142: 影響を受ける人 :2016/12/31(土) 23:00:08
5:>>643様 九曜バルクホルンがフルアーマーユニコーン的な武装でマルセイユと共闘
ナハト様の2016年度マルセイユ誕生日祝いの設定を採用。
ちなみにアニメ未視聴です。
基地の一室に入れられ、尋問のような構図になっている。どうしてこうなった。
マルセイユは特務任務を受け、501部隊が展開している基地に向かった。
道中、普段の疲れが押し寄せて眠ってしまったわけだが・・・
後に、この時起きていればと後悔するようになる。
と言うのも、基地に着いた後が問題だったのだ。
かっこつけて飛び降り登場すると、「司令に怒られる!」「かっこつけるのは良いけど、雷落ちるよ?」と、何か心配させてしまった。
更に更に、紹介を受けている時に「あの、ライトニング・フォックス№1なのよ。」と言う紹介に首をひねり。
エーリカに勝負を挑んでみたら、物凄い勢いで食い付いてきた。
取りあえず勝負をしてみるとこれが中々強く、本気を出さないと危ない場面が何度もあった。
マルセイユとしては大満足の結果であったが、エーリカは大憤激。
「どうして刀を使わないんだ!」
「え?」
「本気を出す気も無いのか!!」
「えぇ・・・」
いや、扶桑刀なんて使った事無いぞ?
そう思い、弁明しようとするが、良いファイトに対して感想を述べるメンバーに遮られてどうにもならない。
困り果て、どうしようと頭を書いていると・・・見知らぬ女性が現れた。
「あ、司令!」
「御婆ちゃんだ。」
「いや、ミーナ。今はお前が司令だろうに・・・」
ミーナが女性に対して突っ込みを入れつつ、扶桑の少女の親戚かと思った。
容姿は似ていない。ただ・・・印象は“白”。
病気的なまでに白い肌と髪に驚くと同時に、その女性が自分に対して僅かな怒りを向けていることに気が付いた。
だがそれも目を合わせるまでの話。
女性がマルセイユの目を見た瞬間、そのまま目の前まできて顔を覗き込んで言った。
「お前は誰だ?」
「む。私はハンナ・ユスティーナ・マルセイユだ。」
「・・・そうか。」
上から目線の問いに機嫌を悪くしたのだが、女性はどうした物かと頭を掻く。
ミーナとしては突然の元上司の登場に、ちょっとアワアワしていたのだが、思わぬ様子を見て不安げに声をかける。
「あの、司令?」
「ミーナ。今日は只の挨拶のつもりで来たのだけど・・・」
ちらりとマルセイユを見て、
「この“マルセイユ”は、私の弟子ではない“マルセイユ”よ。」
と断言した。
この言葉を聞いた瞬間、一体の空気が凍り付いたように止った。
そして次の瞬間、叫び声が空間を支配したのだった。
そして現状に至る。どうしてこうなった?
―――――
「なるほど・・・」
“妖精のイタズラ”もしくは“神隠し”と呼ばれる、人が忽然と消える現象。
大抵それは事故に会ったり、昔だったら獣に襲われたりで発生する事が主。
しかしこの世界では実際に、次元が歪んで人が入り込んでしまう。
と言う事が有るらしい。
「司令。とすると・・・彼女は?」
「同時刻、同高度、同速度で同じ位置を飛行していた飛行機、ピンポイントでマルセイユだけが入れ替わったのでしょう。」
「でなければ、帰投した飛行機とパイロットが混乱しているはず・・・ですか?」
「ええ、そうよ。」
143: 影響を受ける人 :2016/12/31(土) 23:00:54
確かにそうだろう。あのあと何の問題も起きなかったのだから。
入れ替わったのは“マルセイユ”ただ一人。とすると・・・作戦自体が危うくなるんだけど。
「ミーナ。作戦は?」
「あ、はい。作戦は囮で敵戦力を誘引し、強力な一撃で持って殲滅する。
良く使われる単純なモノです。」
対ネウロイ戦争において、使い古された戦法ではある。
しかし確実で、信頼のおける戦法でもある。
相手側に指揮官型ネウロイ、もしくはベテランネウロイが含まれていない事が条件だが。
上記のネウロイはごくごく限られた数しかいない為、それほど考慮に入れなくていい。
「とすると・・・」
九曜の視線がマルセイユを見る。
視線の先の彼女は、話を聞いて完全に蒼褪めてのいるのがわかった。
「・・・あの、いいかな?」
「どうぞ。」
「私は・・・元の場所に帰れるのか?」
それは、切実な問題。
違う世界、知っているようで知らない同僚たち。
マルセイユは度重なる動揺に、完全に参り始めていた。
これが元の世界でなら、原作同様用の世界でなら何ら問題はない。
しかしここは知らない世界。不安は募るばかりだ。
「もどれますよ。恐らく。」
そんな不安を知ってか知らずか。九曜の答えはあっさりとしたもの。
一同の視線が九曜に向けられる。
「私の弟子となったマルセイユは、どんな行動をとると思う?」
「どんなって・・・」
九曜とマルセイユ以外の全員が、顔を見合わせる。
「まず。ハルトマンの挑戦を受ける。」←バルクホルン
「次に会議にでる。」←ハルトマン
「適宜質問をする?」←クロステルマン
「会議は素早く終了ね。」←ヴィルケ
「うーん・・・ 即席コンビだから調整カナ?」←ユーティライネン
「ライトニング・フォックスには、一度試合をしたいと思っていた!」
「あとは・・・ 大人しく待機、かな?」←宮藤
「強い人なら、作戦時間が短いと思う?」←リトヴャク
「有名人だから、サインをねだられるんじゃないか?」←イェーガー
「それから・・・帰ると思います。」←ビショップ
「だってー!」←ルッキーニ
流れるような回答に満足する九曜に対し、「それ、本当に自分か?」と言う疑問を浮かべるマルセイユ。
しかしそれがこの世界の自分だと思い、何も言わない事とした。
「ならばやる事は変わりありません。」
そう言い、
「貴方はどうしますか? 知らない場所だから、関係ない世界だから、無視しますか?」
そう問うと、問われた人物に対して十分な挑発となった。
―――――
作戦決行までの日程消化はスムーズに進んだ。
相方のエーリカは満足する技量を有しているのを知っている。
いつもロッテを組んでいるライーサと遜色ない。
いや。それ以上の実力をもって信頼できる。
とりあえず、何の問題も無く予定は過ぎ去った。
144: 影響を受ける人 :2016/12/31(土) 23:01:25
初の潜水艦乗り込みのちょっと興奮したりもしたが、発艦に際してはスピード勝負と言う事もあり少々焦った。
だが、船員は最大限の働きをして、無事にエーリカとマルセイユを飛ばす事ができ、無事に離脱していった。
ネウロイ側としては思わぬ敵の出現に慌て、急いで戦力を差し向けてきた。
それでも隙をついた攻撃と言う事もあり、かなり肉薄はしたのだが・・・
「こいつ等、アフリカのよりも固いぞ!」
「まあね。こっちの世界だと標準だよ。」
「この硬さが標準って、どいう事なんだ!!
あと、相手の体勢の立て直し方が早すぎる!!」
愚痴を言うのも仕方がない。
この世界特有の特徴。九曜葛葉と言う存在が、全体的にネウロイ側に対して危機感をあおる結果となっている。
その為より大口径、より沢山の銃弾、より長射程の銃が求められている。
通常戦闘機部隊の機関銃は、すでに口径20mmが標準化しつつあり。
多砲門でも、ブローニングM2の口径12.7mmが最低基準だ。
更に指揮官型ネウロイと言う、ベテランネウロイも脅威となっている。
見た目が同種と変わらず。紛れ込むとどこにいたのかわからない。
しかも攻撃が巧みで、連携もしてくる。
最近では一拠点に指揮官型が3体は必ず常駐しているのだ。
攻勢に出た指揮官型2体。防衛に残っていた1体。
それに翻弄されつつあった。
肉薄していた距離が、巧みな射撃と連携により、次第に距離が開けられていく。
「くそ! この状況も“作戦通り”なのが悔しい!」
上手く行けば自分が叩くつもりだったマルセイユが、悔しさに顔を歪ませて叫んだ。
そして・・・ 二方向からの囮に引っ掛ったネウロイ側の戦力が薄くなった場所に、
“切り札”が突撃して行った。
―なんだ?!―
それに気が付いたのは、攻勢から防衛に戻ってきた指揮官型1体。
それが頭を異常を発見した方向に向ける。
その視界の中に、盛大に煙を拭きながら突進してくる【何か】があった。
その【何か】は、猛烈なスピードで突進している。スピードにしてマッハ1は出ているはずだ。
―げ、迎撃しろ!―
―距離が遠すぎます!!―
―弾幕を張れ! とにかく近づけさせるな!!―
【何か】は慌てて張られた弾幕の中に突っ込み、あっさりと攻撃を弾き飛ばす。
指揮官型は思わず―んな、ばかな!―と愕然としたが、いくら射撃をあてても相手のシールドを貫く事ができない。
勢いを如何にか止めようと、更に射撃密度を上げる。
そしてその努力が実り、ようやく一発が後部に命中した。
―やった! ・・・ぁ?―
部下の一体が思わず喜んだのもつかの間、【何か】は、被弾した後部を切り捨てた。
バラバラに崩れて落下していく後部。
それに目もくれず、【何か】は今まで使用していなかった二つの円筒物体を起動し、突撃を再開した。
後部が全て脱落し、新たな円筒状物体で飛翔するそれは、腹這いになって抱えていたコンテナの外装も廃棄。
そして現れたのは多連装ロケットランチャー。
―やばい! 避けろ!!―
呆けていたネウロイ側だったが、すぐさま指揮官型が叫んで注意を促した。
だが反応できたのは極僅か。大多数のネウロイが動く事ができず。指揮官型が思い描いた最悪の未来が現出した。
すぐさま火を噴いた多連装ロケットランチャーは、ネウロイ達の中にロケット弾を爆裂させていく。
フリーガーハマーの改良型たる弾頭は、設計通りにネウロイを蹂躙していく。
爆発の衝撃。砕け散る仲間の絶叫。狂乱とかしたネウロイ達は逃げ回るので精一杯
145: 影響を受ける人 :2016/12/31(土) 23:02:15
その蹂躙は短い時間だった。だが、その真っ只中を【何か】が妨害も受けずに突撃して行く。
とにかく短時間で、大量の火力を叩き込むことを念頭に置かれた装備は、操作していたウィッチがさっさと投棄して自らの重量を軽くする。
「ふぅ・・・きつかった。」
【何か】を構成している中心人物。ゲルトルート・バルクホルンは、音速で飛翔して着かれた体を労いつつ体勢を何時も通りに変える。
同時に銃器を取り付けた三枚の盾。九曜が送った装備、※【白甲盾(はくこうじゅん)】に縦横無尽に念動領域内を飛び回り始めた。
「さて。潰させてもらおうか!!」
倉崎特製ガトリング砲を二門構え、トリガーを引き絞り、同時に【白甲盾】の銃器も発砲を開始し始める。
僅かながら立て直しに成功した指揮官型が、猛攻を阻止せんと攻撃を仕掛けるが・・・
攻撃が当たる面に対して【白甲盾】が向かい、シールドを自動展開して防ぐ。
あんまりな光景に士気が落ちそうになるが、果敢に攻め立てる。
しかし・・・
「その程度の火力で、私を止められると思うな!」
バルクホルンの猛攻は止まらない。
バズーカが、機関銃が、フリーガ―ハマーが、グレネードが、あらゆる火器が火を噴き、辺り一面を蹂躙していく。
その光景を見ていたマルセイユは、冷や汗をかく。
「なんだ、あれ・・・」
「この世界のゲルトはね。綽名がいくつかあるんだ。」
「・・・ちなみに?」
「一番多いのは“飛行戦艦”、“ヘカトンケイル”かな?」
バルクホロンの戦闘光景から付けられた綽名であろうが、まさにそれを体現している。
戦艦の様なハリネズミ攻撃。
ヘカトンケイルの様に大量の腕でもって操っているかのような姿。
ネウロイがかわいそうに見えてくる。
マルセイユから化物を見るかのような目で見られていることなど知らないバルクホルンは、計画通りに目標に到達した。
残った高火力兵器を叩きつけて外装を破壊すると、愛銃であり愛剣である【ヴァール】を引き抜いた。
「砕け散れぇぇぇ!!」
超重量兵器である【ヴァール】に、ネウロイのコアはアッサリ破壊された。
それに伴い、一斉にネウロイ達は撤退に移る。
防衛目標が無くなった以上、ここに留まる理由など存在しない。
殿はバルクホルンの一撃を受け、再生がおぼつかない古参の指揮官型が率いる精鋭中型2体・小型15体。
―せめて、貴様等だけでも葬る!!―
帰還を放棄した彼は、疲弊しているマルセイユに狙いを定めた。
九曜が司令だった時期に薫陶を受けた501部隊は、ライトニングとバーニングほどではないが原作よりも能力共に体力、魔力量も向上している。
それがないマルセイユは、すでにへばり始めていた。
「やば!」
攻撃を受け、狙われていることに気が付いたが射点をずらし、攻撃をいなすしか方法が無い。
エーリカの方を見れば、4体掛かりで抑え込まれている。
1VS13。弾薬も乏しい現状、どう考えても詰みつつある。
しかしそれでも・・・
「私は、元の世界に帰るんだ!!」
銃を構えて突撃して行く。相手も後が無い事くらいわかる。ここからは根気の勝負。
だと思っていたのだが・・・
146: 影響を受ける人 :2016/12/31(土) 23:02:59
「殲滅する!」
中型2体を猛烈な火箭がからめ捕り、粉砕していく。
すぐさま残ったネウロイ達は散開し、厄介な敵がこちらに向かってきたのを確認した。
「大丈夫か?」
「・・・大丈夫だ。」
「何むくれているんだ?」
「別に・・・」
せっかくの覚悟を、目の前で粉砕されて不機嫌になのであるが、助けた本人は二が何やらわからない。
残弾残り少ないガトリングの調子を確かめつつバルクホルンはマルセイユの隣に並ぶ。
「さて。残り11体か。競争でもするか?」
「こっちのバルクホルンは冗談を言うんだな。」
「冗談ではない。とりあえず私が欲しい報酬はおまえのサインだ。
妹の、クリスのお願いなんだ。」
「なんでそれなんだ? 私はこっちの“マルセイユ” じゃない。」
「そうだな。だが、“マルセイユ本人のサイン”である事は変わりない。」
「ぶっ! それでいいのか!?」
「かまわないさ。それで?」
マルセイユは不敵に笑い、銃を構え直した。
「もちろん受けるさ!」
「いい返事だ!」
―――――
作戦は無事成功裏に終わり。マルセイユは無事に帰路につく事ができた。
一応“この世界のマルセイユ”が行う対応をして、「私はサインをあまりしないのに・・・」と嘆いていたがどうでもいい。
この世界の人物たちからお土産を沢山もらい、今生の別れと知りつつも笑顔で基地を去った。
そして眠気が唐突に襲ってきて・・・目を再び開ければ、そこは見知った基地。
帰ってきたのか? それともそのままか?
お土産を荷台に乗せて加東圭子たちが待つ基地に戻る。
道中、気が気でなかった。もし戻っていなかった場合。自分はどうすれば良いのか判断できなかった。
そして、無情にもトラックは元基地に到着してしまう。
恐る恐る地面に降り立つと向かいに現れたのは加東圭子。
そして何時ものメンバーが現れ、帰還を労ってくれた。
優しい温もりに涙がこぼれそうになる。話に聞いていた人物たちがいない。
それを何度も確認し、元の世界に戻ってきたと判断し始め。
何時ものテントに戻る前に圭子に聞いた。
「狐狸部隊って知っているか?」
「え? なにそれ。しらないけど?」
振り向いた加東圭子の表情は・・・困惑の表情。
その目には、だますような要素は無かった。だから腰が抜けるほどに安堵した彼女に対し。
周りが心配して駆け寄る。泣きじゃくり始めたマルセイユを、何とかテントに入れて話を聞いてみた。
滑稽無糖な話に全員が笑い飛ばしたが、マルセイユは証拠を引っ張り出す。
まずは写真。501部隊と共にとった写真に写る九曜葛葉を見せる。
それでも信じないならば、あちらの標準的な扶桑刀を見せる。
最後に極めつけは・・・
「みゅ~」
「「わ、かわいい!!」」
「みゅ! みゅぅぅ!!」
チビ九曜の召喚と説明だった。
これによりマルセイユがとんでもない経験をしたことがわかり。
更に伝え聞いたこの世界の“マルタ島作戦に参加したマルセイユ”の話を聞いて全員が顔を引き攣らせたという。
これを公表しても誰も信じない事実。
それは、この事実を知る面子のなかで伏せておくこととなった。
以上です。
裏話的な物に仕上げてみました。
一応共闘はしたよ! 文才無いから端折ったけど!! 憂鬱要素ほとんどないけど!!!
あと、来年もよろしくお願い致します。
目標:来年こそ、零編を終わらせるぞ!
口径修正
最終更新:2017年02月12日 20:43