含んでいます。
ブラウン達の想いと決意とハウンズマン曹長達が託した遺言という感じです。ちょっと厨二病っぽい発想ですけど(汗

ブラウン達は大戦中は曹長にしかならない予定でしたが、変更して少尉としました。士官とした方が今後の話が組みやいと思ったからです。
クルツの名前ですが近藤作品ではフルネームが無かったのでこっちで適当に付けました。

モーガンの性格や口調は分からなかったので自分なりにベテラン軍人をイメージして書いてます。違和感がありましたらすみません。

連合とザフト、双方の損害についても触れる予定でしたが、挟み込み余地がなかったので見送りです。
幕間として次回で大隊長視点と虎さんの視点で書こうと思います。

誤字脱字修正。表現がおかしなところを修正。滑空砲を滑腔砲に修正

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最終更新:2016年11月07日 14:06