205: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:02:28
ありゃ、二重投稿……
時間となりましたので投下いたします

フランス共和国ノルマンディー級戦艦

同型艦:ノルマンディー、ラングドック、フランドル、ガスコーニュ、ベアルン(建造中に空母へと変更)
排水量:26,230トン
全長:185.6m
全幅:27m
吃水:8.65m
機関:重油石炭混焼缶21基+直結タービン2基&レシプロ機関2基4軸推進→重油専焼水管缶16基+ギヤード・タービン4基4軸推進
最大出力:54,000shp
最大速力:25ノット
兵装:45口径34cm四連装砲3基12門→45口径34cm四連装砲2基連装砲1基10門
55口径13.9cm単装速射砲24門
47mm単装砲6基6門
55cm水中魚雷発射管単装6門

【解説】
ローマ軍縮条約締結後、フランスがその死力を振り絞って作り上げた超弩級戦艦。
本級の建造開始は1913年の世界大戦開始直前であり、世界大戦が長期化すると生産力を陸戦装備に回す為に一時建造は中断。
大戦中に日英によってフランスの海軍力が壊滅させられると慌てて建造が再開されたが、戦況の悪化により資材を陸戦装備に奪われてしまい建造速度は悪化の一途を辿り、ようやく船体が出来上がった時点で終戦を迎えた為全艦の建造がストップされる。
事実上の敗戦国であるフランスに造りかけの戦艦を完成させている余裕など無く、本来であれば本級も解体されて祖国の復興の礎となるはずだったのだが、少しでもイギリス海軍を欧州に拘束して欲しいアメリカが全面的な財政支援を申し出た事でしぶしぶながら建造が再開された。
世界大戦で疲弊したフランスにとって本級の建造は重荷以外の何物でもなく、アメリカの財政支援を受けてなおフランス国内の予算不足と政情不安により幾度も建造は遅延し、1922年に建造再開されたにもかかわらず進水は1928年にまでずれ込んでしまう。
15年という近代戦艦としては異例なほど長い建造期間は「最新鋭の老朽艦」という陰口の原因ともなるが、度重なる建造中断は建造中に発展した技術や大戦中に経験した海戦の戦訓を建造に反映させる余裕をもたらし、皮肉にも本級の性能を向上させる一因となった。
軍縮条約の建艦制限に対応する為に後部甲板の四連装砲塔を同口径の連装砲塔とし、日英の高速戦艦に対抗する為に高速性を重視して船体を延長すると共に機関も重油石炭混焼缶とレプシロ機関のハイブリットから重油専焼缶のみに変更。
水平防御も十二分に強化して、45口径34cm砲10門の火力と25ノットの速力を持つ安定した性能の超弩級戦艦として完成する。
とかく外見上の特徴である四連装砲塔に触れられがちな本級であるが、列強の一角であるフランスが長引いた建造期間を生かして試行錯誤を繰り返しただけの事はあり、これといった欠点の無いバランスの取れた戦艦に仕上がっていた。
運用したフランス海軍からの評価はおおむね好評で再建されたフランス海軍の主力艦として積極的に活用されたが、基礎設計の古さと無理な改設計による発展性の無さは否定しようもなく、本級を拡大発展させたダンケルク級高速戦艦の建造が比較的早く決定されている。

206: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:03:51
フランス共和国航空母艦ベアルン

排水量:24,146トン
全長:187.6m
全幅:27m
吃水:9.3m
飛行甲板長:176.8m x 25.38m
機関:重油専焼水管缶20基+ギヤード・タービン4基4軸推進
最大出力:68,000shp
最大速力:25.6ノット
兵装:50口径15.5cm単装速射砲8基
45口径10cm単装高角砲6基
50口径3.7cm連装機関砲4基
76口径13.2mm単装機銃16丁
55cm水中魚雷発射管単装4基
艦載機:常用40機、補用8機
エレベーター:2基

【解説】
軍縮条約により空母保有枠を認められたフランスは建造中だったノルマンディー級五番艦ベアルンの空母への改装を決定した。
ノルマンディー級に追従させる為に船体をさらに引き伸ばした上で缶を追加して速力を増加。
全通甲板や煙突一体型の島型艦橋に横張り式の着艦装置といった黎明期の空母としては革新的な艤装を装備している。
本艦も予算不足からノルマンディー級と同じく建造が遅れがちだったが、アメリカからの支援もあり何とか世界水準の性能を持つ艦隊型空母として完成し、フランス海軍の貴重な洋上航空戦力として大いに活用された。
しかしながら幅広の戦艦を流用した船体は設計の古さもありこれ以上の速力向上は不可能であり、艦載機の性能が向上し機体が大型化すると発艦時の速度不足が指摘されるようになる。
船体が旧式とはいえ空母としての完成度その物は十二分に高く、本艦から得られたノウハウを生かしたジョッフル級航空母艦へとその設計は繋がっていく。
母体となったノルマンディー級と同様にフランス海軍の新艦建造に強い影響を残した艦である。

207: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:05:18
フランス共和国戦艦ラファイエット

排水量:35,600トン
全長:195.2m
全幅:29.7m
喫水:11.6m
機関:重油専焼水管缶20基+ギヤード・タービン4基4軸推進
最大出力:78,000shp
最大速力:24.6 ノット
兵装:45口径16インチ連装砲4基
55口径13.9cm連装速射砲12門
47mm単装砲6基6門
55cm水中魚雷発射管単装2門

【解説】
軍縮条約の駆け引きの結果フランスがアメリカから購入する事になった16インチ砲搭載戦艦。
コロラド級の四番艦であったウェストバージニアの船体を建造中にフランスが購入し、設計に変更が加えられた後そのままアメリカ国内で建造が続けられた。
船体を延長した上で缶を追加して速力を増やすと共に、アメリカ自慢のターボ・エレクトリック方式の推進機関をフランスでも運用しやすいようノルマンディー級と同じギヤード・タービンに変更、フランスに曳航後主砲以外のフランス製兵装の艤装が行われた。
これにより本艦はフランスの主力艦であるノルマンディー級と艦隊行動を行える速力を獲得し、代価としてアメリカは当時技術的に遅れていた蒸気タービン機関の技術をフランスから入手している。
アメリカで建造が続けられた事から設計変更による中断を含めてもノルマンディー級よりも早く建造が進み、就役は1924年とかなり早かった。
これはフランスにイギリスを牽制させる為にアメリカが様々な財政支援を行ったからで、蒸気タービン機関や船体の購入費など一部の費用を除けばほとんどアメリカ側の負担で建造されていることから事実上フランスに譲渡されたと言っても過言ではなく、本艦の取得によるフランスの負担増を狙ったドイツの思惑は失敗してしまったといえる。
そのような経緯からアメリカの提案により米仏所縁の独立戦争の英雄の名前が命名されたが、フランスに戻ったラファイエット本人のその後を知るフランス国民からの評判はあまり好意的とは言い難い物だった。
それでも列強有数の大艦という存在は世界大戦で敗北した国民の自尊心を大いに満足させ、グランド・キュイラッセ=偉大なる戦艦、と誇りをもって呼ばれるようになる。
艦名からも分かるようにイギリスに対抗する為に作り上げられた戦艦であり、コロラド級より速度で勝る本艦を脅威だと捉えた王立海軍は本艦を確実に捕捉する為に自国で建造する16インチ砲戦艦をフッドに連なる高速戦艦とする事を決定し、速力を重視したネルソン級の建造を開始している。

208: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:05:59
イギリス連合王国ネルソン級高速戦艦

同型艦:ネルソン、ロドネー
排水量:39,825トン
全長:262m
全幅:28.9m
吃水:10,2m
機関:重油専焼三胴型水管缶24基+ギヤードタービン4基4軸推進
最大出力:144,000 hp
最大速力:27.8ノット
兵装:45口径41cm三連装砲3基
50口径15.2 cm連装速射砲6基
43口径12cm単装高角砲6基
2ポンドポンポン砲8連装8基
艦載機:水上機2機、カタパルト1基

【解説】
フッド、アドミラル級航空母艦と共に王立海軍グランドフリートの中核として欧州大西洋に睨みを利かせる、大英帝国がアメリカやフランスの16インチ砲戦艦に対抗する為に作り上げた高速戦艦。
フランスのラファイエットを捕捉する為に高速性を重視し、先に就役していた日本の長門型戦艦(憂鬱本編と同じ)の主砲配置を参考に、当初次期新型戦艦に予定されていた集中防御方式のG3型巡洋戦艦案では無く全体防御方式のK3型巡洋戦艦案を採用し、フッドの船体設計を流用した上で条約の排水量制限一杯まで対41㎝装甲を施している。
王立海軍として初めて三連装砲塔を採用し41cm砲を装備していながら空母機動部隊に随伴可能な速力を兼ね備えた本級は、砲力おいて日本の長門型に匹敵し速力において凌駕する条約型戦艦の最高峰として完成した。
ビッグ7最後発として建造されただけに走攻守全ての面において隙の無い性能に仕上がっており、三連装砲塔を艦橋の前に背負い式で2基、後ろに1基搭載する実にオーソドックスな主砲配置は英国面を愛する夢幻会の一部に「こんなマトモで高性能な戦艦、ネルソン級じゃないやい!」と悲嘆の声を上げさせた。

艦隊側からはその高い性能も有り大絶賛されたが、イギリス人の美的センスでは前後非対称に主砲塔を装備した本級のデザインはいま一つお気に召さない物だったらしく、イギリス国民からの艦としての人気は「マイティ・フッド」に及ぶものとはならなかった。
主砲には第三次八八艦隊計画の建造中止で余剰となっていた日本の45口径41cm三連装砲が輸出されて使われており、アメリカへの圧力を兼ねてジェーン年鑑には日英同盟の絆の証であると大書され、このような経緯から本級が擬人化される際にはサーベル拵えの日本刀を携えているのが『お約束』となっている。


イギリス連合王国アドミラル級航空母艦

同型艦:アンソン、ハウ
排水量:公称33,000トン(実際は35,800トン)
全長:262.3m
全幅:28.9m
吃水:10.2m
飛行甲板長:259.8m x 27.8m
機関:重油専焼三胴型水管缶24基+ギヤードタービン4基4軸推進
最大出力:144,000 hp
最大速力:31ノット
兵装:40口径 12cm単装高角砲16基
39口径40mm単装ポンポン砲4基
3ポンド単装砲4基
艦載機:常用55機、補用15機
エレベーター:2基

【解説】
軍縮条約により航空母艦へと改装されたアドミラル級巡洋戦艦の二・三番艦。
同様に空母へと改装されていた日本の天城型を参考に煙突一体型の島型艦橋、全通甲板といった正規空母の先進装備を採用し、エンクローズドバウと装甲化された格納庫を備えた事実上の装甲空母として完成した。
空母としての完成度はアメリカのレキシントン級に匹敵するものであったが、排水量もレキシントン級同様に軍縮条約の制限を超過してしまっており、格納庫に装甲を施した結果格納庫の容積が圧迫されてレキシントン級よりも運用機数が減少している。
それでもなお巡洋戦艦譲りの長大な船体を生かした飛行甲板と高速性は艦隊型空母として充分な性能を誇り、艦載機の性能が向上して機体の大型化が進んでも大規模な近代化改装を受ける事無く大英帝国の主力空母としての地位を保ち続けた。
もっとも、様々な要因から肝心なイギリス国産艦上機の性能の方が世界水準に到達できず、イギリス空母は最終的に日本と共同開発した機体を搭載する事になる。
本級を運用した王立海軍は運用機の数以外全ての面で本級の性能に満足しており、本級を雛型として完全な装甲甲板を装備し格納庫を二層にする事で搭載数を増加させたアークロイヤル級の建造を行っている。
フッドやネルソン級と同一の機関を搭載していることから一緒にイギリス本国艦隊に配属されている事が多く、提督の名を戴くフッドの系譜によって構成される艦隊は「アドミラルティ・フリート」と呼ばれイギリス国民に広く親しまれた。
なお本級の設計建造に当たって日本海軍から天城型の設計図などをイギリス側に提供したという公式の事実は一切無く、英国面の欠片も無い本級の姿を見た日本海軍の艦政本部は慌てて自国の情報管理体制の見直しに奔走している。

209: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:07:11
大日本帝国桜型護衛艦/桜型巡視船/ロシア帝国艦隊政府サークラ級駆逐艦

同型艦:桜1号~151号(56号以降は建造中止)
排水量:1,020トン
全長:100m
全幅:9.0m
吃水:5.5m
機関:重油専焼缶4基+ギヤードタービン2基2軸推進
最大出力:30.000馬力
最大速力:28.6ノット
武装
護衛艦/サークラ級
45口径12cm単装砲2基
45口径8cm単装砲1基
53.0cm魚雷発射管三連装1基
爆雷投下器4基
爆雷25発
巡視船時
45口径8cm単装砲2基
7.7mm機銃8丁
放水銃2基

【解説】
日英同盟に従って世界大戦に参戦した日本海軍が欧州への航路を守る為に量産した護衛艦……だったのだが、史実と異なりドイツ海軍の潜水艦は味方でありフランス海軍は大戦中に壊滅。
さらにはフランスが潜水艦による通商破壊へさほど努力を傾けなかった為にいまいち本級を必要とする状況が発生せず、計画の半分も作らないうちに予定されていた建造は打ち切られた。
皮肉にも堅実性を最優先に中小規模の造船所でも建造可能なよう設計された量産性の高さが災いして建造中止が決定されるまでの短期間に多数の艦が就役してしまい、戦うべき敵がいない護衛艦の群れが港を圧迫するという笑えない現実が発生した。
この為日本の欧州向け船団は世界大戦の間本級が過剰なほどの護衛をする事になり、それでも余剰となった本級から魚雷や爆雷といった過剰な装備を取り外して海上保安庁の巡視船に仕立て直したりしている。
革新的設計も最新技術も採用していないが護衛艦としての性能は充分に高く、長大な航続距離と大量に装備した爆雷により欧州へ向かう船団を数少ないフランス潜水艦から完璧に守り抜き、巡視船に転用された艦は軍艦として設計された頑丈な船体を生かしてアジア太平洋の海の治安を強固な物にした。
大戦が終結して欧州向けの船団護衛が終了すると軍に所属していた本級の半数近くは成立したばかりのロシア帝国艦隊政府に格安で売却され、ロシア艦隊政府の『領土』たる船舶を守るサークラ級駆逐艦として運用されていく。
大戦中、本級を最大の脅威とみなしたのは敵であるフランス海軍ではなく、味方であるが故にその対潜戦術を知る機会を得たドイツ海軍の灰色狼たちであったという。

210: 百年戦争 :2016/11/17(木) 23:10:50
投下は以上になります。
wiki転載などOKです。

軍縮条約で産まれた&変わった船達+オマケでち

この子たちをちゃんと活躍させられる展開を作らねば……

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最終更新:2016年11月21日 13:21