451: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 19:57:14
大陸seed アナザーストーリー その3 戦況
地球連合とプラントの間で大戦が勃発して早四か月。
連合は月以外の戦線では押され気味ではあったが、各国の本土は大洋連合から供与されたミノフスキー式核融合炉により徐々にだがNJの被害から回復し始めていた。
C.E.70年6月12日
東アジアの新星資源衛星基地を奪いL5宙域まで運んだザフトはこれの名をボアズと改め要塞化。
L5とL3宙域の間に配置し、対AEU戦線における要とする。
なおヤキン・ドゥーエ要塞は原作と違い月方面の宙域に設置されており、L2の大洋をはじめとし、L4のBU、東アジアコロニーへの備えとしている。
同年6月20日
L1宙域の世界樹が占拠されたためL4周りでL2宙域へ届けられる大洋の補給路である通称地球急行においてザフト通商破壊艦隊の動きが活発化。
消耗した連合の月方面部隊への補給を妨害する試みである。
当事者の大洋部隊及びL4宙域を守護するBU、東アジア部隊はこれに対し、配備され始めたばかりの大洋MS隊も含め全力で対応。
周辺宙域は激しいゲリラ戦と掃討戦が繰り返される戦場となりデブリが急増することとなる。
同年7月1日
ザフトは追加の援軍を地上に送り、地上においても攻勢を活発化。
同月中には残っていた西アフリカ一帯も全て制圧。
旧西アフリカ制圧部隊を中心として編成した欧州侵攻軍。
アフリカ共同体のクーデター政権軍と合流できた少数の反BU勢力を合わせた南アフリカ侵攻軍。
同じく追加の援軍を含め中東における反理事国組織と親ザフト中東諸国軍を合わせた新ソ連カスピ海マスドライバー奪取を目的としたコーカサス方面軍に振り分け積極攻勢を開始した。
本来は戦力を分けずに一方面に集中すべきだったが全理事国と戦争中という状況がそれを許さなかったためだといえる。
このため勢いと余裕のあるうちに三方面へと攻撃を仕掛けるというある種無謀とも思える侵攻作戦となった。
しかしザフトも考え無しではなく、協力している各国及び諸組織にナチュラル対応OSを積んだMSを提供。
またアフリカ共同体、南アメリカ合衆国などの一定以上の国力を持った親ザフト政権国家へは生産ラインの設置を含めたライセンス生産を許可。
各地へMSの指導教官の派遣も行い、親ザフト諸国における一層の戦力化を図った。
各国からの使用料により開戦以降擦り減っていたプラントの財政を少なからず潤すこととなる。
これは月戦線において大洋が実用的なMS隊を投入してきたため、連合のMS全面投入はそう遠くないという上層部の見解から来た戦力を少しでも増やすための策であり、MSという兵器のアドバンテージが切れてきていることへの追認でもあった。
同年7月5日
欧州方面軍はスペイン、ジブラルタルを制圧。また同地へ基地を設営。
ここ出島にマヨルカ島、サルデーニャ島、シチリア島、クレタ島、キプロスなどに地中海の島々に進出。
7月12日にはティレニア海にて起こったティレニア海戦にてザフトは勝利し、イタリア周辺の制海権を確保。
AEU地中海艦隊の残存兵力は比較的防備のしやすいアドリア海への引きこもるしかなかった。
このように欧州侵攻軍改め欧州方面軍は地中海の制海権を確保しながら欧州地中海沿岸から圧力をかけ経済的に締め上げる方針とした。
またクレタ、キプロスなどは黒海、南欧、中東を睨み、コーカサス方面軍の援護も担当している。
同年7月7日
一方アフリカ方面南アフリカ侵攻軍では現地クーデター政権軍の手助けもあり、戦力的には通常兵器も含め豊富であったため早期から積極的に攻勢をかけていた。
機動性で勝るザフトの地上部隊が先行して敵戦線を突破。
その後に空いた穴からアフリカ共同体軍が制圧していくという大雑把な動きである。
これは元々別組織なため足並みが揃わないこと前提で作戦を組んでためであり、本来なら別々の戦域に分けた方が良かったのだが、両軍合わせてなお理事国軍相手では戦力差で不利という現実から両軍の指揮官がどうにか頭を捻って練り上げた妥協案であった。
452: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 19:58:09
同年7月10日
欧州・アフリカと比べコーカサス方面軍ではもっと単純であった。
元より地元の国々や組織でさえ足並みも考えも揃わないため中東の各国・各組織に支援を行い。彼らが各地で暴れている間にザフト本体はカスピ海マスドライバーに直進という連携もへったくれもない作戦である。
つまりザフトは彼らをオトリとしたのだ。
無論親ザフトの中東諸国・諸組織もそのことは百も承知であり、彼らとして理事国相手に戦えるだけの支援をもらえるならばと。ある意味両者の目的が一致したためである。
何より一番大きかったのはザフトの現地司令官であったアルフリード・ガラント隊長が現地勢力相手の交渉でうまく立ち回ったことであろう。
7月15日
中央アフリカ ボサングアにてBU地上軍・大洋先遣隊とザフト・アフリカ共同体連合軍による大規模な軍事衝突が発生。
大洋の先遣隊所属のMS隊が奮闘するが北アフリカでも活躍したザフトのMSバクゥの機動性の前に誘導兵器が使えない各戦線のBU地上軍が敗退。
その後どうにか制空権で優勢を取り、空軍の支援のもと撤退。
BUアフリカ軍は正面戦力の3割を失うこととなる。
ザフトはこれに追撃を掛けたが撤退中の味方を纏めていたトレーズ・クシュリナー少佐の指揮の下、逆撃を加え追撃を断念させている。
この戦いは後にボサングアの戦いと呼ばれ、以降の戦線は北アフリカから中部・東部アフリカへもつれ込むこととなる。
なおこの戦いで活躍したパイロットとして砂漠の虎ことアンドリュー・バルトフェルドや大洋先遣隊MS部隊においてより際立った活躍を見せた嵐山一少尉(コールサインはストーム1)。
上記の撤退戦を指揮したザ・エレガントことトレーズ・クシュリナーダ少佐。
大洋派遣部隊MS隊隊長ミスターダンディことカイ・キタムラ大尉などがいる。
7月20日
遅ればせながら大洋連合から本格的な援軍が到着。
MSの数はまだ少なかったが倍増した連合の戦力を前にザフト・アフリカ合同部隊は攻めあぐねることとなり、アフリカ戦線においてビクトリアマスドライバーを目の前に停滞することとなる。
7月30日
ザフトコーカサス方面軍、一部親ザフト中東国軍の連合と新ソ連・東アジア合同地上軍がトルコにて激突。
単純戦力差では3倍以上の開きがあったがザフトはアフリカ同様バクゥの機動性を巧みに使い新ソ連軍を翻弄。
接近戦にもつれ込み新ソ連ご自慢の砲撃部隊及び黒海・カスピ海からの海軍の援護射撃を封じ、最後には地上戦艦5隻を含む大打撃を与えることに成功。
一時はジョージア(グルジア)、アルメニア国境付近まで押し込むことところまでいくこととなる。
しかし、当初はMSの機動性を使い有利に進めていたが新ソ連、東アジアの物量を前に徐々に押され始め8月10日には被害の増えすぎたザフト・中東諸国連合は攻勢を断念。
シリア、イラク方面まで撤退を開始するが新ソ連・東アジアの合同軍はこれを好機とばかりに逆襲を開始。
援軍に次ぐ援軍により新ソ・東ア軍は当初の5倍ほどの数に増えており
「なんで戦う前より敵が増えているんだ!」というザフト兵の声が印象に残っている。
また制空権において現地支援国の差から他の方面軍よりも支援を得られず、時間が経つにつれ敵の数が増えており、撤退時にはギリギリのところまで押されていた。
「空が狭い」というディンパイロットの言葉が当時の空の状況を物語っていた。
黒海、カスピ海からも新ソ連海軍により長距離ミサイルなどの援護が加わり、撤退は悲惨を極めた。
結局は8月13日において精鋭バクゥ隊の決死の機動防御により敵指令艦を撃破し、指揮系統が混乱している間に素早く撤退を済ませ、新ソ連・東アジア合同軍も被害の多さからこれ以上の追撃を断念。
結局は8月20日時点ではシリア、イラクにて両軍は睨み合いを続けることになる。
この戦いはコーカサスの決戦と呼ばれ旧世紀から続く新ソ連、東アジア自慢の地上軍がいかに巨大な存在なのかをザフトにこれでもかと印象付けた。
この戦果から新ソ連・東アジアではMS無しでも戦えるとの声が一部から出ることになったが両国の上層部は今回の戦いにおける被害の大きさを見るにMSの機動性とそれによる突破力がいかに重要かを思い知ることとなり、MSの開発と投入を急ぐと共に半壊した地上軍の立て直しを図ることとなる。
なおMS不要論ともいえる言論とその言葉を発した責任者は共に立ち消えることとなった。
ザフトでは月面以上の惨敗に民衆の間にも強い衝撃が走ることとなり、プラント上層部への信頼が揺らぐことなる。
当のザフト地上軍では予想以上の損害に連勝続きから緩んでいた空気を締めなおすこととなり、月面の敗北と合わせ宇宙・地上両軍にて連勝による慢心と驕りは取り除かれることとなった。
またこれ以降ザフト・コーカサス方面軍の戦力は質の面ではともかく数の面では決戦以前の数字に戻ることはなかった。
そして悪いことは続く…
453: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 19:58:43
同年9月3日
L2宙域付近にて通商破壊活動を行っていたザフトの一部部隊が大洋のMS試験隊と偶発的に遭遇。戦闘を開始。
追加ブースターを付けた強襲戦仕様のローラシア級とそれを母艦としていたジン5機、シグー1機がたった一機のMSにより全滅したという報告が辛うじて生き延び、別の通商破壊部隊に運良く拾われた脱出艇の人員から知られることとなる。
生き残った兵士の証言では「母艦や護衛と思えるMSを差し置いて縦横無尽に駆け巡り、ビーム兵器を使ってきた。その威力は一発で味方のジンや隊長のシグーが落とされ、3発でローラシアが爆発四散した」
とのことである。
これは後に大洋の白い悪魔と呼ばれるようになるアムロ・レイ大尉(当時少尉)と連合にガンダム伝説を立ち上げることとなった初代ガンダムの公式初戦果であった。
なおアムロ少尉自身は初陣を済ましており。月戦線にてガンキャノンを駆りながらジン2機を落としている。
同年10月1日
スカンジナビアにおいて連合、ザフトの両者の間で戦争の落としどころを探る10月会議が開かれる。
話し合いは両者とも平行線を辿り結局はガスやNBCなどの非人道的兵器の使用禁止と捕虜の取り扱い、人口密集地における核兵器の使用禁止を定めた北欧条約が結ばれ、年明けまでの停戦となった。
なお核兵器についてはNJを無差別投下したザフトがこの条文を盛り込むにあたり著しく不利であったが(事前のコーカサス決戦の大敗もあり強く出れない)交渉に当たったカナーバ議員の尽力と国の復興を急がせたい連合国が11月半ばまでの停戦(約一月半)を飲ませたかったからである。
連合としては戦力の増産とNJからの復興を進めるための時間が得られ、ザフトは連合にて実用化されていると思われる核融合炉を用いたミサイルをプラントへ撃ち込まれる危険を取り除くことに成功した会議であった。
しかし、ザフトとしては金よりも貴重な時間を失うこととなり、この判断が後々の戦略へ大きく響くこととなる。
なおこの一月半の休戦期間の間にプラントではシーゲル・クライン氏が体調不良で倒れるという事件が起きた。
幸い命に別状はなかったが体調を鑑みて議長職を辞任。
変わりに軍事委員長であったパトリック・ザラ氏が議長の座に座ることとなった。
454: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 19:59:49
原作でも存在していた世界樹。こちらでは六大国それぞれが一応融和の形として出資し合い開発されたコロニーである。
火星への最前線となる月と大洋のムンゾコロニー及びL4においてのBU、東アジアコロニーにおける中継点でもあった。
後にプラントコロニーへの中継点とにもなる。
現在はザフトに占領され要塞化されている。
月及びL2宙域において今までの最短航路はここを通過していたため、連合諸国は新たな航路の策定に苦労したという話がある。
作中に出てきた地球急行は地球から前線となっていた月面及び大洋のムンゾコロニーへの補給路のことである。
元ネタは史実における旧日本軍の行った離島への物資輸送作戦「鼠輸送」への連合側コードネーム東京急行(Tokyo Express)から。
基本行程は地球→L4宙域→L2宙域&月面
月には各国資本で建造された月面都市群が存在している。
大洋の新因幡(グラナダ) 大西洋のエアーズ BUのアンマン AEUのフォンブラウン 新ソ連のコペルニクス 東アジアの玉兔
などが主要都市である。
軍事基地については旧西側・東側で一つずつと定められており、旧西側陣営がプトレマイオス基地。旧東側陣営がアルザケル(アルバッヘル)基地となっている。
なおエンデュミオン基地などはプラントとの戦争が勃発した際に急遽鉱山採掘基地などを軍事基地化したものである。
余談だが月には月統一国家主義者という文字通り月面都市すべてを統一した国家を築くべしというよくわからない主張の人々が存在している。
CE30年代頃に流行った思想であり、テロも同年代に起きている。
現在では沈静化しており、この手の主張をする人々は月でも厄介者扱いされている少数派である。
コペルニクスの悲劇の主犯ではないとかとまことしやかにささやかれているが犯行声明らしきものもないため真実は闇の中である。
現在のザフト地上軍は大まかに四つに分かれている。
南米方面軍、欧州方面軍、アフリカ方面軍、コーカサス方面軍である。
この中で最も規模が大きいのがアフリカ方面軍であり、次点でコーカサス方面軍。
南米方面軍は大西洋連邦の戦力を誘引することが主目的であるため上記の二軍団と比べ戦力自体は半分ほどであり、欧州方面軍は経済封鎖と定期攻撃、コーカサス軍団の援護が目的のため2/3ほどの戦力である。
作中の援軍は新規の訓練・編成が完了した兵士たちが中心であり、地上に降ろされた際は各方面軍に割り当てられている。
また親ザフト諸国・組織へ早期にMSを提供したため戦力的には原作よりもずっと余裕がある。
また宇宙においての戦闘、通商破壊などを合わせてこれだけ戦えているのは原作と比べ三倍以上になった7000万という人口がいるからである。
しかし、その点食料生産という点では必要性が膨らんでおり、戦時中では食料生産が優先されるため嗜好品が少なくなっており、上層部を悩ます問題である。
現状では地球において幾つかの親ザフト政権を打ち立てたことによる食糧・空気・水、そして嗜好品の補給が届き、大戦初期よりも食糧事情、嗜好品事情はずっと楽になってきているが逆に補給路の護衛にも戦力を割かなければならずザフトへの軍事的な重荷の一つになってしまっている。
また大洋のMSの登場による危機感からザフトのMS開発も進んでおり、宇宙ではシグーディープアームズが既に稼働試験中である。
ザフト技術陣は月での戦闘においてハイマニューバやシグーはともかくノーマルのジンでは大洋のMS相手に手こずった事実を重く受け止めており、更なる高性能機の開発を推し進めている。
なお作中に登場したコーカサス方面軍司令官アルフリード・ガラントはロボットアニメバディ・コンプレックから引っ張ってきたキャラクター。
原作では主人公のライバル部隊の指揮官をしていた。
ザフトは大部隊の指揮をとれる名ありキャラが少なくて困る…
455: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 20:00:50
大洋からもたらされたミノフスキー式核融合炉と新理論は徐々に…しかし確実に物にされており、各国のエネルギー事情を下手すれば戦前以上に変えていた。
コーカサスの決戦において新ソ連・東アジアの合同軍が常識外れの戦力を集められたのは融合炉普及開始に伴うエネルギー事情の改善とそれによる輸送路の復活によって、大兵力を素早く移動させることが可能になったからである。
大洋においてはMSの試験と開発が進んでおり、精鋭を乗せたMS部隊はボサングアの戦いにおいて地上仕様のザニーとガンキャノンで活躍し、貴重な重力下における運用データを獲得している。
なお機動性ではバクゥに敵わなかったが単純な出力で打ち勝っていたため、大洋MS隊の異常な練度も合わさり、ジン及びジンオーカー乗りなどからは大洋のクレイジー(狂人)部隊と恐れられていた。
例:バクゥ相手にガンキャノンで真正面から突っ込んで攻撃をジャンプで避け、そのまま空中で回転し頭上からキャノンの砲撃で撃破。
ザニーでジン三機相手に先手取られてから攻撃避けて580m一撃一殺余裕でした。
撃破したジンオーカーをそのまま盾として持ち上げ敵に突撃。そのまま盾(ジン)を投げつけ敵を撃破。
ここなら当たらないだろうと空中で安心していたディンを3000m離れたところからキャノンの見越し射撃で撃破。
武装の全てを失ったザニー相手にジンで接近戦仕掛けたらわけが分からないうちに投げ飛ばされて戦闘不能にされた。
なお上記のパイロットたちは全員非NTである。つまりはノーマル。
大洋連合アフリカ先遣隊MS部隊の指揮官の名は北村 海大尉(カイ・キタムラ)
まるで南極条約のようなものが結ばれてしまった。
停戦期間が一月半という半端な期間になったのは元は年明けまでの期間を望んでいた連合側とさっさと攻撃を再開したいプラント側のすったもんだな議論の末である。
遂に登場ガンダム。え、出番これだけかって?
すまんが今回はこれだけなんだ。
ジムも出る予定だったって?すまない…そこまでいかんかったよ…本当に申し訳ない(メタルマン)
次こそは活躍する!…はずです…
プラント上層部「きついきつい…」
民衆「おら、もっとやもっと!」
理事国「そろそろ(融合炉のおかげで)温まってきたぜ」
大洋「難民やら復興やら支援やら月戦線やらで遅れたけどそろそろ本気出せる」
456: トゥ!ヘァ! :2017/01/02(月) 20:02:18
投下終了
年末年始と遅れてしまったのはパラドのステラリスをやっていたからなんだ…すまない…(龍殺し騎士並感)
そして今気づいたがジャンク屋の事情のことも書き忘れていた(汗
次回あたりにザニーやガンキャ、ガンダムの設定と共に乗せてます。
誤字脱字修正
最終更新:2023年11月05日 15:48