219: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22:40:59
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第九十九話 ―扶桑海事変-03―



――第一打撃艦隊――

補足された第一打撃艦隊に続き、第二打撃艦隊も補足されたという報告が入った。
ついでに第三打撃艦隊から、不調を訴える戦艦二隻を置いて【陸奥】が第二打撃艦隊に合流すべく離脱。
その際に抗議が寄せられたが完全に無視し、ついでとばかりに雲仙型重巡【田代】【焼石】の二隻と、駆逐艦四隻も追従させたという。
それを聞いた夢幻会は笑みを浮かべるが、今合流しても陣形が崩れるだけなので、しばし待機するように要請して置いた。
彼等にとって忸怩たる思いがあるかもしれないが、そこは理解してもらうしかない。

それはともかく、狙い通りにネウロイは打撃艦隊に食い付いた。
すぐさま “アホウドリ”を送り込み、これまた狙い通りに通常戦闘機部隊が小型ネウロイを引き付け、ウィッチが攻撃を仕掛ける。

「うしゃぁ!いい位置だ!」

【瑞鳳】飛行隊長、天龍空姫が急降下で敵陣中央に位置する“アホウドリ” を狙った。
無論部下も追従しているが、一番先頭になって突っ込んでいく隊長の姿に、内心で溜息を吐く。

「おらおら! へっぴり腰で撃つんじゃねぇ!!」

護衛として残っている“スズメバチ” の弾幕をかいくぐり、つづいて“アホウドリ”自身の迎撃を避ける。
視界は赤い光に包まれ、上下左右に避けようとすると当りそうだ。
その中を狂暴な笑みで突進していく。
ちなみに銃撃は一切せず、扶桑刀を抜いているだけ。

「はっはー!」

当の天竜は終始ハイテンション。
若干ネウロイ側が引いている様に見えるのは気のせいだろう。
そして、すれ違いざまに一閃。
“アホウドリ”の機首を切り落とす。
続いて降下してきた隊員が同じように胴体を切り落とす。

三人目は墳進砲で、翼の付いている胴体を破壊。
四人目が翼以降の尾翼部位を縦に切断した。

「かぁー! 全員はずれか!!」

狙いが外れ、天竜は悔しさに悪態をついた。
ネウロイの“核”がわからない以上、ヤマ勘で狙うしかないのはわかる。
しかし、あまりにも豪快なやり方に一瞬だがネウロイ側の攻撃が止まった。
輪切りにされた“アホウドリ”は大慌てで“核”のある部位から再生を行おうとする。
その間にも飛行能力をそがれた体が、重力に従って降下していく。

だが敵はその隙を逃がしてはくれない。
棒状シールドで急旋回した天竜が再び上昇してきていた。

「お前が本命か!!」

狙いを定め、再び一閃し、仕留める。
思わずガッツポーズを取ろうとしたが、僚機をとされた“アホウドリ”が猛烈な弾幕で攻撃してきた為、急いで離脱する。

「おわわわ!」
『何やっているんですか!』
「わりぃ、今それどころじゃない!」
『知っています。そいつを引き攣れてこっちに来て下さい。』
「おう。」

いきなり引き返した隊長に、隊員が文句を言いつつも座標を伝えた。
すぐさま表情を引き締めて回避に専念する。
と言っても“アホウドリ”の方が速力がある。だからすぐに追いつかれるわけだが・・・

「あ、わるいな。」

振り返った天竜が全力で、術符も使って強化した高圧縮シールドを展開して衝突させた。

「ここからは通行止めだ!」

巨大重量物の衝撃音があたり一帯に響き、機首が潰れて勢いのままエビ反りのように体を持ち上げる。

220: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22:41:41
『そのまま!』

ほぼ縦に真っ直ぐ持ち上がった“アホウドリ”に対し、通信を繋げていた隊員が突っ込んで来た。
慌てて対処しようとするが、こんな事態なんて初めてであり、慌てているために全くあたらない。
それどころか救援にきた“スズメバチ”に当ててしまい、さらに混乱してしまう。

『切!』

二振りの扶桑刀を交差させ隊員が、

『断!』

鋏の様な魔力刃でもって上下に切断し、

「お。こりゃいいな!」

刀を納刀し、抜刀術の構えを取った天竜が一気に魔力を溜め、

「二体目頂きだ!」

振り抜くと同時に、下向きになった前方部分を左右に割った。

「うし。」

砕け散る敵をを見つつ、両手を振る。
流石に固定型で、最高出力、高圧縮のシールドにしたのは良かったが。
大質量物体衝突の衝撃は手首や腕を痛めた。
少し離れる様にして飛行しつつ、術符による回復を始めると、先程の隊員がやってきて頭を下げた。

「すみません。無茶を・・・」
「なに。出来るからやった。お前は信頼してくれた。そうだろう?」

謝る隊員に対し、天竜はニッカリ笑う。
自分達の隊長は、冗談は言っても嘘はつかない。だからこそ、この信頼が嬉しい。

「とりあえず大物はやった。小物を仕留めるぞ。」
「了解です。」

―――――

迎撃に出たネウロイ側の被害は、思った以上に甚大な被害を出していた。
それぞれ派遣した戦力は想定通りに迎撃されたが、それでも“アホウドリ”の速力で突っ切れると思っていた。
しかし現実はそう甘くは無く、出した4体全てが殲滅させられてしまう。
指揮官たる“ヤマ”は、臆病な性格も相まって、手持ちにどうしても“アホウドリ”6体は残しておきたいと考えていた。
そこに異を唱えたのは例の小型ネウロイ。

知り合いが撃墜されたと知り、少なからず動揺していた彼だが、小出しの戦力投入は避けるべきだと進言。
“オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程投入し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。

―え? そんなに!―
―でなけりゃ磨り潰されるだけだ。―
―イヤイヤちょっと待ってよ! そうすると護衛が少なくなる!
 自分はそんなに動けないんだよ!!―
―一応自分が護衛部隊をを率いるし、あいつ等も残す―

そう言って“ヒラクモ”と、 “コバエ”の方を見る。
扶桑皇国が行った最終偵察時にはいなかった戦力。
これはちょうど“ヤマ”の傍で飛行していたので、まったく識別ができなかったせいだ。

―ええ! あれだとそんなに心許ないんだけど・・・―
―わがまま言うな!! それにちょうど、全員で交代するはずだった連中がこっちに来ているはずだ。―
―あ、そう言えばそうか・・・―
―忘れていたな・・・―
―わ、忘れていないよ! ただ単純に目の前の仕事に忙殺されていただけだ!!―

呆れる“スズメバチ” に対しプンスカ怒る“ヤマ”。
周りの護衛達も、どっちが上なのかわからなくなる。

―とにかく。巣からの増援が来たらそいつらを護衛まわす。それでいいだろう。―
―わかった。それでいいよ。―
―よし! そうと決まれば・・・―

早速指揮を始める“スズメバチ”。
それを見ていた“オニグモ”は・・・

―あいつを怒らせるのだけはやめよう。―
―そうだな。―

と、悟る。どこの世でも、怒った奴は怖いのだ。
そしてどうせ二手に分かれるとわかっているので、名残惜しさを消すために雑談を始めた。

221: 影響を受ける人 :2016/10/30(日) 22:42:29
―にしても、俺ら。無事に叩けるかね?―
―うーん。どうも敵さん。大きい奴を目の敵にしているみたいだしな。―
―そうなんか・・・―
―まあ。そこそこ頑張ろうぜ。―
―ああ。―
―それにしても、なんか“アレ”多くなってないか?―
―そう言えばそうだな。なんか多くなってきたような気がする。―
―隠れるのに適してはいるんだけどな・・・―
―嫌な奴の塊らしいけど、気にし過ぎだろ?―

2体の言う“アレ”とは雲の事。
人類側の作戦を知らない彼等にとっては、ただ単に嫌なものが多くなっているとか、隠れやすくなったとしか考えられない。
それこそ、人類側にとっての優位性の一つとなるのだ。

――第一機動艦隊 旗艦【天城】――

天を仰ぎ見れば、帰ってきた海鷲達が着艦するために待機しているのが見えた。
その数は数えられないが、明らかに少なくなっている。
一応作戦海域には潜水艦が待機しており、無事に脱出できていれば、本土帰還後に安否がわかる。
それまでは心情に悪い状態のままだが。

「艦長、ただ今戻りました。」
「うむ。どうだった?」

先に着艦し、すぐさま艦橋に上がってきた飛行隊長が敬礼をし、返礼をすると早速切り出す。

「奴さんら、ベテランで固めているとみて間違いないですね。
 挙動がこちらの機動戦顔負けですよ。」
「そうか・・・」
「あと、未確認だった指揮官の様な奴もいました。」
「なんだと?」

思わぬ情報に片眉が動く。

「事実です。自分と同じように戦場を俯瞰しているような奴がいました。
 何度追い駆けても同じ様に、元の場所に戻ろうとしましたし。」

実際に戦った隊長としては、他のネウロイよりも歯ごたえがあり。
不謹慎ながらも思わぬ強敵に胸が躍った。

「そうか・・・」 

反対に艦長の表情はすぐれない。
それが本当だと言うなら、今後はもっと厳しい戦いになるはずだからだ。

「すぐに報告しよう。
 飛行隊長ご苦労だった。短いかもしれんが次に備えて休憩してくれ。」
「はっ!」

敬礼をかわし、それぞれの仕事に戻る。
その数分後。第一第二打撃艦隊共に“オニグモ”襲来の報を聞いて、作戦が第三段階に移ったのを知ることになる。



以上です。
久々に二回連続投稿だ。
三回目は無い・・・
チカレタ・・・・・・

248:影響を受ける人:2016/10/31(月) 22:10:20
うぇい。間違い見つけてしまった。
掲載時に>>220の

“オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程残し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。

“オニグモ”もつけて護衛戦力は“アホウドリ”8体と、“スズメバチ”を残存戦力80%程投入し、“ウシアブ”は全力投入すべきだと。

に変更をお願いします。

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最終更新:2016年12月06日 22:12