315: earth :2016/12/18(日) 22:59:21
実験SSの続きを投稿します。
クロスSSでよく出てくる時空管理局の登場です。
管理局アンチにはならないと思いますが、なのはの性格が変わる
展開が嫌いな方は読まないことをお勧めします。
316: earth :2016/12/18(日) 23:00:05
銀河帝国も異次元人も発見していない世界は多い。
その無数とも言える世界の中には21世紀に極めて近い地球、魔法や超能力が存在する、或いは一部の分野(例:スポーツ)に限って超人的な能力を示す者が存在する地球など、三賢者がかつて住んでいた地球とは似ても似つかぬ地球が存在する世界があった。
地球ではない星に多くの知的生命が誕生し、独自の文明を築いていた世界もあった。
だが、それらの世界に人類に、いや人類を含め多く知的生命体に、身の毛もよだつ悪意が迫っていた。
「何だ、あれは?」
空を覆う黒い影に気付いた人々は空を見上げる。
しかしその直後に、彼らはその意識を永遠に手放すことになった。
遥か天空から容赦なく浴びせられる攻撃。それは地表に住まう人々を容赦なく焼き払ったのだ。
攻撃を受けても生き残った国々の中は、核兵器、或いは古の古代兵器など、彼らが持てる最大の攻撃力を以て、化け物共を駆逐しようとするがその大半は意味をなさなかった。
「こちらの攻撃が全く通用しないだと?」
最初の一撃から逃れ、地下施設から反撃に移れた大国の権力者たちは狼狽する。
「何なんだ、アレは?!」
司令部のモニターに映し出されたのは宇宙空間を遊弋する巨大な、そして醜悪な構造物だった。
巨大な、醜悪な構造物……銀河帝国が《宇宙怪獣》と呼ぶそれらは更なる追い打ちをかける。
「巨大物体からの攻撃が来ます!」
「何?!」
核戦争を想定して建設された地下施設は、天空から降り注いだレーザーの雨によって、砂の城のようにいともたやすく崩壊、いや消滅した。後にはクレーターと灼熱の大地が残るのみだった。
執拗な攻撃によって灼熱の星に変わった星も少なくない。
恒星間航行能力を有し、その技術力に見合う軍事力を持つ勢力、或いは強大な神、精霊などの庇護を受けた勢力は攻撃を退け、逆襲を仕掛けることもできたが……そのような勢力は多くはない。
かくして様々な世界で無数の人命が失われた。
317: earth :2016/12/18(日) 23:00:35
人生に一度しかない青春を謳歌、或いは将来のために必死に努力していた若者達、老い先短く、自分が死んだ後のことを考えていた老人たち。或いは様々な困難から人生に絶望し、自棄になった者。
様々な人間たちが予期もせぬ、そして不本意な最後を遂げることになった。
「これは酷い……」
時空管理局所属次元航行艦《アースラ》の艦長・リンディ・ハラオウンは第97管理外世界の様子に絶句していた。
彼らはある任務を帯びて第97管理外世界の近くを航行していた際、この異常に気付き、状況を確認するために訪れたのだ。
その彼らが見たのは地獄絵図と化した第97管理外世界、地球の姿だった。
「生存者は?」
執務官クロノ・ハラオウンの問いかけに対して、オペレーターからは否定的な回答しか戻ってこない。
それでもクロノは諦めない。
「次元航行技術を持った何者かが周辺を航行していたとの情報もある。生存者を探して、少しでも情報を収集したい」
時空管理局の管理する世界で見え隠れする謎の巨大物体。次元航行技術を有していると思われるソレの探索にアースラは当たっていた。
情報も少なく、こちらに攻撃を仕掛けてこないため、見間違いや非武装の密輸船かなにか、ゴシップ誌では幽霊船のように扱われているソレについての情報を少しでも知りたいクロノは危険を承知で地上に武装隊を送り探索と救助活動をすることになる。
その結果、彼らは奇跡的に一人の少女を救出することになる。彼女の名は《高町なのは》。
後に勃発した時空管理局と宇宙怪獣との戦争、いや生存競争において、《復讐の女神》としてこの少女は時空管理局部隊の先陣に立つことになる。
そこには三賢者が知る《原作》にあるリリカルな雰囲気はなかった。
そこにいたのは故郷を理不尽にも滅ぼされ、復讐を誓った一人の修羅であった。
かくして悪意は連鎖する。
その終わりがいつ来るのか……それを知る者はまだいなかった。
318: earth :2016/12/18(日) 23:01:52
あとがき
リリカル世界についてはあまり触れないと思います。
彼らは世界の守護者として踏ん張ってもらいましょう。
踏ん張ってくれるでしょう……多分。
最終更新:2017年02月08日 20:51