485: 弥次郎@帰省中 :2016/12/16(金) 17:03:31
アイネイアース
型式番号:EXMS-064E2
頭高:17.87m
全高:19.28m
全高(MA形態時):13.2m(背部ユニットまで含み)
本体重量:69.85t
全備重量:82.26t
装甲材質:ルナチタニウム
動力:NJC付き核分裂炉/高性能バッテリー/大洋連合製核融合炉
武装:
ES02A ビームサーベル
M407 ビームライフル改
ビームキャノン「フォルファントリー」改×1
ビームクロー×2
GAU111 単装砲×2
肩部75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2
アルミュナーレ・リュミエール
対ビームシールド(三連装ビームガン内蔵)
表面効果飛行ユニット「エクラナ2」搭載武装
GAU-8M2 52mm機関砲ポッド×4
4連装ロケットランチャーポッド×4
その他武装懸架可能
【解説】
ユーラシア連邦が試作したMS。戦後に接収したザフトのMSの設計図の内「ガイア」をベースにしてはいるが、同じくザフトのMSであるカオスおよびセイバーの特徴も兼ね備えており、全体としてはレイダーにも似ているという異色のMS。
大西洋連邦側の呼称は「キマイラ」。
【開発経緯】
戦後、ユーラシアが確保したザフトの技術には後のガイア カオス セイバーといった可変機構を備えたMSの技術が含まれていた。
ユーラシアはこれらから次期主力MSの開発及び研究を行い、ギャン ガルバルディなどの多くのMSを輩出するに至った。
一方で、戦後戦略においてユーラシアが迫られたのが、寒冷地帯でのMSの開発であった。ユーラシアの領域は北半球の高緯度に位置しており、広い寒冷地での戦闘に適したMS乃至MAの開発は大洋連合からの提供もあって寒冷地仕様のドムを少数配備していたユーラシアであったが、それのバージョンアップなどでお茶を濁し続けるのも問題であるとされた。折しも、仮想敵である東アジア共和国及び大西洋連邦でも、ザフトの技術を接収した十全な性能を持つMSの開発が確認されており、今後は国境沿いでの小競り合いや自国領土にMSを用いて侵攻されることを懸念しなければならなかった。
そこで注目を浴びたのが正史であれば「ガイア」と呼ばれることになるMSの概念設計図であった。
ザフトが地上戦線に配備していたバクゥに散々煮え湯を飲まされたユーラシアは、それ故にバクゥの持つ性能を評価していた。
バクゥの登場からしばらくして登場したドムによってその評価は一時期急落したが、MSに技術的な限界があるとしても、そのコンセプトそのものは評価できると再評価が下された。即ち、低い全高によるカモフラージュの容易さや正面への防御の集中、安定性に優れた走行方法、二足歩行MSよりも高い俊敏性、長距離偵察能力の高さなどである。
特に低い全高は視界が安定しない冬季においては単純にその場に伏せるだけでも相当な隠ぺいが可能であり、
戦術的に見ても文字通りの意味で伏兵としての能力が期待できた。
こうしてユーラシア軍部は「冬季戦闘用のMA若しくはMS」としての要求をまとめて開発を指示した。
要求案にはエースが扱うことも前提とした高級MS(乃至MA)という項目も組まれていたようである。
未確認情報ではあるが、戦後にユーラシアに渡った「砂漠の虎」アンドリュー・バルドフェルドの意見も開発に加わったとされる。
486: 弥次郎@帰省中 :2016/12/16(金) 17:04:51
【エクラナ2】
前述のとおり、凍土及び寒冷地での作戦行動を前提とし、寒冷地装備のドムのホバーを上回る速力を求められたことで、
開発計画は一度暗礁に乗り上げた。ホバーシステムを超える走行システムの開発には苦心しており、最低でも寒冷地仕様のドムが発揮できる最高速度を凌駕する必要に迫られた(開発時の軍の要求では巡航300~400km/h以上、最高速度600km/h以上)。
バクゥに見られた無限軌道というアイディアもあったのであるが、整備性の観点や雪上での痕跡を残し過ぎるとの指摘から、またバクゥに似すぎてしまう構造は国民や用兵側の受けが悪いとの判断から無限軌道は採用されなかった。
そこで提案されたのが、雪上を走行ではなく飛行乃至滑空するというアイディアであった。開発者の一人が湖面ギリギリを飛行する渡り鳥を目撃し、その飛行方法に着目したことがきっかけであった。
ユーラシアは嘗てのロシアが母体でエクラノプランという経験を経てきたこともあり、提案された際も素早い理解が得られた。
折しもジャスティスの採用していたファトゥム00に代表されるMSに搭載するSFS的なユニットは接収されており、これを参考にすることでMAをSFSの援助抜きに高速で飛行させ、長距離移動させることができると判断された。
また、MS本体では足りない火力を使い捨てながらも搭載することで補うという副次効果も得られた。
この発想は独自のものであるが、大西洋連邦のGAT
シリーズ「レイダー制式仕様」に見られた巨大な副翼と似通っている。
こうして開発されたフライトユニット「エクラナ2」は表面効果を利用した飛行補助ユニットとして開発がすすめられた。
被弾面積を減らし、尚且つMSそのものの武装と干渉しあわないようにするためにアレクサンダー・リピッシュの逆デルタ翼を採用。
MA形態時に胴体下部にフライトユニットを配置し本体のエンジンとの併用で十分な推力を得た。
飛行能力については高度数百メートルまで飛行可能であるが、流石に航空戦を前提としたTMSには劣る結果を示した。
後に、スラスター推力の拡大やMA形態時に展開される翼の改良、補助的なホバーの搭載でフライトユニット抜きでの飛行能力も向上した。
【機体構造】
ガイアの構造を踏襲してはいるが、その全高は低めに抑えられている。全体としてのバランスを見ても手足が長く、やや胴体は短く設計されている。これにはMA形態時に安定した四足歩行及び飛行を行うために本体の重量を削減する必要に迫られたためであった。
背部にはMA形態時に機首となるユニットと推進翼が装備され、航空機に近いフォルムを獲得した。
【武装面】
寒冷地での作戦行動を前提としており、アッシマーやギャプランを参考にしたためというのもあるが、このMSはTMSというよりも「MS形態がとれるMA」に近い発想で開発されたため武装の多くがMA形態時での使用を前提としている。
また、このMSは直接交戦するというよりも騎兵のような立ち回りで後方攪乱や側面に回り込んでの攻撃が主軸となるため、その武装には瞬間火力と射程が重視された。
主軸となるのは寒冷地でも安定した出力と威力が確認されていたビームキャノン「フォルファントリー」をハイペリオンから採用。
同時にビームキャノンと同軸に据えられたALによって機体前面をカバーするだけの防御能力を得るに至った。
このビームキャノンを搭載したMA形態時の機首はMS形態時では背部に背負われている。
副兵装としては単装砲が2門、MS形態では腰部にMA形態時では機体側面に装備されており、ビームキャノンが減衰しやすい環境での主力となる。
この機体前面にALを配置するというのは後のユーグリッドなどに通じる構造となった。
【欠点】
新機軸ながらも手堅くまとまったアイネイアースであったが、コンセプトや設計についてはユーグリッドなどのMAと被る要素が大きかった。
良くも悪くも、ガイア+セイバー+カオス+バクゥという複数のMSの掛け合わせで、MAとMSの中間として開発されたことで、運用においては中途半端な面が浮き彫りとなった。また操縦の難しさが相応に大きく、現場の理解が深いドムやMAの方が結局のところ安くつき、評価もよい事実は軍縮を進めていた中で本機にとってマイナスとなった。
【生産】
以上の観点から生産は試作を含めて数十機に満たない数にとどまった。
しかし、このようなユーラシアの機構に合致した高性能機にユーラシアのエースが注目したこともまた確かであり、軍部に関しても、研究や開発の完全な廃止を命じずにある程度の予算を割き続けたことから、将来的にこのMSが必要とされると考えているのは間違いないと思われる。
487: 弥次郎@帰省中 :2016/12/16(金) 17:05:39
【後書き】
wiki転載はこんなものでもよければどうぞ。
バクゥを何とか延命させようと思った結果がこれです。
時代の仇花なんかにはさせない!
↓
予算の壁には勝てなかったよ…
現代の、CEのコサック兵ですね。
NJによって戦場の霧が発生しやすいからこそ、このような騎兵的なMSが活躍できんじゃないかなぁと。
平地があれば表面効果で理不尽飛行し、側面からいきなり襲い掛かる。あるいは後方攪乱する。
四足歩行の利点って何よ?って色々考え、寒冷地仕様のMSどうするかなぁと考えた結果がこれです。
MAっぽく使いつつ、時にMSとしても戦う感じです。
でも冷静に考えればユーグリッドで大体ケリがつくかなとも考えました。なのでお茶濁しの結論に。
これを膨らませるも萎めるも他の作者様にお任せするということで…
最終更新:2024年03月05日 21:04