720: ham ◆sneo5SWWRw :2017/02/08(水) 23:09:47
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。



GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第13話 戦闘準備


1945年12月12日 特地 碧海沿岸のとある港街の外


「こっりゃまた・・・、絵に描いたような籠城戦の真っ最中だねぇ・・・」
「帰ります?」

指揮車の中で伊丹と倉田は、そう呑気に話していた。
一方で、桑原などは警戒を促すように伝え、隊員に緊張感を与える。
先の偵察行で対飛行生物戦闘での威力不足とこれまで進出していない地域への調査から、伊丹ら臨時編成捜索第3中隊は大幅な改編を受けていた。

重牽引車改造対空自走砲(Sd Kfz 9モドキに90mm高射砲を車載した車輌):2輌(乗員:20名)

六輪自動貨車(和製ZiS-151六輪全輪駆動トラックモドキ)
  • 投光器搭載車仕様(ウーフー。大型の赤外線サーチライトを装備。赤外線フィルターを外して通常のサーチライトとしても使用できる):1輌(乗員:5名)
  • 対空自走砲仕様(七〇口径40mm機関砲を1門装備):2輌(乗員:計12名)
  • 武装兵員輸送車仕様(ガントラック。12.7mmM2機関銃を4門装備。各車、120mm迫撃砲を分解状態で車載):2輌(乗員:計12名)

装輪装甲兵車(和製BTR-152六輪全輪駆動装甲車モドキ)
  • 指揮車仕様(荷台上部に屋根の骨組みのように大きなフレームアンテナを装備した通信強化型。12.7mm機関銃1門を装備。sd.kfz251/3を連想するとよい):1輌(乗員:5名)
  • 野戦救急車仕様(武装無し。重傷者発生対策):1輌(乗員:5名)

四輪駆動車(和製SASジープ。12.7mmM2機関銃を1門、7.7mm連装機銃を1基2門装備):1輌(乗員:計3名)

九二式装輪装甲車(九二式軽戦車の装輪装甲車改造型(本編第7話参照)。20mm機関砲と7.7mm機関銃を1門ずつ装備):1輌(乗員:3名)

計13輌、65名+テュカ・レレイ・ロゥリィの68名から成っていた。

全体的に対空火器が増強された形となっているが、それだけあの炎龍が厄介であることを物語っていた。
さすがに現地人に刺激を与えるのでは、と危惧されたが、この世界には大砲が無いためか、そこまで脅威に見られず、
また、途中で村や集落などに遭遇することが無かった(盗賊の跋扈と焦土作戦の所為)ことから、問題とはならずにいた。

ただ、今の状況ではそうとも言えないかもしれないが・・・

721: ham ◆sneo5SWWRw :2017/02/08(水) 23:10:18

『何者かーっ!?敵でないなら、姿を見せろっ!』

市壁の上で騎士らしき姿の男(ノーマ)がそう叫んで問いかけてくる。
伊丹はこのまま引き返すべきかレレイらに問うが、レレイがそれを拒絶する。
そして、

「私が、話をつけてくる」

と指揮車から降り出した。

「うぇ!?」
「ちょっと待ってよ!」

これに伊丹とテュカが慌てて止めた。
二人としても、誰と戦っているかは知らないが、戦闘中の街に行くのは非常に危険だ。
そこへ少女を単身で行かせるのは気が引けるし、なにより危険すぎる。
伊丹とテュカは危険を説くが、レレイはそれらを跳ね除ける。

「入れるかどうかは問題ではない。
 この場で、私たちが敵ではないことだけは理解させておきたい。
 このまま立ち去れば、私たちが敵対勢力だと誤認される恐れがある。
 場合によっては、追撃さえ受ける。
 さらに後日、この街を訪れることになったとしたら、また無用な戦闘になるかもしれないし、
 他の街にそのような情報が流布すると、伊丹達の今後の活動に差し障る」

こう言われては伊丹とテュカも納得せざるをえなかった。
結局、レレイに加え、テュカとロゥリィも行くことを告げ、『女の子三人だけ行かせるのはどうよ?』と、伊丹と憲兵の栗林、無線機を背負った富田が、小銃を置いて一緒に同行することとなった。

そして、門を叩いた伊丹が、勢いよく開かれた扉によって強打され、地面に仰向けに倒れた。


最初こそトラブルがあったが、要約すると、この港街は盗賊に襲われているらしい。
そして、街の上層部は今相対しているピニャ・コ・ラーダ第三皇女殿下と騎士数名を除いて皆さっさと逃げ出してしまったらしい。
ピニャは自身が指揮する騎士団を救援に呼んでいるが、それでも時間がかかるため、それまでで良いので、自分らを助けてほしいと申し出てきた。
ピニャとしては、あのロゥリィ・マーキュリーが居てくれれば、盗賊に対して一気に形勢が逆転できる可能性が有るし、街の人にも希望を与え、士気を大いにあげられるため、なんとしても助力が欲しかった。
一方、伊丹らは協力に吝かではないのだが、ピニャの指示内容に不満があった。
ピニャの要望では、一度破られている西門の防衛の担当となっている。
ピニャは、門と城壁で一度防ぎ、これを破られたら内側の柵で防ぐという方法に固執していることから、どうにも彼女は、城門が破られることを前提に戦術を構築しているかのように見受けられた。

「敵がそう都合よく動いてくれるとも限らないし、万が一、別の門から攻められたら事だ。
 こちらとしては西門の防衛は引き受けるが、加えて、別の門から攻められた場合に救援出来る様に遊撃も許可してほしい」

原作のように12+レレイらの15名だったならば、取れる選択肢も限られるためにピニャの要望に渋々了承する所であるが、その5倍以上かつ強力な戦力を持つゆえに、伊丹は(さっさと終わらせて帰りたいという魂胆もあるが)独自裁量権を強く求めた。
ピニャとしてはなんとか自分の指揮下に縛りつけたい思惑もあったが、ここで伊丹らの機嫌を損ねる訳もいかないし、グレイの助言から、伊丹の言うように敵がこちらの都合に合わせない可能性もあった。
たった60~70名程で大丈夫なのか?という不安もあるが、相手の盗賊もそこまで多くないこともあり、結果としてこれを了承することになった。

722: ham ◆sneo5SWWRw :2017/02/08(水) 23:10:51


1945年12月12日深夜 特地 デュマ山脈 第41飛行団仮設司令部及び仮設離着陸場


第31師団はデュマ山脈に進出後、同山脈に防衛ラインを気付くために展開を続けていた。
各種回転翼機を有する第41飛行団もこれを支援するため、司令部と部隊の半分ばかりを山脈の西側の開けた土地に離着陸場と司令部を仮設で設置し、人員や重量物の輸送などを行っていた。
また、同地から帝国の首都ウラ・ビアンカまで300kmまで迫れるため、航続距離が固定翼機より劣る回転翼機にとっても、もしもの首都攻撃に際しての根拠地として同地は都合が良かった。

そんな第41飛行団の派遣部隊では、出撃準備が急がれていた。
第3偵察隊からの救援要請を受けたからである。
なんとか航続距離圏内ということもあり、回転翼機部隊である彼らにも出撃許可が下りていた。
また、アルヌスでも固定翼機部隊が出撃準備を急がせている。
まぁもっとも、指揮官のほうはというと・・・

「大音量スピーカー!」
「各機、用意してあります!!」
「オープンリールテープ!」
「セット完了!!」
「曲は!?」
「ワーグナーのワルキューレの騎行、第3幕「岩山の頂き」の序奏です。勿論、音源は・・・」
「パーフェクトだ用賀中佐!」
「感謝の極み!!」

などと小芝居でもするかのよう健軍と用賀がやり取りをしている。
これには一部常識人が頭痛を覚えるが、いつものことだと割り切る。
一方、観戦武官として同行を続けているキルゴア中佐はというと・・・

「困りますよ、中佐」
「いいじゃないか、これぐらい!」
「ですが、戦闘に行くんですよ」
「それがどうした!目的地は港街というじゃないか!俺は何が何でもサーフィンをするんだ!!」

相変わらずの『大好きなサーフィンをしたい病』が発症し、自前のサーフボードを何としても持って行こうとし、日本側の担当官と揉めていた。

いささか緊張感のないやり取りではあるが、それでも平常運転と言えた。
この後、彼らは黙示録を作るのだから・・・



以上です。

まだ戦闘には入らず、今回は準備回となりました。
ですが原作と違い、伊丹らが大幅に増員されているため、別の門から攻められても救援に駆けつけられるようになりました。
まぁ、これだけ増強されているからね。

健軍と用賀とキルゴア中佐は相変わらずですw
キルゴア中佐は念願のサーフィンが出来るために、気合が入っています(気合を入れるところが違うけどw)。

今回はここまで。
リアルの関係、そして他にネタを抱えている関係上から、GATEネタはまだ期限未定長期休載になりがちですが、今後もよろしくお願い致します。

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最終更新:2025年03月05日 17:06