583: ナハト :2016/12/13(火) 20:09:59
今日、特命で501へ行くことになった。なんでも地中海における人類の勢力圏を左右する重大な任務だとか
そのため、Ju52に乗って移動するわけなんだが、連日の任務で凄い疲れ果てて、眠い
「マルセイユ大尉。ゆっくり寝ててもかまいませんよ。目的地近くもしくは何かあれば呼びかけしますから」
「そうか、よろしく頼む」
私はその言葉に甘えて、ゆっくりと斬鮫を抱きながら眠る
どれだけ眠っただろうか。安定した振動が続くなか
「マルセイユ大尉。501基地に着きましたよ」
「んっ。ご苦労。着陸してくれ」
そういうと、Ju52は見事な腕前を持って着陸した
タラップが降りて外に出ると、太陽がまぶしい
と、外には多くの人が集まってきて、中には懐かしのバルクホルンやエーリカがいた。
私は彼女達に自信満々に
「私はハンナ・ユスティーナ・マルセイユだ。よろしくな」
それにしても、扶桑の子は制服が違うようだが、変わったのだろうか?
それから、移動して講道室に集まった。
まずはJFW501司令官のミーナ・ヴィルトケ中佐から私を紹介される
ミーナの自己紹介に私は胸を張る。
しかし、なぜライトニングフォックスメンバーの一員であるという紹介がないのだろう?
そして、作戦内容が公開されたが、ネウロイのドームに覆われたマルタ島解放作戦であり
501と戦艦が陽動に出て私とバルクホルンが潜水艦で水路からドーム内に侵入しネウロイのコアを破壊し
マルタ島を解放するというのが作戦であると
私はそれを聞き、歴戦のバルクホルンなら信頼できると伝えたうえで、いくつか作戦についての事を
質問する。返答してきた答えは満足すべきものであり、これ以上言うことはなかった。
ただ、なんでバルクホルンとエーリカは変な物を見るかのように私を見ていたんだろう?
作戦会議が終わり、雑談に入ったのだが、扶桑のウィッチ坂本少佐が私の刀を指さして
その刀を見せても良いか?と聞いてきた
私はそのお願いに快くきいて、その刀を抜いて一目見るなり
突然土下座をして、この刀を譲ってくれ、お願いだ!!と言ってきた。
その刀は師匠から戴いた大切な刀であるから、断ったが、それでも何度もお願いしてくるものだから
断るのも苦労した。
坂本少佐は口惜しそうにしながらも、その刀はどこで戴いたのか?と聞いてきたのだから
わたしは、扶桑で修行してきて。その師匠から戴いたものであると胸を張って答えた
その答えに若いウィッチの子供たちがへーと感心していて。
それにしても、なんでエーリカとバルクホルンは扶桑で修行をしたと聞いた時に
あり得ないという顔としていたんだろう?彼女達も私が扶桑で修行をしていたと聞いていたはずなのに
私はふと思い出したかのようにエーリカに声をかけた
「そういえば、お前柏葉剣付騎士鉄十字章貰ったんだったな。約束通り私と戦って良いぞ」
私は約束を果たした積もりで言ったのだがエーリカは訝しげな表情で
「えーっ。なんでハンナと戦わないといけないのさ。やらないよう」
「なん・・・・だと・・・・?」
あの戦いたがったエーリカが断わるだと。
私はしばらく考えたがある結論にたどり着いた。
(そうか・・・・エーリカは大人になったんだな。私に拘りを固執しないようになったんだ。私は嬉しいぞー)
一人うんうん頷く私をエーリカが気持ち悪い者を見てる事に気づかなかった。
翌朝
朝早く起きた私は斬鮫を持って朝の鍛錬をする。
師匠の教わった通りに斬り、突き、払いという基本を何度も何度も繰り返す
何度も繰り返してると、坂本少佐に声かけられた
ぜひ、一度手合わせていただきたいと
私も手合わせたかったところだから、快諾して
斬り結ぶ・・・・
584: ナハト :2016/12/13(火) 20:10:44
いやあ、白熱した戦いだった。
坂本の腕前はかなり物で、わたしが半歩早くなければ負けてただろう。
それよりも朝食だ。
朝食は扶桑の子が作ってくれた扶桑料理だ。
扶桑の子はどの子も美味しい料理を作ってくれるから、婿を取るなら
扶桑の人もいいかもしれんなあ
食べ終わったら連携訓練だ
ストライカーユニットは輸送が出来なかったので現地にあるBf109Gに乗ったが
かなり重たい機体だ。いつも乗り慣れてる飛燕の方がよかったな
それでも、10分あれば、機体特長をマスターして、使いこなせるようになったけどな
バルクホルンとの連携は文句なしのレベルだった。
訓練が終わり、作戦まで自由時間となったので
私が部屋で斬鮫の手入れをしてるとノック音がした。
私が「どぞ」と声をかけると入ってきたのはバルクホルンだった。
バルクホルンは部屋に入ってからモジモジとしていて面白かったが
意を決したかのように大声を出す
「スマンが!サインをくれ!妹が欲しがってるんだ!」
「サインか・・・・私のサインは高いぞ?」
「ぐっ!やはり!貴様はそういう性格だったな!」
「まあまあ、待てよ。サインはしてやるよ。代わりに」
机の上に置いてあったものを取り出す。
「私とチェスをやって勝てたらな。昔みたいに」
こうしてチェスをやったが、当然私が勝った。
ぐぬぬぬと悔しがるバルクホルンにほれっと手をかざす
「・・・・その手は何だ?」
「妹さんが欲しいんだろ?私のサインが。だから書いてやるぞ」
「しかし・・・わたしはこうして負けたではないか!」
「いいよ。私は楽しめたんだから。それにサインで妹さんが元気になれるなら本望さ」
そういって、サインをして返したのだが、バルクホルンが大泣きしてガチビビった
どうしたのか?と聞けば、あの生意気なマルセイユが大人になって私は感動してる!!
と帰ってきた。解せぬ
マルタ島解放作戦当日
私達は数日前から潜水艦に乗って、密かに潜水しながら移動をしていた。
こうしてネウロイに発見されないためだ。たった数日の旅だが潜水艦とは面白い船であるな
なかなか退屈な時間が続いたがいよいよ目的地に着く
私はストライカーユニットと銃の点検を行い履いて待機する
反対側には同じようにバルクホルンが難しい顔で待機している。
この作戦について心配してるのだろうか
585: ナハト :2016/12/13(火) 20:11:26
やがて、艦内放送でまもなく水路を抜ける。
発艦準備せよと放送が入ると同時に、艦体が斜めに傾き急速に浮上しだしたのが分かる
そして、いよいよ時が来た
急速浮上による反動で船が揺れる中、艦内あちこちから男性が飛び出し
大急ぎ準備が進められる。そして、巨大なハッチが開放され光が入ってくる
後ろをチラッと見る。バルクホルンが言葉なく頷く
それを見た私はストライカーユニットの出力を最大にして、ロックを解除し発艦を開始する。
潜水艦から発艦するのはぶっつけ本番であったが、事故もなく発艦に成功した
続くバルクホルンも成功する。
私達が発艦するのを見届けた潜水艦は安全の為にハッチを絞めて急速潜航をするのが見える
と、上空に出れば、多くの小型ネウロイが群れてくるのが見える
私とバルクホルンは背中合わせにしながら、互い互いに小型ネウロイを破壊し
時には庇いながら、時にはバルクホルンを狙ったネウロイを落としながら、逆にバルクホルンが私を狙ったネウロイを落としつつ
二人はまるで踊るかのようにどんどん上昇していく。
そして、ネウロイのドームのコアを発見し、突進する。
それをみたわずかに残った小型ネウロイが集結し阻止砲火をあげるも
私はそれをスルスルとかわすと同時に斬鮫を抜き
小型ネウロイをすれ違いざま斬り落とし、その勢いのままドームのコアを斬り
返す刀で更に斬り、X字にできた傷の中央部を目にも留まらぬ突きを繰り出し
ネウロイのコアを破壊し、砕け散らす
こうして、マルタ島の解放作戦は成功裏に終わることができた
数日後
私はそれから、作戦に参加したことについての報告書をまとめ
知り合った、宮藤にアフリカに来ないか?と冗談まじりにいって、エーリカとバルクホルンに追いかけっこしたりと
楽しんできたが、ついにアフリカに帰る日となった。
多くの人が見送ってきて、更にサインが欲しがっている人が多かったので
私はそれに快く全部書いて、空へと旅立っていった・・・・
数十年後
ハンナ・ユスティーナ・マルセイユについて研究していた人がマルタ島にいた人は別人であるという説が上がった。
なぜなら、彼女は扶桑刀を振ったことなければ、持ったことはなかった。なのに彼女がその扶桑刀を持ち、当たり前のように使えている。
更には、この扶桑刀の入手方法もまた謎であった。
彼女がいたアフリカには扶桑のウィッチはいたが、彼女たちは射撃が得意で扶桑刀を持ってはいなかった。
陸戦ウィッチのマイルズも接近戦を使うとはいえ西洋のサーベル刀で扶桑刀ではない。
まるで魔法のように突然現れたのだ。
また、当時出会った人は大人のような女性・物凄く落ち着いていて冷静沈着だった・サインを快くしてくれた
などなどとそれまで、そしてこれからのマルセイユの人物像とはかけ離れている
よって、マルタ解放作戦に参加したマルセイユは別人であるという説が立ち上がったが、残された写真からは彼女の身体的特徴が同一人物、ネウロイを少ない射撃で撃墜出来たなどとマルセイユしかできないことをやってのけており
この謎は永遠に解けることはないだろう・・・・・
586: ナハト :2016/12/13(火) 20:13:28
終わり
第二期10話にライトニングフォックスマルセイユがまぎれたら?というお話です
なお、私が書く予定の
九曜ストパンのお話とは関係はございません。
誕生日会を期待してた人はごめんよ(´・ω・`)
最終更新:2017年02月12日 20:22