948:影響を受ける人:2016/11/19(土) 23:51:46
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
それでも良い、という方のお読みください。
―同日:倉崎重工:ストライカーユニット研究室―
「なるほど、ストライカーには専用工具が有り。それも相まって、航空母艦の整備設備を圧迫する原因となると・・・」
「ええ、そうです。」
リベリオンの技術者、ラザ・ラスアンが宮藤一郎の説明を聞いて頷く。
彼女はウィッチであると同時に、機械弄りの趣味が高じて技術者となった異色の人物だ。
既に年齢が限界に近く、将来を見越してリベリオンより派遣された経緯を持つ。
丁度二人は休憩に入っていた。
「通常戦闘機でも、使える備品はあるのですよね?」
「まあ、なくもないですが・・・総数を見るとそれほどと言う感じです。ストライカーの方が小さいですし。
あとの問題は“女性が、多数の男性がいる場所にいる”という問題。
女性の為の設備を整え、事故があってはならないように警備を配置しないといけませんし。
その為に余計な人員が増えて、距離が必要となりますから。」
「あ~・・・ そこが問題ですか。そこまで来ると、自分の管轄外ですね。」
「自分にとっても管轄外です。」
小さく笑いつつコーヒーを飲む
「そう言えば、通常戦闘機も設計していると聞きましたが?」
「一応私も勉強の為に見させてもらっています。」
倉崎翁こと、倉崎重蔵はこの世界でも飛行機を作っている。
できれば自社で作って売り込みたいのだが、前世とは違ってライバル会社が強いので、会社はあまり大きくできなかった。
かわりに主人公の父親を引き込み、ストライカー開発で一躍有名になり、徐々に軍内部に浸透しつつあるわけだ。
取りあえず目下の目標として、発動機の開発が急ピッチで進められていた。
これは対ネウロイ戦において、硬くなった敵を撃ち破る為に、高火力兵器を乗せる必要があるからだ。
現状、リベリオンよりブローニング機銃を輸入しているが、将来は自国製の20mm機関砲×4門を搭載したいという野望を持っている。
それに高出力になるのは良い事が多い、積載量は多くなるし、速力も上がる。
現行の通常戦闘機では、小型ネウロイについていくのが辛い。
そのため扶桑皇国・リベリオン合衆国・ブリタニア・カールスラントを筆頭に通常戦闘機の発動機に対し、高性能化が求められることになった。
結果・・・
―最強の艦上戦闘機【烈風】―
―最優の陸軍戦闘機【P-51 ムスタング】―
―傑作の双発戦闘機【ドルニエDo335“プファイル”】―
―優美な万能機【流星】―
―究極の爆撃機【スカイレイダー】―
―堅牢な襲撃機【シュトルモビーク】―
- と言った優秀な飛行機達が世に出て行き、ウィッチと共に戦っていく。
話を戻そう。
二人は楽しく話をしつづけていて、まったく他の研究員が近づく事ができない。
「発動機の高出力化はストライカーも課題の一つとして見ています。
将来は音さえ超える一品を作りたいものです。」
「そうですね。夢があるというのは良い事ですよ。」
意気込む一郎を普通に励ます。流石のラスアン女史も音を超える速度は想像できない。
だから冗談だと思って受け流したのだ。
だが彼女は知らない。未来において、彼が本当に音速を超えるストライカーを開発する事に。
笑い合っていた二人だが、休憩時間終了の鐘が鳴ると、席を立って職場に向かう。
その途中で、ラスアンは聞いてみた。
「博士はその・・・」
「なんでしょうか?」
「今後のストライカー運用についてどう思っていますか?」
その質問の意図として、宮藤博士と話した誰しもが思う事だ。
彼は優しく、誠実で、まさに見本にすべき良い大人と言える。まぁ、時折暴走はするが・・・
一郎は少し歩みを遅くして考える。
「そうですね・・・
現在戦争において使われていますが、将来は郵便に使って欲しいですね。」
「郵便ですか?」
「ええ。ストライカーは滑走を必要としますが、そのまま飛翔できない事も無いのですよ。
燃料は使いますが、それ専用の機構さえできれば地形に左右されない郵便屋さんの誕生ですね。
しかも早いですし。高い建物でも、窓から受け渡しが出来る様になります。
ああ、災害救助の運用もいいですね。
留まる事が可能ですから、山岳救助や、海難救助にも運用できますね。」
「なるほど。」
949:影響を受ける人:2016/11/19(土) 23:52:44
少しだけ振り、感心して頷くラスアンを見て微笑みを浮かべるが、すぐに前を向くと眼差しは真剣なモノとなる。
「ですが。」
「?」
「それも戦争が終わってから。です。」
「・・・はい。」
―同日:扶桑海―
“オニグモ”襲来が報告される数十分以上前。
第一、第二打撃艦隊の前方似て、防御スクリーンとして展開していた陸軍の通常戦闘機部隊は、予定通りに展開して敵を待ち受けていた。
艦隊を見つけたネウロイが、襲ってくるのは明白。
此方に真っ直ぐに向かってくるだろう。
海上戦と言う事に若干気が落ち着かないが、帰りについても方位さえ間違えなければ扶桑に帰れる。
救助に関しても、海軍との綿密な救助体制を整えたから問題ないだろう。
金槌野郎は陸で待機になったが。
それはともかくとして、予定通りに、予想通りに迎撃する事ができた。
ただし・・・圧倒的な数だけが予想外だった。
“ヤマ”を強引に説き伏せた“スズメバチ”は、二手に攻撃を振り分けたわけだが、一丸となって突き進んでいったわけではない。
第一打撃艦隊、第二打撃艦隊に差し向けられた戦力は等分。
そこから経験を元に戦力を三部隊に振り分けた。
第一陣“スズメバチ”30%“ウシアブ”20%
第二陣“スズメバチ”35%“ウシアブ”30%“アホウドリ”4体
第三陣“スズメバチ”35% “ウシアブ”50% “オニグモ”1体
第一陣と第二陣は敵防衛網の突破戦力。本命の第三陣は敵本隊に襲い掛かる戦力だ。
本来ならば“アホウドリ”は第三陣に使いたかったが、大抵二つ目の防衛網が例の小さな脅威になっていることが多い。
速力で蹴散らす事ができる彼等に任せるほかない。
攻めるより、守る事が上手い同種の同僚に護衛を頼んだから、先程の醜態は無いだろう。
地味に自分自身を改良しているし。
更に指示として“ウシアブ”に対しては「低高度まで下りるな。」と言い含めている。
下りていいのは脅威を排除する時のみとしていた。
どうも降下、あるいは上昇に移る際に攻撃され、撃ち落とされる個体が多いと感じたからだ。
実際その通りで。上昇から降下に移る際は通常戦闘機に食われ。降下から上昇に入ろうとするとウィッチに食われた。
これは人類側の用兵によるもので、ウィッチは中高度から低高度。通常戦闘機は高高度から中高度を主戦場にしている。
これは脱出、離脱の時間を稼ぐの時間を稼ぐためだ。
パラシュートを装備できないウィッチは、高高度で意識を失えば地面、もしくは海面に叩きつけられて死んでしまう。だが低高度であれば、生きられる可能性が増す。
対して通常戦闘機はパラシュートが開く時間が必要であり、なるべく高い高度で戦うのが良いと判断されている。
それはともかく。
中高度に置いては双方共に入り乱れる事もあり、獲物の取り合いで見逃される可能性有としていた。
まあ。話を聞かずに、そのまま特性を生かして撃ち落とされるのが続出したのは、彼等の責任だろう。
しかし侵攻は上手く行った。
中高度で進行したネウロイ達は、圧倒的数でもって敵を拘束し、防衛線を突破。
通常戦闘機部隊も、ウィッチも第三陣の勢いを止める事は出来なかった。
『くそ! 後ろを取られた!!』
『援護に行く。待っていろ!』
『敵の数が多すぎる!』
『援軍はまだですか!』
『航空母艦の連中がもうすぐ来る。持ちこたえろ!』
『“アホウドリ”が四体固まって行動しているなんて!?』
『弾幕が厚過ぎて突破できない!』
『“アホウドリ”に気を取られ過ぎないで、下から“スズメバチ” が来る!』
『“オニグモ”補足。駄目、追撃できない!』
全てではないが、防衛戦が突破された通信はすぐに古賀に届けられた。
「敵さん。本腰を入れてきたか。」
「そのようですね。防衛線が突破されるほどの戦力投入とは、やってくれます。」
副官も同意し、敵がやってくる方向を睨む。
「すでに滞空戦闘の準備は完了しています。」
「第二打撃艦隊の方は?」
「そちらも完了の報を聞いています。
また、戦艦【陸奥】重巡【田代】【焼石】との合流を中断。巻き込まれないように距離を取っているはずです。」
「なら、この戦闘を凌ぐだけだな。」
「はっ!」
950:影響を受ける人:2016/11/19(土) 23:53:55
――戦艦【紀伊】対空砲座――
まだ若い海兵が、雲霞のごとく迫るネウロイを前に息をのんだ。
彼も一応大陸より非難する船団護衛。扶桑海の警戒任務で、隙間を縫って現れる小型ネウロイ襲来を経験した事がある。
無論戦闘もしたこともあったが、敵は少数であり、艦隊全ての火力で持って殲滅してきた。
しかし、この数は経験のしたことの無い規模。
「これ。大丈夫か?」
思わず同僚である親友を見るが、彼も顔が引きつっている。
「わかんね。」
「だよな・・・」
二人して笑うが、渇いたモノであり、どうにもならないと諦めそうになっていた。
が、
「貴様等! さっさと配置につかんか!!」
「「はっ、はい!」」
怒鳴られて大慌てで元の場所に戻る二人。
それを目線で追うっていた上官は内心で溜息を吐いて置く。
無理もない。自分も通常戦闘機相手に訓練した事はあるが、ここまでの規模ではなかった。
「大陸から陸軍が追い出されるのも、無理はないか・・・」
ずいぶん前に負傷して帰ってきた義弟の嘆く顔が思い出される。
彼は陸軍で、自分との相性は最悪だった。妹分捕ったからなおさらだ。戦闘機乗りと言うのも気に入らない。
おたが腕っぷしで勝負し、妹に二人して怒られたものだ。
そんな益荒男として認めた男が、哭いて帰ってきたことに驚いた。
彼は言った。
友を失った。
幼いウィッチを助けられなかった。
負傷し、不甲斐無く帰ってきてしまった。
誰が攻められるものか。
あの男が泣くほどの戦場を、誰が嘲笑うか。
自分の戦場はこの場所。この戦艦【紀伊】を守る為の高射砲を指揮する事だ。
そして、一人でも多くの部下を家族の元に返す。
それが自分の使命だ。
以上です。本当なら美緒ちゃん達を100話で出撃させてあげたかった。
最終更新:2016年12月06日 21:55